ロシアとウクライナの緊張関係が増すなか、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団がウクライナに派兵するための傭兵を募集(2021年4月23日)

ハーブール(4月23日付)は、ロシアとウクライナの緊張関係が増すなか、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団がラッカ県出身者を傭兵として募集し、ウクライナ方面に派遣しようとしていると伝えた。

ウクライナ方面に派遣が検討されているという傭兵には毎月350米ドルの給与が支払われる予定で、約200人が登録を済ませ、軍事教練を修了後に現地に派遣される見込みだという。

AFP, April 25, 2021、ANHA, April 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2021、al-Khabur, April 23, 2021、Reuters, April 25, 2021、SANA, April 25, 2021、SOHR, April 25, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

マッケンジー米中央軍司令官「対話を通じたカーミシュリー市の問題の解決を望んでいる」(2021年4月23日)

バスニュース(4月23日付)は、ハサカ県カーミシュリー市で続く国防隊と北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の戦闘に関して、ケネス・マッケンジー米中央軍(CENTCOM)司令官(海兵隊大将)が事態を収束させるためにできることすべてをすると述べたと伝えた。

同サイトによると、マッケンジー司令官は「シリア民主軍は我々にとって非常に重要なパートナーであり、我が軍を守ってくれている…。我々は事態をできることすべてをする。我々は対話を通じた問題解決を望んでいる」と述べたという。

AFP, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、Basnews, April 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がカーミシュリー市での戦闘を受け、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、タッル・リフアト市一帯を封鎖する構え(2021年4月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ県カーミシュリー市でロシア軍憲兵隊と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が停戦を合意した直後、シリア軍が、北・東シリア自治局の勢力下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区と政府支配地を隔てるジャズィーラ検問所を閉鎖、検問を強化するとともに、アシュラフィーヤ地区でパトロールを強化した。

また、これと前後して、シリア軍は、アレッポ市とシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市を結ぶ街道を封鎖、タッル・リフアト市一帯地域を封鎖する構えを見せた。

ANHA(4月24日付)も、アフリーン人権機構の話として、カーミシュリー市で国防隊が完全に浄化されたのを受けるかたちで、シリア軍第4師団と総合情報部がジャズィーラ検問所を封鎖し、アシュラフィーヤ地区とシャイフ・マクスード地区の住民への締め付けを強化していると伝えた。

AFP, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、April 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市での国防隊と内務治安部隊の戦闘続く、ロシア軍とシリア民主軍の仲介で一時停戦(2021年4月23日)

ハサカ県では、ANHA(4月23日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市ではまた、バニー・サブア部族の名士の1人ハーイス・ジャルヤーン氏が早朝、政府支配下の国立病院の北東にある自宅前で何者かによって銃で撃たれて死亡した。

殺害される直前、ジャルヤーン氏は国防隊との会合に出席し、戦闘停止を説得していたという。

カーミシュリー市ではまた、国防隊と内務治安部隊(アサーイシュ)による戦闘が続いた。

戦闘は、タイ地区内(アッバース・アッラーウィー学校、イブン・スィーナー学校一帯、同地区西部など)やハルクー学校一帯で激しく行われ、国防隊は同地の建物の屋上などに狙撃手を配置し、内務治安部隊に対峙した。

これに対して、内務治安部隊は、国防隊が攻撃の拠点としていたタイ地区東部のファーディル・ハサン学校とイブン・スィーナー学校を制圧した。

国防隊と内務治安部隊の戦闘を収束させるため、ロシア軍憲兵隊と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の代表が、カーミシュリー市内で会合を開き、4月24日午後6時から25日午前10時までの一時停戦を合意した。

これを受け、内務治安部隊は声明を出し、ロシア軍憲兵隊とシリア民主軍の仲介と保障を受け入れ停戦すると発表した。

一方、国防隊は、停戦合意後もハルクー地区に至る交差点にある内務治安部隊の拠点複数カ所に対して攻撃を加えた。

**

北・東シリア自治局執行評議会のビーリーファーン・ハーリド共同議長は、ANHA(4月23日付)の取材に応じ、そのなかで、「ダマスカスの政府は、その傭兵を頻繁に用いて、地域の安定と治安を脅かし、地域における自治のプロジェクトを反故にしようとしている」と批判、国防隊の攻撃を食い止めると断固たる意思を示した。

**

SANA(4月23日付)によると、カーミシュリー市近郊のジャルマズ村でタイ部族の部族長と名士たちが会合を開き、カーミシュリー市一部地区に対するシリア民主軍の攻撃や住民に対する犯罪行為を非難する声明を出した。

声明において、部族長と名士らはまた、ジャズィーラ地方(ユーフラテス川以東地域)の部族に対して、米国の支援を受けるシリア民主軍に対して団結して対抗するよう呼び変えた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるズィーバーン町で、シリア民主軍が密輸用の水上通行所に勤務していた男性を射殺した。

AFP, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアレッポ県バーブ市近郊での爆発でトルコ軍兵士、シリア国民軍戦闘員多数負傷(2021年4月23日)

アレッポ県では、SANA(4月23日付)、ANHA(4月23日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市近郊(ラーイー村に至る街道)沿いにあるシリア国民軍所属の東部自由人連合の基地近くで、トルコ軍とシリア国民軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発し、トルコ軍兵士とシリア国民軍戦闘員多数が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市のアキール山地区で、住民数十人が、市内のトルコ軍基地前で抗議デモを行い、基地建設を目的に破壊された住居の補償を求めた。

**

ラッカ県では、ANHA(4月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市一帯および同市近郊のマンスーラ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、これに対して、シリア軍も砲撃で応戦した。

**

ハサカ県では、SANA(4月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアルーク村の揚水所からの飲料水供給を停止してから15日が経ち、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市の水不足が深刻化、シリア赤新月社が給水車で飲料水を輸送した。

AFP, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2人が新たに大統領選挙に立候補(2021年4月23日)

人民議会の第2回臨時会第5回会合が議事堂で開かれ、ハンマーダ・サッバーグ人民議会議長は、2人が最高憲法裁判所に対して新たに立候補届を提出したと発表した。

新たに立候補を届け出たのは、スィナーン・アフマド・カッサーブ氏(1955年9月23日生まれ、ハマー県ミスヤーフ市出身)とムハンマド・ユースフ・ラマダーン氏(1965年11月10日、ハマー県サフサーフィーヤ村出身)。

これにより候補者数は14人(うち女性2人)となった。

SANA(4月23日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3282026415233512

 

AFP, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で175人、北・東シリア自治局支配地域で141人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で15人(2021年4月23日)

保健省は政府支配地域で新たに139人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者175人が完治し、14人が死亡したと発表した。

これにより、4月23日現在の同地での感染者数は計21,864人、うち死亡したのは1,510人、回復したのは15,551人となった。

SANA(4月23日付)が伝えた。

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに141人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者18人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、4月23日現在の同地での感染者数は計14,822人、うち死亡したのは495人、回復したのは1,506人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性61人、女性80人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市38人、カーミシュリー市21人、マーリキーヤ(ダイリーク)市19人、ダルバースィーヤ市7人、アームーダー市7人、マアバダ(カルキールキー)町3人、
ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村3人、タッル・タムル町2人、ロジュ・キャンプ8人、ラッカ県のラッカ市32人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)1人。

ANHA(4月23日付)が伝えた。

**

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月23日に新たに15人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、18人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡3人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡5人、アフリーン郡2人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計21,780人、うち回復したのは19,827人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1562249767313242/

AFP, April 23, 2021、ACU, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県スワイサ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子供2人死亡(2021年4月23日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるスワイサ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子供2人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダーイル町で空軍情報部の士官(少尉)が武装グループに銃で撃たれて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県18件、ラタキア県11件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は32件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を20件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 23, 2021、ANHA, April 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 23, 2021、Reuters, April 23, 2021、SANA, April 23, 2021、SOHR, April 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民301人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は659,337人に(2021年4月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月23日付)を公開し、4月22日に難民301人(うち女性90人、子供153人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民301人(うち女性90人、子供153人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は659,337人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者264,089人(うち女性79,385人、子ども134,410人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は888,617人(うち女性266,661人、子供452,901人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,192人(うち女性31,538人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,788人(うち女性414,097人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 23, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.