米軍主導の有志連合はシリア領内で12回の爆撃を実施(2016年2月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は12回で、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(10回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 28, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「停戦が保たれれば、ジュネーブ3会議を3月7日に再開」(2016年2月27日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意に関して、停戦が保たれれば、シリア政府と反体制派による和平交渉(ジュネーブ3会議)を3月7日に再開すると発表した。

AP(2月27日付)などが伝えた。

AFP, February 28, 2016、AP, February 28, 2016、ARA News, February 28, 2016、Champress, February 28, 2016、al-Hayat, February 29, 2016、Iraqi News, February 28, 2016、Kull-na Shuraka’, February 28, 2016、al-Mada Press, February 28, 2016、Naharnet, February 28, 2016、NNA, February 28, 2016、Reuters, February 28, 2016、SANA, February 28, 2016、UPI, February 28, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはアレッポ県北西部の「穏健な反体制派」支配地域を攻撃、1カ村を制圧(2016年2月27日)

アレッポ県では、ARA News(2月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県北西部のジャーリズ村郊外の「穏健な反体制派」の拠点を砲撃、制圧した。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県、ダイル・ザウル県でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2016年2月27日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、タイバ村一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、シリア軍が同地一帯を制圧した。

シリア人権監視団によると、爆発はサラミーヤ市入り口で発生した。

一方、SANA(2月27日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市郊外の森林地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員35人を殲滅、車輌4輌を破壊した。

この直前、サラミーヤ市郊外でのダーイシュによる3度の爆破攻撃で6人が死亡、多数が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月27日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市北西部の下サフィーラ村、ジャフラ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はラッカ県のトルコ国境地帯のYPG支配地域に侵攻し、複数の村を制圧(2016年2月27日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に面するタッル・アブヤド市およびその一帯に対してダーイシュ(イスラーム国)が侵攻し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦、人民防衛隊戦闘員やアサーイシュ隊員20人以上が死亡した。

ダーイシュは人民防衛隊の拠点などに対して複数回の自爆攻撃を加えるなどして、スルーク町に侵攻しその一部を制圧、またハマーム・トゥルクマーン村を制圧したという。

またダーイシュはアイン・イーサー市にも進攻し、近郊の1カ村を制圧した。

ダーイシュの攻撃に対して、米軍主導の有志連合は、タッル・アブヤド市内の文化センター、アイン・アルース村の水道局を空爆し、ダーイシュ戦闘員45人以上が死亡した。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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首都ダマスカスに反体制派支配地域から迫撃砲弾が飛来する一方、ヒムス県北部でシリア軍がアバービール大隊の拠点を攻撃(2016年2月27日)

ダマスカス県では、SANA(2月27日付)によると、反体制武装集団の支配下にあるジャウバル地区およびダマスカス郊外県ドゥーマー市から県内の住宅地に対して迫撃砲弾複数発が撃ち込まれた。

これに関して、治安消息筋はAFP(2月26日付)に対して、迫撃砲弾約10発がアッバースィーイーン地区に着弾したが、人的被害はなかったと語った。

しかし、この砲撃に関して、SANAは停戦違反とは報じず、軍司令部が、「この地域における治安と安定の回復に向けた努力を頓挫させるようとするごく少数のテロリストに対して、住民らに自制」を呼びかけている、と伝えた。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(2月27日付)によると、シリア軍がタッル市内のタイイバ検問所で多数の若者を逮捕した。

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ヒムス県では、アバービール大隊の司令官を名乗るムハンマド・ハサン中尉がARA News(2月27日付)に対して、シリア軍が県北部のラスタン市やタルビーサ市郊外の大隊拠点や車輌を砲撃したと主張した。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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停戦を受諾したシャーム自由人イスラーム運動、スルターン・ムラード師団がヌスラ戦線とともにアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、YPGと交戦(2016年2月27日)

アレッポ県では、ARA News(2月27日付)は、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線と、米・ロシアによる敵対行使停止合意を受諾したはずのシャーム自由人イスラーム運動、スルターン・ムラード師団が、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃、人民防衛隊と交戦した。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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スンナ軍とイーマーン旅団がイーマーン軍として統合し、停戦を受諾したアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の指揮下に(2016年2月27日)

アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県などシリア北部を中心活動するスンナ軍とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は共同声明を出し、スンナ軍をイーマーン旅団に統合し、イーマーン軍を新設、シャーム自由人イスラーム運動の指揮下に置くことを決定したと発表した。

シャーム自由人イスラーム運動のアブー・ウマル・ファッラー氏によると、新たに結成されるイーマーン軍の兵力は2,500人以上を有するという。

Kull-na Shuraka', February 27, 2016
Kull-na Shuraka’, February 27, 2016


AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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米・ロシアによるシリア領内での敵対行為停止合意が発効し、「グリーン・ゾーン」でシリア軍、反体制派114組織が戦闘を停止、ロシア軍も爆撃を全面停止(2016年2月27日)

米・ロシアによるシリア領内での敵対行為停止に関する合意に従い、27日0時にシリア領内で、ダーイシュ(イスラーム国)、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、そして国連安保理が定めるその他のテロ組織を除く当事者間の停戦が発効した。

停戦発効に先立ち、シリア政府、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、シリア民主軍、リヤド最高交渉委員会が合意受諾を米、ロシアに通達した。

合意を受諾した反体制派は、ロシア側に通達を行ったシリア民主軍、砂漠の鷹旅団(ハサカ県南部でダーイシュ(イスラーム国)と戦うアラブ人部族の民兵)など17組織と、米国側に通達を行ったリヤド最高交渉委員会傘下の97組織の合わせて114組織。

しかし、114組織すべての組織名を米、ロシア双方は公表していない。

al-Hayat, February 28, 2016
al-Hayat, February 28, 2016

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ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、シリア時間の27日0時に発効した米・ロシアによるシリアでの敵対行使停止合意の実施状況の進捗に関して発表した。

コナシェンコフ報道官によると、合意に従い、ロシア空軍は、ロシアが戦闘停止地域と定めた「グリーン・ゾーン」での空爆を停止した。

また、合意発効に先立ち、シリア政府と反体制武装集団17組織がシリア駐留ロシア軍司令部(フマイミーム航空基地)に対して合意を受諾する旨を通告した。

反体制武装集団のなかにはシリア民主軍、砂漠の鷹旅団が含まれているという。

また、ロシア側は、停戦監視を目的とした当事者和解調整センターをフマイミーム航空基地に、そして米国側は、ヨルダンの首都アンマンに同様のセンターを設置、ロシア側センターの司令官にはセルゲイ・クラェンコ准将が就任した。

両センターでの情報交換において、ロシア側は米国側に26日付で、シリア領内での停戦区域、非停戦区域を定めた戦略地図を提示、そのなかでシリア政府支配地域、西クルディスタン移行期民政局支配地域、ダーイシュ支配地域、シャームの民のヌスラ戦線の支配地域、そしてそのほかの勢力の支配地域を明示した。

これに対して、米国側は、停戦に応じる反体制武装集団のリスト(6,111人)と、攻撃対象から除外すべき住宅地域74カ所のリストを提出した。

ロシア側は、誤爆を回避するため、27日はシリア領内での空爆を停止した。

これに関して、クラェンコ准将はロシア軍がヒムス県、ハマー県の34都市・村に対する空爆を現在停止していることを明らかにした。

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米バラク・オバマ米大統領は26日、米・ロシアによるシリア領内での敵対行為停止合意の発効に関して、NSC(国家安全保障会議)後の記者会見で、「誰も幻想は抱いていない。我々は落とし穴があるかもしれないと認識しているし、懐疑的なる充分な理由がある…。しかし、我々がこの恐るべき紛争を外交を通じて終わらせようとしなければ、歴史が我々に審判を下すことになるだろう」と述べた。

オバマ米大統領はまた「世界は監視している」と付言、シリア政府やロシア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線以外の組織への攻撃を再開しないよう警鐘を鳴らした。

なお、『ハヤート』(2月28日付)によると、米国側はロシア側が提示した地図における「グリーン・ライン」に、ファトフ軍の支配地域であるイドリブ県全土、そしてイスラーム軍が有力なダマスカス郊外県東グータ地方が含まれていることを不服としているという。

ファトフ軍は、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線、アル=カーイダとの関係を否定するアル=カーイダ元メンバーらの組織シャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」の連合組織。

またイスラーム軍は、東グータ地方、なかでもブルジュ・スルターン村一帯で、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と合同作戦司令室を設置している。

米国をはじめとする欧米諸国、そしてサウジアラビア、トルコ政府は、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍を「テロ組織」とみなしていないが、シリア、ロシア両政府はこの二組織を「テロ組織」と断じている。 

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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『ハヤート』:シリアでの敵対行為停止合意を定めた国連安保理決議第2268号の採択直前に米露はサウジアラビアが後援するリヤド最高交渉委員会に関する文言を削除(2016年2月27日)

『ハヤート』(2月28日付)は、26日に全会一致で採択された国連安保理決議第2268号に関して、ロシアが採択直前に、リヤド高等交渉会議の役割を定めた文言の削除を求め、米国がこれに応じていたと伝えた。

国連安保理決議第2268号は、米・ロシアによるシリア領内での敵対行為の停止に関する合意を承認し、すべての当事者に遵守を求めたもの。

米・ロシアが準備した決議案には当初、「リヤド最高交渉委員会は戦闘停止の実施において連絡情勢の役割を果たす」と明記されていたという。

しかし、採択された決議では、この文言は削除されている。

リヤド最高交渉委員会は、12月に採択された国連安保理決議第2254号において、その母体となったリヤドでの反体制派の合同会合の役割を認め、サウジアラビア政府の意向に加味していた。

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サウジアラビア軍のアフマド・ビッリー参謀長は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意に関して、『ハヤート』(2月28日付)に対して、「サウジアラビアはシリア革命開始以降、物資、兵器、民間人への救援物資、さらに革命を支持するという政治的姿勢を通じて、さまざまなかたちで支援を行ってきた…。戦地での反体制派の状況は防衛態勢を強化することでより良いものになるだろう」と述べ、すべての武装集団を統合する必要があるとの見方を示した。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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第2期人民議会選挙:27日時点での立候補者数は967人(2016年2月27日)

高等司法選挙委員会は、4月13日に投票予定の第2期人民議会選挙への立候補者数が2月27日午後8時の段階で967人に達したと発表した。

立候補者数はダマスカス県選挙区が125人、ダマスカス郊外県選挙区が76人、アレッポ市選挙区が105人、アレッポ県諸地域選挙区が73人、イドリブ県選挙区が44人、ヒムス県選挙区が155人、ハマー県選挙区が66人、ラタキア県選挙区が98人、タルトゥース県選挙区が42人、ダイル・ザウル県選挙区が44人、ハサカ県選挙区が54人、ラッカ県選挙区が32人、ダルアー県選挙区が34人、スワイダー県選挙区が7人、クナイトラ県選挙区が12人。

なお、立候補者受付は3月2日まで続けられる。

SANA(2月27日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2016、AP, February 27, 2016、ARA News, February 27, 2016、Champress, February 27, 2016、al-Hayat, February 28, 2016、Iraqi News, February 27, 2016、Kull-na Shuraka’, February 27, 2016、al-Mada Press, February 27, 2016、Naharnet, February 27, 2016、NNA, February 27, 2016、Reuters, February 27, 2016、SANA, February 27, 2016、UPI, February 27, 2016などをもとに作成。

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