トルコ占領下のラッカ県タッル・アブヤド市で自由警察隊員が新型コロナウイルスに感染(2020年4月12日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市でトルコの支援を受けるいわゆる自由警察の隊員1人の新型コロナウイルスの感染が確認され、所属する部署の隊員全員が隔離された。

タッル・アブヤド市の地元評議会は、市内の学校2カ所に緊急事態対応センターを設置し、感染が疑われる住民らを隔離している。

なお、複数の情報筋によると、この数時間前に、国民軍に所属する武装集団のメンバー1人、スルーク町出身の男性2人も新型コロナウイルスの感染を疑われ、隔離されたという。

タッル・アブヤド市ではまた、トルコの支援を受ける国民軍に所属するマジド軍団のメンバー1人が、別のメンバーを銃で撃ち、殺害した。

AFP, April 12, 2020、ANHA, April 12, 2020、AP, April 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2020、Reuters, April 12, 2020、SANA, April 12, 2020、SOHR, April 12, 2020、UPI, April 12, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団は政府支配地域の新型コロナウイルス感染者数が72人に達していると発表(2020年4月12日)

シリア人権監視団は、信頼できる複数の医療筋の情報として、ダマスカス県、アレッポ県、ラタキア県、タルトゥース県、ヒムス県、ハマー県、ダルアー県で新型コロナウイルスの感染を疑われ、隔離されている住民が410人に達していると発表した。

このうち180人はPCR検査の結果、陰性と診断され、センターを後にしたが、42人の感染が確認されたという。

シリア人権監視団はこの発表を行った数時間後、複数の情報筋の話として、ラタキア県での感染者数が26人、タルトゥース県が16人、アレッポ県、ダマスカス県、ハマー県、ヒムス県、ダルアー県が合わせて30人、合計で72人に達していると発表した。

2度目の発表によると、感染の疑いがあり、隔離されている住民は約500人に達しており、うち220人はPCR検査の結果、陰性と診断されたとしている。

一方、同監視団によると、ダイル・ザウル県、アレッポ県、ダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町で新型コロナウイルスに感染した「イランの民兵」は116人に達しているが、うち30人は回復したという。

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アイン・フラート(4月12日付)によると、「イランの民兵」25人がブーカマール市で新型コロナウイルスに感染、うち15人がイラク人民動員隊によってイラクに搬送された。

AFP, April 12, 2020、ANHA, April 12, 2020、AP, April 12, 2020、‘Ayn al-Furat, April 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2020、Reuters, April 12, 2020、SANA, April 12, 2020、SOHR, April 12, 2020、UPI, April 12, 2020などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ軍兵士3人を殺害したと発表(2020年4月12日)

アレッポ県では、ANHA(4月12日付)によると、アフリーン解放軍団(人民防衛隊(YPG)傘下)が声明を出し、4月10日のトルコ軍およびその支援を受ける国民軍によるシーラーワー町郊外への攻撃で同軍団の戦闘員3人が死亡したことへの報復として、11日トルコ占領下のシーラーワー町で2度にわたる攻撃を実施し、トルコ軍兵士3人を殺害したと発表した。

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ラッカ県では、ANHA(4月12日付)によると、トルコ軍がシリア軍と北・東シリア自治局の実効支配下にあるアイン・イーサー市近郊のムシャイリファ村を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がアブー・ラースィーン(ザルカーン)町に2カ所、タッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村、アッブーシュ村にそれぞれ1カ所の拠点を新たに設置した。

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トルコのマルディン県は声明を出し、トルコ軍が領内に潜入しようとした人民防衛隊(YPG)の戦闘員5人を撃退したと発表した。

潜入を試みた5人はトルコ領内で爆破テロを企てていたという。

AFP, April 12, 2020、ANHA, April 12, 2020、AP, April 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2020、Reuters, April 12, 2020、SANA, April 12, 2020、SOHR, April 12, 2020、UPI, April 12, 2020などをもとに作成。

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カーミシュリー国際空港を管理するシリア政府当局が北・東シリア自治局による新型コロナウイルス感染確認検査を阻止(2020年4月12日)

ハサカ県では、ANHA(4月12日付)によると、北・東シリア自治局の緊急事態対応チームがダマスカス国際空港発の旅客機でカーミシュリー国際空港に到着した民間人に対して、新型コロナウイルスの感染を確認するための初期検査を実施した。

緊急事態対応チームが検査を実施するのは、4月5日以降今回が5回目。

検査を受けた乗客は隔離センターに移送され、14日間センターで滞在、感染が確認されなければ、センターから出られ、感染が確認されれば、感染者を隔離するための施設に移される。

しかし、検査を実施していたチームは、空港を管理するシリア政府当局の「嫌がらせ」を受け、検査を中止、退去を余儀なくされた。

AFP, April 12, 2020、ANHA, April 12, 2020、AP, April 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2020、Reuters, April 12, 2020、SANA, April 12, 2020、SOHR, April 12, 2020、UPI, April 12, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県バーラ村などを砲撃(2020年4月12日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから38日目となる4月12日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるバーラ村、ファッティーラ村、スフーフン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、装甲車、トラックなど約50輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月12日付)によると、シリア軍と「イランの民兵」が11日深夜にカフルタアール村への潜入、反体制武装集団がこれを撃退した。

AFP, April 12, 2020、ANHA, April 12, 2020、AP, April 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 12, 2020、Reuters, April 12, 2020、SANA, April 12, 2020、SOHR, April 12, 2020、UPI, April 12, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月12日付)を公開し、4月11日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 12, 2020をもとに作成。

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