米軍主導の有志連合はシリア領内で18回の爆撃を実施(2016年2月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月20日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して38回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は18回で、ハサカ市近郊(9回)、フール町近郊(5回)、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 21, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ県東部のザラーナ村一帯、ウンム・トゥライキーヤ村をダーイシュ(イスラーム国)から奪還する一方、シリア民主軍はハサカ県での攻勢を続ける(2016年2月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザラーナ村一帯、ウンム・トゥライキーヤ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

またダーイシュの支配下にあるバーブ市、カッバースィーン村、ブザーア村が空爆を受けた。

一方、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、火力発電所および同地周辺のトゥライキーヤ村、ザアラーナ村、ブラート村、タッル・アラム村、ミール・フスン村一帯を完全制圧した。

**

ハサカ県では、ARA News(2月20日付)によると、有志連合の航空支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマルカダ町に向けて進軍を続けた。

また、クッルナー・シュラカー(2月20日付)によると、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)が潜伏するアブドゥルアズィーズ山にグザイル村を空爆し、民家14棟を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(2月22日付)によると、有志連合がシャッダーディー市内でダーイシュ(イスラーム国)が拘置所として使用していた施設を空爆し、拘束されていた住民数十人が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯、マハッサ地区南部一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、February 21, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がラタキア県、ダマスカス郊外県などで反体制武装集団との戦闘を続ける(2016年2月20日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、シリア人、アラブ系・アジア系民兵とともに、ロシア軍士官の指揮下で第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2海外師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団とマフシャバー村、アイン・カンタラ村一帯で交戦し、同地を制圧した。

一方、SANA(2月20日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアイン・カンタラ村、マフシャバー村、キンサッバー町周辺一帯、カトフ峰、タルーカシー峰、ワティー・スィンディヤーナ峰などで反体制武装集団を掃討し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がラターミナ町一帯を10回以上にわたり、またムーリク市一帯を2回にわたり空爆した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がブスラー・シャーム市、サイダー町、アルマー町を砲撃、反体制武装集団と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がアルバイン市、タッル・ファルザート村、フーシュ・アシュアリー農場、フーシュ・サーリヒーヤ村、アフタリース農場、ハズラマー村、ウーターヤー町、ファダーイーヤ村、ナシャービーヤ町一帯を空爆した。

一方、ARA News(2月20日付)によると、アナトリア通信の特派員を名乗るマジド・ダイラーニー氏がダーライヤー市での戦闘を取材中に死亡した。

Kull-na Shuraka', February 20, 2016
Kull-na Shuraka’, February 20, 2016

他方、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がバイト・ナーイム村、ウーターヤー町でジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がタマーニア町、カフルサジュナ村、アブー・ズフール町一帯で、ジュンド・アクサー機構やファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラターミナ町、アトシャーン村、ヒルブナフサ村、ラウダ村でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がダルアー市バジャービジャ地区などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がアレッポ市北西部の西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市などを越境砲撃する一方、トルコ領内から戦闘員がシリア領内に潜入(2016年2月20日)

アレッポ県では、ARA News(2月20日付)によると、トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の中心都市アフリーン市郊外のハマーム村、カルミーラク村、マアッルスィッカ村、ダイル・バッルート村、ジンディールス町、カフルジャンナ村、アルシュ・キーバール村、アフリーン市アシュラフィーヤ地区などを越境砲撃し、住民3人が負傷した。

またARA News(2月20日付)によると、トルコ軍の越境砲撃を受けるかたちで、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、スルターン・ムラード旅団、山地の鷹旅団、シャーム軍団などからなるジハード主義武装集団がアフリーン市郊外のダイル・バッルート村、ジンディールス町一帯に兵力を集中させ、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への攻撃を準備しているという。

同地に結集している戦闘員の一部はトルコ領内から25輌の車輌に分乗し、シリア領内に潜入したという。

一方、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導がアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、第16師団、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、反体制武装集団の砲撃などで住民3人が死亡、約30人が負傷した。

またアレッポ県北西部では、人民防衛隊主体のシリア民主軍がアイン・ダクナ村一帯で「米国の支援を受けた武装集団」を「米国製のTOW対戦車ミサイル」で攻撃し、戦闘員5人を殺傷した。

さらにシリア民主軍はタッル・リフアト市一帯でジハード主義武装集団と交戦し、後者の戦闘員2人が死亡した。

**

同じく、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、アレッポ市バニー・ザイド地区、ブスターン・バーシャー地区、アナダーン市、ハイヤーン町、バヤーヌーン町、マーリア市を空爆、同地一帯ではシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

また、ARA News(2月20日付)によると、第16歩兵師団、第1中隊、アレッポ作戦司令室が、アレッポ市ブスターン・カスル地区、サラーフッディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、アシュラフィーヤ地区でシリア軍と交戦した

これに対し、ARA News(2月20日付)によると、アレッポ作戦司令室、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線がタームーラ村のシリア軍拠点を攻撃した。

一方、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がファーフ村、スーラーン・アアザーズ町、バウワービーヤ村、シュワイフナ村、アブー・シャイラム村、アレッポ市ラーシディン地区、ライラムーン地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ウマイヤ・モスクの説教師「シリア軍とともに祖国を防衛するクルド人に敬意を表する」(2016年2月20日)

首都ダマスカス旧市街のウマイヤ・モスクでの金曜日の集団礼拝で、説教師のマアムーン・ラフマ師は、アレッポ県北西部でシリア軍とともに戦闘を続ける「クルド人住民」に謝意と敬意を表した。

ラフマ師は「シリア軍とともにアアザーズ、アレッポ、アレッポ県東部で我々の祖国を防衛するクルド人住民に敬意を表する」と述べた。

クッルナー・シュラカー(2月20日付)が伝えた。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リヤド最高交渉委員会委員長のヒジャーブ元首相は「国際社会がロシアの軍事行動停止を保障することを条件に停戦に応じると反体制武装集団が合意した」と発表(2016年2月20日)

リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は、国際社会がロシアの軍事行動停止を保障することを条件に停戦に応じると反体制武装集団が合意に達したと発表した。

ヒジャーブ元首相は「武装組織は、国際社会の仲介のもと、国際社会がロシア、イラン、宗派主義的民兵、傭兵が戦闘停止することを保障することを条件に、停戦に達する可能性があることを原則合意した」と述べた。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内での戦闘停止の目処が立たず、ISSG拡大会合が延期に(2016年2月20日)

スイスのジュネーブで予定されていたISSG(国際シリア支援グループ会合)拡大会合は、米・ロシアの代表が、シリア国内での停戦をめぐって合意に達したなかったことを受け延期された。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はジョン・ケリー米国務長官と電話会見を行い、トルコ軍によるシリアへの越境砲撃への対応やミュンヘンでのISSG(国際シリア支援グループ)諸国の合意の履行などについて意見を交わした。

『ハヤート』(2月21日付)によると、この電話会談で、ケリー国務長官は、ロシア軍による「無差別空爆」に懸念を表明したという。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

プーチン大統領「シリア紛争の政治的、外交的解決に向けた行動を続ける」(2016年2月20日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、「祖国防衛者の日」に合わせてクレムリンで演説し、「ロシア軍の活動はもっとも高く評価し得る」と述べ、シリアでの紛争の「政治的、外交的解決」に向けた行動を続けると表明した。

そのなかで「ロシア軍はシリアにおいて、民間人を救い、ロシアが敵とみなす者たちを殲滅している。彼らは勢力拡大の計画を隠すことなく、我が国の領内、そしてCIA領内で戦うとして、戦闘員を送り込もうとしている」としたうえで、「ロシア軍の活動はもっとも高い評価に値する。ロシア軍は困難な状況に置かれながらも、「テロとの戦い」に従事するシリア軍をはじめとする当事者を支援するために活動している」と賞賛した。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は戦闘停止の条件として、テロリストがその立場を強化せず、トルコなどがテロ支援を停止することを条件として提示(2016年2月20日)

アサド大統領はスペイン日刊紙『エル・パイス』(2月10日付、http://internacional.elpais.com/internacional/2016/02/20/actualidad/1455973003_241057.html)の単独インタビューに応じた。

インタビューは英語で行われ、英語全文(http://sana.sy/en/?p=70035)、アラビア語全文(http://www.sana.sy/?p=339402)、映像(https://youtu.be/MNLY5rbjarA)はSANAが配信した。

アサド大統領はインタビューのなかで、軍事作戦を停止するには「テロリスト」がそれに乗じて自らの立場を強化することと合わせて、トルコをはじめとする諸外国が「テロリスト」や武器の派遣、「テロリスト」へのあらゆる兵站支援を行うことを阻止することが求められると述べた。

またロシアとイランの支援がシリア軍の攻勢にとって本質的な役割を果たしていることを認めた。

SANA, February 20, 2016
SANA, February 20, 2016

 

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

**

「我々はシリア国内のいかなる地域においても制裁は科していない。特定の地域を制裁することと軍によって包囲することの間には違いがる…。(シリア軍が包囲を続けている)これらの地域における問題は、武装集団が人々の食糧や必需品を奪い、それらを戦闘員に与えたり、高値で住民に売っていることにある。政府としては、ラッカのようなダーイシュ(イスラーム国)支配地域であっても支援することを妨げてはいない」。

「(米国とロシアによる戦闘停止に向けた動きに関して)我々は用意ができていると発表した。しかし発表するだけの問題ではない。なぜなら相手も同じように発表するからだ。重要なのは現場で何をするかだ。停戦という言葉は…正確ではない。なぜなら、停戦は軍隊どうし、国どうしで行うものだからだ。(正確には)敵対行為の停止、作戦の停止になる。それはまず、発砲を停止することだが、より複雑で重要な要素もある。それは、テロリストが停戦であれ敵対的行為の停止であれ、自らの立場を強化するために利用するのを阻止することだ。また諸外国、とりわけトルコがさらなるテロリスト、武器、さらにはテロリストへのあらゆる兵站支援を行わないようにすることだ。この点に関する国連での決議、安保理での決議は実施されていない。停戦のための必要要件を提供しないというのであれば、それは安定に反するもので、シリアに混乱をもたらし、事実上の国家分裂をもたらす」。

「ダーイシュ、ヌスラ戦線、そしてアル=カーイダに属するそのほかのテロ組織に対してはもちろん(戦闘を続ける)。シリアとロシアは4つの組織を明言している。シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、ヌスラ戦線、そしてダーイシュだ」。

「(アレッポ県北西部での戦闘に関して)それはトルコとテロ組織の間の道路を封鎖するためのものだ」。

「ロシアとイランの支援は我々の軍が前進するうえで本質的な意味をもっている…。あくまでも「仮に」こうした支援が必要な理由を問うとしたら、その理由はただ一つだろう。80カ国以上がテロリストをさまざまなかたちで支援し、その一部は資金を、兵站支援を、武器を、そして戦闘員勧誘を支援している。さまざまな国際会議で政治的な支援を行う国もある。もちろん、シリアは小国だ」。

「(イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市の病院に対する空爆に関して)米国の一部の高官は誰がそれをやったか分からないといっている…。こうした矛盾した声明は米国によくあることだ。しかし実際に誰がそれを行ったのかを証明することはできない…。犠牲者に関して言うと、それはどの戦争においても問題だ。もちろん、私は無実の市民が我が国の紛争で犠牲となることを悲しいと感じている」。

「我々はロシアの攻撃が民間人を標的としていることを示す証拠を持っていない…。彼らは日々、テロリストの基地や標的を攻撃している。米国も同じことを行っているが、シリア北東部では多くの民間人が犠牲となっている」。

「我々はテロリストに対処するように、トルコやサウジアラビアと対処するつもりだ…。これらの国には政治的にも軍事的にもシリアに介入する権限はない。国際法違反だ。シリアの市民として唯一の選択肢は戦い、守ることだ…。トルコは砲撃を行う以前からテロリストを送り込んできた」。

「法律上、そして憲政上、国民や政府に対して機関銃を向ける者は誰であってもテロリストだ…。彼らが武器を放棄し、政治プロセスに参加すれば合法的になり得ただろう…。彼らが武器を放棄すれば…、我々は彼らを恩赦するし、過去2年間そうしており、この動きは加速している」。

「彼ら(2011年以前に投獄されてきた反体制派の指導者)はみなずっと前に出獄し、そのほとんどが反体制派となった」。

「サウジアラビアはテロリスト(外国人戦闘員)への最大の資金提供者だ。サウジアラビアは彼らを飛行機に乗せ、トルコに送り、そしてトルコからシリアに潜入させている」。

「(シリア政府支配下の地域で今後選挙を実施するかとの問いに対して)政府、挙国一致体制を樹立するのは自然なことだ。現政権が新憲法を準備すべきだ。もしシリアの将来について話し合うのであれば…、それは憲法に基づいて行われるべきだ。もちろん、シリア国民は新憲法をめぐって投票を行うべきだ…。憲法が制定されれば、前倒し選挙、つまり国会選挙も行われるべきだろう。大統領選挙について言及する者もいるだろう。シリア国民が選挙を望むのならば、行われるだろう…。私は権力の座にいることにはこだわらない。シリア国民が私に権力の座にいることを望めば、とどまるだろう。彼らが望まなければ、私には何もできない…。私はすぐにでも去らねばならない」。

「(シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会の報告に関して)それはカタールが10年以上にわたり作ってきたものに基づいており…、シリアに対するプロパガンダの一部だ…。彼らは出所が明らかでない情報を用いて、シリアを非難している」。

「難民が自分たちの国に帰れるようにするにはどのような行動がとられるべきか…。まずは、我々はテロに対処しなければならない。なぜならテロリストは人々を脅かすだけでなく、彼らが生活を送る上で必要なものを奪うからだ。第2に、西側諸国、とりわけ米国がシリアに対して科している制裁(の解除)だ」。

「武器供与を通じて民主主義がもたらされることはない…。民主主義は対話を通じて達成することはできるが、同時に民主主義に向けて社会の水準を向上させる必要がある。なぜなら、民主主義とは単に、憲法とか大統領とか法律などといったものではないからだ。これらは民主主義を達成するための道具、ないしは手段に過ぎない。真の民主主義は、社会そのものに根ざしていなければならない。どのように我々はお互いを受け入れ合うことができるか…。互いを受け入れ合えたときに、政治的にも互いを受け入れることができる。そしてこれが真の民主主義が生じる場所なのだ。つまり大統領をどうするかという問題ではない。彼ら(欧米諸国)は、問題を一個人の問題にすり替え、大統領が去れば、すべてが良くなる、と主張する。しかし、誰もそのようなことを受け入れることはできない」。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:過去16ヶ月間のシリア軍による爆撃での死者は民間人7,842人、反体制武装集団メンバー4,118人、ロシア軍の爆撃での死者は民間人1,653人、戦闘員1,089人(2016年2月20日)

シリア人権監視団は、過去16ヶ月間でシリア軍が実施した空爆回数が4万9,307回に達し、民間人7,842人が犠牲となったと発表した。

このうち2万7,735回がヘリコプターからの「樽爆弾」投下、2万1,572回が戦闘機による空爆だという。

犠牲となった民間人7,842人のうち子供は1,668人、女性は1,107人、男性は5,067人で、約4万人が負傷したという。

また民間人のほかにも、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を含む反体制武装集団メンバー4,118人が犠牲となったという。

一方、ロシア軍による空爆での死者数は民間人1,653人、戦闘員1,089人にのぼるという。

民間人のうち子供は402人、女性は230人、男性は1,021人で、戦闘員はヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などの外国人戦闘員を含むという。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連安保理でトルコによるシリアへの越境砲撃や「テロ支援」停止を求めるロシア提案の決議案が米英仏の反対で廃案に(2016年2月20日)

国連安保理で、トルコによるシリアへの越境砲撃、地上部隊派遣の脅迫、外国人テロリスト支援の停止を求める国連安保理決議案(ロシア提出)が審議されたが、米国、英国、フランスの反対によって廃案となった。

決議案では、トルコなどがシリアへの地上部隊派遣を準備していることに多大なる懸念を表明、シリアの主権尊重、越境砲撃の停止、地上部隊派遣計画の停止を求めるとともに、加盟国に対して、外国人テロリストのシリア領内への潜入阻止を呼びかけていた。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は「決議案が拒否されたことに対して遺憾の意を表明する以外にない」としつつ、「シリアの安定と領土の統一性を保障するための政策を継続する」と述べた。

またロシアのヴラジミール・ヴォロンコフ国連副大使は、安保理が「プロパガンダの場と化した」としたうえで「決議案を拒否した国々はそれがロシアの案だというだけで拒否した」と非難し、「決議案は国連安保理での諸決議、ウィーンやミュンヘンでの合意に沿って、シリアでの地上部隊介入の試みを阻止する」ことをめざしていたと強調した。

一方、サマンサ・パワー米国連大使は、決議案を拒否した理由として「シリアでのロシア軍の空爆に対する見方を無実化し、国連安保理決議第2254号の不履行を招く」からだと述べた。

トルコのハレド・シャフィク国連大使は会合後の記者会見で、「トルコは、有志連合に参加するか、国連安保理決議が定めなければ、シリアへの単独での介入を行うと決定することはない」としたうえで、シリア領内への越境砲撃が国際法に準じた「自衛行為」だと述べた。

また「トルコはシリア領内から発砲を受けており、我々は適切なかたちでそれに報復している」と主張した。

**

EU各国首脳は、ブリュッセルでの首脳会議後に共同声明を出し、シリア政府とその同盟者に対してテロリストでない反体制組織への攻撃を直ちに停止」するよう求め、こうした攻撃が「和平の可能性を脅かし、ダーイシュ(イスラーム国)を利し、難民危機を増大させる」と警鐘を鳴らした。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は声明を出し、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するアレッポ市の人道状況に懸念を表明した。

AFP, February 20, 2016、AP, February 20, 2016、ARA News, February 20, 2016、Champress, February 20, 2016、al-Hayat, February 21, 2016、Iraqi News, February 20, 2016、Kull-na Shuraka’, February 20, 2016、al-Mada Press, February 20, 2016、Naharnet, February 20, 2016、NNA, February 20, 2016、Reuters, February 20, 2016、SANA, February 20, 2016、UPI, February 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.