米主導の有志連合がシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年2月1日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月1日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(2回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 2, 2016などをもとに作成。

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Oxfamはシリア紛争に対する富裕国の支援額、受け入れ表明難民数の一覧をまとめた報告書を発表(2016年2月1日)

英国の支援団体Oxfamは「シリア危機の公正な分担に関する分析2016」(Syria Crisis Fair Share Analysis 2016)と題した報告書を発表し、富裕国による支援額、受け入れを表明した難民数の一覧を発表した(https://www.oxfam.org/sites/www.oxfam.org/files/file_attachments/bn-syria-fair-shares-analysis-010216-en.pdf)。

同報告書によると、2015年の各国の拠出総額は推計で89億米ドルだったが、この額は国連、赤十字国際委員会などが必要だとしてきた額の56.5%に過ぎなかった。

また各国が受け入れ表明した難民の数は12万8,612人に過ぎず、Ofxamが2016年末までに受け入れを求めている46万人には到底達していないという。

Oxfam, February 1, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はフランス軍の無人航空機を撃墜したと発表(2016年2月1日)

アレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信が、マンビジュ市西方でダーイシュがフランス軍の無人航空機を撃墜したと発表、残骸の写真を公開した。

Kull-na Shuraka', February 1, 2016
Kull-na Shuraka’, February 1, 2016

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市各所を空爆した。

また、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がスィーン村、タイバ村の農場地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がタドムル市西部の採石所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、スード丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)を空爆などで攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局は声明を出し、タドムル市西部ドゥーワ地区のシリア軍拠点を攻撃し制圧、またフルクルス・ガス社のパイプラインを破壊したと発表した。

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ラッカ県では、ARA News(2月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がユーフラテス河畔のティシュリーン・ダム一帯およびアイン・イーサー市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。 

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、February 2, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がヌスラ戦線との交戦の末にアレッポ市北部のドゥワイル・ザイトゥーン村、タッル・ジャビーン村を制圧する一方、反体制武装集団はダマスカス郊外県ダーライヤー市・ムウダミーヤト・シャーム市間で反転攻勢(2016年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のドゥワイル・ザイトゥーン村一帯でシリア軍、国防隊、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地一帯の大部分を制圧した。

またこの戦闘と合わせて、戦闘機(所属明示せず)が同地一帯およびフライターン市、アナダーン市、ラトヤーン村、バーシュカウィー村、アレッポ市カースティールー地区などを40回以上にわたり空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍が、アレッポ市北部のドゥワイル・ザイトゥーン村、タッル・ジャビーン村をシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦の末に制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、バヤーヌーン町、フライターン市一帯、アレッポ市シャイフ・ルトフィー地区、ラーシディーン地区でヌスラ戦線の拠点を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍およびロシア軍戦闘機がハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ダイル・ハビーヤ村を空爆、またシリア軍がダーライヤー市一帯を砲撃した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、反体制武装集団はダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市を結ぶダーライヤー市西部一帯などでシリア軍と交戦し、複数の建物群を奪還した。

さらに、クッルナー・シュラカー(2月1日付)によると、シリア軍とヒズブッラー戦闘員がマダーヤー町とともに包囲下に置いているブカイン市を砲撃し、迫撃砲複数発が小学校に着弾し、子供7人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がロシア軍士官の指揮のもと、クルド山、トルクメン山一帯で、海岸第2師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団などのジハード主義武装集団との戦闘を続けた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がウンム・シャルシューフ村、ガルナータ村を7回にわたり空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がヒルブナフサ村一帯を20回にわたり空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がサルマーニーヤ村でファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県フーア市、カファルヤー町の人民防衛諸集団とアル=カーイダ系のファトフ軍が捕虜交換(2016年2月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フーア市、カファルヤー町に残留する地元住民(人民防衛諸集団、国防隊)が同地の包囲を続けるジハード主義武装集団(ファトフ軍)と捕虜交換を行い、武装集団は地元の女性住民を含む人質18人を解放、これに対して地元住民側は捕捉していた戦闘員27人を解放した。

この捕虜交換は、昨年半ばにイランの仲介で実現したシリア政府とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団との停戦合意に基づく措置で、地元消息筋によると、ハマー県カルアト・マディーク町一帯で身柄引き渡しが行われたという。

なお捕虜交換と合わせて、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員の遺体35体と人民防衛諸集団隊員の遺体33体の交換も行われたという。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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米大統領特別大使代理マクガーク氏が西クルディスタン移行期民政局実効支配入り:「自治はあなた方の権利だ。なぜなら、あなた方は過激派ダーイシュと戦い、彼らをこの地域から放逐したからだ」(2016年2月1日)

米大統領特使ブレット・マクガーク氏が西クルディスタン移行期民政局実効支配下のアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市を訪問し、同民政局人民防衛隊主体のシリア民主軍幹部と会談した。

複数のクルド筋がAFP(2月1日付)に明らかにしたところによると、マクガーク氏は、英仏両国の高官とともに現地入りし、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「軍事計画」について主に意見が交わされたという。

会談には、シリア民主軍の幹部に加えて、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区、コバネの代表も参加、米国高官から「自治はあなた方の権利だ。なぜなら、あなた方は過激派ダーイシュと戦い、彼らをこの地域から放逐したからだ。将来のシリアは民主的な国となり、クルド人民の権利が尊重され、そのことはシリアの新憲法でも保障されるだろう」との言葉を受けたという。

米匿名高官によると、この訪問は、マクガーク氏のもとで進行中の有志連合によるダーイシュへの圧力強化の一環として行われたものだというが、その詳細については明らかにしなかった。

なお、シリア人権監視団によると、マクガーク氏らは1月31日にヘリコプターでハサカ県ルマイラーン町近郊の農業用飛行場に入り、同地からトルコ国境に近いアイン・アラブ市に向かったという。

この農業飛行場は米軍が滑走路などの拡張工事を完了させたばかり。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表とシリア政府の個別会談が延期される一方、最高交渉委員会の代表団はデミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表との会談で「人道面での進展」を要求(2016年2月1日)

2月1日に予定されていたスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表とシリア政府の代表との個別会談が延期された。

会談は2日に行われる見込み。

『ハヤート』(2月2日付)によると、延期の理由は不明だが、複数の国連消息筋によると、リヤド最高交渉委員会の代表団に、イスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏が交渉責任者として、またアスアド・ズウビー准将が団長として残留していることに対して、シリア政府側が慎重な姿勢を示していることが背景にあるという。

シリア政府代表団との会談はシリア時間で12時、反体制派代表団との会談は18時に開催される予定だった。

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一方、デミストゥラ共同特別代表は、31日晩にスイスのジュネーブに到着したリヤド最高交渉委員会の代表団と会談した。

『ハヤート』(2月2日付)などによると、会談でリヤド最高交渉委員会の代表団は、シリア政府との間接交渉に入る前に、人道面での進展を求めたという。

交渉団の団長を務めるアスアド・ズウビー准将によると、デミストゥラ共同特別代表との会談では「3点、すなわちロシア軍による革命家の(支配)地域への攻撃停止、シリア軍および民兵によって包囲されている地域の封鎖解除と物資配給、女性や子供などの逮捕者の釈放」のみが話し合われたという。

Naharnet, February 1, 2016
Naharnet, February 1, 2016

『ハヤート』(2月3日付)によると、リヤド最高交渉委員会の報道官を務めるサーリム・ムスラト氏は「我々にとって三つの問題が重要だ。第1に都市の包囲解除、第2に逮捕者釈放、第3にロシア軍機そして政権による民間人への攻撃停止」と述べ、これらの問題にシリア政府が対処することが交渉の前提条件になるとの姿勢を改めて示した。

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リヤド最高交渉委員会の代表団とデミストゥラ共同特別代表の会談の数時間後、国連は、シリア政府がダマスカス郊外県マダーヤー町への新たな人道支援物資の搬入に同意したと発表した。

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ロシア国防省は、ロシア軍機が領空侵犯したとするトルコ政府の主張を「幻想」と一蹴(2016年2月1日)

ロシア軍のSu-34戦闘機がトルコ領空を侵犯したとするトルコ政府の非難については、トルコ側が侵犯が行われた地域、侵犯したとされる戦闘機の飛行高度、航路、速度など一切の証拠を示しておらず、「幻想」に過ぎないと反論した。

トルコ外務省は1月30日、ロシア軍戦闘機が29日にシリアとの国境に近いトルコ領空を侵犯したと発表していた。

なお、シリア人権監視団は30日、ロシア軍と思われる戦闘機がトルコ国境に近い県北部にあるダーイシュ(イスラーム国)支配下のトゥルクマーン・バーリフ村、ガイラーニーヤ村、タラーリーン村を空爆し、ダーイシュ戦闘員1人を住民複数人が死亡したと発表している。

ロシア軍と思われる戦闘機が空爆した村はトルクメン人(トルコ系住民)が多く暮らす村で。

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ロシア空軍の先週1週間のシリアでの出撃回数は468回、対する米主導の有志連合は73回(2016年2月1日)

ロシア国防省は、シリア駐留ロシア軍戦闘機(Su-24M、Su-34)およびロシア領内から出撃した長距離爆撃機Tu-22M3の先週1週間の出撃回数が468回に達し、アレッポ県、ラタキア県、ハマー県、ヒムス県、ダマスカス郊外県、ラッカ県、ダルアー県、ダイル・ザウル県内の「テロリストのインフラ」1,354カ所を攻撃、ダーイシュ(イスラーム国)など反体制武装集団戦闘員70人以上を殲滅したと発表した。

このうち長距離爆撃機Tu-22M3はダイル・ザウル県でダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリア軍を支援するために出撃し、同県のダーイシュ拠点23カ所に対して爆撃を行った。

なお、米国主導の有志連合による出撃回数は先週1週間で73回で、アレッポ県、ヒムス県、ラッカ県、ハサカ県で50回のミサイル攻撃、爆撃を行ったのみだったという。

また、シリア駐留ロシア軍による「人道作戦」の一環として、1月だけでダイル・ザウル市に対して200トン以上の食糧、医療物資をパラシュートで投下した。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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