シャーム解放機構が自治を委託するシリア救国内閣のハリーフ高等教育科学研究大臣が遺体で発見される(2021年4月7日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月7日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る県西部のタワーマ村で、同組織支配地域の自治を委託されているシリア救国内閣の幹部の1人で高等教育科学研究大臣を務めるファーイズ・ハリーフ氏の家族が、何者かによって殺害された同氏の遺体を発見した。

複数の地元メディア筋によると、ハリーフ氏の遺体には拷問を受けたと思われる跡が残っていたという。

ハリーフ氏は4月4日にイドリブ市の自宅から職場に向かう途中に失踪していた。

これを受けて、シリア救国内閣は声明を出し、親族に弔意を示すともに、犯人の逮捕と処罰を約束した。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、アレッポ県、ラッカ県、ハマー県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュの拠点や車輌を狙って10回以上の爆撃を実施(2021年4月7日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、アレッポ県、ラッカ県、ハマー県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点や車輌を狙って10回以上の爆撃を実施した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市近郊の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍と親政権民兵の拠点を襲撃、交戦となった。

シリア軍と親政権民兵はダーイシュを撃退したが、戦闘で複数人が死傷した。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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ハマー県でカムア採取中にダーイシュによって誘拐された59人のうち46人が解放される(2021年4月7日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、4月6日にサラミーヤ市の東にあるトゥワイズィーン・ダム近くとサアン町で、カムア(トリュフの一種)を採取中にダーイシュ(イスラーム国)残党の襲撃を受け、誘拐された住民、警察・治安機関関係者59人のうち、46人が解放された。

のこる13人は警察・治安機関関係者だという。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月7日付)が複数の現地筋からの情報として伝えたところによると、誘拐された者のなかには、士官3人、政府職員2人が含まれているという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある県南東部のアブー・ルジュマイン山近く砂漠地帯でカムア(トリュフの一種)を採取していた男性2人が、地雷に触れて死亡した。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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米国際宗教自由委員会(USCIRF)使節団がラッカ県アブー・クバイア村にあるIDPsキャンプに収容されているイドリブ県出身者の収容状況を視察(2021年4月7日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米国際宗教自由委員会(USCIRF)の副委員長を代表とする使節団が、シリア領内に不法入国し、北・東シリア自治局の支配下にあるアブー・クバイア村の国内避難民(IDPs)キャンプを訪問、イドリブ県からの避難民の収容状況を視察、イドリブ・ハドラー評議会の幹部や人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下の民主北部旅団の司令官らと面談した。


AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県北部へのトルコ軍・シリア国民軍の砲撃でシリア軍兵士1人死亡、シリア民主軍の反撃でトルコ軍兵士2人死亡(2021年4月7日)

アレッポ県では、ANHA(4月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアキーバ村、バイナ村、タアーナ村、マルアナーズ村、シャワーリガ村、アルカミーヤ村、タナブ村、シャイフ・ヒラール村、ダイル・ジャマール村、カフル・ナーヤー村を砲撃した。

県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍が発射した砲弾は150発以上におよび、砲撃でシリア軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ軍の拠点複数カ所に対して砲撃を行い、トルコ軍兵士2人が死亡した。

シリア民主軍はまた、バイナ村、アキーバ村、マルアナーズ村一帯でシリア国民軍と交戦し、シリア国民軍の戦闘員複数人が負傷した。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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フール・キャンプ管理局がイラク難民500世帯の帰国に向けた準備を始める(2021年4月7日)

ハサカ県では、ANHA(4月7日付)によると、フール・キャンプ管理局が、キャンプに収容されているイラク難民500世帯の帰国に向けた準備を始めた。

帰国は来週から始められるという。

ANHA(4月5日付)が、キャンプ管理局による最新の統計として伝えたところによると、キャンプには60,351人(16,404世帯)が収容されている。

内訳は、イラク人30,738人(8,256世帯)、シリア人21,058人(5,619世帯)、外国人(女性、子供)8,555人(2,529世帯)。

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一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のテロ撲滅部隊(YAT)は、フール・キャンプ内で、ダーイシュ(イスラーム国)のセル摘発と治安回復を目的とした内務治安部隊(アサーイシュ)主導の「人道と治安」作戦を継続、作戦の第一段階完了(4月2日)後の4日間で47の作戦を実施、イラク人とシリア人の容疑者31人(うち女性7人)を拘束した。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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アスマー・アフラス大統領夫人は慈善団体や人権団体の役員、各県の商業会議所と工業会議所の代表らによる会合に出席(2021年4月7日)

シリア大統領府はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyrianPresidency/)などを通じて、アスマー・アフラス大統領夫人が、慈善団体や人権団体の役員、各県の商業会議所と工業会議所の代表らによる会合に出席したと発表した。

アスマー夫人が公の場に姿を現すのは、新型コロナウイルス感染症の感染と回復が発表されて以降初めて。

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会合は、現下の困難な生活状況、そしてラマダーン月が近づいていることを踏まえ、要支援者への支援の取り組みをいかにとりまとめ、慈善分野と人道分野において発揮されているイニシアチブをどう活用するかについて話し合われた。

SANA(4月8日付)によると、出席したのは、アーミル・ハマウィー・アレッポ商業会議所代表、イヤード・ダッラーク・スィバーイー・ヒムス商業会議所代表、ヤースィーン・ムハンマド・ハサン土地社会福祉協会(ハサカ県)取締役会長、アドナーン・バービリー・アレッポ県慈善協会連合副代表、ナビール・カスィール・イスラーム慈善協会(ヒムス県)取締役会長、ズィヤード・アラブー社会福祉協会会長(ハマー県)、ムハンマド・ラアファト・シャンマーア・アレッポ工業会議所書記長、マーズィン・ハマード・タルトゥース県商工会議所代表ら。

また、アスマー夫人のほか、フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣、サルワー・アブドゥッラー社会問題労働大臣、宗教関係省と社会問題労働省の次官も出席した。

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会合でアスマー夫人は主な発言は以下の通り:

シリア人は生来より慈善活動の才に恵まれています。シリア社会が織りなす調和(ナスィージュ)を特徴づける連帯と力は、シリアに対する戦争の当初から標的となってきました。なぜなら、それは、シリア人としての私たちのアイデンティティや力をかたち作るもっとも重要な要素の一つだからです。

この会合の目的は、この分野で活動するさまざまな機関、団体の経験を活用し、その努力を結集し、互いの調整やとりまとめを行い、シリアのより広い地理的範囲のより多くのシリア人に支援を行き届かせることにあります。なぜなら、私たちの義務は、支援を必要としているシリアの市民一人一人を、最善の方法、そして惜しみなく支援することだからです。

利用可能なテクノロジーに投資し、より適切に資源を使用し、調整を行うのに相応しい仕組みを構築するよう呼びかけ、その一例として、シリア国内外のドナーと関係機関・団体とを透明性をもって直接結びつけるような国民的な電子ネットワークを構築し、支援を行き届かせるだけでなく、開発計画を実行することがすることが求められています。こうした最新の方法を駆使して、ドナーが必要としているすべての情報が確保、拡充できます。同時に、時間や労力を節約し、寄付が円滑に行われることになります。その結果、すべての人が、電子ネットワークを通じたり、直接接触することで、自分に相応しいかたちで寄付を行うことができます。

こうした参加型プラットフォームは、瞬時に作り上げることはできません。その基礎は、各団体、その活動、関心分野、県ごとの活動地域などの情報を集約したデータベースのうえに成り立っています。そして、社会問題労働省が2年前に地方行政省の支援および連携のもとに立ち上げたNGO開発プロジェクトがこれらを集めることができました。

人道分野で支援活動を行っているすべての人に感謝の意を表します。



https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4100185510025250

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4099713283405806

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で120人、北・東シリア自治局支配地域で241人(2021年4月7日)

保健省は政府支配地域で新たに120人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者115人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、4月7日現在の同地での感染者数は計19,761人、うち死亡したのは1,342人、回復したのは13,549人となった。

SANA(4月7日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに241人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者2人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、4月7日現在の同地での感染者数は計11,333人、うち死亡したのは405人、回復したのは1,342人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性133人、女性108人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市54人、カーミシュリー市93人、マーリキーヤ(ダイリーク)市47人、ダルバースィーヤ市5人、ラッカ県のラッカ市25人、ダイル・ザウル県17人。

ANHA(4月7日付)が伝えた。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が前日に続いて、「決戦」作戦司令室諸派の拠点が散在するイドリブ県ブサンクール村の森林地帯を2度にわたって爆撃(2021年4月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が前日に続いて、「決戦」作戦司令室諸派の拠点が散在するブサンクール村の森林地帯を2度にわたって爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月7日付)によると、爆撃はM4高速道路沿線のムハムバル村一帯に対して重点的に行われた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方各所を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のナーウール・ジューリーン村を砲撃、住民1人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダーイル町で空軍情報部の士官1人と兵士1人が何者かの襲撃を受けて、死亡した。

また、スール村でも、村長を務める男性が何者かによって銃で撃たれて死亡したほか、総合情報部の検問所近くに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、治安当局は、県内で多発する治安機関や軍の関係者を狙った殺人事件の容疑者としてダーイル町出身の12人を逮捕した。

このほか、シリア政府の支配下にあるシャジャラ町で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ビン・ワリード軍に所属していた男性が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県21件、ラタキア県9件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は39件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を19件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 7, 2021、ANHA, April 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 7, 2021、Reuters, April 7, 2021、SANA, April 7, 2021、SOHR, April 7, 2021、April 8, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民225人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は654,865人に(2021年4月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月7日付)を公開し、4月6日に難民225人(うち女性68人、子供115人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民225人(うち女性68人、子供115人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は654,865人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者259,617人(うち女性78,041人、子ども132,129人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,753,010人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は884,145人(うち女性265,317人、子供450,620人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,163人(うち女性31,532人、子供31,295人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,759人(うち女性414,091人、子供675,061人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 7, 2021をもとに作成。

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