米軍主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2016年2月29日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月29日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は12回で、ハサカ市近郊(1回)、フール町近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(3回)、マンビジュ市近郊(2回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 1, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍は有志連合と連携して、アレッポ県北西部のダーイシュ拠点を越境砲撃(2016年2月29日)

トルコのドーアン通信(2月29日付)は、トルコ軍が有志連合と連携して、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を砲撃したと伝えた。

砲撃はトルコのキリス県からアレッポ県内のダーイシュ拠点に対して行われ、50~60発の迫撃砲が撃ち込まれたという。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、DHA, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はYPG主体のシリア民主軍と交戦し、タッル・アブヤド市・ラアス・アイン市街道を寸断(2016年2月29日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(3月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・アブヤド市とラアス・アイン市(ハサカ県)を結ぶ街道一帯(ニスフ・タッル村一帯)で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦し、同街道を遮断した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(2月29日付)によると、シリア軍がタドムル市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月29日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともに、アレッポ市・ハナースィル市街道一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点の掃討を完了し、同地の治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、ハナースィル市近郊のウンム・マイヤール村、クライア村、ウワイニーヤ村のダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月29日付)によると、シリア軍がジャフラ村、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区、アルディー地区、工業地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、イスラーム軍は声明を出し、ドゥマイル市近郊でダーイシュ(イスラーム国)の司令官1人を捕捉したと発表した。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、March 1, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がイスラーム軍などに攻勢をかけ、ダマスカス郊外県マルジュ・スルターン村一帯で支配地域を拡大(2016年2月29日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯で攻撃を行う一方、マルジュ・スルターン村一帯でも進軍を続け、サウジアラビアが後援するイスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦し、ファルザート丘に近い農業研究所を制圧した。

クッルナー・シュラカー(2月29日付)によると、シリア軍はまた同地一帯に対する砲撃を通じて、ハラスター・カンタラ村とバイト・ナーイム村を結ぶ街道を遮断したという。

戦闘ではジハード主義武装集団の戦闘員1人が死亡した。

一方、ダマスカス県カーブーン区に近いハラスター高速道路一帯でも発砲があったが、死傷者は出なかった。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区で反体制武装集団戦闘員が狙撃され、負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県南部のタッラフ村一帯を砲撃したが、死傷者は出なかった。

また戦闘機(所属明示せず)がカフルズィーター市の反体制武装集団の拠点を空爆した。

このほか県北部のジャナービラ村をシリア軍が砲撃した。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は7件の停戦違反が発生したと発表する一方、シリア人権ネットワークは29件と主張(2016年2月29日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、2月28日の1日間で7件の停戦違反を確認したと発表した。

この停戦違反のなかには、アレッポ県アレッポ市アシュラフィーヤ地区でのアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線による西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊への敵対行為も含まれているという。

また7件の停戦違反のほかには、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県ハナースィル市・ラスム・ナフル村街道一帯で攻撃を続け、アレッポ市などへの人道支援物資の搬入が妨害されるという事例が発生したという。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

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シリア人権ネットワークは、2月28日の1日間での停戦違反が29件にのぼったと主張した。

このうちの27件がシリア軍とロシア軍による違反で、ロシア軍の空爆による停戦違反は8件を記録したという。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団「停戦発効後の死数は144人に抑えられている」(2016年2月29日)

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(2月29日付)に対し、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意が発効した27日以降の戦闘での死者数が144人に抑えられていると述べた。

アブドゥッラフマーン代表によると、27、28日の戦闘での死者の内訳は、(シリア軍)兵士70人、民間人36人、反体制武装集団戦闘員38人で、シャームの民のヌスラ戦線とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員の死者はこれには含まれていないという。

停戦発効以前(2月)の1日平均の死者数は約120人(ダーイシュの支配地域を除く)で、これに比べ停戦発効後の死者数は半減したことになる。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市に人道支援物資搬入(2016年2月29日)

ダマスカス郊外県では、シリア赤新月社広報センターのムハンマド・アサディー氏によると、米・ロシアによる敵対行為停止合意の発効以降初めてとなる人道支援物資の搬入が行われ、反体制武装集団が籠城を続け、シリア政府の包囲下にあるムウダミーヤト・シャーム市に食糧などの貨物車輌10台分の支援物資が搬入された。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「停戦に乗じる可能性があるのはシリア政府も反体制派も同じ」(2016年2月29日)

スタファン・はイタリア日刊紙『ラ・レプッブリカ』(2月29日付)に対して、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意にとっての最大の脅威が、対象から除外されたダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線の活動にあるとの見方を示した。

デミストゥラ特別代表はまた、シリア政府が停戦に乗じて支配地域の強化を図る可能性はあるかとの問いに対して、こうした発想が論理的ではないと否定、反体制派にとっても条件は同じだと答えた。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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ロシアのリャブコフ外務副大臣は、トルコによる越境攻撃継続の意思を非難する一方、シリアでの連邦制の導入に前向きな姿勢を示し、クルド人に配慮(2016年2月29日)

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣は、モスクワでの記者会見で、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意の実施状況に関して「残念ながら、トルコは越境攻撃を行い、対シリア国境に(安全保障)地帯を設置するという考えをあきらめていない。トルコ政府が今後とるであろう行動を踏まえると、そこに危険な状況がある」と述べた。

一方、シリアの将来の政治体制に関して、「連邦制のモデルに基づく体制は、シリアを統一的で世俗的な独立主権国家として維持することに資するだろう」と述べ、米国とともに支援を強化している西クルディスタン移行期民政局の存在に理解を示した。

『ハヤート』(3月1日付)が伝えた。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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フランスのエロー外相「「穏健な反体制派」支配地域での停戦違反の調査が必要」(2016年2月29日)

フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意の実施状況に関して、国連人権理事会に出席するため訪問中のスイスのジュネーブで記者団に対し「「穏健な反体制派」が支配する地域に対して空爆などの攻撃が続けられているとの証拠を得ている」としたうえで、「これらはすべて調査が必要だ。それゆえ、フランスは停戦監視のための作業チームが延期されることなく開催されるよう求めている」と述べた。

『ハヤート』(3月1日付)が伝えた。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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第2期人民議会選挙:29日時点での立候補者数は5,578人(2016年2月29日)

高等司法選挙委員会は、4月13日に投票予定の第2期人民議会選挙への立候補者数が2月29日の段階で5,578人に達したと発表した。

立候補者数はダマスカス県選挙区が454人、ダマスカス郊外県選挙区が400人、アレッポ市選挙区が683人、アレッポ県諸地域選挙区が496人、イドリブ県選挙区が209人、ヒムス県選挙区が935人、ハマー県選挙区が376人、ラタキア県選挙区が810人、タルトゥース県選挙区が262人、ダイル・ザウル県選挙区166人、ハサカ県選挙区が302人、ラッカ県選挙区が110人、ダルアー県選挙区が179人、スワイダー県選挙区が89人、クナイトラ県選挙区が107人。

なお、立候補者受付は3月1日まで続けられる。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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