財務省はアサド大統領のいとこでビジネスマンのアイマン・ジャービル氏らの資産を凍結(2021年4月26日)

財務省は、決定第324/J’号を発出し、著名なビジネスマンの一人アイマン・ジャービル氏、ファーイズ・シャーヒーン氏、両名の妻、レバノンのメタル金属国債流通社が所有する動産不動産を差し押さえたことを明らかにした。

差し押さえは、関税の未納者に対する罰則を定めた2020年決定第6号に従う措置。

2020年決定第6号には、関税未納額7億435万シリア・ポンド、手数料8,930万シリア・ポンド、罰則金8,929万3,478シリア・ポンドの支払いが求められている。

イクティサーディー(4月26日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)、イナブ・バラディー(4月27日付)などが伝えた。

ジャービル氏は、ラタキア県シャルファーティーヤ村出身、カマール・アサド氏(アサド大統領のいとこ)の娘婿で、鉄鋼評議会を創設し、議長を務める他、民兵組織の砂漠の鷹旅団の創設者の1人でもある。

AFP, April 27, 2021、ANHA, April 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2021、Reuters, April 27, 2021、SANA, April 27, 2021、SOHR, April 27, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配地域内で活動する記者・報道関係者が声明でカーミシュリー市での戦闘に対する報道規制に抗議(2021年4月26日)

ルダウ(4月26日付)によると、北・東シリア自治局支配地域内で活動する記者・報道関係者が共同声明を出し、内務治安部隊がカーミシュリー市タイ地区での取材を報道の自由に反するかたっちで禁止したと非難、抗議の意思を示した。

「北・東シリア自治局支配地における報道活動への嫌がらせに関する声明」の内容は以下の通り:

(北・東シリア)自治局の内務治安部隊、現地での通称「アサーイシュ」は、北・東シリア各所で許可を受けた報道機関のほとんどに対して、報道の自由に反するかたちで、カーミシュリー市南部のタイ地区での体制側の国防隊との戦闘を報じることを禁じた。

2021年4月21日の戦闘開始以降、報道は自治局の一部チャンネルや通信社、そして地元指導部に近い一部活動かによって独占された。

事件発生から6日が経ち、責任を回避し、報道関係者に対する権利侵害を正そうとして、一部メディアがタイ地区に入ることを許された。

こうした行為は、1948年の世界人権宣言第19条が定める情報を得る権利、さらには1962年の市民的及び政治的権利に関する国際規約の第19条に反している。

自治局に近い一部メディアによる報道の独占、治安要員による報道関係者への脅迫は、内務治安部隊のような法人に相応しくない行為である。

我々は記者・報道関係者は、こうした行為が報道の自由に反し、非難に値し、受け入れられず、報道の自由と情報を得る権利を保障する自治局の法に反するものとして拒否する。

先月末にフール・キャンプで行われた治安措置に際しての報道活動に対する嫌がらせ、キャンプ内での報道前と報道中に記者らに課せられたルーティーンや手続き、地元の記者や報道機関の排除は、北・東シリア各地の報道活動を後退させていることは明らかである。

我々は、報道関係者に対するこうした対応が、我々の地域の報道活動の未来に悪影響を及ぼすものと考える。我々は、自治局と関係機関が、報道関係者が安全に活動できる環境を整えるとともに、機会均等を保障し、報道機関の自由と多元性を保障するために取捨選択を止めることで、過ちを正さなければならないと見ている。そうすることが社会の発展に寄与し、責任をもって監督者としての役割を果たすことに繋がる。

北・東シリア各地での新情報法をめぐって、国内外のさまざまなメディア関係の当事者が議論を終えてから2ヶ月以上経ったが、今もなお自治局の評議会によって承認はなされないままである。

我々は、法の承認、北・東シリアでの記者や報道関係者の権利に対する行き過ぎた行為を助長する法律上の空白状態に対処することを要請する。

著名者:
ヒーバール・ウスマーン
マスウード・ハーミド
ジャーヌー・シャーキル
イーファーン・ハスィーブ
ラーマーン・イーサー
スーリーン・アミーン
カマール・シャイフー
シールザード・サイドゥー
ダーダー・バラカート
アーフティーン・アスアド
アドナーン・ハサン
アフマド・バルフー
ラドワーン・ビーザール
ハサン・フサイン
ヒジャール・サイイド
ハリール・ハリール
フーザーン・ハッシュー
ヌーバール・イスマーイール
ヤーズィル・ウスマーン
イサーム・アミーン
エズディナ機構

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、Rudaw, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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カーミシュリー市タイ地区での国防隊と内務治安部隊の戦闘は後者が同地区を完全制圧して収束(2021年4月26日)

ハサカ県では、ANHA(4月26日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市のタイ地区で、内務治安部隊がアッバース・アッラーウィー学校と給水塔周辺の街路を除く同地区全域から国防隊を排除した。

シリア人権監視団によると、国防隊と内務治安部隊の戦闘は未明までに決着していた。

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ANHA(4月26日付)によると、戦闘収束を受けて、ロシア軍憲兵隊と内務治安部隊が合同パトロールを実施、一時避難していた住民が帰宅を開始した。

シリア人権監視団によると、これに合わせて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と内務治安部隊の代表がカーミシュリー国際空港を訪問し、空港に駐留するロシア軍と会談し、停戦を合意した。

合意は、国防隊と内務治安部隊の戦闘停止のほか、タイ地区内の内務治安部隊の分隊の本部に隣接するかたちでシリア軍憲兵隊分隊本部を併設することが定められているという。

また、ノース・プレス(4月26日付)によると、合意は、タイ地区への内務治安部隊の駐留、国防隊の完全退去、避難住民の帰宅、ロシア軍憲兵隊と内務治安部隊による地区内での合同パトロールの実施も定めているという。

なお、ANHA(4月26日付)は、内務治安部隊は、国防隊が退去したファーディル・アブドゥルアズィーズ・ハサン学校で世界食糧計画(WFP)のロゴがついた段ボール約1,000箱を発見したと伝えた。

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これにより、内部治安部隊の展開地域は、環状道路南部に到達し、シリア政府の支配地域は、市の中心街のいわゆる治安限界地区、タイ地区交差点南のズヌード地区一帯、ハルクー地区とカーミシュリー国際空港に三分割された。

なお、シリア人権監視団によると、国防隊はまた、カーミシュリー市のズヌード地区、タルタブ村にある第154中隊基地の拠点を閉鎖し、シリア政府の支配下にある市南側の農村地帯に撤退した。

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、North Press Agency, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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8人が新たに立候補し、大統領選挙の立候補者は29人に(2021年4月26日)

人民議会の第2回臨時会第8回会合が議事堂で開かれ、ハンマーダ・サッバーグ人民議会議長は、8人が最高憲法裁判所に対して新たに立候補届を提出したと発表した。

新たに立候補を届け出たのは、ムハンマド・バッシャール・ムハンマド・ファーイズ・ヤースィーン・サッバーグ氏(1964年12月18日生まれ、ダマスカス県出身)、ムハンマド・ハイダル・シュジャーア氏(1959年9月12日生まれ、ダマスカス県出身)、ワリード・ナーズィム・アッタール氏(1952年7月5日生まれ、ハマー市出身)、ムハンマド・ガッサーン・アフマド・ジャザーイリー氏(1958年4月13日生まれ、シャーム(ダマスカス県)出身)、アビール・ハビーブ・サルマーン氏(1964年7月18日生まれ、ダマスカス県出身、女性)、アンワル・シャッラーシュ・カッダーフ氏(1950年1月2日、生まれ、ダルアー県フラーク市出身)、アフマド・ムヒーッディーン・ハッラーク氏(1945年8月7日生まれ、シャーム(ダマスカス県)出身)、ムハンマド・ナースィル・アフマド・ビカーイー氏(1963年7月15日生まれ、ラウダ村(県は不明)出身)。

これにより候補者数は29人(うち女性4人)となった。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3290289934407160

SANA(4月26日付)が伝えた。

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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米軍が違法に駐留するハサカ県シャッダーディー市でシリア民主軍に抗議するデモが発生(2021年4月26日)

ハサカ県では、SANA(4月26日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあり、米軍が違法に駐留するシャッダーディー市の東側の入り口で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に抗議するデモが発生し、住民が参加、タイヤを燃やすなどして道路を封鎖した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるハジーン市でダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団が男性1人を殺害した。
また、ザッル村で正体不明の武装集団がシリア民主軍の拠点に向けてRPG弾を発射した。

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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シリア軍とパレスチナ人民兵組織のクドス旅団がダイル・ザウル県とラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュに対する掃討作戦を実施(2021年4月26日)

シリア人権監視団によると、シリア軍とパレスチナ人民兵組織のクドス旅団が、ダイル・ザウル県とラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を実施した。

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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アサド大統領とプーチン大統領が電話会談、経済通商関係、新型コロナウイルス感染症対策、ウクライナ情勢への対応などを協議(2021年4月26日)

アサド大統領はロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、二国間関係、とりわけ経済通商関係、新型コロナウイルス感染症対策、政治情勢について意見を交わした。

SANA(4月26日付)によると、会談で、プーチン大統領は、新型コロナウイルス感染症ワクチンのシリアへのさらなる輸出を約束、アサド大統領が謝意を示した。

一方、政治情勢については、制憲委員会(憲法制定委員会)の活動の進捗、欧米諸国による議事妨害について意見が交わされた。

また、アサド大統領はプーチン大統領に対して、ウクライナ情勢への欧米諸国の介入に立ち向かうためにロシアを支援すると表明した。

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で130人、北・東シリア自治局支配地域で153人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で39人(2021年4月26日)

保健省は政府支配地域で新たに130人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者184人が完治し、11人が死亡したと発表した。

これにより、4月26日現在の同地での感染者数は計22,265人、うち死亡したのは1,548人、回復したのは16,097人となった。

SANA(4月26日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに153人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者17人が完治し、11人が死亡したと発表した。

これにより、4月26日現在の同地での感染者数は計15,329人、うち死亡したのは530人、回復したのは1,555人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性96人、女性57人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市46人、カーミシュリー市23人、マーリキーヤ(ダイリーク)市14人、ダルバースィーヤ市12人、マアバダ(カルキールキー)町4人、フール・キャンプ2人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)3人、ラッカ県のラッカ市41人、ダイル・ザウル県7人。

ANHA(4月26日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月26日に新たに39人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、20人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡4人、ハーリム郡3人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡2人、バーブ郡4人、アフリーン郡19人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計21,862人、うち回復したのは19,897人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1564349253769960/

AFP, April 26, 2021、ACU, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県を砲撃(2021年4月26日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、バーラ村、ファッティーラ村、スフーフン村一帯、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村、アンカーウィー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県15件、ラタキア県14件、アレッポ県0件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は32件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を22件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民303人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は660,207人に(2021年4月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月26日付)を公開し、4月25日に難民303人(うち女性91人、子供155人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民303人(うち女性91人、子供155人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は660,207人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者264,959人(うち女性79,646人、子ども134,855人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,749,518人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は889,487人(うち女性266,922人、子供453,346人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,247人(うち女性31,564人、子供31,319人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,843人(うち女性414,123人、子供675,085人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 26, 2021をもとに作成。

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