米仏国連大使は安保理での会合でシリア大統領選挙の正統性を否定(2021年4月28日)

リンダ・トーマス・グリーンフィールド米国連大使は、国連安保理のシリア問題にかかる月例会合(オンライン会合)で、「アサド政権が5月に実施しようとしている選挙はシリア国民を代表していない…。この選挙は公正でも自由でもなく、新憲法に従って実施されない限り、偽造されたものとなる」と述べた。

グリーンフィールド米国連大使はそのうえで、国連安保理決議第2254号に基づき、国連監視下で、難民と国内避難民(IDPs)を含むすべてのシリア人が参加するかたちで実施されねばならないと強調した。

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フランスのニコラス・デ・リヴィエール国連大使も「フランスは体制が5月に実施を決定している選挙の正統性を承認しない」としたうえで、国連安保理決議第2254号に従い、国連監視下で、在外シリア人が参加するかたちで選挙が実施されるべきだと主張した。

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AFP(4月28日付)などが伝えた。

AFP, April 30, 2021、ANHA, April 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2021、Reuters, April 30, 2021、SANA, April 30, 2021、SOHR, April 30, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2021年4月28日)

アレッポ県では、ANHA(4月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、正体不明の武装集団がシリア国民軍の戦闘員を銃で撃ち、殺害した。

AFP, April 28, 2021、ANHA, April 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2021、Reuters, April 28, 2021、SANA, April 28, 2021、SOHR, April 28, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県アブー・ナイタル村でシリア民主軍が住民20人を拘束(2021年4月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月28日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアブー・ナイタル村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住民20人を拘束、連行した。

AFP, April 28, 2021、ANHA, April 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2021、Reuters, April 28, 2021、SANA, April 28, 2021、SOHR, April 28, 2021などをもとに作成。

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大統領選挙の立候補者届出期間が終了、候補者数は51人(うち女性7人):議会は一部友好国に選挙監視を要請する決議を採択(2021年4月28日)

人民議会の第2回臨時会第11回会合が議事堂で開かれ、ハンマーダ・サッバーグ人民議会議長は、10人が最高憲法裁判所に対して新たに立候補届を提出したと発表した。

新たに立候補を届け出たのは、アフマド・ギヤース・ムハンマド・シャフィーク・サイダーウィー氏(1946年2月23日生まれ、ラタキア市出身)、タリーア・サーリフ・ナースィル氏(1967年4月1日生まれ、イドリブ県カフティーン村出身)、バシール・ムハンマド・バラフ氏(1931年生まれ(月日不明)、シャーム(ダマスカス県)出身)、ハーリド・イーサー・イーサー氏(1962年3月10日生まれ、アレッポ県ザンマール町出身)、ファーイズ・カマール・ジュハー氏(1965年年11月29日生まれ、ダマスカス県ジャウバル区出身)、ウィサームッディーン・アブドゥッラフマーン・ウスマーン氏(1973年5月2日生まれ、ダマスカス県出身)、ムハンマド・ハビーブ・アルース氏(1949年2月15日生まれ、アルヤー村(県不明)出身)、ジャブル・マフムード・ハルーフ氏(1954年2月15日生まれ、タルトゥース県スリージス村出身)、ムイーン・アフマド・イブラーヒーム氏(1961年1月1日生まれ、ラタキア県ラーマ村出身)、ハサン・ラビーフ・ルワイリー氏(1975年1月6日生まれ、ヒムス市(バーリダ地区)出身)。

これにより候補者数は51人(うち女性7人)となった。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3295652060537614

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人民議会はまた、大統領選挙の経過を見届けるため、アラブ諸国および友好国の議会を招待することを定めた決議を全会一致で可決した。

招待が決定されたのは、アルジェリア、オマーン、モーリタニア、ロシア、イラン、アルメニア、中国、ベネズエラ、キューバ、ベラルーシ、南アフリカ、エクアドル、ニカラグア、ボリビア。

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第11回会合閉会後、サッバーグ人民議会議長は、5月26日に投票が予定されている大統領選挙の立候補届出期間が終わったのを受け、自らが支持する立候補者の氏名を記載した投票用紙を議長室に設置された投票箱に投函したのち、投票箱を封印、議員による立候補者支持の投票を終了した。

憲法第85条3には、「立候補届は、人民議会議員の35名以上の文書による支持が得られない場合、受理されない。また人民議会議員は1名以上の立候補者を支持してはならない」と規定されている。


https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3296395000463320

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SANA(4月28日付)が伝えた。

AFP, April 28, 2021、ANHA, April 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2021、Reuters, April 28, 2021、SANA, April 28, 2021、SOHR, April 28, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で124人、北・東シリア自治局支配地域で111人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で36人(2021年4月28日)

保健省は政府支配地域で新たに124人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者188人が完治し、13人が死亡したと発表した。

これにより、4月28日現在の同地での感染者数は計22,513人、うち死亡したのは1,572人、回復したのは16,471人となった。

SANA(4月28日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに111人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者17人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、4月28日現在の同地での感染者数は計15,673人、うち死亡したのは557人、回復したのは1,586人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性56人、女性55人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市51人、カーミシュリー市12人、マーリキーヤ(ダイリーク)市10人、ダルバースィーヤ市5人、アームーダー市1人、マアバダ(カルキールキー)町1人、フール・キャンプ3人、ロジュ・キャンプ5人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)1人、ラッカ県のラッカ市22人。

ANHA(4月28日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月28日に新たに36人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、22人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡4人、ハーリム郡7人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡2人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡5人、アフリーン郡12人、アアザーズ郡1人。

これにより、同地での感染者数は計21,932人、うち回復したのは19,941人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1565942433610642/

AFP, April 28, 2021、ACU, April 28, 2021、ANHA, April 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2021、Reuters, April 28, 2021、SANA, April 28, 2021、SOHR, April 28, 2021などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県内の「決戦」作戦司令室支配地に向けて砲撃(2021年4月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアーッラト・ナアサーン村近郊の「決戦」作戦司令室支配地に向けて砲撃を行った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるシャイフ・サアド村で治安機関の協力者とされる男性が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県16件、ラタキア県13件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は32件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を24件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 28, 2021、ANHA, April 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2021、Reuters, April 28, 2021、SANA, April 28, 2021、SOHR, April 28, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民269人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は660,770人に(2021年4月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月28日付)を公開し、4月27日に難民269人(うち女性80人、子供137人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民269人(うち女性80人、子供137人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は660,770人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者265,522人(うち女性79,814人、子ども135,142人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,749,518人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は890,050人(うち女性267,090人、子供453,633人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,343人(うち女性31,590人、子供31,332人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,939人(うち女性414,149人、子供675,098人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2021をもとに作成。

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