米軍主導の有志連合はシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年3月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ハサカ市近郊(4回)、マンビジュ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 6, 2016などをもとに作成。

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ラッカ市でダーイシュのチュニジア人司令官ら200人が離反し、戦闘の末多数が死亡(2016年3月5日)

ラッカ県では、ARA News(3月5日付)が地元筋の話として、ラッカ市内で過去2日間でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー約200人が離反し、多数が殺害されたと伝えた。

同消息筋によると、チュニジア人司令官のアブー・アリー・トゥーニスィー氏ら多数が離反し、ラッカ市内各所での戦闘の末に死亡したという。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は5日に9件の停戦違反が発生したと発表(2016年3月5日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月4日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

このうち6件はアレッポ県、3件はダマスカス郊外県、ラタキア県、ダルアー県で発生した。

またアレッポ市シャイフ・マクスード地区、シャイフ・アキール地区、カースティールー地区に対して、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が砲撃を加えたという。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはハマー県サラミーヤ市とアスライヤー村を結ぶシリア軍の兵站路を遮断(2016年3月5日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が5日深夜にイスリヤー村とサラミーヤ市をつなぐ街道一帯(アスライヤー揚水ステーション、ナターヒジュ山、サアン丘、シャイフ・ハラール村一帯)への攻勢を強め、シリア軍、国防隊と交戦、同街道を再び遮断した。

一方、SANA(3月5日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、サラミーヤ市郊外のマフカル村・東ビッリー村・ラスム・ティーナ村回廊でダーイシュ(イスラーム国)交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月5日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともに、ハナースィル市・イスリヤー村街道を寸断しようとして、同地一帯に侵攻したダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、これを撃退した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月5日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市の農学部一帯、マリーイーヤ村、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ブガイリーヤ村のジャズィーダ大学一帯でダーイシュの車列を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県フーア市で子供1人が狙撃され死亡(2016年3月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のフーア市で、子供1人が狙撃され死亡した。

また戦闘機(所属明示せず)がジャルジャナーズ町を空爆した。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外務大臣「交渉後ではなく前にアサド大統領は退陣すべき」(2016年3月5日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、ムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子とともに訪問中のフランスで、シリア情勢について言及、そのなかで「我々にとって、問題(アサド大統領退陣)は極めて明白だ。(退陣は政治)プロセスの最後ではなく始めでなければならない。18ヶ月もかからない」と述べた。

しかし、ジュバイル外務大臣は同時に、「ジュネーブ合意の原則に従ってシリアで政権移譲を行うための政治プロセスを再開、あるいは開始するための停戦が必要だ」と述べた。

なお、ジュネーブ合意では停戦だけでなく、シリア政府と反体制派の対話を通じた政治移行プロセスの実施を定めており、このプロセスの開始時に大統領の退陣を求めていない。

SPA(3月6日付)が伝えた。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、SPA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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シリア国民連合は新代表に「穏健なイスラーム主義者」のアブダ氏を選出(2016年3月5日)

シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会はトルコのイスタンブールで会合を開き、アナス・アブダ氏を新代表に、ムワッファク・ニールビーヤ氏とアブドゥルハキーム・バッシャール氏(クルド人)、サミーラ・ムサーラマ氏を新副代表に、アブドゥルイラーフ・ファフド氏を新書記長に選出した。

総合委員会はまた、アブダ氏、ニールビーヤ氏、バッシャール氏、ファフド氏を含む19人を政治委員会メンバーに選出した。

アブダ氏は1967年、ダマスカス県生まれで、ヨルダンのヤルムーク大学で地理を学び、その後ロンドンで技術者となった。

その後、「ダマスカス宣言」運動の在外指導者の一人として反体制活動に参加した。

SPA(3月5日付)によると、「穏健なイスラーム主義」者。

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トルコ軍はハサカ県カーミシュリー市郊外でYPGに発砲(2016年3月5日)

ハサカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のライドゥール・ハリール報道官によると、トルコ軍がカーミシュリー市近郊で人民防衛隊隊員に対して発砲し、1人が負傷した。

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米・ロシア外相が電話会談でシリア政府と反体制派による交渉を早急に再開する必要があることを確認(2016年3月5日)

ロシア外務省は声明を出し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣とジョン・ケリー米国務長官が電話会談を行い、シリア情勢への対応を協議したと発表した。

会談で両者は、シリア政府と反体制派による交渉を早急に再開する必要があることを確認したという。

AFP, March 5, 2016、AP, March 5, 2016、ARA News, March 5, 2016、Champress, March 5, 2016、al-Hayat, March 6, 2016、Iraqi News, March 5, 2016、Kull-na Shuraka’, March 5, 2016、al-Mada Press, March 5, 2016、Naharnet, March 5, 2016、NNA, March 5, 2016、Reuters, March 5, 2016、SANA, March 5, 2016、UPI, March 5, 2016などをもとに作成。

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米軍が軍事教練した「新シリア軍」がダーイシュとの交戦の末、対イラク国境のタンフ国境通行所を一時制圧するも、数時間後にはダーイシュが奪還(2016年3月5日)

米軍の軍事教練を受けた「新シリア軍」はインターネットを通じて声明を出し、3月4日に対イラク国境に位置するタンフ国境通行所を、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧したと発表し、写真や画像(https://www.youtube.com/watch?v=XoRXGzttgQA)を公開した。

Kull-na Shuraka', March 8, 2016
Kull-na Shuraka’, March 8, 2016

声明によると、「新シリア軍」は、米軍主導の有志連合の航空支援を受け同地に進軍、殉教者アフマド・アブドゥー軍団とともに同地を制圧したという。

タンフ国境通行所は、ヒムス県タドムル市一帯からシリア軍が戦略的撤退をしたのを受け、2015年5月22日にダーイシュが制圧していた。

「新シリア軍」は、ダーイシュとの戦闘でダイル・ザウル県から敗走していた武装集団の一つアサーラ・ワ・タンミヤ戦線が2015年11月に結成した武装集団で、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線のハズアル・スィルハーン氏を司令官を務める。

結成時に公開された宣伝ビデオでは、シリア国外で米国製の武器の使用訓練を受けたとされる軍服姿の戦闘員の訓練の様子が映し出されるとともに、スィルハーン氏がダーイシュ以外のジハード主義武装集団との共闘の意思を表明した。

また殉教者アフマド・アブドゥー軍団もダイル・ザウル県から敗走していた武装集団が結成した組織で、ダマスカス郊外県東カラムーン地方などで活動をしていた。

Kull-na Shuraka', March 5, 2016
Kull-na Shuraka’, March 5, 2016
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Kull-na Shuraka’, March 5, 2016
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Kull-na Shuraka’, March 5, 2016
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これに関して、シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県東カラムーン地方とヒムス県南東部で活動を続けてきたとされるジハード主義武装集団などからなる反体制武装集団と、ヨルダン領内から進入した「新シリア軍」が、イラク国境に位置するタンフ国境通行所を制圧したと発表した。

同監視団によると、「新シリア軍」はヨルダン国境地帯のマフルーサ地区からタンフ国境通行所方面に進軍したという。

一方、クッルナー・シュラカー(3月5日付)は、「新シリア軍」がタンフ国境通行所一帯に進軍した経路に関して、有志連合による降下、ヨルダン領内からの進入などの諸説が流れていると伝えた。

しかし、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(3月5日付)に対して、米軍主導の有志連合の航空支援によって、ダーイシュはタンフ国境通行所からイラク領内に撤退し、「新シリア軍」が同地に進軍したが、その後ほどなくダーイシュは反撃に転じ、国境通行所から「新シリア軍」を放逐、その後、通行所の施設を爆破・破壊したと述べた。

その後、シリア人権監視団は6日、「新シリア軍」がタンフ国境通行所を数時間にわたり制圧したが、その後ダーイシュが同地を奪還したと改めて発表した。

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一方、シリア革命反体制勢力国民連立は、ダイル・ザウル県で活動するという「生活のための正義監視団」のジャラール・ハマド代表の話として、自由シリア軍に所属する部隊がダーイシュをタンフ国境通行所から掃討したと発表した。

同連立によると、ダーイシュ掃討戦に参加したのは、殉教者アフマド・アブドゥー軍団、東部獅子軍、新シリア軍、そして地元の若者からなる複数の小集団で、攻撃は4日早朝に開始されたという。

なお、東部獅子軍は、ダーイシュとの戦闘でダイル・ザウル県から敗走していた武装集団が2014年8月にダマスカス郊外県カラムーン地方で結成した組織で、同年12月には、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、サウジアラビアが支援するイスラーム軍とともに東部カラムーン統一司令部を結成していた。

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ダーイシュの通信部門アアマーク通信は、「新シリア軍」がタンフ国境通行所を制圧したとの報道を否定している。

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