シリア政府当局はカーミシュリー国際空港に到着した乗客に新型コロナウイルスにかかる北・東シリア自治局の検査を受けさせないまま帰宅させる(2020年4月7日)

ハサカ県では、ANHA(4月7日付)によると、ダマスカス国際空港発の旅客便が民間人多数を乗せてカーミシュリー国際空港に到着、6人の乗客が北・東シリア自治局の緊急事態対応チームが新型コロナウイルスの感染を確認するために実施している初期検査に応じたが、空港を管理するシリア政府当局が、それ以外の乗客に検査を受けさせないまま、政府支配地域にあるそれぞれの自宅に帰宅させた。

北・東シリア自治局の緊急事態対応チームが空港での初期検査を行うのは4月5日に続いて、これが2回目。

緊急事態対応チームのメンバーの1人であるルージーン・アフマド氏はANHAに対して、検査を受けた6人は、検査結果が出るまで隔離施設に収容されるという。

なお、4月5日には約20人が検査に応じ、隔離施設に収容されたという。

一方、シリア人権監視団は、国防隊メンバーが1人につき10,000シリア・ポンドの賄賂を受け取り、ダマスカス国際空港からカーミシュリー国際空港に到着した乗客を逃がした、と発表した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市(アレッポ県)で国民軍所属の武装集団どうしが交戦(2020年4月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市で、トルコの支援を受ける国民軍所属の武装集団どうしが交戦した。

交戦したのは、「クルドの鷹」とシャーム戦線。

「クルドの鷹」がシャーム戦線の検問所で静止せずに通過しようとしたことがきっかけで戦闘になったという。

この戦闘で、シャーム戦線は「クルドの鷹」のメンバー1人を拘束した。

一方、国民軍に所属する第12旅団は、ラージュー町近郊のバイト・アディーン(バアドゥンリー)村で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ、現在は北・東シリア自治局に発展改称)統治下で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に従軍していたことが疑われるクルド人3人を拘束した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県でシリア民主軍とトルコ軍が衝突(2020年4月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町一帯に潜入しようとした国民軍の戦闘員4人を捕捉した。

だたし、シリア国民軍のユースフ・ハンムード報道官はこれを否定した。

一方、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍は、タッル・タムル町近郊のタッル・マナーフ村を砲撃した。

また、トルコ国防省は声明を出し、トルコ軍特殊部隊が「平和の泉」地域に潜入しようとしたシリア民主軍を撃退、9人を無力化したと発表した。

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アレッポ県では、ANHA(4月7日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村、スムーキーヤ村を砲撃した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配地で地元のNGOや住民が、支援を必要としている人々のため物資を調達・配給(2020年4月7日)

ANHA(4月7日付)は、北・東シリア自治局の支配地で新型コロナウイルス感染拡大を防止するための外出・移動制限措置が続くなか、地元のNGOや住民が、支援を必要としている人々のための物資の調達や配給を行う動きが増えていると伝えた。

シャフバー地区(アレッポ県タッル・リフアト市近郊)では、アフリーン郡から避難してきたアフマド・ウマル氏が、知人や友人25人から義援金を集め、外出禁止令によって仕事を失った貧しい家庭に寄付した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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保健省は新型コロナウイルス感染者1人が回復したと発表(2020年4月7日)

保健省は4人の新型コロナウイルスに感染していた女性1人が回復したことを明らかにした。

これにより、4月8日現在の同地での感染者数は計19人、うち死亡したのは2人、回復したのは3人となった。

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高等教育科学研究省とアサド大学病院(ダマスカス県)は、同病院内に新型コロナウイルスの感染が疑われる重篤患者を受け入れるための機関と病床を確保した。

また保健省は、国内各所に新型コロナウイルス感染者の看護・治療を行うための隔離センターを14カ所新たに開設したと発表した。

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経済対外通商省は、新型コロナウイルス対策として、コロロキン、アセトアミノフェン、解熱剤などの輸出を停止することを決定した。

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ハサカ県では、SANA(4月7日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のハームー村で、シリア軍と住民が村に入ろうとした米軍の車列を撃退した。

報道によると、装甲車5輌からな米軍の車列が村に入ろうとしたが、住民がシリア軍とともに立ちはだかり、投石するなどしてこれを追い返したという。

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SANA(4月7日付)が伝えた。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県ビダーマー町に新たな拠点を設置(2020年4月7日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから33日目となる4月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県2件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の貨物車輌からなる車列が大型のセメント・ブロックを積んで、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に入った。

トルコ軍はまた、県西部のビダーマー町に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は58カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

一方、シリア軍と「決戦」作戦司令室がフライフィル村、スフーフン村一帯で交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカスル村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市でバアス党ダルアー県支部のサルワーン・ジュンディー・ナワー支局書記長が何者かの襲撃を受けて死亡した。

AFP, April 7, 2020、ANHA, April 7, 2020、AP, April 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 7, 2020、Reuters, April 7, 2020、SANA, April 7, 2020、SOHR, April 7, 2020、UPI, April 7, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月7日付)を公開し、4月6日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 7, 2020をもとに作成。

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