ロシアのプーチン大統領がトルコのエルドアン大統領と電話会談を行い、シリア情勢への対応などについて協議(2021年4月9日)

ロシア大統領府は、ヴラジミール・プーチン大統領がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談を行い、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談では、2018年にソチで締結された停戦合意に基づいて、両国が協力を継続することの重要性が確認された。

AFP, April 9, 2021、ANHA, April 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2021、Reuters, April 9, 2021、SANA, April 9, 2021、SOHR, April 9, 2021などをもとに作成。

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ロシア連邦安全保障会議は、クリミア共和国で爆弾テロを行おうとしたロシア人シャーム解放機構支持者2人を逮捕したと発表、シャーム解放機構はこれを否定(2021年4月9日)

ロシア連邦安全保障会議は声明を出し、クリミア共和国の首都シンフェロポリにある教育機関に爆弾攻撃を行おうとしていた1992年と1999年生まれのロシア人2人を逮捕したと発表した。

逮捕された2人は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支持者で、攻撃を実行した後、ウクライナ、トルコを経由してシリアに逃走し、同機構に加わろうとしていたという。

ロシア連邦安全保障会議はまた、逮捕された2人のアジトで爆発性物質、榴散爆弾製造用の部品、逮捕された2人、さらにはテロリストらとの間で交わされた文書と音声による指示書やメッセージを押収した。

RIAノーヴォスチ(4月9日付)が伝えた。

クリミア共和国は2014年のウクライナ騒乱、ロシアのクリミア侵攻を受けて、同年3月17日にウクライナ領のクリミア自治共和国とセヴァストポリ特別市が独立、翌18日にロシア連邦に編入された。

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シャーム解放機構の広報関係局(タキーッディーン・ウマル局長)は声明を出し、「占領国ロシアはまたしても、クリミアでテロ作戦を封じ、シャーム解放機構に所属するロシア人2人を逮捕したなどと主張してるが…、これまでにも同じ情報源から数十という噂やウソが発信されてきた」としたうえで、ロシア連邦安全保障会議の声明の内容を強く否定した。

また「こうした嫌疑をしばしば広めようとするロシアの狙いは、解放区の医療施設やコミュニティに対して新たな攻撃を正当化する口実を作り出すことになる」と非難、「真実を伝え、占領国ロシアの宣伝に追随しない」よう強調した。

AFP, April 9, 2021、ANHA, April 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2021、Reuters, April 9, 2021、RIA Novosti, April 9, 2021、SANA, April 9, 2021、SOHR, April 9, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍、シリア国民軍はアレッポ県北部、ラッカ県北部でシリア民主軍と交戦(2021年4月9日)

アレッポ県では、ANHA(4月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のザイワーン村、シャッアーラ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のシャッラーン町でシリア国民軍に所属するシャーム戦線の拠点が、何者かの襲撃を受け、戦闘員2人が死亡した。

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ラッカ県では、ANHA(4月9日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村とマアラク村に侵攻しようとしたトルコ軍とシリア国民軍を撃退した。

AFP, April 9, 2021、ANHA, April 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2021、Reuters, April 9, 2021、SANA, April 9, 2021、SOHR, April 9, 2021などをもとに作成。

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アサーイシュはタンクローリーに隠れてフール・キャンプから逃走しようとしたダーイシュ・メンバーの家族13人と運転手3人を逮捕(2021年4月9日)

ハサカ県では、ANHA(4月9日付)によると、北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)が、飲料水運搬用のタンクローリーに隠れてフール・キャンプから逃走しようとしたダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族13人(イラク人8人、シリア人5人)を、シリア人運転手2人とともに逮捕した。

15人は、トルコ占領下のラッカ県タッル・アブヤド市に向かって逃走しようとしていたという。

AFP, April 9, 2021、ANHA, April 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2021、Reuters, April 9, 2021、SANA, April 9, 2021、SOHR, April 9, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で125人、北・東シリア自治局支配地域で236人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で18人(2021年4月9日)

保健省は政府支配地域で新たに125人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者114人が完治し、8人が死亡したと発表した。

これにより、4月9日現在の同地での感染者数は計20,008人、うち死亡したのは1,360人、回復したのは13,780人となった。

SANA(4月9日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに236人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者2人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、4月9日現在の同地での感染者数は計11,769人、うち死亡したのは415人、回復したのは1,354人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性132人、女性104人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市57人、カーミシュリー市99人、マーリキーヤ(ダイリーク)市11人、ダルバースィーヤ市4人、タッル・タムル町2人、ラッカ県のラッカ市25人、タブカ市32人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)6人、アイン・アラブ(コバネ)市8人。

ANHA(4月9日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月9日に新たに18人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、0人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡2人、アフリーン郡15人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,476人、うち回復したのは19,569人、死亡したのは638人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1552692701602282/

AFP, April 9, 2021、ACU, April 9, 2021、ANHA, April 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2021、Reuters, April 9, 2021、SANA, April 9, 2021、SOHR, April 9, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下のイドリブ県各所を砲撃(2021年4月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアリーハー村一帯、ザーウィヤ山地方のバーラ村一帯、ファッティーラ村、スフーフン村、カンスフラ村一帯、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるガバーギブ町近郊の街道で、政治治安部ヒムス支部のメンバー3人が何者かの発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(イドリブ県10件、ラタキア県13件、アレッポ県0件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は21件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 9, 2021、ANHA, April 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 9, 2021、Reuters, April 9, 2021、SANA, April 9, 2021、SOHR, April 9, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民256人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は655,354人に(2021年4月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月9日付)を公開し、4月8日に難民256人(うち女性77人、子供131人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民256人(うち女性77人、子供131人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は655,354人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者260,106人(うち女性78,188人、子ども132,378人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,753,010人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は884,634人(うち女性265,464人、子供450,869人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,164人(うち女性31,532人、子供31,295人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,760人(うち女性414,091人、子供675,061人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 9, 2021をもとに作成。

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