ボレルEU外務・安全保障対策上級代表はOPCWのIIT第2報告書発表の発表を歓迎、シリア軍による化学兵器使用を非難(2021年4月12日)

ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障対策上級代表は声明を出し、化学兵器禁止機関(OPCW)が発表したシリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第2回報告書(技術事務局覚書S/1943/2021)に関して、報告書発表を歓迎するとともに、シリア軍による化学兵器使用を、国際法違反、戦争犯罪、人道に対する罪と厳しく非難、国際社会に対して適切な行動をとるよう呼びかけた。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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オマーンのハイサム国王は、緊急勅令を発止、両国の公用旅券、一般旅券の保持者へのビザ発給を免除することを定めた両国合意を発効(2021年4月12日)

オマーンのハイサム・ビン・ターリク国王は、緊急勅令を発止、両国の公用旅券、一般旅券の保持者へのビザ発給を免除することを定めた両国合意を発効した。

両国合意は、3月のファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣のオマーン訪問時に交わされていた。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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OPCWはアサド政権による化学兵器使用を断定するIIT第2回報告書を公開(2021年4月12日)

化学兵器禁止機関(OPCW)は、シリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第2回報告書(65ページ)を技術事務局の覚書(S/1943/2021)として公開した。

報告書は、OPCWの事実調査団(FFM)、複数の当事国などから入手した情報、事件現場にいたとされる人へのインタビュー、被害者や被害現場から採取されたとされるサンプルや残骸、衛星画像、専門家の意見をもとに、2020年4月から2021年3月にかけて実施された分析調査に基づくもの。

2018年2月4日にイドリブ県サラーキブ市で発生した化学兵器使用疑惑事件を中心に調査が行われ、「虎部隊」(スハイル・ハサン准将指揮下の部隊)に所属するシリア軍のヘリコプター1機から投下された少なくとも1本のシリンダーに装填されていた塩素ガスが飛散し、12人が被害を受けたと結論づける合理的な根拠があると結論づけた。

なお、第1回報告書は2020年4月8日に公開され、2017年3月24、25、30日にハマー県ラターミナ町で発生した事件について、シリア軍の関与を断定していた。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点や車輌を狙って重点的に爆撃(2021年4月12日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点や車輌を狙って重点的に爆撃を実施した。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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トルコが国境から32キロの占領地内に防御壁を設置(2021年4月12日)

北・東シリア自治局タッル・アブヤド地区のハミード・アブド共同議長は、トルコが占領地内の基地の周囲に防御壁を設置していることを明らかにした。

ANHA(4月12日付)によると、トルコは2020年11月、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県のアイン・イーサー市近郊に位置するM4高速道路沿線のハーリディーヤ村、マアラク村、フーシャーン村、ムシャイリファ村、サイダー村に対面する占領地内の5カ所に基地を建設していた。

アブド共同議長は、防護壁がこれらの村の南側、シリア・トルコ国境から南に約32キロの地域で設置されており、トルコの占領を既成事実化するものだと批判した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン氏近郊にあるシリア国民軍の拠点に向かっていた車が爆発し、乗っていた男性1人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(4月12日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市のアシュラフィーヤ地区で爆発が発生した。

シリア人権監視団によると、爆発は車に仕掛けられていた爆弾によるもの。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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アサド大統領は消費者保護を目的とした2021年政令第8号(新消費者保護法)を施行(2021年4月12日)

アサド大統領は2021年政令第8号(新消費者保護法)を施行し、消費者の権利、食糧の安全確保、取引・価格決定時の独占回避、品質・生産管理の監視、独占や価格表示のない販売、販売時の不正に対する罰金を定めた。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で105人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で23人(2021年4月12日)

保健省は政府支配地域で新たに105人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者110人が完治し、7人が死亡したと発表した。

これにより、4月12日現在の同地での感染者数は計20,331人、うち死亡したのは1,385人、回復したのは14,122人となった。

SANA(4月12日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月12日に新たに23人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、3人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡6人、ハーリム郡3人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡2人、アフリーン郡3人、アアザーズ郡1人。

これにより、同地での感染者数は計21,509人、うち回復したのは19,575人、死亡したのは638人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1554053944799491/

AFP, April 12, 2021、ACU, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民305人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は656,163人に(2021年4月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月12日付)を公開し、4月11日に難民305人(うち女性92人、子供155人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民305人(うち女性92人、子供155人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は656,163人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者260,915人(うち女性78,431人、子ども132,790人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,753,010人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は885,442人(うち女性265,707人、子供451,281人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,168人(うち女性31,533人、子供31,297人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,764人(うち女性414,092人、子供675,063人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 12, 2021をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民291人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は659,036人に(2021年4月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月22日付)を公開し、4月22日に難民291人(うち女性88人、子供148人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民291人(うち女性88人、子供148人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は659,036人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者263,788人(うち女性79,295人、子ども134,257人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は888,316人(うち女性266,571人、子供452,748人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,192人(うち女性31,538人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,788人(うち女性414,097人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 22, 2021をもとに作成。

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シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2021年4月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、フライフィル村、バーラ村、スフーフン村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、シャーム解放機構の治安機関はカフル・デルヤーン村を強襲し、4月7日に遺体で発見されたシリア救国内閣のファーイズ・ハリーフ高等教育大臣の誘拐・殺害に関与したと思われるジハード主義者のグループと交戦、リビア人1人とチュニジア人1人を殺害、複数人を逮捕した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のクライディーン村、アンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるムザイリーブ町でシリア軍第4師団に所属する地元の武装グループのメンバー1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を23件(イドリブ県10件、ラタキア県9件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は22件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を12件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 12, 2021、ANHA, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 12, 2021、Reuters, April 12, 2021、SANA, April 12, 2021、SOHR, April 12, 2021などをもとに作成。

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