米軍主導の有志連合はシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年3月4日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月4日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回で、フール町近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 5, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線などからなる反体制派がダルアー県でダーイシュに忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団の戦闘員らの住居を襲撃(2016年3月4日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がサフム・ジャウラーン村でダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団の戦闘員らの住居を襲撃し、1人を殺害、1人を負傷させ、2人を捕捉した。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「難民を押し戻すための都市をシリア北部に建設すべき」(2016年3月4日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トルコで非難生活を送る避難民をシリア領内に押し戻すため、シリア北部に都市を建設すべきだと述べた。

アナトリア通信(3月5日付)によると、エルドアン大統領は「言っておきたいことがある。解決策とはどのようなものか? 難民を戻すため…シリア北部に都市を作ることだ」と述べた。

エルドアン大統領はまた「我々はバラク・オバマ米大統領と(このことについて)話し、我々は場所も確定した。しかし、今のところ計画は未完だ」と付言した。

トルコ政府はこれまで、シリア北西部に「安全地帯」、「飛行禁止空域」の設置を求め、「穏健な反体制派」を支援すべきだと主張してきた。

AFP, March 4, 2016、Anadolu Ajansı, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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敵対行為停止合意発効後最初の金曜日に合わせ、反体制派支配地域各所で反政府デモが発生(2016年3月4日)

Naharnet, March 4, 2016
Naharnet, March 4, 2016
Naharnet, March 4, 2016
Naharnet, March 4, 2016
Kull-na Shuraka', March 4, 2016
Kull-na Shuraka’, March 4, 2016
Kull-na Shuraka', March 4, 2016
Kull-na Shuraka’, March 4, 2016
Kull-na Shuraka', March 4, 2016
Kull-na Shuraka’, March 4, 2016
Kull-na Shuraka', March 4, 2016
Kull-na Shuraka’, March 4, 2016
SANA, March 4, 2016
SANA, March 4, 2016
ARA News, March 4, 2016
ARA News, March 4, 2016
ARA News, March 4, 2016
ARA News, March 4, 2016
Kull-na Shuraka', March 4, 2016
Kull-na Shuraka’, March 4, 2016

シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などと共闘する反体制武装集団の支配下にあるアレッポ県アアザーズ市、アターリブ市、アレッポ市バーブ・ハディード地区、ヒムス県タルビーサ市、ダマスカス郊外県ダイル・アサーフィール市、ドゥーマー市、ダルアー県ダルアー市、ナワー市、フラーク市、ヤードゥーダ村、ナスィーブ村、ブスラー・シャーム市、ジーザ町、イドリブ県ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、マアッラト・ハルマ村、マアッラト・ヌウマーン市で住民数百人が街頭デモを行った。

デモでは「体制打倒と逮捕者釈放」、「自由、尊厳、封鎖地域の包囲解除」、「シリア万歳、アサドは倒れる」といったプラカード、横断幕などが掲げられ、アサド政権の退陣が要求された。

なお、クッルナー・シュラカー(3月4日付)によると、デモ参加者は数千人。

また、シリア革命反体制勢力国民連立によると、抗議デモは105カ所で実施されたという。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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シリア政府当局と反体制派が協調し、アレッポ市で3ヶ月ぶりに水道が再開(2016年3月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区にタンク・ローリー複数台が入り、同地区の水道施設を稼働させるための燃料が搬入された。

同監視団によると、ユーフラテス川の水が4日にハフサ町方面(マンビジュ市郊外)からアレッポ市内東部(ナイラブ貯水場、スライマーン・ハラビー貯水場)に3ヶ月ぶりに供給され、アレッポ市内各地区の揚水場への配給が再開されていたという。

その後、シリア人権監視団は6日、アレッポ市内の揚水場が再稼働し、数ヶ月に及ぶ断水が解消したと発表した。

複数の活動家によると、断水解消は、シリア政府当局と反体制派の調整のもとに実現したという。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、March 7, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線などからなる反体制派は西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃する一方、シリア軍はダマスカス郊外県ドゥーマー市、イドリブ県ハーン・シャイフーン市などを砲撃し、住民が死亡(2016年3月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区に迫撃砲弾50発が撃ち込まれ、また同地で人民防衛隊主体のシリア民主軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、同地一帯やサカン・シャバービー地区、バニー・ザイド地区で交戦し、シリア民主軍の隊員2人とジハード主義者3人が死亡した。

また、SANA(3月4日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区に、「テロ組織」が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、1人が死亡、8人が負傷した。

このほか、ARA News(3月4日付)によると、県北西部のタームーラ村一帯でシリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が撃った迫撃砲弾3発がドゥーマー市に着弾し、住民1人が死亡、また同地への戦闘機(所属明示せず)の空爆で、「ホワイト・ヘルメット」(民間救助隊)隊員2人が負傷した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(3月4日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市を砲撃し、女性3人を含む4人が死亡した。

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AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県東部、ハサカ県、ラッカ県、ダイル・ザウル県でYPG、シリア軍がダーイシュとの戦闘を続ける(2016年3月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるターディフ市、ダイルカーク村、アブー・ジャッバール村、マドユーナ村などに対して18回の空爆を行った。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部郊外のアブドゥルアズィーズ山一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同山の西部一帯、アブー・ハシャブ街道一帯を制圧した。

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ラッカ県では、ARA News(3月4日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が3日夜から4日にかけて、スルーク町南東部でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、シャムナドゥール村、サラヤー村、タルワーズィーヤ村を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月4日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市クスール地区、ジャウラ地区を砲撃し、男女2人が死亡、5人が負傷した。

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ヒムス県では、ARA News(3月5日付)によると、有志連合と思われる戦闘機による県東部の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)司令官の一人のアムル・アッバースィー氏が死亡した。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、March 5, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団:米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」約100人がトルコからアレッポ県北西部に進入(2016年3月4日)

シリア人権監視団は、米軍の軍事教練を受けたシリア人戦闘員(「穏健な反体制派」)100人強がトルコからアレッポ県北西部に進入したことを確認したと発表した。

アレッポ県北西部に進入したのは、第51旅団を名乗る戦闘員の集団と第31旅団を名乗る戦闘員の集団で、いずれも50人強の兵力で、「近代兵器を装備し、複数の車輌に乗って」トルコからシリア領内に入ったという。

またこれに先立ち、ハズム運動の元司令官としてダーラト・イッザ市で活動していた離反士官が率いる部隊もシリア領内に進入、マーリア市で活動する武装集団とともに、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うために県北西部に向かったという。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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ドイツのシュタインマイヤー外務大臣「シリアで停戦違反が依然として起きていることはみなが知っているが、我々の任務は停戦の強化だ」(2016年3月4日)

フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外務大臣、英国のフィリップ・ハモンド外務大臣、EUのフレデリカ、はパリでシリア情勢への対応を協議、またリヤド最高交渉委員会の委員長のリヤード・ヒジャーブ元首相と会談した。

フランスのエロー外務大臣は、シリアの危機の政治的解決を改めて強調、そのための条件として、すべてのシリア人が国連の諸決議に従って人道支援物資を受け取ること、すべての当事者が停戦合意を遵守することが必要だと述べた。

一方、ドイツのシュタインマイヤー外務大臣は「シリアで停戦違反が依然として起きていることはみなが知っており、違反の責任が誰にあるかを透明性をもって調査すべきだ。しかし、我々の任務は停戦の強化だ…。人道支援は例外なく…配給されるべきだ」と述べた。

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また、リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は記者会見を開き、3月9日に再開予定のジュネーブ3会議に関して、シリア軍、ロシア軍が停戦を遵守していない現状では、「再開は不適切だ」との見方を示した。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領「シリアでの国会選挙は政治的正常化プロセスの障害にはならない」(2016年3月4日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ロシア、フランス、ドイツ、英国首脳との合同電話会談で、4月13日に投票が予定されている第2期人民議会選挙に関して「政治的正常化プロセスの障害になるとは思わない」と述べた。

これに対して、デヴィッド・キャメロン首相らは電話会談でプーチン大統領に対し、停戦を利用して、アサド大統領なしの持続的な和合意をめざすべきだと求めたという。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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シリア政府とUNRWAはヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに、国連、シリア赤新月社はダマスカス郊外県東グータ地方に人道支援物資を搬入(2016年3月4日)

ダマスカス県では、SANA(3月4日付)によると、アラブ・パレスチナ人難民総合委員会(シリアのパレスチナ難民支援団体)とUNRWAがヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに人道支援物資2,000箱の搬入を行った。

SANA, March 4, 2016
SANA, March 4, 2016

 

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(3月5日付)などによると、国連、シリア赤新月社、赤十字国際委員会の支援チームが、東グータ地方のサクバー市、アイン・タルマー村、ハッザ町、ザマルカー町に人道支援物資を搬入した。

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、March 5, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は4日に停戦違反が27件発生したと発表する一方、トルコ領内からアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に武器搬入が行われていると批判(2016年3月4日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月2日と3日の2日間で41件の停戦違反が発生し、民間人3人が死亡、8人が負傷したことを確認したと発表した。

2日には14件の停戦違反が発生したと発表していたので、3日の違反件数は27件。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

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ロシア国防省はまた声明を出し、トルコ領内から武器を積んだ車輌複数台が連日シリア領内に潜入し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動に武器を供与していると批判した。

またRT(3月4日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の撮影チームが、トルコ領内からアレッポ県北西部のバーブ・サラーム国境通行所を通じて進入した複数の車輌が、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の国境付近の基地に武器、弾薬を運び込む映像を撮影することに成功したと報じ、公開した。

SANA, March 4, 2016
SANA, March 4, 2016

AFP, March 4, 2016、AP, March 4, 2016、ARA News, March 4, 2016、Champress, March 4, 2016、al-Hayat, March 5, 2016、Iraqi News, March 4, 2016、Kull-na Shuraka’, March 4, 2016、al-Mada Press, March 4, 2016、Naharnet, March 4, 2016、NNA, March 4, 2016、Reuters, March 4, 2016、SANA, March 4, 2016、UPI, March 4, 2016などをもとに作成。

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