シリア軍とトルコ軍・シリア国民軍がアレッポ県北部で砲撃戦、トルコ軍ドローンが爆撃(2021年4月21日)

アレッポ県では、ANHA(4月21日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村を爆撃した。

トルコ軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市の北西に位置する小アラブ・ハサン村とシャイフ・ナースィル村に違法に設置している基地から大アイン・ハサン村、ヤーランリー村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にある地域とトルコ占領地の境界に位置するサージュール川(マンビジュ市北)沿いの接触線でシリア軍とトルコ軍・国民軍が砲撃戦を行った。

また、トルコの占領下にあるジャラーブルス市近郊のアマーリナ村にシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるユーフラテス川東岸から発射された砲弾複数発が着弾した。

**

ラッカ県では、ANHA(4月21日、4月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、サイダー村、M4高速道路沿線、トゥラード石油配給所、ハーリディーヤ村を砲撃した。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、April 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県でシリア軍とシリア民主軍がユーフラテス川を挟んで激しく交戦(2021年4月21日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、4月20日深夜から21日にかけて、ユーフラテス川東岸のシャアファ村に展開する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、西岸のスィヤール村に展開するシリア軍部隊と川を挟んで激しく交戦した。

**

ハサカ県では、SANA(4月21日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある県南部のクバイバ村近くの街道で、シリア民主軍の車輌の通過に合わせて爆弾が爆発し、乗っていた士官1人を含む兵士3人が死亡した。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領を含む3人が新たに大統領選挙に立候補(2021年4月21日)

人民議会の第2回臨時会第4回会合が議事堂で開かれ、ハンマーダ・サッバーグ人民議会議長は、ムハンナド・ナディーム・シャアバーン氏、ムハンマド・ムワッファク・サウワーン氏、そしてアサド大統領が最高憲法裁判所に対して立候補届を提出したと発表した。

これにより候補者数は6人(うち女性1人)となった。

シャアバーン氏は、1980年5月12日、サウジアラビアのメッカ生まれ。

サウワーン氏は、1974年3月18日、ダマスカス県ジャウバル区生まれ。

SANA(4月21日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3277100322392788

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米英仏、日本などはOPCW締約国会議でシリアの議決権を剥奪、シリア外務在外居住者省はもっとも強い調子で非難(2021年4月21日)

化学兵器禁止機関(OPCW)は、オランダのハーグで、化学兵器禁止条約(CWC)の実施を監督する第25回締約国会議を開催し、シリアの議決権を剥奪することを定めた決議(C-25/DEC.9)を賛成多数で可決した。

会議には、締約国193カ国のうち136カ国が出席し、米英仏など46カ国が決議案を提出、欧米諸国、日本など87カ国が賛成票を投じた。

これに対して、ロシア、中国、イラン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスタン、アルメニア、ベラルーシ、ニカラグア、ボリビア、ミャンマー、ジンバブエ、パキスタン、パレスチナ、シリアの15カ国が反対票を投じ、34カ国が棄権した。

OPCW加盟国が議決権を剥奪されるのは、1997年の設立以来初めて。

シリアは議決権を失うが、発言権は維持される。

ロイター通信(4月21日付)などが伝えた。

**

外務在外居住者省は声明を出し、OPCW第25回締約国会議での議決権剥奪をもっとも強い調子で非難すると発表した。

声明は「もっとも凶悪な恐喝、脅迫、嫌がらせ、圧力をもって…決議を採択させようとする米国、英国、フランスといった西側諸国の敵対的な手法をもっとも強い表現で避難する」としたうえで、加盟国(193国)の45%しか賛成していない決議は無効だと主張した。

そのうえで、この決議がCWC遵守のプロセスに資せず、OPCWの活動に甚大な損害を与え、それを政治化するものだと指弾した。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/2976650769288697

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イマード・サーブーニー国家計画国際協力委員長「戦略プラン「シリア2030」は2011年の戦争以前の状態に回帰するのではなく、より良い未来に向けて過去を乗り越えるいくもの」(2021年4月21日)

国家計画国際協力委員会のイマード・サーブーニー委員長はSANA(4月21日付)のインタビューに応じて、シリアでの持続可能な経済発展を実現するための戦略プラン「シリア2030」に関して、2011年の戦争以前の状態に回帰するのではなく、より良い未来に向けて、過去を乗り越えていくものだと述べた。

サーブーニー委員長は、「シリア2030」が、天然資源、マンパワー、そしてあらゆる取り組みをもっとも理想的に活用し、現下の課題を発展と復興に向けた真の機会へと転換するために策定されたとしたうえで、制度構築とインテグリティの強化、インフラの開発と近代化、持続的でバランスのとれた成長、人間開発の4つを柱としていることを明らかにした。

サーブーニー委員長によると、「シリア2030」は12のフレームワーク計画、90の基幹プロジェクトとそれに付随する下位プロジェクトから構成されているという。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

UAEはシリア政府支配地域に、WHOはアル=カーイダ支配地に新型コロナウイルス感染症ワクチンを輸送(2021年4月21日)

エミレーツ通信社(WAM、4月21日付)は、新型コロナウイルス感染症ワクチンを積んだUAE赤新月社のチャーター機が4月20日夜にダマスカス国際空港に到着したと伝えた。

シリアへのワクチンの輸送は、4月8日に続いて今回が2回目で、シリア赤新月社との連携のもとに行われているという。

**

世界保健機関(WHO)のトルコ・ガジアンテップ事務所のマフムード・ダーヒル氏はAFP(4月21日付)の取材に対して、アストラゼネカ社の新型コロナウイルス感染症ワクチン約53,800回分を、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に輸送したことを明らかにした。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021、WAM, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で151人、北・東シリア自治局支配地域で155人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で21人(2021年4月21日)

保健省は政府支配地域で新たに151人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者128人が完治し、15人が死亡したと発表した。

これにより、4月21日現在の同地での感染者数は計21,584人、うち死亡したのは1,483人、回復したのは15,216人となった。

SANA(4月21日付)が伝えた。

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに155人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、20人が死亡したと発表した。

これにより、4月21日現在の同地での感染者数は計14,436人、うち死亡したのは477人、回復したのは1,476人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性93人、女性62人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市42人、カーミシュリー市37人、マーリキーヤ(ダイリーク)市9人、ダルバースィーヤ市3人、ルマイラーン町1人、マアバダ(カルキールキー)町1人、アームーダー市6人、フール・キャンプ2人、ロジュ・キャンプ6人、ナウルーズ・キャンプ1人、ラッカ県のラッカ市19人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、ダイル・ザウル県26人。

ANHA(4月21日付)が伝えた。

**

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月21日に新たに21人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、55人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡5人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡2人、アフリーン郡8人、アアザーズ郡2人。

これにより、同地での感染者数は計21,739人、うち回復したのは19,800人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1560866824118203/

AFP, April 21, 2021、ACU, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県ルワイハ村近郊のシリア軍拠点に対してウズベク人戦闘員3人が「特攻(インギマースィー)」攻撃を行い、兵士5人を殺害(2021年4月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ルワイハ村近郊にあるシリア軍拠点に対して、ウズベク人戦闘員3人が「特攻(インギマースィー)」攻撃を行い、兵士5人を殺害、3人を負傷させた。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバザーブール村、サルジャ村、バイニーン村、ルワイハ村を砲撃する一方、サラーキブ市西のジャウバース村一帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサナマイン市で、シリア政府との和解に応じ、治安機関の協力者として働いていた2人が正体不明の武装集団に銃で撃たれて死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、サウト・アースィマ(4月21日付)によると、4月20日深夜から21日未明にかけて、ルハイバ市近くにあるシリア軍第3師団所属第20旅団の倉庫で大きな爆発が発生した。

複数の地元筋によると、爆発で2人が死亡、複数が負傷した。

爆発の原因は不明。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県23件、ラタキア県12件、アレッポ県0件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は38件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を22件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 21, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、Sawt al-‘Asima, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民269人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は658,745人に(2021年4月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月21日付)を公開し、4月20日に難民269人(うち女性80人、子供137人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民269人(うち女性80人、子供137人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は658,745人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者263,497人(うち女性79,207人、子ども134,109人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は888,025人(うち女性266,483人、子供452,600人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,191人(うち女性31,537人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,787人(うち女性414,096人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 21, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.