シリア軍ヘリコプターはシャーム解放機構などが活動を続けるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃(2019年10月9日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがシャーム解放機構などが活動を続けるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

一方、シリア駐留ロシア軍の司令部があるフマイミーム航空基地近くでは複数回の爆発が発生した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がシャリーア村、フワイズ村を砲撃した。

これに対して、シリア軍地上部隊はアムキーヤ町、サルマーニーヤ村、シャフルナーズ村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がアブー・ズフール町西部一帯、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、マアッルズィーター村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を26件(イドリブ県10件、ラタキア県6件、アレッポ県7件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を34件(イドリブ県16件、ラタキア県10件、アレッポ県6件、ハマー県2件)確認した。

AFP, October 9, 2019、ANHA, October 9, 2019、AP, October 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 9, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 9, 2019、Reuters, October 9, 2019、SANA, October 9, 2019、SOHR, October 9, 2019、UPI, October 9, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから474人、ヨルダンから737人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月9日付)を公開し、10月8日に難民1,211人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは474人(うち女性142人、子供242人)、ヨルダンから帰国したのは737人(うち女性221人、子供376人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は430,090人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者135,973人(うち女性41,173人、子ども69,646人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者294,117人(うち女性88,275人、子ども149,987人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 659,370人(うち女性198,106人、子供336,555人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 9, 2019をもとに作成。

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ダーイシュがヒムス県東部砂漠地帯でシリア軍部隊を要撃し、兵士17人を殺害(2019年10月8日)

ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(10月9日付)によると、ダーイシュがスフナ市近郊の砂漠地帯でシリア軍部隊を要撃し、兵士17人を殺害した。

AFP, October 9, 2019、ANHA, October 9, 2019、AP, October 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 9, 2019、Reuters, October 9, 2019、SANA, October 9, 2019、SOHR, October 9, 2019、UPI, October 9, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍のシリア北東部への侵攻作戦の名は「平和の泉」、マンビジュ市も標的になる模様(2019年10月8日)

トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団に近いムハッラル・ネット(10月8日付)は、反体制派の軍事消息筋の情報をもとに、トルコと国民軍によるシリア北東部への侵攻作戦の詳細を明らかにした。

準備されている侵攻作戦は「平和の泉」と命名され、作戦に参加する部隊はまずはトルコ領内に移送され、複数の戦線に配置される。

作戦は同時に複数の戦線で開始され、第1段階は、全長50キロ、幅30キロからなる国境地域を、ハサカ県ラアス・アイン市一帯とラッカ県タッル・アブヤド市一帯という二つの地域に分けて、両地から人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を浄化することをめざすという。

また、これと合わせて、アレッポ県マンビジュ市一帯地域でも戦端を開き、同市を解放する計画だという。

上記の第1段階が完了したのち、第2段階として、トルコが想定している「安全地帯」(総面積14,000平方キロ)の解放がめざされるという。

作戦に参加する国民軍の将兵は、「ユーフラテスの盾」地域、「オリーブの枝」地域から動員されるという。

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トルコ国防省は声明を出し、シリア北東部への軍事作戦開始に向けたすべての準備を完了、「国境地帯にテロの回廊が作られることに決して寛容にはならない」との意思を表明した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月8日付)などによると、トルコ軍部隊がシリアとの国境地帯に派遣された。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、Shabaka al-Muharrar al-I’lamiya, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者副大臣「トルコがシリア北東部に侵攻した場合、シリア軍は同地の防衛にあたる」(2019年10月8日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、米軍が撤退したシリア北東部にトルコ軍が侵攻を準備していることに関して、「トルコがシリア北東部に侵攻した場合、シリア軍は同地防衛にあたることになる」としたうえで、北・東シリア自治局に対して「祖国のゆりかごのなか」に復帰するよう呼びかけた。

ミクダード副大臣は「トルコが領内にいかなる攻撃を行おうと、我々はシリアの領土のすべてを防衛する。いかなる土地であれ、我々はその占領を許さない…。シリア政府はこれまでにも(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して)祖国、そしてシリア国民に対する陰謀が行われていると警告してきた…。北・東シリア自治局は…すべてを失ったのだ。自分自身を失わないようにしなければならない、と言いたい」と述べた。
スマート・ニュース(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民軍は声明を出し、シリア北東部住民に危害を加えないと表明、YPG主体のシリア民主軍に「武器を棄て、家に引き籠もる」よう呼びかける(2019年10月8日)

トルコの支援を受ける国民軍の参謀委員会の議長を務めるサリーム・イドリース暫定内閣国防大臣は、北・東シリア自治局支配下の住民に向けて声明を出した。

声明のなかで、イドリース国防大臣は「シリア民主軍の民兵から(シリア北東部の)地域住民を解放するため、住民と会うことできる時間が近づいている」としたうえで、「アラブ人、アッシリア教徒、トルコマン人、シリア正教徒といったこの地域のさまざまな民族、彼らの財産、モスク、協会は安全だ。国民軍はこの地域の住民に危害を加えない」と表明した。

そのうえで、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して「武器を棄て、家に引き籠もり、「オリーブの枝」作戦に際してアフリーン市で起きたことを繰り返さないよう」求めた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局のジャズィーラ地方顧問「アサド政権、あるいはロシアと協議し、トルコの攻撃に対抗する」(2019年10月8日)

北・東シリア自治局のジャズィーラ地方顧問を務めるバドラーン・ジヤー・クルド氏は、米軍が撤退したシリア北東部にトルコ軍が侵攻を準備していることに関して、「米国が国境地帯から部隊を撤退させたら、シリア民主軍はすべての選択しを健闘せざるを得ない」としたうえで、「おそらく、アサド政権、あるいはロシアとの協議が行われ、空白状態を解消し、トルコの攻撃に対抗することになる。空白状態が生じたら会合や連絡が行われるだろう」と述べた。

ロイター通信(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍司令官「トルコ軍の攻撃に対抗するため、シリアの政権と協力することも選択肢の一つだ」(2019年10月8日)

米NBCニュース(10月8日付)は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ県ハサカ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー(マズルーム・コバネ)総司令官に対するインタビューを行った。

アブディー総司令官は、シリア北東部から米軍が撤退したのを受けて、トルコ軍が同地への侵攻の準備を進めていることに関して、インタビューのなかで、「ダーイシュ(イスラーム国)の捕虜数千人を監視する任務についているシリア民主軍の戦闘員は、予想されるトルコ軍の攻撃の前に国境地帯に駆けつける」と述べた。

アブディー総司令官はまた「シリアで処罰されているダーイシュの捕虜監視は、米国がトルコに攻撃の道を譲り、国境一帯で我が部隊を標的にしようとしている今、「第2の優先事項」となった」と強調、「これはきわめて重大な問題だ。なぜなら、誰もこのことで我々を支援してくれないからだ」と危機感を示した。

そのうえで「トルコ軍の攻撃に対抗するため、シリアの政権と協力することも選択肢の一つだ」と付言した。


なお、北・東シリア自治局支配地域には、ハサカ県のフール・キャンプなどの複数施設にダーイシュのメンバーとその家族12,000人が収容されている。

うち10,000人がシリア陣とイラク人、2,000人が外国人だという。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、MSNBC, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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国民軍幹部のスィージャリー氏「我々はこの地域にいるダーイシュの捕虜の身柄を米国から引きとるための万全の準備ができている」(2019年10月8日)

国民軍司令官の1人でムウタスィム旅団政治局長を務めるムスタファー・スィージャリー氏は、トルコの侵攻を前にして北・東シリア自治局が拘束中のダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと家族を収容し続けられないと繰り返し発表していることに関して、「ダーイシュの捕虜を釈放するとして世界を脅迫することを止めるべき」と批判した。

スィージャリィー氏はそのうえで、「我々はこの地域にいるダーイシュの捕虜の身柄を米国から引きとるための万全の準備ができていると宣言する」と表明した。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はトルコがシリア北東部に侵攻したらダーイシュ・メンバーとその家族を収容しきれないと警告(2019年10月8日)

北・東シリア自治局は報道向け声明を出し、シリア北東部の国境地帯から米軍が撤退したことに関して、同軍主導の有志連合の行動を「非礼」だと非難、トルコ軍が侵攻した場合、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーやその家族を収容している収容センター(フール・キャンプ)から部隊を撤退せざるを得ず、同センターを維持することできないと警告を発した。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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イランのザリーフ外務大臣はトルコのチャヴシュオール外務大臣と電話会談を行い、トルコによるシリア北東部への侵攻に反対(2019年10月8日)

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と電話会談を行い、米軍が撤退したシリア北東部にトルコ軍が侵攻を準備していることに関して意見を交わした。

IRNA通信(10月8日付)によると、チャヴシュオール外務大臣は電話会談で、シリアの領土統一を尊重するとしたうえで、北東部への侵攻が一時的な措置だと説明した。

これに対して、ザリーフ外務大臣は、シリアの領土統一、主権を尊重する必要があると強調、トルコのいかなる攻撃をも拒否するとの姿勢を示した。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、IRNA, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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エジプトのスィースィー大統領はトルコによるシリア北東部への侵攻に反対(2019年10月8日)

エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領は、キプロス・ギリシャとの三カ国首脳会談での記者会見で、米軍が撤退したシリア北東部にトルコ軍が侵攻を準備していることに関して、シリアの国土の一部が割譲されることを拒否すると述べた。

また、三カ国首脳は共同声明を出し、トルコの侵攻に不快懸念を表明、シリアの領土統一や地域の平和を維持する必要があると訴えた。

SANA(10月8日付)などが伝えた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団はアレッポ県北部、ハサカ県北部を砲撃(2019年10月8日)

アレッポ県では、ANHA(10月8日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村、アイン・ダクナ村、ハルバル村、ザイワーン村を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、マーリア市のトルコ軍基地から迫撃砲が発射され、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるマリーミーン村、マンナグ航空基地一帯に着弾した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市に面する国境地帯に展開しているトルコ軍地上部隊が同市一帯を重火器で攻撃した。

一方、ハーブール(10月8日付)は、県西部にあるシリア民主軍の基地で戦闘員約80人が離反したと伝えた。

離反は、トルコ軍の侵攻が予想されているハサカ県ラアス・アイン市方面への移動を命じられたことを受けたものだという。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、al-Khabur, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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制憲委員会(憲法委員会)の反体制派メンバーの1人ムハンマド・アリー・サーイグが逮捕される(2019年10月8日)

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、総合情報部の第279課(外務課)が、制憲委員会(憲法委員会)の反体制派メンバーの1人で弁護士のムハンマド・アリー・サーイグ氏をダマスカス郊外県のジュダイダト・ヤーブース国境通行所で拘束したと発表した。

委員会は、サーイグ氏の逮捕が、信頼醸成を定めた制憲委員会の実施規約の第6条への違反だと非難するとともに、同氏の即時釈放を求めた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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イブラーヒーム教育大臣はトルコ占領下のアレッポ県北部での大学分校開設に反対(2019年10月8日)

バッサーム・イブラーヒーム教育大臣は、トルコ占領下にあるアレッポ県北部のいわゆる「オリーブの枝」地域や「ユーフラテスの盾」地域で、ガズィアンテップ大学の分校が多数開設されていることに関して、「シリア領内に開設された分校に関するとるこのトルコの決定をも承認しない」と非難した。

『ワタン』(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019、al-Watan, October 8, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県、ハマー県、ラタキア県で反体制派と交戦(2019年10月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーッス村、カフルウワイド、マアッルズィーター、タッフ村、マアッラト・ハルマ村、バーブーリーン村、タフターヤー村一帯、ハザーリーン村、放棄された大隊基地一帯、タウィール・ハリーブ村、ムシャイリファ村を砲撃した。

一方、SANA(10月8日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、アブー・ズフール町に設置されている「人道回廊」への住民の接近阻止を続け、同回廊からシリア政府支配地域に脱出しようとする動きを妨害した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がズィヤーラ町一帯、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、ザイズーン村、カストゥーン村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団は、フワイズ村、ジャイイド村、ラスィーフ村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県7件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県10件、ラタキア県5件、アレッポ県1件、ハマー県4件)確認した。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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ロシア大統領府報道官「トルコの安全保障措置に理解を示しているが、トルコはシリアの領土統一と政治統合を尊重する必要がある」(2019年10月7日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、報道向け声明を出し、米軍が撤退したシリア北東部にトルコ軍が侵攻を準備していることに関して、「ヴラジミール・プーチン大統領はトルコ大統領と、アスタナ・プロセスの一環として行われた前回の首脳会談で、シリアでのトルコの軍事作戦計画について協議した」としたうえで、「ロシアはトルコの安全保障措置に理解を示しているが…、シリアの領土統一と政治統合を遵守する必要がある」と強調した。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019などをもとに作成。

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シリア北東部から撤退した米軍将兵は特殊部隊、偵察部隊など約230人(2019年10月7日)

ニューズウィーク(10月7日付)は、米政府高官の話として、撤退する米軍将兵は、特殊部隊、偵察部隊など約230人ほどだと伝えた。

AFP, October 8, 2019、ANHA, October 8, 2019、AP, October 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2019、Reuters, October 8, 2019、SANA, October 8, 2019、SOHR, October 8, 2019、UPI, October 8, 2019、The Newsweek, October 8, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍のシリア北東部への侵攻作戦は「明日か明後日」に開始され、国民軍約1,000人が参加する見込み(2019年10月7日)

ザマーン・ワスル(10月7日付)、スマート・ニュース(10月7日付)は、国民軍第3軍団の治安筋の話として、6日晩にトルコ軍高官と国民軍の司令官多数がアレッポ県北部のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域で会合を開き、北・東シリア自治局支配下のシリア北東部への軍事侵攻作戦の準備について協議したと伝えた。

会合に参加したのは、国民軍に所属するシャーム戦線、ムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、ハムザ師団の司令官で、シリア北東部に対する侵攻作戦の第1段階に参加、ハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市に進軍するという。

同治安筋によると、国民軍の戦闘員がシリア北東部への侵攻作戦で使用する軍服、装備、資金などをトルコから受け取り、作戦開始は「明日か明後日」になり、ラッカ県タッル・アブヤド市への侵攻が行われ、アレッポ県ラーイー村一帯で活動を続ける国民軍第3軍団の戦闘員約1,000人が参加する見込みだという。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍車列がシリア領内に入り、アレッポ県ジャラーブルス市一帯に展開、対するYPGは国境地帯に部隊を集結(2019年10月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、スマート・ニュース(10月7日付)によると、トルコ軍の戦車、装甲車などからなる車列が国境に位置するユーフラテス川西岸のジャラーブルス市一帯に進入、展開した。

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ハサカ県では、ANHA(10月7日付)によると、トルコ軍戦闘機複数機がダイリーク市上空に飛来した。

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ザマーン・ワスル(10月7日付)、シリア人権監視団などによると、人民防衛部隊(YPG)が、ダイル・ザウル県ウマル油田一帯やハサカ県ハサカ市、カーミシュリー市、マーリキーヤ市一帯に展開していた部隊を、トルコ国境に近いハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市に結集、再展開させた。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「トランプ米大統領は電話会談での約束通り、シリア北東部からの米軍撤退を開始した」(2019年10月7日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はセルビア訪問に先立って行った記者会見で、ドナルド・トランプ米大統領が北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部からの米軍部隊の撤退を決定し、対トルコ国境地帯の駐留部隊を撤退させたことについて、6日の電話会談でドナルド・トランプ米大統領が約束した通り、米軍のシリア北東部からの撤退が開始されたと述べた。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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米国防総省報道官「シリア北部に対するトルコの作戦を是認しないとトルコに明確に伝えた。米軍は作戦を支援しないし、参加もしない」(2019年10月7日)

米国防総省のジョナサン・ホフマン報道官は、「国防総省は、大統領と同様、シリア北部に対するトルコの作戦を是認しないとトルコに明確に伝えた…。国防総省はトルコ軍との対話を通じて、連携と協力が、この地域における安全保障に向けた最善の方途だと一環して強調してきた…。米軍はトルコがシリア北部で実施を決意している作戦に参加も支援もしない」と表明した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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SANAはトルコ軍がYPG主体のシリア民主軍が展開するシリア北東部を爆撃したと伝えるが、シリア人権監視団はこれをフェイクと断じる(2019年10月7日)

SANA(10月7日付)は、ハサカ県の特派員からの情報として、トルコ軍が7日晩、ハサカ県東部とイラク領内を結ぶスィーマルカー国境通行所一帯とマーリキーヤ市近郊のタッル・タウィール村一帯に対して爆撃を行ったと伝え、その映像を公開した。

爆撃が行われた地域には、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点が複数設置されていたという。

これに関して、英国を拠点とするシリア人権監視団は、トルコ軍による爆撃はシリア領内ではなく、イラク領内に対して行われたと発表、SANAの報道がフェイクだと断じた。

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ロイター通信(10月8日付)が、トルコの匿名治安筋から得た情報によると、この爆撃は、スィーマルカー国境通行所にいたるイラク領内の街道がシリア北東部の拠点を強化するための兵站路として利用されるのを阻止することが目的だったという。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、October 8, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領「トルコが限度を超えたことをすれば、その経済を破壊する!」(2019年10月7日)

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターのアカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/)で、「トルコが限度を超えたことをすれば、その経済を破壊する」と綴った。

ツイッターの書き込みは以下の通り:

「前にも言った通り、繰り返しになるが、私が自らの大で比類ない知恵をもって、限度を超えていると考えるようなことをトルコがすれば、トルコの経済を完全に破壊するだろう(前にもそうした!) 彼らは欧州などとともに見守れねばならない…」。

「…捕らえられているISIS(ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員と家族をだ。米国は誰もが期待していなかったようなことをやった。ISISのカリフ国を100%捕獲することも含めてだ。この地域の裕福な別の誰かが自分たちの領土を守る時が来た。米国は偉大だ!」。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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フランス外務省はシリア北東部国境地帯からの米軍撤退に踏み切ったトランプ大統領の決定を批判(2019年10月7日)

フランス外務省は声明を出し、ドナルド・トランプ米大統領が北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部からの米軍部隊の撤退を決定し、対トルコ国境地帯の駐留部隊を撤退させたことに関して、「いかなる一方的な行為も人道危機と失望をもたらし、難民が安全且つ自発的に帰還するのに必要な状況を作り出さない」と表明し、シリア北東部への侵攻を企図するトルコを牽制した。

フランス外務省はまた「拘束されているテロリストは、外国籍を持つ者も含めて、彼らが罪を犯した場所で裁かれねばならない…。彼らがテロ集団の隊列を強化するのを阻止するため、シリア北東部で彼らを拘置することが治安上の必要である」と強調した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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マクガーク米大統領特使はシリア北東部国境地帯からの米軍撤退に踏み切ったトランプ大統領の決定を批判(2019年10月7日)

ブレット・マクガーク米大統領特使はツイッターのアカウント(https://twitter.com/brett_mcgurk/)で、ドナルド・トランプ米大統領が北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部からの米軍部隊の撤退を決定し、対トルコ国境地帯の駐留部隊を撤退させたことに異議を唱える書き込みを連投した。

マクガーク特使は「トルコがシリア北東部に進入すれば、シリア民主軍を粉砕し、かつてのダーイシュの拠点が奪われ、ダーイシュ・メンバーを拘置している刑務所施設が破棄され、米軍部隊が小規模なまま駐留し続けることを不可能とする」、「これは戦争と平和、生と死にかかわる問題だ。我が国の軍高官、友好国、同盟国は決定が下される前に、慎重になるべきだ…。常軌を逸した揺れは、モスクワ、北京、テヘランにいる忍耐強い敵どもに利する」などと批判した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はロシア、シリア政府に予想されるトルコ軍の侵攻に明確な姿勢を示すよう呼びかける(2019年10月7日)

北・東シリア自治局は国内外の世論に向けて声明を出し、トルコによるシリア北東部への侵攻に反対するよう訴えた。

北・東シリア自治局は「トルコの脅迫は危機当初から止むことはなく…、今日シリアでの安定と和平の実現における真の障害となっている」としたうえで、「ロシア、シリア政府を含むすべての勢力に、こうした脅威、そして予想される攻撃に対する明確な姿勢を行動で示す」よう呼びかけた。

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YPG主体のシリア民主軍は米軍撤退を受けて、ロシアの支援を受けるシリア軍がマンビジュ市に進軍していると主張(2019年10月7日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/cmoc_sdf)で、米軍撤退の結果として最初にもたらされるのは、安全保障体制にかかる合意の破綻だ。ロシアの支援を受ける政権軍がマンビジュ市に向かって軍事行動を行う用意をしている」と綴った。

https://twitter.com/cmoc_sdf/status/1181108765107654656

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はトルコ軍が北東部に侵攻したら「ダーイシュに対する我々の戦いに大きな悪影響を与え、過去数年間に達成した安定が反故になる」と警告(2019年10月7日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の総司令部は、有志連合を主導する米軍が北・東シリア自治局支配下のシリア北東部国境地帯から撤退を開始したことを受けて声明を出し、同地でトルコが軍事作戦を行った場合、「ダーイシュ(イスラーム国)に対する我々の戦いに大きな悪影響を与え、過去数年間に達成した安定が破壊される」と警告した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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シリア北東部の国境地帯から米軍撤退、放棄された基地の写真が公開される(2019年10月7日)

ANHA(10月7日付)は、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県(いわゆるジャズィーラ地方ハサカ地区)、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯(ユーフラテス地域)の対トルコ国境地帯から米主導の有志連合が撤退を開始したと伝え、映像や写真を公開した。

同サイトはまた、ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市の西約10キロの場所に位置するタッル・アルカム村にある有志連合の基地から、米軍部隊が完全に放棄したと伝え、写真を公開した。

ザマーン・ワスル(10月7日付)も、米軍がタッル・アブヤド市から撤退したとしたうえで、放棄された米軍基地の航空写真を掲載した。


ドゥラル・シャーミーヤ(10月7日付)も、米軍がトルコ国境地帯から撤退したと伝えた。

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ドゥラル・シャーミーヤ(10月7日付)は複数の地元情報筋の話として、トルコ軍の侵攻が予想されるハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市などトルコ国境に近い都市の住民数十世帯が北・東シリア自治局支配地域を南に向かって避難したと伝えた。

避難した住民のなかには人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のメンバーやその家族だという。

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スマート・ニュース(10月7日付)によると、タッル・アブヤド市で活動を続けてきた「国境なき医師団」の医療スタッフが同地から撤収した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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