米『フォーリン・ポリシー』誌はシーザー・シリア市民保護法(シーザー法)が、アサド政権ではなく、国民の生活を困窮させているとする記事を掲載(2021年4月1日)

『フォーリン・ポリシー』(4月1日付)は米国のシーザー・シリア市民保護法(シーザー法)が、アサド政権ではなく、国民の生活を困窮させているとする記事を掲載した。

「米国の制裁は無垢のシリア人を殺している」と題され記事には、国際的な(西側諸国の)制裁の結果として生じている燃料、電力不足に政府が対処できない状況が続くなか、記者(Hasan Ismaik)の親戚の子供が命を落としていくさまが紹介されている。

AFP, April 3, 2021、ANHA, April 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2021、Foreign Policy, April 1, 2021、Reuters, April 3, 2021、SANA, April 3, 2021、SOHR, April 3, 2021などをもとに作成。

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ヨルダン当局はシリア人難民3人に対して14日以内に国外に退去するよう通達したと発表(2021年4月1日)

シリア人権監視団は、ヨルダン当局が、シリア人難民3人に対して14日以内に国外に退去するよう通達したと発表した。

国外退去が要請された3人のなかには、シリア国内で投獄の経験があり、刑務所内での拷問などについてメディアで証言した女性反体制活動家のハスナ・ハリーリー氏も含まれているという。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市でシリア国民軍に所属する戦闘員が、トルコからの給与支払いの延滞に抗議してデモ(2021年4月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市で、シリア国民軍に所属する戦闘員が、トルコからの給与支払いの延滞に抗議して、デモを行った。

複数の消息筋によると、トルコの諜報機関は、70日にわたって給与の支払いを行っていないという。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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シリア軍、パレスチナ人からなるクドス旅団などが、ロシア軍の航空支援を受けて、ダイル・ザウル県マヤーディーン市東の砂漠地帯で、ダーイシュの残党に対する大規模な掃討作戦を開始(2021年4月1日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、パレスチナ人からなるクドス旅団などからなる複数の民兵組織が、ロシア軍航空部隊の航空支援を受けて、シリア政府支配下のマヤーディーン市東の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の残党に対する大規模な掃討作戦を開始した。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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フール・キャンプでのダーイシュのセル摘発と治安回復を目的とした「人道と治安」作戦が続き、アルジェリア人アミール逮捕(2021年4月1日)

ハサカ県では、ANHA(4月1日付)によると、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属組織とともに、フール・キャンプでのダーイシュ(イスラーム国)のセル摘発と治安回復を目的とした「人道と治安」作戦を継続した。

https://youtu.be/yWo8GPxDrCw

5日目となる4月1日は、第6、8ブロックで捜索活動が行われた。

シリア人権監視団によると、内務治安部隊は、アルジェリア出身でシャッダーディー地区の軍事アミールを名乗るムハンマド・アブドゥッラフマーン・シャリーフ・ダッバーフ氏らを新たに逮捕した。

同監視団によると、これまでに拘束されたダーイシュ・セルの幹部・メンバーは78人。

また、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域のカナアーン・バラカート内務委員長(内務大臣に相当)を代表とする使節団が作戦現場を視察するために、キャンプを訪問した。
https://hawarnews.com/ar/uploads//2021/04/01/165116_9e57fe97-e37f-4efb-9f2f-51ad98aa01b8.jpg

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

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一方、SANA(4月1日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある県南部のシャーリカ村、アッターラ村、ガルブ村でシリア民主軍が住民15人を拘束、米軍が基地を設置しているシャッダーディー市に連行した。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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米軍の車列がハサカ県からイラクに小麦を不正に持ち出す一方、イラクから兵站物資を搬入(2021年4月1日)

ハサカ県では、SANA(4月1日付)によると、米軍の貨物トレーラー12輛からなる車列が、県北東部のタッル・アッルー村の穀物サイロに貯蔵されていた小麦を、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由して、シリア国外に持ち去った。

また、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約20輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県とダイル・ザウル県の各所に設置されている基地に向かった。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣は、イラクのジャービルー移民・避難民大臣と会談(2021年4月1日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、シリアを訪問(4月1日)中のイラクのイーファーン・ファーイク・ジャービルー移民・避難民大臣と会談した。

SANA(4月1日付)によると、ミクダード外務在外居住者大臣は、会談であらゆる分野で両国間の協力関係を強化することが重要だとしたうえで、イラクにいるシリア難民の帰国を歓迎し、安全で自発的な帰国を保証する状況を整えるための措置を講じる意思を示した。

その一方で、一部西側諸国が、難民問題を政治的に利用し、シリアに一方的な制裁を課し、難民の帰還を奨励しないことを批判した。

ジャービルー移民・避難民大臣は、両国政府間、国民間レベルでの関係が重要だとしたうえで、シリアにいるイラク難民、イラクにいるシリア難民双方の自発的帰国を促すためにシリア政府と協力する用意があると述べた。

両大臣は、難民帰国を促す取り組みを行い、安全で自発的な帰国を阻害する障害を取り除くために連絡を継続することで合意した。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で130人、北・東シリア自治局支配地域で120人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で2人(2021年4月1日)

保健省は政府支配地域で新たに130人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者124人が完治し、9人が死亡したと発表した。

これにより、4月1日現在の同地での感染者数は計19,039人、うち死亡したのは1,274人、回復したのは12,855人となった。

SANA(4月1日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに120人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者11人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、4月1日現在の同地での感染者数は計10,179人、うち死亡したのは382人、回復したのは1,318人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性62人、女性58人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市32人、カーミシュリー市32人、マーリキーヤ(ダイリーク)市7人、ダルバースィーヤ市3人、ルマイラーン町3人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村2人、ラッカ県のラッカ市12人、タブカ市14人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市1人、マンビジュ市4人、ダイル・ザウル県10人。

ANHA(4月1日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月1日に新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、38人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡2人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,320人、うち回復したのは19,512人、死亡したのは637人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1546861385518747/

AFP, April 1, 2021、ACU, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県マルイヤーン村でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、警察(自由警察)隊員1人死亡(2021年4月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマルイヤーン村でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、警察(自由警察)の隊員1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯、バイニーン村、ファッティーラ村、カンスフラ村、フライフィル村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のクライディーン村、アンカーウィー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県15件、ラタキア県11件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 1, 2021、ANHA, April 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 1, 2021、Reuters, April 1, 2021、SANA, April 1, 2021、SOHR, April 1, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民256人と国内避難民(IDPs)664人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は653,419人、2019年以降帰還したIDPsは83,839人に(2021年4月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月1日付)を公開し、3月31日に難民256人(うち女性77人、子供131人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民256人(うち女性77人、子供131人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は653,419人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者258,171人(うち女性77,607人、子ども131,392人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は882,699人(うち女性264,883人、子供449,883人)となった。

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一方、国内避難民664人が新たに帰宅した。
ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは664人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は83,839人(うち女性30,925人、子供31,035人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,352,435人(うち女性413,484人、子供674,801人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 1, 2021をもとに作成。

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