米中央軍(CENTCOM)は、3月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は5回で、ラッカ市近郊(2回)、フール町近郊(2回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, March 10, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ハサカ県では、ザマーン・ワスル(3月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が有志連合の航空支援を受け、ハサカ県南部各所で進軍を続け、県内におけるダーイシュ(イスラーム国)最後の主要拠点であるマルカダ町を包囲した。
シリア民主軍はまた、ハサカ市南部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダー種と交戦し、3カ村(ウンム・マドファア村、マクマーン村、サーリヒーヤ村)を新たに制圧した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、スード丘を制圧した。
また戦闘機(所属明示せず)はタドムル市を30回以上にわたり空爆した。
一方、SANA(3月9日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにマハッサ地区北西部の丘陵地帯(スナイヤト・ヒート)でダーイシュ(イスラーム国)を掃討、同地を制圧した。
シリア軍はまた、タドムル市西方のヒヤール山周辺、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、スード丘一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者軍の司令官の一人ワーフィー・カーイド氏(ガバーギブ殉教者旅団司令官)が8日晩、サイダー町・キヒール村街道でシリア軍によると思われる発砲を受け、暗殺された。
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アレッポ県では、SANA(3月9日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともに、アレッポ市・ハナースィル街道一帯のアトシャーナ村、ウンム・マイヤール村、ジュッブ・アリー村、ハリーバ村、シャリーマ村、ラスム・アスカル村、スィルヤーフ村、ハナースィル市東部のSyriatel丘でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して集中攻撃を加え、同地を制圧、治安と安定を回復した。
一方、ARA News(3月9日付)によると、県北西部にある「穏健な反体制派」の拠点都市マーリア市に対し、ダーイシュ(イスラーム国)が砲撃を加え、民間人5人が負傷した。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016、Zaman al-Wasl, March 9, 2016などをもとに作成。
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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(3月10日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線は、シリア軍による空爆(8日)を受け、アブー・ズフール町の拠点を撤収した。
イドリブ県の複数の活動家によると、ヌスラ戦線の撤収は、シリア軍による空爆が続くことを恐れる住民がヌスラ戦線司令官(アミール)に撤退を求め圧力をかけたことを受けた動きだという。
8日のアブー・ズフール町に対するシリア軍の空爆では、民間人20人以上が死亡、約40人が負傷していた。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カッバーナ村一帯、ズワイカート丘一帯で、ロシア軍士官が指揮するシリア軍、シリア人・アラブ系・アジア系民兵が、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、March 10, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(3月10日付)によると、トルコ国境に面するアティマ村にある避難民のキャンプにアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線が突入、「指名手配者」と銃撃戦となり、14歳の少年1人が巻き添えとなり死亡、また民間人複数が負傷した。
ヌスラ戦線はこの突入で、5人の「指名手配者」を逮捕した。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、March 10, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス郊外県では、ARA News(3月9日付)によると、イスラーム軍の拠点都市の一つダーライヤー市で、体制打倒、包囲解除を求めるデモが組織され、住民が動員された。

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アレッポ県では、ARA News(3月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の実効支配下にある北西部のアフリーン市で、シリア軍がクルド人青年2人を兵役忌避容疑で逮捕、アレッポ市に連行した。
逮捕・連行されたのは、アフリーン氏出身のラーミー・ハマドゥー氏とジャクマーク村出身のアフマド・シャイフー氏。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、March 10, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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ダルアー県では、『ハヤート』(3月10日付)によると、県南部のハウラーン地方で活動を続ける反体制武装集団15組織が統合し、「南部旅団」を結成した。
南部旅団に参加したのは、ムフタール旅団、アンサール・スンナ旅団、ウムライン・イスラーム旅団、フスタート・ムスリミーン旅団、ムラービティーン大隊、イブン・ワリードの末裔旅団、ダルアー自由人旅団、北部特殊任務旅団、アッラーの獅子ハムザ大隊、ジュンド・ラフマーン中隊、アーイシャ・ウンム・ムウミニーン旅団、ファールーク・ムジャーヒディーン旅団、ヒッティーン旅団、ジュンド・イスラーム大隊、ハッターブ中隊。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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AFP(3月9日付)は、米匿名高官筋の話として、3月4日に米軍主導の有志連合がシリア北東部で実施した空爆によって、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員12人が死亡、一時情報によると、そのなかに同組織でもっとも著名な幹部司令官の一人アブー・ウマル・シーシャーニー氏が含まれていたと伝えた。

これに関して、国防総省のピーター・クック報道官は、この空爆がシーシャーニー氏を狙ったものだったことを明らかにしたが、詳細についての言及は拒否した。
米高官によると、この空爆は、無人戦闘機によるもので、ハサカ県シャッダーディー市近郊で実施されたという。
アブー・ウマル・シーシャーニー氏、本名タルハン・タユムラゾヴィッチ・バティラシヴィリ(Tarkhan Tayumurazovich Batirashvili)は、1986年生まれで、「シーシャーニー」(チェチェン人)を名乗るが、出身はチェチェンではなくジョージア(グルジア)。
ジョージア軍の元軍曹で、2008年のロシア・ジョージア戦争への従軍したが、2010年に武器の不法所持で逮捕、禁固3年の有罪判決を受けた。
約1年半の服役を経て、2012年初めに釈放され、ジョージアを去り、トルコのイスタンブール、イエメン、エジプトなどを経て、2012年3月にシリアに潜入したとされる。
シリアに潜入後の2012年半ばにチェチェン人戦闘員らとともにムハーリジーン大隊を結成し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(イラク・イスラーム国のフロント組織)とともにアレッポ県での戦闘に参加した。
2013年3月、ムハージリーン大隊がシリア人からなるムハンマド軍、ハッターブ大隊を統合し、ムハージリーン・ワ・アンサール軍が結成されると、同組織の指導者を務め、アレッポ県北西部のマンナグ航空基地攻略戦やラタキア県北西部での戦闘に参加した。
2013年4年、イラク・イスラーム国がヌスラ戦線との完全統合を宣言し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)へと改称すると(ヌスラ戦線の一部はこれに応じず、また2014年6月にイラク・シャーム・イスラーム国はイスラーム国に改称)、シーシャーニー氏はこれに合流し、翌月5月には北部方面司令官となり、アレッポ県、ラッカ件、ラタキア県、イドリブ県北部での戦闘を指揮し、同年末に北部方面の「アミール」となった。また2014年にはラッカ市に拠点をもつダーイシュのシューラー評議会のメンバーに任命された。
なお、シーシャーニー氏のダーイシュへの合流に対して、ムハージリーン・ワ・アンサール軍内のチェチェン人戦闘員は同調せず、アレッポ県などでヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団と連携して活動を継続した。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、アブドゥッラティーフ・ズィヤーニーGCC事務局長との共同記者会見で「アサドは、権力の座から去るか、支配に抵抗するシリア国民が戦闘を続け、軍事的に倒されるかを選択しなければならない」と述べた。
ARA News(3月10日付)が伝えた。
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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は報道声明を出し、ジュネーブ3会議を3月14日から24日にかけて再開すると発表した。
デミストゥラ特別代表は声明で「(シリア政府と反体制派の)代表団は近日中に(ジュネーブに)到着し、月曜日(14日)から本質的な対話を開始する。対話は3月24日以降は続けられない…。その後は1週間から10日の中断期間を設け、再び対話を再開する」と発表した。
ジュネーブ3会議は当初、2月25日に再開が予定されていたが、その後3月9日、10日と延期となっていた。
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フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は、ジュネーブ3会議再開に先立ってパリで米英仏独伊の外相会議を開催し、シリア情勢への対応について協議すると発表した。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス県選挙区での第2期人民議会選挙(4月13日投票日)を監督する司法小委員会のアルファーン・アダス委員長(判事)は、立候補届出受理を拒否されたとして12人が異議申し立てを行っていると発表した。
ダマスカス郊外県選挙区の司法小委員会のフサームッディーン・ラフムーン委員長(判事)は、9件の異議申し立てが行われていることを明らかにした。
アレッポ市選挙区の司法小委員会のアスアド・ハサン委員長(判事)は、立候補届出受理を拒否されたとして33人が異議申し立てを行っていると発表した。
アレッポ県諸地域選挙区の司法小委員会のアマル・シューシャ(判事)判事は、12件の異議申し立てが行われていることを明らかにした。
ラタキア県選挙区の司法小委員会のサーリフ・ワフバ(判事)判事は、37件の異議申し立てが行われ、20件を受理したことを明らかにした。
タルトゥース県選挙区の司法小委員会のジャービル・カースィム(判事)判事は、2件の異議申し立てが行われていることを明らかにした。
ハサカ県選挙区の司法小委員会のエリー・ミールー(判事)判事は、異議申し立ては行われなかったことを明らかにした。
ダルアー県選挙区の司法小委員会のイーサー・アフマド(判事)判事は、異議申し立ては行われなかったことを明らかにした。
SANA(3月9日付)が伝えた。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターに対して、反体制武装集団5組織の指導者5人が新たに敵対行為停止合意の受諾を申し入れ、戦闘を停止したと発表した。
この5組織はダルアー県北部のマハッジャ町郊外で活動を続けてきた組織で、戦闘員の数は450人におよぶという。
これにより、ロシアの当事者和解調整センターに停戦受諾を申し出た反体制武装集団は42組織に達したという。
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SANA(3月9日付)は、ヒムス県の関係当局の話として、反体制活動を行っていたタルビーサ市、ラスタン市、およびヒムス市の住民97人が地元和解プロセスの一環で放免となり、市民生活に復帰したと伝えた。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、TASS, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月8日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
このうち3件がアレッポ県、1件がラタキア県、ヒムス県、イドリブ県で発生したという。
このうち、アレッポ県での停戦違反は、「穏健な反体制派」と目されるスルターン・ムラード旅団と第16師団によるアレッポ市シャイフ・マクスード地区への砲撃だという。
なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。
AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。
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『ハヤート』(3月9日付、ムハンマド・サーリフ・スィドキヤーン記者)は、12日のテヘランでのハサン・ロウハーニー大統領との会談で、トルコのアフメト・ダウトオール首相は、イランとの関係やシリア情勢への対応をめぐってこれまでとは異なる発言を行い、新たな姿勢を示そうとしていたと伝えた。
この変化に関して、中東情勢に詳しいイラン消息筋は、イラン政府が、地域の治安と安定の回復に資すると高く評価する一方、「隣国との関係だけを優先させるのではなく、すべての近隣諸国とのバランスのとれた関係を維持したいと考えている」と述べ、トルコ、ロシアの双方との関係維持に努めようとしているとの見方を示した。
同消息筋によると、ダウトオール首相はテヘランでの会談で、ロシアとの緊張緩和を仲介するよう求め、その見返りとして、トルコ政府がイラン・サウジ関係の緊張緩和をめざすとの意向を示し、「ロシアとトルコの関係の正常化はイランの国益に合致する」と主張したという。
また、シリアへの連邦制の導入や分割に関しては、トルコの国益に資さないとの立場を明示したという。
これに対して、イラン側は、イランとトルコの政治および安全保障分野での協力強化が経済関係の強化につながると伝えた。
また、シリア情勢をめぐっては、米国がトルコと距離を置き、ロシアに接近しつつあるとの念を抱くトルコ側の感情を踏まえ、路線変更を行うべきだとの意向を示したという。
AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。
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