レイダー有志連合報道官はサウジアラビア軍高官がシリアへの地上部隊の派遣の意思を表明したことに関して歓迎の意を表し「現在検討中」と付言(2016年2月5日)

米国が主導する米中央軍(CENTCOM)のパトリック・レイダー報道官(大佐)は、サウジアラビア軍高官がシリアへの地上部隊の派遣の意思を表明したことに関して「我々は、サウジアラビアが有志連合への参加を強める方途を検討していることを歓迎する…。サウジアラビアが派遣し得る部隊は、有益なものになろうが、現在検討中である」と述べた。

サウジアラビア国防省顧問のアフマド・アスィーリー准将は4日、米主導の有志連合がシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)掃討を目的とした地上作戦の実施を決定すれば、「これに積極的に貢献することになろう」と述べていた。

AFP, February 6, 2016、AP, February 6, 2016、ARA News, February 6, 2016、Champress, February 6, 2016、al-Hayat, February 7, 2016、Iraqi News, February 6, 2016、Kull-na Shuraka’, February 6, 2016、al-Mada Press, February 6, 2016、Naharnet, February 6, 2016、NNA, February 6, 2016、Reuters, February 6, 2016、SANA, February 6, 2016、UPI, February 6, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合がシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年2月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回で、アイン・イーサー市近郊に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 6, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がロシア軍、シリア軍の爆撃支援を受け、アレッポ県北部のヌッブル市に隣接する複数の村を制圧、シリア軍と共同検問所設置で合意(2016年2月5日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月6日付)によると、シリア軍によるヌッブル市、ザフラー町包囲解除と並行して、同地の北西部に位置するアフリーン市一帯を実効支配する西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の人民防衛隊が、革命家軍などシリア民主軍に所属する武装集団とともに、ヌッブル市に隣接するハリーバ村、ズィヤーラ村から反体制武装集団を掃討し、制圧、アフリーン市とヌッブル市一帯を結ぶ兵站路を確保した。

複数の地元消息筋によると、人民防衛隊などシリア民主軍の同地への進軍はロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターの航空支援を伴い、ヌッブル市を見下ろすことができるカフィーン村で人民防衛隊とシリア軍が合流、同地に合同検問所を設置することで合意したという。

シリア軍は人民防衛隊がカフィーン村を制圧した約1時間後に同地に到着、人民防衛隊とシリア軍との会合は友好的なムードのなかで行われたという。

AFP, February 6, 2016、AP, February 6, 2016、ARA News, February 6, 2016、Champress, February 6, 2016、al-Hayat, February 7, 2016、Iraqi News, February 6, 2016、Kull-na Shuraka’, February 6, 2016、al-Mada Press, February 6, 2016、Naharnet, February 6, 2016、NNA, February 6, 2016、Reuters, February 6, 2016、SANA, February 6, 2016、UPI, February 6, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル市一帯、タドムル市一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2016年2月5日)

ダイル・ザウル県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市旧空港地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(2月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)幹部の一人マフムード・マタル氏がダイル・ザウル市郊外を車で移動中に空爆を受け、死亡した。

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ヒムス県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がスード丘、タール・フルーバ村、ルマイラ村、シャーイル・ガス採掘所一帯、ダイル・ザウル市西部採石場一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(シリア軍、ロシア軍、有志連合のいずれかは不明)が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市郊外のフーシャリーヤ村を空爆し、住民3人が死亡、複数が負傷した。

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ハサカ県では、ARA News(2月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はハサカ市南部のカーナ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、米軍主導の有志連合がシリア民主軍を航空支援した。 

AFP, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016、February 6, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、February 7, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、February 6, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がダルアー市北部の反体制派の拠点アトマーン村を完全制圧(2016年2月5日)

ダルアー県では、『ハヤート』(2月6日付)によると、シリア軍が、ロシア軍の航空支援を受け、ヒズブッラー戦闘員とともにダルアー市北部の要衝アトマーン村で、反体制武装集団を掃討し、同地を完全制圧した。

アトマーン村一帯では、過去48時間で8回以上の空爆が実施され、戦闘員10人が死亡したという。

一方、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がダルアー市北部のアトマーン村で反体制武装集団を掃討、同地を制圧し、治安と安定を回復した。

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ハマー県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がタマーニア町、ラターミナ町、マアッラト・ハルマ村、フバイト村、カフルズィーター市でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、ナスル軍の拠点を空爆し、戦闘員70人以上を殲滅し、装備・拠点を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がサラーキブ市、スカイク村でジュンド・アクサー機構の拠点を攻撃し、戦闘員6人を殲滅した。

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ヒムス県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がタルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北部に対するロシア軍の爆撃とシリア軍によるヌッブル市、ザフラー町包囲解除戦を受け住民数千人が避難、トルコ国境地帯で足止め(2016年2月5日)

アレッポ県では、『ハヤート』(2月6日付)が、シリア軍によるヌッブル市、ザフラー町包囲解除に伴う同地一帯での戦闘激化を受け、住民数千人が県北部のアアザーズ市方面に避難、トルコ国境に通じるバーブ・サラーマ国境通行所で足止めを食っていると伝えた。

トルコ側の検問所は5日晩になっても開放されていないという。

シリア人権監視団によると、避難した住民の数は4,000人にのぼり、彼らはアナダーン市、フライターン市、ハイヤーン町、バヤーヌーン町などに反体制武装集団の支配下にある市町村へのシリア軍の攻撃やロシア軍の激しい空爆を逃れてきたという。

これらの市町村では住民のほとんどは退去しているという。

またAFP(2月5日付)は、近くのアキダ村のオリーブ畑を移動する女性、子供ら数百人のビデオ映像を配信した。

なお、これに関して、国連OCHAのリンダ・トム報道官は、推計で約2万人がバーブ・サラーマ国境通行所近くに殺到、また5,000から1万人がアアザーズ市内に避難、そして西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の中心都市アフリーン市にも1万人が避難していると発表した。

Naharnet, February 5, 2016
Naharnet, February 5, 2016

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同じくアレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月5日付)によると、ロシア軍が反体制派の支配下にあるアレッポ市各所を空爆、カッラース地区で住民15人、マシュハド地区で11人、バーブ街道地区で8人、シャッアール地区で8人、フィルドゥース地区で5人、ブアイディーン地区で4人が死亡した。

犠牲者のなかには女性、子供が含まれているという。

クッルナー・シュラカー(2月5日付)によると、ロシア軍はまたアナダーン市、フライターン市各所に対して50回以上の空爆を行い、子供、女性を含む61人が死亡、数十人が負傷したという。

さらに、ARA News(2月6日付)によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市サーフール地区を空爆し、民間人数十人が死傷した。

一方、クッルナー・シュラカー(2月5日付)は、反体制武装集団(シャーム戦線)が、ヌッブル市、ザフラー町郊外にあるラトヤーン村をシリア軍より奪取したと伝えた。

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クッルナー・シュラカー(2月5日付)によると、アレッポ県北部一帯で活動する反体制活動家が、シリア軍によるヌッブル市、ザフラー町包囲解除と県北部への進軍に対処するため、統合軍事評議会を設置すると発表した。

AFP, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016, February 6, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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国連安保理でジュネーブ3会議中断に関する非公式会合:米露による非難の応酬のなか、デミストゥラ共同特別代表はシリア政府、反体制派双方の対応を非難(2016年2月5日)

国連安保理では、シリア情勢に関する非公式会合が行われ、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がテレビ会議システムを通じてジュネーブ3会議の中断に関する報告を行った。

複数の外交筋によると、会合では、ミシェル・スィーソン国連米代表副大使が、ロシアが「ダーイシュ(イスラーム国)ではなく反体制派の支配地域を空爆している」としたうえで、「ロシアは交渉が成功する機会を与えなかった」と批判した。

これに対して、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は「ロシアの軍事介入は政治的対話の道を切り開いた」と反論、「ロシアの空爆はダーイシュ(イスラーム国)とテロ組織を標的としている」と強調したという。

一方、デミストゥラ共同特別代表はジュネーブ3会議中断の経緯を説明し、「シリア政府代表団は、政治的プロセスの開始の用意ではなく、手続き面にこだわっていた」と指摘、またリヤド最高交渉委員会については「前提条件のリストを持参し、これによっていかなる実質的進展をも実現する余地がなくなってしまった」ことを明らかにした。

デミストゥラ共同特別代表によると、シリア政府代表団を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、国連安保理決議第2254号の詳細(具体的には、人道支援に関する第12、13項を示唆していると思われる)に立ち入ることを望まず、決議全体に対してアプローチしようとし、間接交渉の実施に関する手続き面での問題について対処するよう要求、間接交渉の準備段階に入っているような対応をとったという。

対するリヤド最高交渉委員会は、包囲解除、空爆停止、人道支援物資搬入、逮捕者釈放という「リスト」を提示したという。

しかし、デミストゥラ共同特別代表は、「噂とは異なり、政府側、反体制派側はともに、ジュネーブに戻る用意があり、シリア人主導の政治プロセスを遵守すると明言した」という。

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デミストゥラ共同特別代表の報道官を務めるラムズィー・イッズッディーン氏は、2月25日に再開予定のジュネーブ3会議に関して、「新たな招聘状は出されない」と述べ、シリア政府、リヤド最高交渉委員会任命の代表団、「ロシア・リスト」に記された有力活動家らを軸に交渉再開の準備を進めることを明らかにした。

AFP, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)とシャーム戦線が交戦(2016年2月5日)

アレッポ県では、ARA News(2月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がトルコ国境に近いヒルバ村、ハラファトリー村を襲撃、スルターン・ムラード旅団、シャーム軍団、ムウタスィム・ビッラー旅団などからなるシャーム戦線がこれを撃退した。

AFP, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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イラン革命防衛隊の准将、ヒズブッラー司令官がアレッポ県で死亡(2016年2月5日)

イランのタスニーム通信(2月6日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊のムフスィン・ガジュリヤーン准将が戦死したと伝えた。

戦死した日時については明らかにされなかったが、ガジュリヤーン准将はシリア軍のダーイシュ(イスラーム国)掃討戦の顧問をしていたという。

また同通信社によると、バスィージュの隊員6人がアレッポ県の「シーア派聖地」をめぐるタクフィール主義者との戦闘で死亡したという。

イランの複数のメディアによると過去1ヶ月で、シリア領内でのイラン・イスラーム革命防衛隊とバスィージュの隊員100人以上が戦死しているという。

ロイター通信(2月5日付)が伝えた。

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一方、アラビーヤ(2月5日付)によると、ヌッブル市、ザフラー町包囲解除戦でヒズブッラー戦闘員を指揮していたハイダル・フライズ・マルイー司令官と戦闘員のフサイン・ハサン・ジャワードが戦死したと伝えた。

2人は数日前に死亡したという。

AFP, February 5, 2016、Alarabia.net, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、Tasnim News, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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