サウジアラビアのファイサル外務大臣「シーザー法は、シリアに対する米国の姿勢に関するものだが、もっとも重要なのは政治問題に対処すること」(2021年4月3日)

サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣はCNN(4月3日付)のインタビューに応じ、シリア危機の解決やシリア政府との関係修復に対するサウジアラビアの姿勢を明らかにした。

ファイサル外務大臣の主な発言は以下の通り:

サウジアラビアは、アサド政権が政治的解決をもたらすのに相応しい措置を講じることを希望している。なぜなら、それが前進に向けた唯一の方途だからだ。

国連主催の(和平)プロセスがあり、そこでは反体制派がシリア政府と交渉を行っている…。サウジアラビアはこのプロセスを支援している。

我々にはシリアの安定が必要だ。そのためにはシリア政府側の妥協が求められている。政府と反体制派がさらなる努力をして、政治プロセスを前進させ、安定を実現することが求められている。

シーザー法(シーザー・シリア市民保護法)は、米国が講じている措置で、シリアに対する米国の姿勢に関するもので…、もっとも重要なのは、政治問題に対処すること、政治的解決をもたらすことだ。

サウジアラビアは、政治プロセスを前進させることに注力し、そのうえでこれを実現しようとしている国連の取り組みを支援している。

AFP, April 4, 2021、ANHA, April 4, 2021、CNN, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2021、Reuters, April 4, 2021、SANA, April 4, 2021、SOHR, April 4, 2021などをもとに作成。

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シリア軍とイラン・イスラーム革命防衛隊が「イランの民兵」の一部をシリア軍に統合することを合意(2021年4月3日)

ダイル・ザウル24(4月3日付)は、独自筋から得た情報として、シリア軍とイラン・イスラーム革命防衛隊の間で「イランの民兵」の一部をシリア軍に統合することが合意されたと伝えた。

同筋によると、「イランの民兵」は、メンバーに対して、学校の修了証、戸籍の写し、献血記録カード、写真4枚を持参し、新たなICカードを取得し、シリア軍特殊部隊にこれを提出し、ダマスカス郊外県ドゥライジュ町にある司令部で訓練を受け、ダイル・ザウル県に帰任するよう要請した。

ドゥライジュ町のシリア軍特殊部隊司令部での教練は、2回に分けて実施され、1回目はシリア軍兵士、2回目は「イランの民兵」が対象だという。

合同教練の目的は不明だという。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアレッポ県バーブ市で、住民がトルコ軍基地前で抗議デモを行い、破壊された住居の補償を求める(2021年4月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市のアキール山地区で、住民数十人が、市内のトルコ軍基地前で抗議デモを行い、基地建設を目的に破壊された住居の補償を求めた。

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ハサカ県では、ANHA(4月5日付)によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市近郊の農村地帯を拠点とするシリア国民軍所属のバドル殉教者旅団が4月3日、ムフタッラ村を襲撃し、住民1人(ハマーディー・フルウ氏)を拘束しようとしたが、この住民は抵抗、戦闘員1人を殺害し、逃走した。

バドル殉教者旅団はこの住民を追跡するため、民家に押し入るなどしたため、住民が抵抗し、撃ち合いとなった。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、April 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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シリア軍、クドス旅団がダイル・ザウル県で掃討作戦を続けるなか、ロシア軍が爆撃を実施(2021年4月3日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とパレスチナ人からなるクドス旅団などの民兵が、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市近郊の砂漠地帯(ファイダト・ブン・ムワイニア地区)でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を続けるなか、ロシア軍戦闘機が同地に対して25回の爆撃を実施した。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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フール・キャンプでのダーイシュのセル摘発と治安回復を目的とした「人道と治安」作戦が続き、内務治安部隊は4人を新たに逮捕(2021年4月3日)

ハサカ県では、ANHA(4月3日付)によると、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属組織とともに、フール・キャンプでのダーイシュ(イスラーム国)のセル摘発と治安回復を目的とした「人道と治安」作戦を継続した。

7日目となる4月3日は、これまでに拘束したダーイシュ・メンバーに対する聴取に基づき、キャンプ内での殺人事件に関与していたとされうダーイシュ・セルのメンバー4人を新たに逮捕した。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県タッル・タムル町近郊を砲撃(2021年4月3日)

ハサカ県では、ANHA(4月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のクーズリーヤ村を砲撃した。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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外務在外居住者省は米国務省による「2020年版国別人権報告書」発表を受け、米国を「世界最大の人権侵害国」と非難(2021年4月3日)

外務在外居住者省は声明を出し、米国務省が「2020年版国別人権報告書」を発表したことに関して、世界の国々で侵害が行われているとのウソを含んでおり、シリアに関する言いがかりのすべては、この地域と世界におけるテロ組織、その支援者、資金援助者たちの報告から引用されたものだと批判した。

声明の骨子は以下の通り。

米国務省は、世界の人権状況に関する悪名高い年次報告書を発表した。いつもの通り、この報告書は、ほぼすべての国で侵害が行われているとのウソと言いがかりを含んでいる。だが、この報告書は自らの欠陥をさらけ出している。米政権や報告書作成者への従属を特徴とするような関係を持たない国に対して、人種差別と内政干渉を行うという真の目的を暴露している。

シリア・アラブ共和国に関する報告書の言いがかりのすべては、この地域と世界におけるテロ組織、その支援者、そして資金援助者の報告に基づいている。そして、報告書作成者は、歴代米政権が犯した重大な侵害を知らんぷりしている。これは世界全体、さらには米国内でも周知の犯罪であり、そのなかには、一切の人権に反する一方的な強制措置を含んでいる…。米国は、国内外において最大の人権侵害国であるという点で世界のすべてを先んじているという特徴を持っていることを示している。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/2963274867292954

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米国務省は3月30日、「2020年版国別人権報告書」(2020 Country Reports on Human Rights Practices)を発表し、そのなかでシリアに関して、以下の通り、非難していた。

シリアの人々に対するアサドの残虐行為は衰えることなく続き、今年は尊厳と自由のなかで生きるための彼らの闘争から10年目を迎えた。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は4月6日から12日までの1週間、シリア政府との共同統治下にあるカーミシュリー市、ハサカ市、ラッカ市で部分的な外出・移動規制を行うと発表、政府(情報省)はこれを否定(2021年4月3日)

北・東シリア自治局の執行評議会(ビーリーファーン・ハーリド、アブドゥルマフバーシュ合同議長、ラッカ県アイン・イーサー市)は決定第84号を発出し、支配地域内で新型コロナウイルス感染者数が増加傾向にあることを受けて、4月6日から12日までの1週間、シリア政府との共同統治下にあるハサカ県カーミシュリー市、ハサカ市、ラッカ県ラッカ市で部分的な外出・移動規制を行うと発表した。

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一方、情報省は声明を出し、シリア政府が部分的な外出・移動規制措置を講じるとするSNS上での一部書き込みに関して、事実に反するとしてこれを否定した。

SANA(4月3日付)が伝えた。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で120人、北・東シリア自治局支配地域で73人(2021年4月3日)

保健省は政府支配地域で新たに120人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者113人が完治し、11人が死亡したと発表した。

これにより、4月3日現在の同地での感染者数は計19,284人、うち死亡したのは1,299人、回復したのは13,090人となった。

SANA(4月3日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに73人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、4月3日現在の同地での感染者数は計10,404人、うち死亡したのは389人、回復したのは1,327人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性37人、女性36人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市24人、カーミシュリー市31人、マーリキーヤ(ダイリーク)市12人、ダルバースィーヤ市2人、タブカ市4人。

ANHA(4月3日付)が伝えた。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2021年4月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるダール・カビーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県15件、ラタキア県4件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 3, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民242人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は653,935人に(2021年4月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月3日付)を公開し、4月2日に難民242人(うち女性73人、子供123人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民242人(うち女性73人、子供123人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は653,935人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者258,687人(うち女性77,762人、子ども131,655人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は883,215人(うち女性265,038人、子供450,146人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は83,839人(うち女性30,925人、子供31,035人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,352,435人(うち女性413,484人、子供674,801人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 3, 2021をもとに作成。

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