北・東シリア自治局は新型コロナウイルス感染の脅威が強まるなか、救急患者を受け入れない病院7施設を一時閉鎖処分に(2020年4月13日)

北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の保健委員会(保健省)は、決定第5号を発令し、同自治局とシリア政府の共同統治下にあるハサカ県カーミシュリー市とマーリキーヤ(ダイリーク)市の私立病院7施設を一時閉鎖処分とすることを決定した。

新型コロナウイルスの感染拡大の脅威が強まっているにもかかわらず、救急患者を受け入れなかったのが理由。

AFP, April 16, 2020、ANHA, April 16, 2020、AP, April 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 16, 2020、Reuters, April 16, 2020、SANA, April 16, 2020、SOHR, April 16, 2020、UPI, April 16, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構がシャーム軍団、国民解放戦線の戦闘員多数を拘束するなか、トルコ軍はM4高速道路の座り込みデモを強制排除(2020年4月13日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから39日目となる4月13日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がM4高速道路の沿線に位置するナイラブ村にある検問所で、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)を主導するシャーム軍団の司令官1人と戦闘員多数を拘束した。

シャーム解放機構はまた、サラーキブ市近郊のシリア政府支配地との境界地帯に設置されている検問所で、国民解放戦線の戦闘員複数を拘束し、車輌や武器を没収した。

シャーム軍団や国民解放戦線の戦闘員を拘束した理由は不明だが、シャーム解放機構は軍事・治安権限下にあるイドリブ県およびアレッポ県内の支配地で厳戒態勢を強めているという。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(4月13日付)、ザマーン・ワスル(4月13日付)、イバー・ネット(4月13日付)などによると、トルコ軍部隊が早朝、ナイラブ村東のM4高速道路上で座り込みを続けていたデモ参加者を強制排除し、参加者が設営していたキャンプ村の一つを撤去した。

デモ参加者は強制排除を試みるトルコ軍ともみ合いになったが、最終的にはナイラブ村に設置されているトルコ軍拠点への退去を余儀なくされた。

座り込みデモは「尊厳の座り込み」と銘打たれ、3月13日に開始された。

3月5日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の首脳会談で交わされたイドリブ県での停戦合意が実施を定めているロシア・トルコ軍の合同パトロール実施に反対するのがその目的。

なお、トルコ軍が座り込みデモを強制排除したのち、ロシア軍とトルコ軍はM4高速道路での合同パトロールを実施した。

一方、カフルナブル市近郊では、シリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦、シリア軍が「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃した。

戦闘による死傷者はなかった。

「決戦」作戦司令室は、シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒズブッラーやシリア政府に協力している男性が、ムザイリーブ町の自宅前で何者かに撃たれて死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月13日付)によると、殺害されたのはサルマーン・タルシャーンなる人物。

第4師団に所属し、ヒズブッラーの協力を得て、麻薬の密売を行っていたという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、イスリヤー村東方でシリア軍兵士を乗せたピックアップトラックに仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士1人が死亡、3人が負傷。

AFP, April 13, 2020、ANHA, April 13, 2020、AP, April 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 13, 2020、Reuters, April 13, 2020、SANA, April 13, 2020、SOHR, April 13, 2020、UPI, April 13, 2020などをもとに作成。

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ロシア・トルコ軍がハサカ県で合同パトロール実施(2020年4月13日)

ハサカ県では、ANHA(4月13日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市からアブー・ラースィーン(ザルカーン)町にいたる国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, April 13, 2020、ANHA, April 13, 2020、AP, April 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2020、Reuters, April 13, 2020、SANA, April 13, 2020、SOHR, April 13, 2020、UPI, April 13, 2020などをもとに作成。

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トルコ内務省災害緊急事態対策庁総裁「イドリブ県で新型コロナウイルスの感染を防止するため緊急措置を講じている」(2020年4月13日)

トルコ内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)のメフメット・ギュルオール総裁は、トルコ・アメリカ国家運営員会(TASC)のテレビ会合で、シリア北部での新型コロナウイルス感染症対策について、感染を防止するための緊急の措置を講じていると述べた。

ギュルオール総裁は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県でいまだ感染者は確認されていないとしたうえで、「イドリブ県では移動規制がかけられている。これは良いことだ。しかし、我々は重点的に事態を追っている」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月13日付)が伝えた。

AFP, April 13, 2020、ANHA, April 13, 2020、AP, April 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2020、Reuters, April 13, 2020、SANA, April 13, 2020、SOHR, April 13, 2020、UPI, April 13, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は支配地域内の農業従事者の外出禁止を条件付きで解除(2020年4月13日)

北・東シリア自治局は、支配地域内の農業従事者に対して、新型コロナウイルス感染症対策として実施している外出禁止令を条件付きで解除することを決定した。

これにより、農業従事者は、職場・農地に移動すること、その際に10人以下で移動することを認められた。

ANHA(4月13日付)が伝えた。

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ハサカ県では、ANHA(4月13日付)によると、北・東シリア自治局は、同自治局とシリア政府の共同統治下にあるハサカ市近郊のサフヤー村の住民に対して食糧パック115個を配布した。

AFP, April 13, 2020、ANHA, April 13, 2020、AP, April 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2020、Reuters, April 13, 2020、SANA, April 13, 2020、SOHR, April 13, 2020、UPI, April 13, 2020などをもとに作成。

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ハミース内閣は新型コロナウイルス感染症対策の実施状況についての評価を行い、生産活動継続に必要な一部業種への規制を緩和(2020年4月13日)

イマード・ハミース内閣は新型コロナウイルス感染症対策の実施状況についての評価を行い、機械工、自動車の電気系統、農業機械とコンバインの整備・保守点検、鍛冶工、大工業、縫製工、農業生産および灌漑関連の製品の販売を、生産活動継続に必要な業種とみなし、混雑回避策や感染予防対策を講じたうえで、必要最低限での操業を認めることを決定した。

AFP, April 13, 2020、ANHA, April 13, 2020、AP, April 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2020、Reuters, April 13, 2020、SANA, April 13, 2020、SOHR, April 13, 2020、UPI, April 13, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月13日付)を公開し、4月12日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 13, 2020をもとに作成。

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