米軍主導の有志連合はシリア領内で5回の爆撃を実施(2016年3月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月31日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回で、アイン・イーサー市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

PYDのムスリム共同党首はフランスに「ロジャヴァ・北シリア民主連邦」の在外代表部設置の意思を表明するも、フランス外務省はただちにこれを拒否(2016年3月31日)

Kull-na Shuraka', April 1, 2016
Kull-na Shuraka’, April 1, 2016
西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首はフランス24(3月31日付)のインタビューに応じ、そのなかで「人民防衛隊主体のシリア民主軍は有志連合とともにラッカ解放の準備をしている」と述べるとともに、解放にはラッカのアラブ人住民がシリア民主軍に参加する必要があると強調した。

また、ムスリム共同党首は、西クルディスタン移行期民政局のイニシアチブのもとで樹立宣言された「ロジャヴァ・北シリア民主連邦」に関して、フランスなどに在外代表部(大使館)を樹立する意向を表明した。

**

なお、これに関して、フランス外務省報道官は、フランスにおいてシリアのクルド人によるいかなる代表部も承認する可能性はない。フランスには2012年以来、パリにシリア革命反体制勢力国民連立の政治代表部がある」と発表し、「ロジャヴァ・北シリア民主連邦」在外代表部の設置を拒否した。

AFP, April 1, 2016、AP, April 1, 2016、ARA News, April 1, 2016、Champress, April 1, 2016、al-Hayat, April 2, 2016、Iraqi News, April 1, 2016、Kull-na Shuraka’, April 1, 2016、al-Mada Press, April 1, 2016、Naharnet, April 1, 2016、NNA, April 1, 2016、Reuters, April 1, 2016、SANA, April 1, 2016、UPI, April 1, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ最高指導者バグダーディー氏の元妻「欧州で自由に暮らしたい」(2016年3月31日)

ダーイシュ(イスラーム国)の最高指導者アブー・バクル・バグダーディー氏の元妻でイラク人のサジャー・ハミード・ドゥライミー氏は、スウェーデン紙『エクスプレセン』(3月31日付)の取材に対して、「アラブの国ではなく、欧州の国で暮らしたい」、「欧州で自由に暮らしたい」と述べた。

AFP, March 31, 2016、AP, March 31, 2016、ARA News, March 31, 2016、Champress, March 31, 2016, Expressen, March 31, 2016、al-Hayat, April 1, 2016、Iraqi News, March 31, 2016、Kull-na Shuraka’, March 31, 2016、al-Mada Press, March 31, 2016、Naharnet, March 31, 2016、NNA, March 31, 2016、Reuters, March 31, 2016、SANA, March 31, 2016、UPI, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハモンド英外相は挙国一致政府の樹立を主唱したアサド大統領の発言を拒否(2016年3月31日)

英国のフィリップ・ハモンド外務大臣は、訪問先のベイルートでの記者会見で、ロシアのリヤ・ノーヴォスチとスプートニク・ニュースが行ったアサド大統領との独占インタビューに関して、アサド大統領が主唱する挙国一致内閣では紛争は解決しないと述べた。

ハモンド外務大臣は「英国および国際社会は、シリアにおける政治解決には移行期政府が必要だと考えている。アサドを指導者としないかたちですべての当事者を代表するような政府が作られねばならない。あるいは少なくとも彼は将来、政府を指導することはない」と述べた。

AFP, March 31, 2016、AP, March 31, 2016、ARA News, March 31, 2016、April 1, 2016、Champress, March 31, 2016、al-Hayat, April 1, 2016、Iraqi News, March 31, 2016、Kull-na Shuraka’, March 31, 2016、al-Mada Press, March 31, 2016、Naharnet, March 31, 2016、NNA, March 31, 2016、Reuters, March 31, 2016、SANA, March 31, 2016、UPI, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ当局は、昨年11月にトルコ軍が撃墜したロシア軍戦闘機パイロットを殺害した容疑者を逮捕(2016年3月31日)

『ヒュッリイェト』(3月31日付)は、2015年11月にトルコ軍機がロシア軍戦闘機をシリア・トルコ国境上空で撃墜した際に、パラシュートで脱出したロシア軍パイロットを殺害したとされる男性アルパルスラン・ジェリク容疑者を、トルコ警察当局が逮捕した、と伝えた。

ロイター通信(3月31日付)によると、この男性はイズミル市内のレストランで13人の男性と食事をしていたところ、警察当局に全員逮捕されたという。男性らの容疑は不明だという。

AFP, March 31, 2016、AP, March 31, 2016、ARA News, March 31, 2016、Champress, March 31, 2016、al-Hayat, April 1, 2016、Hurriyet, March 31, 2016、Iraqi News, March 31, 2016、Kull-na Shuraka’, March 31, 2016、al-Mada Press, March 31, 2016、Naharnet, March 31, 2016、NNA, March 31, 2016、Reuters, March 31, 2016、SANA, March 31, 2016、UPI, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リヤド最高交渉委員会所属のイスラーム軍はダマスカス各所に首都征服を脅迫するビラを散布、シリア軍は報復としてダマスカス郊外県を激しく爆撃(2016年3月31日)

ダマスカス県では、イスラーム軍の複数の消息筋によると、イスラーム軍の「偵察機複数機」が県内の複数の地区に、首都征服を脅迫するビラを散布した、と発表した。

ARA News(3月31日付)によると、ビラを散布したのは、無人偵察機複数機で、散布されたビラには、「イスラーム軍がやって来る。数千のムジャーヒディーンがダマスカスの門前にいる。我々は、権利をその持ち主に返す」、「あなた方の子息をムジャーヒディーン殺戮に導く屠殺人どもを許すな」などと書かれている。

ARA News, March 31, 2016
ARA News, March 31, 2016

また、ドゥラル・シャーミーヤ(3月31日付)、クッルナー・シュラカー(3月31日付)によると、ビラは旧市街のウマイヤ・モスク一帯、ムハーリジーン地区のほか、マザーキン・バルザ地区など県東部に集中的に散布されたという。

反体制武装集団がビラ散布という神経戦を行うのはこれが初めて。

Kull-na Shuraka', March 31, 2016
Kull-na Shuraka’, March 31, 2016

イスラーム軍はサウジアラビアが交戦する非アル=カーイダ系の過激派組織で、リヤド最高交渉委員会に参加している。

一方、シリア人権監視団によると、これに対して、シリア軍もジャウバル区を空爆するとともに、投降を呼びかけるビラを散布したという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、反体制派の支配下にあるダイル・アサーフィール市を14回以上にわたって空爆し、子供4人、女性4人、自警団隊員2人、ホワイト・ヘルメット隊員1人を含む23人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月31日付)によると、空爆を行ったのはシリア軍で、市内の中央医療センター、学校、民家、ホワイト・ヘルメットの車輌などが狙われたという。

またクッルナー・シュラカー(3月31日付)によると、シリア軍の戦闘機およびヘリコプターはドゥーマー市、バーラー村、ザブディーン村、ハラスター市、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯に対しても空爆を行った。

なおクッルナー・シュラカー(3月31日付)によると、ダマスカス郊外県各所への空爆は、イスラーム軍が首都ダマスカスにビラを散布したことへの報復として実施されたという。

**

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(3月31日付)によると、ヒムス市のハダーラ地区、ナズハ地区、アクラマ地区で爆弾が仕掛けられた車5台が相次いで爆発し、5人が負傷した。

**

アレッポ県では、ARA News(3月31日付)によると、シリア軍がアレッポ市南部のハーディル村、ハーン・トゥーマーン村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イッザ軍などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、アレッポ県で活動する反体制武装集団9組織は共同声明を出し、イスラーム覚醒大隊に参加すると発表した。

イスラーム覚醒大隊への合流を表名したのは、ミンハージュ・スンナ大隊、リジャール・アッラー大隊、マッカ大隊、クーワ・ムワッハダ大隊、ユースフ・ハラビー大隊、アンサーリー大隊、ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ大隊、ハンダサ大隊、アッラーの剣大隊。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に位置するカーミシュリー市にトルコ軍が越境砲撃した迫撃砲弾1発が着弾した。

AFP, March 31, 2016、AP, March 31, 2016、ARA News, March 31, 2016、Champress, March 31, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2016、al-Hayat, April 1, 2016、Iraqi News, March 31, 2016、Kull-na Shuraka’, March 31, 2016、April 1, 2016、al-Mada Press, March 31, 2016、Naharnet, March 31, 2016、NNA, March 31, 2016、Reuters, March 31, 2016、SANA, March 31, 2016、UPI, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

有志連合がハサカ県、アレッポ県のダーイシュ拠点を爆撃(2016年3月31日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機が、ダシーシャ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

**

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(4月1日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市を3回にわたり空爆し、住民5人が死亡した。

**

スワイダー県では、SANA(3月31日付)によると、シリア軍がアシュハイブ丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(3月31日付)によると、「東部地域人民抵抗」運動がサアルー村、シュハイル町でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員10人を殲滅した。

「東部地域人民抵抗」はまた、ガブラー村でダーイシュの宗教警察(ヒスバ)を要撃し、メンバー5人を、またブーカマール市、マヤーディーン市、アシャーラ市、ダイル・ザウル市工業地区などでもダーイシュ・メンバー24人を、殺害した。

一方、ARA News(3月31日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に、マルカダ町西方のダイル・ザウル市とラッカ市を結ぶ街道(アブー・ハシャブ街道)にあるルワイシド村の石油配給ステーションを制圧した。

**

ハマー県では、SANA(3月31日付)によると、シリア軍、人民防衛諸集団がシャイフ・ハラール村、ワーディー・アズィーブ一帯、タッバーラト・ディーバ丘周辺の丘陵地帯、でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ラジャート高原のジュバイブ村にあるウマリー旅団の本部に対して男性1人が自爆攻撃を行った。

AFP, March 31, 2016、AP, March 31, 2016、ARA News, March 31, 2016、Champress, March 31, 2016、al-Hayat, April 1, 2016、Iraqi News, March 31, 2016、Kull-na Shuraka’, March 31, 2016、al-Mada Press, March 31, 2016、Naharnet, March 31, 2016、NNA, March 31, 2016、Reuters, March 31, 2016、SANA, March 31, 2016、UPI, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍は3月7~20日の20日間で500回以上出撃し、ダーイシュの支配下にあったヒムス県タドムル市一帯を2,000回以上爆撃(2016年3月31日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月30日に10件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はラタキア県、イドリブ県、ダマスカス郊外県で確認され、その内容はいずれもリヤド最高交渉委員会に参加するシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍による砲撃だという。

なお米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は340件。

**

ロシア国防省によると、3月7日から27日までの20日間で、ロシア空軍は500回以上の出撃を行い、ヒムス県タドムル市一帯で2,000回以上の空爆を実施したという。

AFP, March 31, 2016、AP, March 31, 2016、ARA News, March 31, 2016、Champress, March 31, 2016、al-Hayat, April 1, 2016、Iraqi News, March 31, 2016、Kull-na Shuraka’, March 31, 2016、al-Mada Press, March 31, 2016、Naharnet, March 31, 2016、NNA, March 31, 2016、Reuters, March 31, 2016、SANA, March 31, 2016、UPI, March 31, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.