シリア当局は米占領下のタンフ国境通行所一帯で活動していた反体制武装集団戦闘員を懐柔し、投降させることに成功(2020年4月17日)

SANA(4月17日付)は、関係当局が住民と4ヶ月にわたる連携・協力の末に、米国の占領下にあるヒムス県タンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)で活動する反体制武装集団戦闘員を懐柔し、投降させることに成功したと伝えた。

投降したのは、革命特殊任務軍の戦闘員28人と彼らと行動を共にしてきた運転手6人の計34人。

当局によってシリア政府の支配下にあるタドムル市に連行された。

戦闘員らは、武装した車輌8輌、重火器5基、ライフル3丁、M16機関銃7丁、RPG対戦車擲弾8丁などを引き渡した。

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投降した戦闘員らの司令官ガンナーム・サミール・ハディール氏(アブー・ハムザ)は、55キロ地帯で活動するに至った経緯について次のように述べた。

「我々は、ダーイシュ(イスラーム国)によってスワイダー県東部からダルアー県に強制移住させられた。その後、いわゆる「部族自由人軍」の司令官と連携した彼らによって、我々はヨルダンに入り、そこで1ヶ月にわたり教練を受けさせられた。その後、ルクバーン・キャンプでの任務を与えられたが、この活動を通じて、我々は武器や物資のほとんどがダーイシュによって売買されていることを突き止めた。その後、我々はいわゆる「革命特殊任務軍」に配属となった。このグループとの活動を通じて、我々は彼らがダーイシュの支援を受けていることを突き止めた。だから、我々は彼ら全員を信用しなくなり、シリア・アラブ軍に投降することを決めた」。

「それ以外にもタンフ国境地帯一帯には多くの武装グループがいる。彼らは祖国に復帰したいと考えているが、それにふさわしい時が来るのを待っている」。

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一方、「偵察連隊」の司令官を務めていたというハーリド・サミール・ハディール氏は、タンフ国境通行所一帯には、米軍の監督のもと、最新兵器や無人航空機(ドローン)の訓練が行われ、シリア軍の拠点、油田、ガス田の攻撃を命じられていると証言した。

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また、ラサーフ・ラシード・ザーヒル氏(アブー・ウダイ)は次のように述べた。

「タンフ国境通行所での基地で活動していた間、戦闘員を乗せた軍用車輌がルクバーン・キャンプから基地に移動するのを目撃した。彼らを基地で訓練し、この(55キロ)地域の外で油田やガス田の破壊工作、シリア軍拠点の攻撃を実行するためだ」。

「ルクバーン・キャンプにいるとき、おおくの支援物資がキャンプに身を寄せる市民のために届けられた。だが、それらのほとんどは、米国の配下にあるグループからダーイシュのテロリスト・メンバーに引き渡された。一部は商人たちに渡され、深刻な人道・医療危機に苦しむキャンプの住民に法外な値段で売られた」。

https://youtu.be/BmY5_MPypz8

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍との戦闘でシリア民主軍戦闘員2人死亡(2020年4月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のバーブ・ファラジュ村にあるトルコ軍の拠点に潜入を試みたが、トルコ軍の反撃を受け、戦闘員2人が死亡した。

トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍はまた、同地でシリア民主軍を砲撃戦を行った。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はWHOがハサカ県カーミシュリー市で4月2日に新型コロナウイルス感染者が死亡していたと発表したことに反発(2020年4月17日)

北・東シリア自治局保健委員会(保健省)は声明を出し、世界保健機関(WHO)がシリア政府との共同統治下にあるハサカ県カーミシュリー市で新型コロナウィスル感染者1人が死亡したことを公表したことを明らかにしたうえで、自治局支配地域で感染が拡大した場合の責任はWHOにあると非難した。

声明によると、死亡したのは53歳の男性で、3月22日に発症してカーミシュリー市内の市立病院に入院、27日に市内の国立病院に転院、29日にPCR検査を受け、4月2日に死亡した後に感染が確認されたという。

声明では、WHOがこの事実を北・東シリア自治局に対して開示していなかったと指摘、支配地域内で感染が拡大した場合の責任はWHOにあると非難した。

なお、シリアの保健省は3月29日と30日に感染者がそれぞれ1人ずつ死亡したと発表している。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣はトルコ占領地で外出禁止令を発出(2020年4月17日)

トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立傘下組織)は、トルコの占領下にあるアレッポ県北部(「ユーフラテスの盾」地域および「オリーブの枝」地域)で、12歳~65歳の住民に対する外出禁止令を発出したと発表した。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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保健省は5人の新型コロナウイルス感染者が新たに確認されたと発表(2020年4月17日)

保健省は5人の新型コロナウイルス感染者が新たに確認されたと発表した。

これにより、4月17日現在の同地での感染者数は計38人、うち死亡したのは2人、回復したのは5人となった。

SANA(4月17日付)が伝えた。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県でシャーム解放機構の司令官が暗殺される(2020年4月17日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから43日目となる4月17日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県1件、ラタキア県3件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市とサッハーラ村を結ぶ街道で、シャーム解放機構の司令官が何者かに撃たれて死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるルハイワ村一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍は貨物車輌、装甲車など30輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月17日付)を公開し、4月16日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 17, 2020をもとに作成。

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