トルコのチャヴシュオール外務大臣「シリアの体制が行う大統領選挙に正統性はない」(2021年4月20日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ハベル・トゥルク(4月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで、5月26日に投票が予定されているシリアの大統領選挙に正統性はなく、シリア政府は政治的解決を望んでいないと批判した。

チャヴシュオール外務大臣は「シリアの体制が行う大統領選挙に正統性はない、誰も承認しない。正統性のない選挙を支持することは我々の原則に反する」などと述べた。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に関しては、「シリア民主軍をシリア軍と統合しようとしている国が数多く存在する」と述べる一方、「米国はシリア民主軍を支援し、これをPKK(クルディスタン労働者党)と分離しようとしているが、それは不可能なことだ」と批判した。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Haber Turk, April 20, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

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プライス米国務省報道官:シリアの大統領選挙にはいかなる正統性もないと述べる(2021年4月20日)

米国務省のネッド・プライス報道官はフッラ・チャンネル(4月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで、5月26日に投票が予定されているシリアの大統領選挙にはいかなる正統性もないと述べた。

プライス報道官は「現状においてアサド体制が大統領選挙の実施を呼びかけても、何ら信頼できない」などと述べた。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Alhurra, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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トルコ外務省が駐トルコ・スウェーデン大使を呼び出し、フルトクヴィスト国防大臣とシリア民主軍のアブディー総司令官のオンライン会談を厳しく非難(2021年4月20日)

アナトリア通信(4月20日付)は、トルコ外務省が、スタファン・ヘレストロム(Staffan Herrstrom)駐トルコ・スウェーデン大使を呼び出し、ペーテル・フルトクヴィスト国防大臣が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官とオンライン会談を行ったことに関して、スウェーデンの一部閣僚がテロリストの指導者たちと会談したことを厳しく非難したと伝えた。

AFP, April 20, 2021、Anadolu Ajansı, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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在ダマスカス米大使館は新型コロナウイルス感染症で死亡したミシェル・キールー氏に弔意を示す(2021年4月20日)

在ダマスカス米大使館はフェイスブックの公式アカウントを通じて、19日に新型コロナウイルス感染症で死亡したミシェル・キールー氏に弔意を示した。

弔文のなかで、大使館は、シリア国民と国際社会とともに、国連安保理決議第2254号に沿った政治的解決に向けて特別の努力を払い続けると主張した。

https://www.facebook.com/syria.usembassy/posts/10159109967332649

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ウマル油田近くで、米主導の有志連合とシリア民主軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発(2021年4月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているウマル油田近くで、兵站物資を輸送する米主導の有志連合と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、ズィーバーン町ではダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装グループが、若者1人を銃で撃ち、死亡させた。

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シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ダイル・ザウル県、ヒムス県スフナ市一帯の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って35回あまりの爆撃を実施した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある県南部のディブスィー・ディブスィー・アフナーン村近郊で、羊飼いの住民が放牧中に何者かの襲撃を受け、子供1人が死亡した。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市で国防隊と内務治安部隊(アサーイシュ)が交戦(2021年4月20日)

ハサカ県では、ANHA(4月20日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市で、国防隊と内務治安部隊(アサーイシュ)が交戦した。

交戦は、国防隊がワフダ通りにある内務治安部隊の検問所複数カ所を攻撃したことを受けたもので、内務治安部隊の隊員複数人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、戦闘は、内務治安部隊が検問所での停車を拒否した国防隊の車輌に向けて発砲したのがきっかけで、撃ち合いによって、内務治安部隊の隊員1人が死亡した。

これを受け、内務治安部隊がタイ地区にある国防隊の検問所を襲撃し、制圧したという。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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大統領選挙に初めて女性が立候補、拡散された写真は本人ではなく自殺したロシア人女性のもの(2021年4月20日)

人民議会の第2回臨時会第3回会合が議事堂で開かれ、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、5月26日に投票が予定されている大統領選挙に関して、議員に対して立候補者への文書による支持を求めた。

これを受けて、議長室に投票所が設置され、複数の議員が、第3回会合閉会後に議長室に立ち寄り、サッバーグ人民議会議長から記名用紙を受け取り、立候補者の氏名を記入、投票箱に投函した。

憲法第85条第3項には、「立候補届は、人民議会議員の35名以上の文書による支持が得られない場合、受理されない。また人民議会議員は1名以上の立候補者を支持してはならない」と規定されている。



https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3274731952629625

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また、サッバーグ議長は第3回会合で、ファーティン・アリー・ナハール氏が立候補を届け出たと発表した。

今回の選挙で女性が立候補するのは初めて。

これにより候補者数は3人(うち女性1人)となった。

SANA(4月20日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3274321379337349

ワタン・スィルブ(4月20日付)によると、ナハール氏は、1971年10月17日生まれ、ダマスカス県出身。

ダマスカス大学法学部を卒業。2009年に弁護士となり、弁護士組合クナイトラ支部に所属している。

父は、偵察局長を務めていたアリー・ナハール退役少将。

なお、サッバーグ人民議会議長による発表を受けて、SNS上ではナハール氏とされる女性の写真が拡散された。

https://twitter.com/2212_shadow/status/1384552745932402690?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1384552745932402690%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.watanserb.com%2F2021%2F04%2F20%2Fd985d986-d987d98a-d981d8a7d8aad986-d8b9d984d98a-d986d987d8a7d8b1-d8a7d984d985d8b1d8b4d8add8a9-d984d985d986d8a7d981d8b3d8a9%2F

https://twitter.com/mh197351/status/1384537080034889731?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1384537080034889731%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.watanserb.com%2F2021%2F04%2F20%2Fd985d986-d987d98a-d981d8a7d8aad986-d8b9d984d98a-d986d987d8a7d8b1-d8a7d984d985d8b1d8b4d8add8a9-d984d985d986d8a7d981d8b3d8a9%2F

だが、この女性は本人ではなく、「薬局関係の仕事に就いていたが、自殺したロシア人女性」の写真だった。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2374336892650982&id=765798023504885

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フサイン・アルヌース内閣は週例の閣議を開催し、5月26日に投票が予定されている大統領選挙への対応などについて協議した。

SANA(4月20日付)によると、閣議では、国の未来を決定する国民の意思と権利を反映できるような選挙プロセスを推し進めるために必要なすべての要件を整え、自由で透明な選挙を実施するために最大限の努力を行う必要が確認された。

また、内閣としてすべての立候補者と等距離を保ち、選挙の円滑な実施を保障することが確認された。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021、Watan (Yafrid Kharij) al-Sirb, April 20, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で130人、北・東シリア自治局支配地域で232人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で24人(2021年4月20日)

保健省は政府支配地域で新たに154人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者130人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、4月20日現在の同地での感染者数は計21,433人、うち死亡したのは1,468人、回復したのは15,088人となった。

SANA(4月20日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに232人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、4月20日現在の同地での感染者数は計14,281人、うち死亡したのは469人、回復したのは1,456人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性122人、女性110人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市32人、カーミシュリー市51人、マーリキーヤ(ダイリーク)市23人、ダルバースィーヤ市10人、ロジュ・キャンプ11人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市3人、マンビジュ市3人、ラッカ県のラッカ市28人、タブカ市32人、ダイル・ザウル県38人。

ANHA(4月20日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月20日に新たに24人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、8人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡3人、ハーリム郡2人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡4人、アフリーン郡8人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計21,718人、うち回復したのは19,745人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1560560970815455/

AFP, April 20, 2021、ACU, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるハマー県、イドリブ県を150回以上砲撃(2021年4月20日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町、サルマーニーヤ村、ヒルバト・ナークース村、カーヒラ村、クライディーン村一帯、アンカーウィー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村、サルジャ村、ダイル・サンバル村、マウザラ村、バーラ村一帯、カンスフラ村、カフル・ウワイド村、バザーブール村を砲撃した。

なお、イドリブ県、ハマー県に対するシリア軍の砲撃は150回以上に達した。

一方、シャーム解放機構の治安部隊が、ダルクーシュ町で外国人(アラブ人)1人を拘束した。

拘束されたこの外国人は、シャーム解放機構がシャームの民のヌスラ戦線を名乗っていた頃のメンバーだったという。

このほか、トルコ軍憲兵隊が、領内に違法に入国しようとしたバザーブール村出身の青年を国境地帯で射殺した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるムサイフラ町で正体不明の武装集団が、シリア政府との和解に応じ、第5軍団に従軍していた元シャームの民のヌスラ戦線の司令官(アミール)を銃で撃ち殺害した。

また、ナワー市とシャイフ・マスキーン市を結ぶ街道では税関職員が何者かの襲撃を受けて死亡した。

さらに、ジャースィム市では、総合情報部職員の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、職員1人が死亡した。

このほか、インヒル市で爆弾が爆発し、子供1人が重傷を負い、その後死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるガディール・ブスターン村でシリア軍第112旅団の兵士2人が何者かに銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県28件、ラタキア県12件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は40件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を32件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民307人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は658,476人に(2021年4月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月20日付)を公開し、4月19日に難民307人(うち女性92人、子供157人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は658,476人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者263,228人(うち女性79,127人、子ども133,972人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は887,756人(うち女性266,403人、子供452,463人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,191人(うち女性31,537人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,787人(うち女性414,096人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 20, 2021をもとに作成。

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