ヒムス県スフナ市一帯をダーイシュに対して爆撃を続けるロシア軍戦闘機が被弾(2020年4月10日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、県東部のスフナ市に対するダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け、シリア軍と親政権民兵の大規模増援部隊が同地一帯に派遣された。

同監視団によると、9日のダーイシュのスフナ市攻撃に伴う戦闘は10日現在も続いており、シリア・ロシア両軍による爆撃も行われているという。

一方、バーディヤ24(4月10日付)は、ダーイシュはスフナ市一帯を爆撃するロシア軍戦闘機にミサイルを発射、被害を与えたと伝えた。

AFP, April 10, 2020、ANHA, April 10, 2020、AP, April 10, 2020、al-Badiya 24, April 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 10, 2020、Reuters, April 10, 2020、SANA, April 10, 2020、SOHR, April 10, 2020、UPI, April 10, 2020などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方のスフーフン村を砲撃(2020年4月10日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから36日目となる4月10日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、装甲車、コンクリート・ブロックや兵站物資を積んだトラックなど20輌からなる車列が、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入した。

AFP, April 10, 2020、ANHA, April 10, 2020、AP, April 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 10, 2020、Reuters, April 10, 2020、SANA, April 10, 2020、SOHR, April 10, 2020、UPI, April 10, 2020などをもとに作成。

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反体制活動家・ジャーナリストのムーサー・ウマル氏が新型コロナウイルスに感染(2020年4月10日)

シリア人ジャーナリストで反体制活動家のムーサー・ウマル氏はツイッターのアカウント(https://twitter.com/MousaAlomar/)を通じて、新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。

ウマル氏はツイッターで「空港が封鎖される前に湾岸を発ち、ロンドンに到着してから10日して、体中が痛く、高熱に襲われ、病院で救急搬送され、医師から8日前乃木曜日に新型コロナウイルスに感染したと告げられた…。私は病気と闘っており、治療を受けている。おかげさまで、回復し始めた」と綴った。

AFP, April 10, 2020、ANHA, April 10, 2020、AP, April 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 10, 2020、Reuters, April 10, 2020、SANA, April 10, 2020、SOHR, April 10, 2020、UPI, April 10, 2020などをもとに作成。

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トルコ外務省はシリア政府による化学兵器使用に対して制裁を科すよう主唱(2020年4月10日)

トルコ外務省は、化学兵器禁止機関(OPCW)の調査識別チーム(IIT)が2017年3月にシリア軍による化学兵器使用を断定する報告書(技術事務局の覚書S/1867/2020)を発表したことを受けて声明を出し、報告書を「シリアで化学兵器を使用した違反者への制裁を保証するための重要なステップ」と位置づけたうえで、「国際法に明白に違反した攻撃の責任者が処罰されないまま放置されてはならない…。9年間にわたって子供たちらを無差別に殺害してきたシリア政府に制裁を科さねばならない」と表明した。

AFP, April 10, 2020、ANHA, April 10, 2020、AP, April 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 10, 2020、Reuters, April 10, 2020、SANA, April 10, 2020、SOHR, April 10, 2020、UPI, April 10, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月10日付)を公開し、4月9日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 10, 2020をもとに作成。

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シリアのアル=カーイダの支配下にあるイドリブ県で新型コロナウイルス感染を疑われていた男性が死亡、当局は感染を否定(2020年4月9日)

バウワーバ・シリア、ブローカー・プレスといった反体制派系メディアは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県内の反体制派支配地(いわゆる「解放区」)で、男性1人が新型コロナウイルスに感染して死亡したとの情報がSNS上で拡散されていると伝えた。

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バウワーバ・シリア(4月9日付)によると、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所を経由してトルコからシリアに帰国したカファルナ村出身の高齢の男性1人が新型コロナウイルスに感染したと思われる症状を発症し、4月8日にサルキーン市内の病院に隔離されたが、9日早朝に死亡した。

男性は心臓と肺に基礎疾患を煩っており、トルコで治療を受けていた。

しかし、ブローカー・プレス(4月9日付)によると、この男性は合併症を起こしたため、トルコ領内の病院からシリアに移送され、サルキーン市で新型コロナウイルス感染を疑われたという。

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サルキーン市でのPCR検査で採取された検体はただちにイドリブ市に移送され、イドリブ保健局の早期警戒センターで分析にかけられた。

その後、シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣の保健大臣を務めるマラーム・シャイフ氏が、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/DrMaramAlsheikh/)を通じて、「患者は今朝(9日)、心臓発作により死亡した。新型コロナウイルスにかかるPCR検査の結果は陰性だった。つまり、感染していなかった」と発表、新型コロナウイルス感染によって死亡したとの情報を否定した。

シャイフ氏によると、3月25日から4月8日までに解放区で81人がPCR検査を受けたが、結果はいずれも陰性で、同地で感染者は確認されていないという。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、Bawwaba Suriya, April 9, 2020、Brocar Press, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュはシリア政府支配下のヒムス県スフナ市を攻撃し、市内の複数棟を占拠、ロシア軍がこれを爆撃(2020年4月9日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県東部の交通の要衝スフナ市を襲撃、シリア軍、国防隊と激しい戦闘の末、市内の住居複数棟を制圧した。

この戦闘で、シリア軍・国防隊の兵士27人、ダーイシュの戦闘員22人が死亡した。

ダーイシュは早朝、スフナ市に対して大規模な攻撃を仕掛け、シリア軍と砲撃戦を展開、ロシア軍が同地一帯を数十回にわたり爆撃した。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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カーミシュリー国際空港に到着した大学院数十人が北・東シリア自治局の新型コロナウイルスにかかる検査を受ける(2020年4月9日)

ハサカ県では、ANHA(4月9日付)によると、ダマスカス国際空港を経った旅客機が、シリア各地の大学に通う学生数十人を乗せて、カーミシュリー国際空港に着陸した。

大学生は北・東シリア自治局ジャズィーラ地方(ユーフラテス川以東地域)の出身者で、新型コロナウイルス感染症対策としてシリア政府支配下の大学が閉鎖されたのを受けて帰省した。

北・東シリア自治局の緊急事態対応チームは到着した学生らに対して、PCR検査を実施、結果が判明するまで隔離施設に収容した。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍は「イスラーム国ラッカ州」と書かれたナンバー・プレートがつけられたオートバイを押収(2020年4月9日)

ラッカ県では、ANHA(4月9日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府が共同統治するアイン・イーサー市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、「イスラーム国ラッカ州」と書かれたナンバー・プレートがつけられたオートバイ1台を押収した。

このオートバイは、4月7日にアイン・イーサー市に潜入を試み、シリア民主軍が撃退した国民軍の戦闘員が使用していたもの。

ANHAは、トルコが占領地域でダーイシュ(イスラーム国)を再活性化しようとしていることを示すものだと指摘した。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はアレッポ県、ラッカ県北部を砲撃(2020年4月9日)

アレッポ県では、ANHA(4月9日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のシャイフ・ヒラール村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(4月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のクール・ハサン村を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍の装甲車6輌とトルコ軍の装甲車6輌からなる合同部隊が、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市近郊の油田地帯でパトロールを実施した。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官はシリア軍の化学兵器使用を断定した報告書が国際法とOPCWの決議に違反したねつ造と非難(2020年4月9日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、化学兵器禁止機関(OPCW)が4月8日に提出したシリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第1回報告書(技術事務局覚書S/1867/2020)に関して、国際法とOPCWのすべての決議に反したねつ造された偽りの報告書で、欧米諸国の命令によって作成されたものだと批判した。

ザハロワ報道官は、記者会見のなかで、報告書がねつ造された偽りの結論を含んでおり、真実を歪め、シリアに嫌疑をかけようとしていると述べた。

また、報告書作成者は、中立的な調査を実施し、現場に専門家を派遣する必要があるとするというOPCWの原則の体系的違反者となってしまったとしたうえで、事実調査のために専門家が送られておらず、西側の支援を受け、シリア政府に敵対する組織が提供したデータ、情報、そしてそれらに基づく過去の結論に依拠したに過ぎないと指摘した。

さらに、欧米諸国が化学兵器禁止条約(CWC)の基本条項と国際法に違反してIIT設置を強要し、ITTの任務も国連安保理の権限に抵触していると非難、一部諸国の諜報機関がもたらしたデータに依拠することがあってはならないと強調した。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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外務在外居住者省はシリア軍の化学兵器使用を断定したOPCWの報告書を非難、国際社会にこれを拒否するよう呼びかける(2020年4月9日)

外務在外居住者省は声明を出し、化学兵器禁止機関(OPCW)が4月8日に提出したシリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第1回報告書(技術事務局覚書S/1867/2020)に関して、誤解を招くもので、ねつ造された偽りの結論を含んでおり、その目的は事実を歪め、シリア政府に疑いをかけることにあると批判した。

外務在外居住者省の内容は以下の通り:

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OPCWは2020年4月8日付で、いわゆるIITなるチームの誤解を招くような報告書を発表したが、シリアを含む多くの国は、このチームが違法で信頼できないと表明したものだ。

この報告書は、ねつ造された偽りの結論を含んでおり、その目的は事実を歪め、シリア政府が2017年に(ハマー県)ラターミナ町で有毒ガスを使用したとの疑いをかけることにある。しかし、それは、ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)のテロリストや「ホワイト・ヘルメット」を名乗るテロリストが用意し、ねつ造した情報源に依拠しており、彼らの使用人である米国、トルコ、そして周知の西側諸国の指示を実施し、OPCWの活動指針を完全に無視し、もっとも基本的な調査の原則と公平性にあからさまに反している。

シリア・アラブ共和国はもっとも厳しい表現で、違法ないわゆるIITの報告書の内容を非難し、その文言、内容の一切を拒否する。同時に、シリアは、ラターミナ町、あるいはシリア国内のそれ以外の都市や村で有毒ガスの使用したことを断固として否定する。シリア・アラブ軍は高い道徳を有しており、武装テロ組織に対するもっとも困難な闘いのなかであってもこうした兵器は使用しないと明言する。

いわゆるIITが報告書のなかでいたった結論は、シリアが多くの国とともにこうしたチームを拒否した理由を揺るぎないものとする。それがOPCWの活動を政治利用し、周知の諸外国の目的に奉仕する演壇へと変貌させる道具であるとことは前から分かっていた。

シリアは、OPCWの担当者に対して、シリアと多くの国が、この報告書の発表に先立って、2020年のNGO第93回執行理事会の議事に際して、米国と一部加盟国からの圧力や脅迫を受けてきたと述べてきた。また、米国の外交官は今年初めから、OPCW技術事務局の権限を露骨に奪って、この報告書を挑発的なまでに喧伝してきた。米国は、この報告書の結論を支持するよう、加盟国に対してありとあらゆる恐喝を行った。これは、この報告書が、米国や西側の諜報機関によって、あるいはその指示を受けてあらかじめ準備・執筆されていたことを示すものだ。報告書の結論がシリア、そして勇敢なるその軍に狙いを定めていたことは分かっていた。

この報告書の結論は、OPCWと事実調査団(FFM)の新たなスキャンダルであり、2018年の(ダマスカス郊外県)ドゥーマー市の事件の報告書をめぐるスキャンダルを上塗るするものだ。しかし、こうしたねつ造された主張と嫌疑は、主権、領土と国民の統合に対する合法的な自衛の一環としてのテロリズム、テロ組織、テロ支援者との戦いの継続を妨げるものではない。

シリアは国際社会にこの新たにねつ造された主張を拒否するとともに、OPCWが米国およびその同盟国の侵略的計画を実施するための道具、世界全体に代わってテロと戦うシリアとの政治的な損失を解消するための場に変貌したことに遺憾の意を示すよう呼びかけたい。

シリア・アラブ共和国は、いかなる相手、いかなる時、いかなる場所であれ化学兵器の使用を断固拒否し、過去に化学兵器を使用しておらず、今も使用することはあり得ないと改めて明言したい。なぜなら、シリアはそもそも化学兵器を保有しておらず、こうした有毒兵器の使用が法的・道義的な義務に違反していると考えるからである。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県ジャンナト・クラー村に新たな拠点を設置(2020年4月9日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから35日目となる4月9日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県6件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカンスフラ村、ザーウィヤ山一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍はジャンナト・クラー村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は60カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと58)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月9日付)を公開し、4月8日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 9, 2020をもとに作成。

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OPCWはアサド政権による化学兵器使用を断定する報告書を公開(2020年4月8日)

化学兵器禁止機関(OPCW)は、シリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第1回報告書(82ページ)を技術事務局の覚書(S/1867/2020)として公開した。

調査報告書は、2017年3月24、25、30日にハマー県ラターミナ町で発生した事件に関してIITが行った調査結果をまとめたもの。

調査は2019年6月から2020年3月にかけて実施され、その間、事件発生時に現場にいたとされる人物へのインタビュー、現場で採取されたとされるサンプルや残骸の分析、犠牲者と医療スタッフが証言した症状の検証、衛星画像をはじめとする画像の検証、専門家からの意見聴取が行われた。

調査はまた、OPCWの事実調査団(FFM)がこれまでに作成・発表した報告書、シリア国内で技術事務局が直接入手したサンプルや資料にも依拠した。

その結果、IITは以下の通りの結論に達した:

●2017年3月24日午前6時頃、シリア軍第22航空部隊第50大隊に所属するSu-22戦闘機1機がシャイーラート航空基地(ヒムス県)を離陸し、サリンが装填されたM4000型の航空機搭載爆弾をラターミナ町南部に投下し、少なくとも16人に被害を与えた。
●2017年3月25日午後3時頃、ハマー航空基地(ハマー県)を離陸したシリア軍のヘリコプター1機がラターミナ病院にシリンダー1本を投下した。シリンダーは屋根を貫通し、病院内で破裂し、塩素が飛散、少なくとも30人に被害を与えた。
●2017年3月30日午前6時頃、シリア軍第22航空部隊第50大隊に所属するSu-22戦闘機1機がシャイーラート航空基地を離陸し、サリンが装填されたM4000型の航空機搭載爆弾をラターミナ町南部に投下し、少なくとも60人に被害を与えた。

なお、IITによる調査と報告書提出は、化学兵器禁止条約(CWC)加盟国で化学兵器が使用された場合、加害者、計画者、支援者などを特定すべきだとした2018年6月27日の加盟国会議(C-SS-4/DEC.3)での決定に基づき行われた。

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報告書に関して、フェルナンド・アリアスOPCW事務局長は以下の通り強調した。

「IITは個々の事件の実行犯を特定する権限を持った法的機関でも准法的機関でもないし、化学兵器禁止条約(CWC)の違反にかかる最終的な結論を出す権限も有していない…。適切且つ必要と判断されるさらなる行動をとるかどうかは、OPCWの執行理事会、締結国会議、国連事務総長、そして国際社会にかかっている」。

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一方、IITのコーディネータを務めるサンティアゴ・オナテ・ラボルデ氏は次の通り述べている。

「IITは、2017年3月24日と30日にラターミナ町でのサリンの化学兵器として使用、そして2017年3月25日の塩素の化学兵器の加害者がシリア空軍に所属する複数の個人であると信じるにたる合理的根拠があるとの結論に達した…。このような戦略的な性格を有する攻撃は、シリア軍司令部の上層からの命令に基づいてのみ行われ得たのだろう。権限は委任され得たものだったとしても、責任は免れない…。最終的に、IITはこれ以外の説得的な説明をすることはできなかった」。

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OPCWロシア常駐代表部は次のように批判のコメントを発表した。

「2017年に発生した事件でシリアを非難する専門家は、物的な証拠を収集・管理しつつ、事件を論理的に継続調査すると規定しているOPCWの活動の基本原則にあからさまに違反していたFFMの判断に依拠している」。

「FFMの報告書は信頼に値せず…、新たな報告書は事件現場を訪問することなく、遠隔で行われた調査、テロ組織やいわゆるホワイト・ヘルメットの証言に依拠している」。

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米国務省は声明を出し、「報告書はアサド政権が化学兵器を使用したことを示す最新の証拠」とコメントした。

AFP, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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ミドル・イースト・アイ:ムハンマドUAE皇太子はアサド大統領にイドリブ県での停戦破棄と攻撃再開を進言し、資金供与(2020年4月8日)

英国のミドル・イースト・アイ(4月8日付)はアラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン・アブダビ首長国皇太子が、アサド大統領にイドリブ県での停戦を破棄させ、同地への総攻撃を行わせようとしていたと伝えた。

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県を中心とするシリア北西部の反体制派支配地域では、3月5日にロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意に基づき停戦が発効していた。

だが、この停戦が発効する数日前、ムハンマド皇太子は、シリアに国家安全保障評議会のアリー・シャームスィー副議長、皇太子の兄弟のタフヌーン・ビン・ムハンマド・アル・ナヒヤーン氏を派遣し、アサド大統領にイドリブ県で攻撃を再開するよう進言していたという。

ムハンマド皇太子の政策に精通しているという複数の情報筋によると、その際、イドリブ県に対する攻撃再開の見返りとして、シリア政府に総額で30億米ドルを支援し、そのうちの10億ドルを3月末までに供与することを合意、停戦が発効するまでに2億5000万ドルが支払われたという。

AFP, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Middle East Eye, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のラッカ県タッル・アブヤド市で国民軍第3軍団が汚職容疑で拘束された司令官の釈放を求めて国民軍憲兵隊本部を包囲(2020年4月8日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のタッル・アブヤド市で、トルコ軍の支援を受ける国民軍第3軍団のメンバーが、同じく国民軍の傘下にある憲兵隊本部を包囲した。

包囲は、憲兵隊が第3軍団の司令官1人を汚職容疑で拘束したことを受けたもの。

現場では銃声が何度か聞こえたが、死傷者は出ていないという。

AFP, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県各所で爆弾が爆発、1人が死亡、国民軍戦闘員1人らが負傷(2020年4月8日)

アレッポ県では、ANHA(4月8日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のタッル・カッラーフ村、ウンム・フーシュ村、ハルバル村を砲撃した。

一方、トルコ占領下のバーブ市では、トルコの支援を受ける国民軍に所属するスルターン・ムラード師団のアブー・ワリード・イッザ司令官の弟で同師団メンバーでもあるアブー・ファイサル・イッザ氏の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、アブー・ファイサル氏が重傷を負った。

同じくトルコ占領下のアフリーン市でも燃料を積んだトラックに仕掛けらていた爆弾が爆発した。

さらに、シリア人権監視団によると、カフル・ナースィフ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡、2人が負傷した。

AFP, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はカーミシュリー国際空港での旅行者に新型コロナウイルス感染に係る検査を受けさせないシリア政府の非協力を批判(2020年4月8日)

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は声明を出し、シリア政府が新型コロナウイルス感染症対策に協力的ではないと非難した。

保健員会は声明のなかで「我々は予防対策として、カーミシュリー(国際)空港に到着する旅行者の健康を確認するため、彼らに必要な検査を行い、隔離場所に送ってきた。だが、シリア政府当局は、協力を望んでおらず、北・東シリア住民の声明を危険に晒すような誤った決定を行っている。自治局が承知せず、必要な検査を実施しないままに、民間人を我々の地域に入れている」としたうえで、「保健委員会は、我々の地域で感染者が出た場合、予防対策を遵守しなかったシリア政府当局の責任を追及する」と非難、自治局の対策に従うよう要請した。

ANHA(4月8日付)が伝えた。

AFP, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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保健省は新型コロナウイルス感染者1人が回復したと発表、反体制派系サイトはダマスカス郊外県の2町村が新たに閉鎖されたと主張(2020年4月8日)

保健省は新型コロナウイルス感染者1人が回復したことを明らかにした。

これにより、4月7日現在の同地での感染者数は計19人、うち死亡したのは2人、回復したのは4人となった。

SANA(4月8日付)が伝えた。

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国内通商消費者保護省のアリー・ハティーブ消費者保護局長は声明を出し、新型コロナウイルス感染症対策に伴う外出・移動制限に便乗した値上げ、買い占め、粗悪品の流通などを阻止するための監視活動を強化していると強調するとともに、3月だけでラッカ県とイドリブ県を除く13県で、6,824件の不正を摘発したと発表した。

SANA(4月8日付)が伝えた。

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ヒムス県では、SANA(4月8日付)によると、ヒムス市のバッル病院に、新型コロナウイルス感染者の治療・看護を行うための隔離病棟が新たに開設された。

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反体制派系のサウト・アースィマ(4月8日付)は、シリア政府当局が新型コロナ感染症対策として、ダマスカス郊外県のブワイダ町とフジャイラ村を「公式発表を控えたままで」封鎖したと伝えた。

封鎖の真偽は定かではない。

AFP, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、Sawt al-‘Asima, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でロシア・トルコ軍合同パトロールが座り込みデモの妨害を受ける(2020年4月8日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから34日目となる4月8日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施したが、これに反対する座り込みデモの参加者に進行を妨害された。

両軍合同部隊はサラーキブ市からムサイビーン村に向かってパトロールを開始したが、タルナバ村近くでデモ参加者の投石を受け、パトロールを中止、サラーキブ市に引き返した。

これに関して、トルコのフルシ・アカル国防大臣は声明を出し「我々はイドリブ県でロシア軍との3度目となる合同パトロールを完了した」と発表し、パトロール継続の意思を示した。

アカル国防大臣はまた、イドリブ県内で多くの停戦違反があるとしつつも、こうした違反は「個人行動」であり、戦闘の収束状態は続いているとの見方を示した。
アナトリア通信(4月8日付)が伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月8日付)によると、合同部隊はナイラブ村で座り込みデモの妨害を受けた。

一方、トルコ軍は、コンクリート・ブロックや兵站物資を積んだ貨物車輌30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させた。

車列はM4高速道路沿線方面に向かった。

トルコ軍はまた、アリーハー市に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は59カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと57。なぜならサラーキブ市が3カ所のはずなのに、2カ所で計算されているため)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

このほか、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフル・ハラブ村、アターリブ市一帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジッリーン村で住民1人がオートバイに乗った2人組の武装集団に撃たれて死亡した。

AFP, April 8, 2020、Anadolu Ajansı, April 8, 2020、ANHA, April 8, 2020、AP, April 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 8, 2020、Reuters, April 8, 2020、SANA, April 8, 2020、SOHR, April 8, 2020、UPI, April 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月8日付)を公開し、4月7日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 8, 2020をもとに作成。

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シリア政府当局はカーミシュリー国際空港に到着した乗客に新型コロナウイルスにかかる北・東シリア自治局の検査を受けさせないまま帰宅させる(2020年4月7日)

ハサカ県では、ANHA(4月7日付)によると、ダマスカス国際空港発の旅客便が民間人多数を乗せてカーミシュリー国際空港に到着、6人の乗客が北・東シリア自治局の緊急事態対応チームが新型コロナウイルスの感染を確認するために実施している初期検査に応じたが、空港を管理するシリア政府当局が、それ以外の乗客に検査を受けさせないまま、政府支配地域にあるそれぞれの自宅に帰宅させた。

北・東シリア自治局の緊急事態対応チームが空港での初期検査を行うのは4月5日に続いて、これが2回目。

緊急事態対応チームのメンバーの1人であるルージーン・アフマド氏はANHAに対して、検査を受けた6人は、検査結果が出るまで隔離施設に収容されるという。

なお、4月5日には約20人が検査に応じ、隔離施設に収容されたという。

一方、シリア人権監視団は、国防隊メンバーが1人につき10,000シリア・ポンドの賄賂を受け取り、ダマスカス国際空港からカーミシュリー国際空港に到着した乗客を逃がした、と発表した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市(アレッポ県)で国民軍所属の武装集団どうしが交戦(2020年4月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市で、トルコの支援を受ける国民軍所属の武装集団どうしが交戦した。

交戦したのは、「クルドの鷹」とシャーム戦線。

「クルドの鷹」がシャーム戦線の検問所で静止せずに通過しようとしたことがきっかけで戦闘になったという。

この戦闘で、シャーム戦線は「クルドの鷹」のメンバー1人を拘束した。

一方、国民軍に所属する第12旅団は、ラージュー町近郊のバイト・アディーン(バアドゥンリー)村で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ、現在は北・東シリア自治局に発展改称)統治下で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に従軍していたことが疑われるクルド人3人を拘束した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県でシリア民主軍とトルコ軍が衝突(2020年4月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町一帯に潜入しようとした国民軍の戦闘員4人を捕捉した。

だたし、シリア国民軍のユースフ・ハンムード報道官はこれを否定した。

一方、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍は、タッル・タムル町近郊のタッル・マナーフ村を砲撃した。

また、トルコ国防省は声明を出し、トルコ軍特殊部隊が「平和の泉」地域に潜入しようとしたシリア民主軍を撃退、9人を無力化したと発表した。

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アレッポ県では、ANHA(4月7日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村、スムーキーヤ村を砲撃した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配地で地元のNGOや住民が、支援を必要としている人々のため物資を調達・配給(2020年4月7日)

ANHA(4月7日付)は、北・東シリア自治局の支配地で新型コロナウイルス感染拡大を防止するための外出・移動制限措置が続くなか、地元のNGOや住民が、支援を必要としている人々のための物資の調達や配給を行う動きが増えていると伝えた。

シャフバー地区(アレッポ県タッル・リフアト市近郊)では、アフリーン郡から避難してきたアフマド・ウマル氏が、知人や友人25人から義援金を集め、外出禁止令によって仕事を失った貧しい家庭に寄付した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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保健省は新型コロナウイルス感染者1人が回復したと発表(2020年4月7日)

保健省は4人の新型コロナウイルスに感染していた女性1人が回復したことを明らかにした。

これにより、4月8日現在の同地での感染者数は計19人、うち死亡したのは2人、回復したのは3人となった。

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高等教育科学研究省とアサド大学病院(ダマスカス県)は、同病院内に新型コロナウイルスの感染が疑われる重篤患者を受け入れるための機関と病床を確保した。

また保健省は、国内各所に新型コロナウイルス感染者の看護・治療を行うための隔離センターを14カ所新たに開設したと発表した。

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経済対外通商省は、新型コロナウイルス対策として、コロロキン、アセトアミノフェン、解熱剤などの輸出を停止することを決定した。

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ハサカ県では、SANA(4月7日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のハームー村で、シリア軍と住民が村に入ろうとした米軍の車列を撃退した。

報道によると、装甲車5輌からな米軍の車列が村に入ろうとしたが、住民がシリア軍とともに立ちはだかり、投石するなどしてこれを追い返したという。

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SANA(4月7日付)が伝えた。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県ビダーマー町に新たな拠点を設置(2020年4月7日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから33日目となる4月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県2件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の貨物車輌からなる車列が大型のセメント・ブロックを積んで、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に入った。

トルコ軍はまた、県西部のビダーマー町に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は58カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

一方、シリア軍と「決戦」作戦司令室がフライフィル村、スフーフン村一帯で交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカスル村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市でバアス党ダルアー県支部のサルワーン・ジュンディー・ナワー支局書記長が何者かの襲撃を受けて死亡した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月7日付)を公開し、4月6日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 7, 2020をもとに作成。

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米軍はカーミシュリー市に向かうロシア軍の車列の通行を初めて黙認(2020年4月6日)

シリア人権監視団によると、ラッカ県タッル・タムル市に駐留するロシア軍の車列がM4高速道路を通ってハサカ県カーミシュリー市のカーミシュリー国際空港に設置されている司令部に向かった。

車列は、米軍部隊が展開するタッル・タムル町近郊を通過したが、米軍は妨害することなく、これを黙認した。

米軍がロシア軍の進行を許したのはこれが初めてだという。

AFP, April 6, 2020、ANHA, April 6, 2020、AP, April 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 6, 2020、Reuters, April 6, 2020、SANA, April 6, 2020、SOHR, April 6, 2020、UPI, April 6, 2020などをもとに作成。

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