米中央軍(CENTCOM)は、3月6日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は6回で、ハサカ市近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, March 7, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のダイル・ハーフィル市各所を空爆した。
**
ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市西部郊外のドゥーワ地区、カルヤタイン市一帯、マヒーン町でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、また戦闘機(所属明示せず)がマヒーン町一帯を空爆した。
一方、SANA(3月6日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともにダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、カルヤタイン市近郊のスード丘方面の第912地点、第861地点を制圧した。
シリア軍はまたウンク・ハワー村、ムシャイリファ村でダーイシュと交戦した。
**
ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部郊外のアブドゥルアズィーズ山一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
また米軍主導の有志連合と思われる戦闘機が県南部のマルカダ町南部に位置するジャナート村の学校一帯を複数回にわたり空爆した。
ARA News(3月7日付)によると、マルカダ町に対する有志連合の空爆で、ダーイシュの司令官の一人フサーム・シャッルーフ氏が死亡した。
**
ハマー県では、SANA(3月6日付)によると、シリア軍がハマーディー・ウマル村・シャイフ・ハラール村間でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ダイル・ザウル県では、SANA(3月6日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はまた、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区などでダーイシュと交戦した。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、March 7, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊などが、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン村、森林地帯、タッル・マムー村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(3月6日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を「テロリスト」が迫撃砲で攻撃を加え、住民13人が死亡、40人以上が負傷した。
**
ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がキンダ村、ハッダーダ村、トゥッファーヒーヤ山などを砲撃した。
一方、ARA News(3月6日付)によると、反体制武装集団がキンサッバー町近郊のカルズ村のシリア軍拠点を奇襲した。
**
ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がキースィーン村一帯、ガルナータ村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。
**
イドリブ県では、SANA(3月6日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール町、ジャルジャナーズ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、戦闘員18人を殲滅した。
また、対トルコ国境にアティマ村では、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の戦闘員複数が死亡した。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月5日に15件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反が発生したのは、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、ダルアー県、イドリブ県。
なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(3月6日付)によると、シリア政府支持者が、カーミシュリー市で合同でデモを組織し、レバノンのヒズブッラーへの支持を表明するとともに、ヒズブッラーをテロ組織に指定したGCCの決定を批判した。
デモは西クルディスタン移行期民政局とシリアの治安当局が合同管理する市内の文化センター前で行われ、アラブ人部族の名士、バアス党シリア地域指導部ハサカ支部書記長ら党幹部、シリア政府支持者らが参加し、シリアの治安当局、国防隊がこれを警護した。
アサーイシュは警護にはあたらなかったという。


AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、サウジアラビアなどGCC諸国がヒズブッラーをテロ組織に指定したことに関して、「サウジアラビアはシリアとイエメンでの賭に負けて怒っている」と批判した。
アレッポ県での戦闘で戦死したヒズブッラー・メンバーのアリー・ファイヤード司令官の葬儀から1週間が経ったのに合わせて行ったテレビ演説で、ナスルッラー書記長は「この国(レバノン)を守っているのは、軍、国民、そして抵抗運動だ。アラブ連盟やアラブ諸国がイスラエルの侵攻を阻止するなどと期待している者は妄想しているだけだ」と述べた。
またサウジアラビア政府が、レバノン軍への財政支援を中止したことに関して、「我々はあなたがたに何も欲していない。金も武器も支援も望んでいない。抵抗運動、国、そして国民に関わらないで欲しい」と述べた。
一方、GCCがヒズブッラーをテロ組織に指定したことに関して、「ファイヤード氏と彼の兄弟は、ダーイシュ(イスラーム国)がモスル、アンバール、サラーフッディーン、キルクークに侵攻し、バグダードに迫り、イラク全土が危機に曝されたときにイラクに向かった…。我々はイラク人の指導のもとにイラクで戦っている。また我々が米国の指導のもとで戦っていたら、彼ら(GCC)は我々をテロリストとはみなさなかっただろう…。イラクの人民防衛隊がいなかったら、ダーイシュは今頃、あなた方の国の王宮に迫り、あなた方を殺し、あなた方の女性を奴隷にしていたことだろう」と述べた。
そのうえで「アラブの尊厳とは、すべてのアラブ人がイラクに赴き、イラクを守る者たちをテロリストと指定するのではなく、イラク人の尊厳や聖地を守る時に表れる…。サウジアラビアはシリアとイラクでの賭に負けたから怒っているのだ。彼らの怒りはレバノン全体に向けられている。なぜなら、彼らはレバノン国民を我々に対して激高させようとしているからだ…。サウジアラビアが、ダーイシュであれ、シャームの民のヌスラ戦線であれ、あるいは似たようなイデオロギーを持つグループであれ、誰が権力を掌握するかを考えずに、シリアで体制を転覆させようと計画していることを、レバノン人はよく知っている。シリアでサウジアラビアに抵抗している者が、レバノンの国益の真の防衛者でもあるのだ」と強調した。

AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イランのIRNA(3月6日付)は、ハサン・ロウハーニー大統領がテヘランでトルコのアフメト・ダウトオール首相と会談した。
ロウハーニー大統領は会談後、「諸国の主権を尊重する必要があるとの点で、両国には意見の相違はない。各国国民が自らの国の行方を決定する」としたうえで、「(シリアでの)戦争を終わらせ、流血、難民発生を食い止める必要がある。イラン、トルコ領政府はこれらの問題に対して、真剣且つ有効な措置を講じることができる」と述べた。
また「両国は共通の敵であるテロとの戦いにおいて協力、協調、専念し、地域の平和と安定の基礎を強化しなければならない。イランとトルコは、隣り合う大国として、イスラーム世界の統合の基礎を強化するための建設的且つ影響力のある措置を実施できる」と強調した。
さらに「諸外国は地域の問題を全面解決しようとしておらず、それぞれの国益を実現しようとしている。それゆえ、地域諸国が自ら問題を解決しなければならない。イランとトルコの協力は必ず、地域における持続的和平の実現において建設的な役割を果たすことになる」と付言した。
これに対して、ダウトオール首相は「私は、トルコとイラン、そしてその他の地域諸国がシリアの領土の統一性、分割阻止という点で合意できると確信している」と述べた。
また「我々とイランは、すべての国とともに、シリア危機の早急な解決と同国の領土保全のために一致団結して行動しなければならない」と付言した。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、IRNA, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
シリア人権監視団は、2月27日に米・ロシアによる敵対行為停止合意発効後、3月4日までの7日間で、停戦対象地域内での死者数が135人を記録したと発表した。
135人のうちの45人が「戦闘部隊およびイスラーム主義部隊の戦闘員」、32人が民間人(うち子供7人、女性7人)、シリア軍・国防隊の兵士32人、「西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、シャームの民のヌスラ戦線などのイスラーム主義部隊の戦闘員」が33人。
なお、米国とロシアが、戦闘行為停止の対象となる地域「グリーン・ゾーン」について合意したのか不明で、停戦対象地域がどこかは誰にも分からない。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ドゥラル・シャーミーヤ(3月6日付)は、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団が、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー42人を離反させたと伝えた。
シャーム軍団の司令官の一人によると、シャーム軍団は1ヶ月以上前から離反したメンバーらとの接触を続け、離反の準備を行っていたという。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
『ハヤート』(3月7日付)は、ロシアのRT、タス通信が、シリア駐留ロシア軍の拠点フマイミーム航空基地(ラタキア市)にシリアの野党代表者が訪問し、新憲法制定の必要性を訴えたと報じていると伝えた。
それによると、「民主主義のためのシリア人」のマイス・クライディー代表、シリア民族社会党(インティファーダ派)のマーズィン・ビラール氏らがフマイミーム航空基地を訪問し、紛争の解決に向けた交渉を経て、新憲法を制定し移行期を完了させる必要があると述べたという。
AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが県内各所にビラを空中散布し、反体制武装集団戦闘員に投降を呼びかけた。
ビラには「何度も読み返せ。これが最後の希望だ。自分の命を救え。この地域を早急に放棄しなければ、あなたたちは殲滅されるだろう。我々は退去のための進路を確保した。決断を急げ」などと書かれているという。
ARA News(3月6日付)によると、ビラはダルアー県にも散布されたという。

AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.