米中央軍(CENTCOM)は、3月12日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は6回で、ハサカ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, March 13, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市で活動する「穏健な反体制派」の第13師団のメンバーが12日晩、ヌスラ戦線の拠点複数カ所を襲撃したと発表した。
声明によると「第13師団メンバーはヌスラ戦線の拠点を襲撃するだけでなく、同市内のヌスラ戦線メンバーの家も襲撃し、家族を暴行し、逮捕した」という。
ヌスラ戦線は「革命がセンスィティブな段階にあるなかで、なぜ暴行が行われたのか理由が分からない」と付言、「すべての理性ある人々に事態を理解し…、戦闘員の銃を政府軍、ロシア軍に向ける」よう呼びかけた。
一方、ムハンマド・フーズーを名乗る活動家はARA News(3月12日付)に対し、「第13師団メンバーはマアッラト・ヌウマーン市内各所でヌスラ戦線メンバーと軽火器で交戦、またヒーシュ村、カフルサジュナ村でも同様の戦闘があった」と述べた。
フーズー氏はまた「ヌスラ戦線の軍用車輌の車列がハマー県からマアッラト・ヌウマーン市に向かった。またヌスラ戦線メンバーはマアッラト・ヌウマーン市内に検問所を設置し、市内への出入りを阻止している」という。
一方、複数の活動家によると、ヌスラ戦線は、ダーイシュ(イスラーム国)との連携が取りざたされているジュンド・アクサー機構とともにヒーシュ村にある第13師団の拠点と倉庫を襲撃し、同師団のヒーシュ村司令官のサリー・サッルーム離反大尉を拘束、また同師団に属すハーン・シャイフーン大隊司令官のムスタファー・カンジュ氏の車を狙撃したという。
同市では11日、活動家らが反体制デモを実施したが、ヌスラ戦線の旗を掲げる若者が介入し、中止を余儀なくされていた。
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クッルナー・シュラカー(3月13日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市では12日晩、市内各所で住民がデモを行い、ヌスラ戦線と第13師団の対立回避を訴えた。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、March 13, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市を空爆、同市西部のドゥーワ地区、カルヤタイン市一帯ではシリア軍、国防隊とダーイシュが交戦した。
一方、SANA(3月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにタドムル市西部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、柑橘農園・ヒヤール山から1キロの地点にある第753地点を制圧した。
シリア軍はまたタドムル市一帯、マハッサ地区、カルヤタイン市南西部一帯のダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、ウルフィー地区、ハミーディーヤ地区、ジュバイラ地区、ブガイリーヤ村を空爆した。
また航空機(所属明示せず)は、ダイル・ザウル市郊外のシリア軍第137旅団基地近くに支援物資を投下した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ラジャート高原で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が交戦した。
AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブーダ町上空を飛行中の戦闘機(所属明示せず)1機を反対武装集団が攻撃し、撃墜したという。
ARA News(3月12日付)によると、撃墜されたのはシリア空軍のMiG21戦闘機で、ムガイル村郊外に墜落したという。
一方、SANA(3月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ムガイル村、ブライディージュ村、タッル・サフル村、ハマーミーヤート村、カフルヌブーダ町、フバイト村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、シリア人・アラブ系・アジア系民兵がジハード主義武装集団とカッバーニー村一帯で交戦し、戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。
この戦闘で、シリア軍側はカッバーニー村に近い丘陵地帯を制圧したという。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にあるラスタン市に迫撃砲弾複数発が着弾した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・マニーン町一帯でシリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。
AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。
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英国で活動するシリア人権監視団は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意が2月27日に発効してから2週間が経ったのに合わせ、この間の犠牲者数の集計結果を発表した。
同監視団によると、この間の死者数は381人で、うち78人が反体制武装集団、110人が民間人(子供26人を含む)、シリア軍兵士、国防隊隊員が98人だという。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月11日に10件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反は、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県で発生した。
またイドリブ県では、トルコ軍が越境砲撃を行い、迫撃砲弾複数発が着弾した。
トルコ軍による越境砲撃はアレッポ県北西部のアフリーン市郊外(西クルディスタン移行期民政局支配地域)に対して行われたという。
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ジョン・ケリー米国務長官は、サウジアラビアを訪問し、サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王らと会談、シリア、イエメン情勢などへの対応について意見を交わした。
ケリー国務長官が会談したのは、サルマーン国王のほか、ムハンマド・ビン・ナーイフ副首相兼内務大臣(皇太子)、ムハンマド・ビン・サルマーン第二副首相兼国防大臣(第二皇太子)、アブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンUAE外務大臣、アーディル・ジュバイル外務大臣。
ロイター通信(3月12日付)が伝えたところによると、ケリー国務長官はシリア情勢に関して、ジュネーブ3会議の再開する必要を強調したという。
ケリー国務長官はまた、シリア国内でのシリア軍、ロシア軍の停戦違反に関して「我々のチームはジュネーブとアンマンでロシアと会合を持ち、こうした主張(シリア軍、ロシア軍の停戦違反)に関する具体的な作業計画を策定する。また今日(12日)、ロシアのラブロフ外務大臣との電話会談を要請した」と述べた。
一方、停戦状況に関しては「暴力のレベルは…80~90%低下した…。我々が実行したいのはこの割合をさらに減少させるために活動を続けることだ」と述べるとともに、「しかし、我々がはっきりと言っておきたいのは、アサド政権にはこの(停戦)プロセスを利用することなどできないということだ」と強調した。
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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、14日にジュネーブ3会議が再開されるのを先だってダマスカスで記者会見を開き、シリア政府の方針について説明した。
会見のなかでムアッリム外務在外居住者大臣は「(反体制派代表団の)頭のなかにジュネーブで権力が移譲されるとの幻想があれば、協議は失敗するだろう…。我々は大統領の地位について話す誰とも協議はしない…。彼らに忠告したい。もし彼らがそのように考えているのなら、交渉に来るべきではない、と…。こうした幻想はあきらめねばならない」と述べた。
ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、シリアの代表団が13日にジュネーブに向かうとしたうえで、反体制派代表団が24時間以内にジュネーブに来なければ、代表団を引き上げると述べた。
一方、ムアッリム外務在外居住者大臣は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がジュネーブ3会議で、移行期間(18ヶ月)後の大統領選挙の実施について議論する意向を示したことに反論、「国会選挙はウィーンでの合意文書に明記されている。だが、大統領選挙については、彼であろうと誰であろうと口出しする権利はない…。それはシリア国民だけの権利だ…。我々は今後、あちらこちらの当事者を満足させようとして中立でなくなることを認めない」と強調した。
移行期については「我々が理解する移行期の定義とは、現行憲法から新憲法への移行、現政権から相手方(反体制派)が参加する政府への移行だ」と述べた。
このほか、米・ロシアによる敵対行為停止合意に関して、ムアッリム外務在外居住者大臣は「シリア政府は合意を遵守する」と強調した。
また、アラブ連盟外相会議でヒズブッラーがテロ組織に指定されたことに関して、「馬鹿げている」「恥ずべきこと」と批判した。
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リヤド最高交渉委員会の代表団のアスアド・ズウビー団長とムハンマド・アッルーシュ交渉責任者は13日、そろってジュネーブに到着した。
ジュネーブ入りしたアッルーシュ氏は「アサドが政権内にいない移行期統治機関を樹立するために来た」と述べた。
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ハサカ県では、ARA News(3月12日付)によると、カーミシュリー市で「カーミシュリーの春」(2004年3月12日に発生)の犠牲者を追悼するデモが開催され、住民数百人が行進を行った。

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野党(クルド人政党)の国民青年公正成長党のバルウィーン・イブラーヒーム書記長は、4月13日に投票が予定されている第2期人民議会選挙に立候補者を擁立していることを明らかにした。
イブラーヒーム書記長は「国民青年公正成長党は、複数の県で立候補者7人を擁立し、人民議会選挙に参加する」と述べた。
しかし「どの県でも選挙運動は行わない。立候補者の写真を掲示するにとどめる」と付言した。
ARA News(3月12日付)が伝えた。
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