米軍主導の有志連合はシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年3月16日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月16日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回で、フール町近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 17, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダイル・ザウル県などでダーイシュと、アレッポ県でシャーム自由人イスラーム運動と交戦(2016年3月16日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月16日付)によると、シリア軍がタドムル市南部のティーム油田一帯、サルダ山一帯、パノラマ検問所一帯、ティーム運転学校一帯、ブガイリーヤ村、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクルでダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して集中攻撃を行うとともに、ダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル県工業地区、マカービル山でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(3月16日付)によると、人民防衛諸集団がダルアー県ラジャート高原からクーア・ハドル地区一帯に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、これを撃退した。

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ヒムス県では、SANA(3月16日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、タドムル市西部郊外のヒヤール山でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州広報局は、マンビジュ市郊外のアブー・キルキル町一帯の村落住民がアブー・バクル・バグダーディー氏に新たに忠誠を誓ったと発表、その写真を公開した。

ARA News, March 16, 2016
ARA News, March 16, 2016

 

一方、ARA News(3月16日付)によると、アレッポ市南部のフッス山一帯でシャーム自由人イスラーム運動がシリア軍と交戦した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(3月18日付)によると、シリア軍・治安当局はバルザ区にいたるすべての主要幹線道路を封鎖した。

AFP, March 16, 2016、AP, March 16, 2016、ARA News, March 16, 2016、Champress, March 16, 2016、al-Hayat, March 17, 2016、Iraqi News, March 16, 2016、Kull-na Shuraka’, March 16, 2016、May 18, 2016、al-Mada Press, March 16, 2016、Naharnet, March 16, 2016、NNA, March 16, 2016、Reuters, March 16, 2016、SANA, March 16, 2016、UPI, March 16, 2016などをもとに作成。

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ハサカ県のカーミシュリー市で親政権の国防隊と西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュが小競り合いとなり、30人以上が逮捕、アサーイシュがシリア当局の治安厳戒地区を封鎖(2016年3月16日)

ハサカ県では、ARA News(3月16日付)によると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割統治するトルコ国境の町カーミシュリー市で、アサーイシュが国防隊と小競り合いとなり、アサーイシュが市内タイイ地区への出入り口を封鎖、シリア政府支配下の治安厳戒地区への出入りを禁じた。

ARAが得た情報によると、小競り合いは、覆面をした国防隊メンバーが、ハラブジャ事件(1988年3月16日)の犠牲者に黙祷を捧げていた住民に対して手榴弾を投げ込もうとしたことがきっかけだったという。

小競り合いには双方合わせて100人以上が参加し、国防隊メンバーはアサーイシュの拠点をRPGロケット弾などで攻撃、国防隊メンバー30人以上がアサーイシュに拘束され、アサーイシュメンバー5人も国防隊メンバーに拘束されたという。

ジュネーブ3会議から排除された民主統一党などハサカ県、アレッポ県の反体制派が西クルディスタン移行期民政局支配地域(ロジャヴァ)での「連邦制」樹立に向けた準備会合を開催(2016年3月16日)

ハサカ県では、ARA News(3月16日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の支配地域における行政制度構築にかかる大会の準備委員会会合「共存と諸人民の友愛のもとでの民主的連邦制シリア」がルマイラーン町で開催された。

準備委員会は、西クルディスタン移行期民政局のアフリーン地区、コバネ、ジャズィーラ地区のクルド民族主義政党・政治組織(民主統一党、シリア民主評議会など)、アラブ人組織、キリスト教(アッシリア教、シリア正教、アルメニア教会)組織、チェルケス系住民、トルクメン系住民、民政局各地の代表、アレッポ市北部のシャフバー地区代表から構成されており、『ハヤート』(3月17日付)によると、会合にはこれらの代表者150人以上が参加し、ロジャヴァ(西クルディスタン移行期民政局支配地域)における「連邦制」樹立について協議するという。

なお、西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党は、いわゆる「ロシア・ファイル」に名を連ねている組織だが、リヤド最高交渉委員会やそれを後援するサウジアラビア、そしてトルコの反対もあり、ジュネーブ3会議から排除されている。

ARA News, March 16, 2016
ARA News, March 16, 2016

AFP, March 16, 2016、AP, March 16, 2016、ARA News, March 16, 2016、Champress, March 16, 2016、al-Hayat, March 17, 2016、Iraqi News, March 16, 2016、Kull-na Shuraka’, March 16, 2016、al-Mada Press, March 16, 2016、Naharnet, March 16, 2016、NNA, March 16, 2016、Reuters, March 16, 2016、SANA, March 16, 2016、UPI, March 16, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は15日の停戦違反件数を10件と発表、シリア駐留ロシア空軍航空機の撤退続く(2016年3月16日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月15日に10件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

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ロシア国防省は、フマイミーム航空基地に駐留していたシリア駐留ロシア空軍の航空機IL-76とSu-25複数機、航空機IL-76とSu-24M複数機が第2、3陣として同飛行場を離陸、ロシア領内に帰還したと発表した。

mil.ru, March 16, 2016
mil.ru, March 16, 2016


AFP, March 16, 2016、AP, March 16, 2016、ARA News, March 16, 2016、Champress, March 16, 2016、al-Hayat, March 17, 2016、Iraqi News, March 16, 2016、Kull-na Shuraka’, March 16, 2016、al-Mada Press, March 16, 2016、Naharnet, March 16, 2016、NNA, March 16, 2016、Reuters, March 16, 2016、SANA, March 16, 2016、UPI, March 16, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表団はジュネーブ3会議でのリヤド最高交渉委員会との直接会談の可能性について「テロリストと席を共にすることを快しとしない」と拒否(2016年3月16日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はスイスの首都ジュネーブで、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団と、ジュネーブ3会議の交渉再開以降2度目となる会談を行った。

ジャアファリー国連シリア代表は会談後の記者会見で「会合は建設的、有益で、外国の介入も、誰からの前提条件の提示もないシリア人どうしの対話成功への門戸を開くような実質的なステップを踏んだ」と述べた。

しかし、反体制派との直接交渉はあるかとの記者の問いに対しては「反体制派の一派がすべての反体制派を代表することはできない。我々は今、一つの反体制派ではなく、複数の反体制派に対処している」とした。

そのうえでリヤド最高交渉委員会との直接交渉の可否については「国連特別代表を通じて行われるのであって、メディアを通じて行われることはない。対話は…仲介者を通じて行われる…。我々シリア・アラブ共和国の代表団は直接交渉においてテロリストと席を共にすることを快しとしない。サウジ代表団(リヤド最高交渉委員会のこと)の交渉責任者は、(シリア国内の)各国大使館に砲撃を加え…、無実の人々を殺すテロ組織に所属するテロリストだ…。このテロリストが自らの発言を事態しない限りは直接交渉はないだろう」と述べた。

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一方、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局が「連邦制」樹立に向けた動きを本格化させようとしていることに関しては「シリア人どうしの間接交渉における主要な原則は、こうしたシナリオが生じることを回避している。我々がここで話し合っているのは、シリアの統合の維持、独立と平和の尊重、そして領土とシリア国民の統合の維持だ。だからここかしこでなされる一方的な発表にはコメントしない」と述べた。

SANA, March 16, 2016
SANA, March 16, 2016

 

AFP, March 16, 2016、AP, March 16, 2016、ARA News, March 16, 2016、Champress, March 16, 2016、al-Hayat, March 17, 2016、Iraqi News, March 16, 2016、Kull-na Shuraka’, March 16, 2016、al-Mada Press, March 16, 2016、Naharnet, March 16, 2016、NNA, March 16, 2016、Reuters, March 16, 2016、SANA, March 16, 2016、UPI, March 16, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市で住民がヌスラ戦線に対する抗議デモを続けるなか、第13師団はメンバー17人が依然としてヌスラ戦線とジュンド・アクサー機構に拘束されていると発表(2016年3月16日)

イドリブ県では、ARA News(3月16日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市の住民らが、シャームの民のヌスラ戦線による第13師団の掃討とメンバー逮捕に抗議し、市内各所で街頭デモを行った。

抗議デモは12日の事件発生以来、連日続いているという。

Kull-na Shuraka', March 16, 2016
Kull-na Shuraka’, March 16, 2016

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第13師団はSNSを通じて声明を出し、12日にイドリブ県マアッラト・ヌウマーン市とヒーシュ村でシャームの民のヌスラ戦線とジュンド・アクサー機構に捕らえられたメンバーのうち、士官1人(イブラーヒーム・ハーリド大尉)とメンバー17人が依然として拘束されていると発表し、その氏名を公表した。

Kull-na Shuraka', March 16, 2016
Kull-na Shuraka’, March 16, 2016

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ムジャーヒディーン軍はSNSを通じて声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線に対して「1個人の過ちを組織全体の過ちとしない」よう呼びかけ、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市で拘束した第13師団のメンバーの釈放と、独立司法裁判所での事件の審理を呼びかけた。

またシャームの民のウラマー連盟も声明を出し、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市でのシャームの民のヌスラ戦線と第13師団の対立に関して、独立司法委員会のもとで対立を解消するよう呼びかけた。


AFP, March 16, 2016、AP, March 16, 2016、ARA News, March 16, 2016、Champress, March 16, 2016、al-Hayat, March 17, 2016、Iraqi News, March 16, 2016、Kull-na Shuraka’, March 16, 2016、al-Mada Press, March 16, 2016、Naharnet, March 16, 2016、NNA, March 16, 2016、Reuters, March 16, 2016、SANA, March 16, 2016、UPI, March 16, 2016などをもとに作成。

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