米国の制裁と資源盗奪に対抗するためロシア・イラン・シリア作戦司令室設置、イラン産物資の輸送をロシア軍艦船が護衛(2021年4月18日)

スプートニク・ニュース(4月18日付)は、複数の消息筋の話として、地中海岸のシリアの港湾都市に石油、小麦などの物資を安全且つ安定的に輸送するための「ロシア・イラン・シリア作戦司令室」の設置に向けた協議が三カ国の関係者らによって集中的に行われたと伝えた。

「ロシア・イラン・シリア作戦司令室」の設置は欧米諸国の経済制裁の打破やシリアの天然資源盗奪に対抗するのが目的。

「ロシア・イラン・シリア作戦司令室」の任務は、ロシア軍艦艇がイランからスエズ運河を経由してシリアに石油などの物資を輸送するタンカーや輸送船を護衛することを骨子とし、実施期間は今年末までになる見込み。

すでに数日前に、天然ガスを積んだイランの輸送船4隻がロシア艦船の護衛を受けてシリアに到着したという。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、ハマー県、ラッカ県などの砂漠地帯でダーイシュを狙って70回以上の爆撃を実施(2021年4月18日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ハマー県イスリヤー村一帯、ラッカ県ラサーファ砂漠一帯、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って70回以上の爆撃を実施した。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はダーイシュのロシア人メンバーの孤児34人の身柄をロシア政府に引き渡す(2021年4月18日)

北・東シリア自治局は、ダーイシュ(イスラーム国)のロシア人メンバーの孤児34人の身柄をロシア政府に引き渡した。

身柄引き渡しは、ロシア子供の権利連邦大統領全権代表のアンナ・クズネツォワ氏を代表とする使節団の訪問に合わせて行われたもの。

使節団は、北・東シリア自治局の渉外関係局(外務省に相当)のアブドゥルカリーム・ウマル共同局長らと会談し、引き渡しにかかる正式な協定書に署名した。

ANHA(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2021年4月18日)

ラッカ県では、ANHA(4月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村、M4高速道路沿線を砲撃した。

一方、ANHA(4月19日付)、SANA(4月18日付)によると、トルコ軍の支援を受けるシリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしが、トルコ占領下のラアス・アイン市で密輸監視用の検問所の管理をめぐって交戦し、複数人が死傷した。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌24輌からなる車列が兵站物資などを積んでイラクからシリア領内に(2021年4月18日)

ハサカ県では、SANA(4月18日付)によると、米主導の有志連合の車輌24輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、シャッダーディー市に設置されている基地に向かった。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米主導の有志連合の航空支援を受けて、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるハワーイジュ村で強制捜査を行い、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる5人を拘束した。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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サッバーグ人民議会議長は大統領選挙の投票を5月26日実施すると発表、立候補者受付を開始(2021年4月18日)

人民議会が、第2回臨時会の第1回会合が招集され、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、2021年4月19日から28日までの10日間、大統領選挙の立候補者を受け付けると発表し、立候補希望者に、最高憲法裁判所に届出を行うよう呼びかけた。

サッバーグ議長はまた、国内外の有権者に対して、大統領選挙において自らの権利を行使するよう求めたうえで、在外投票を現地時間の2021年5月20日の午前7時から午後7時に各国の在外公館で実施するとともに、シリア国内での投票を5月26日の午前7時から午後7時に実施すると発表した。

なお、第2回臨時会では、投資法改正法案の審議などが予定されている。

SANA(4月18日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3268995899869897

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なお、憲法(https://syriaarabspring.info/?page_id=7799)は大統領の選出に関して以下の通り規定している。

第85条

大統領職への立候補は以下に従う:

1. 人民議会議長は現大統領任期終了から60日以上90日以内に大統領選挙を公示する。

2. 大統領選挙公示日から10日以内に、最高憲法裁判所に立候補届が提出され、個別に登録される。

3. 立候補届は、人民議会議員の35名以上の文書による支持が得られない場合、受理されない。また人民議会議員は1名以上の立候補者を支持してはならない。

4. 立候補届の審査は、登録後5日以内最高憲法裁判所によって行われる。

5. 届出期間中に1名の立候補者以外の立候補届の条件が満たされない場合、人民議会議長は改めて同じ条件で立候補期間を公示しなければならない。

第86条

1. 大統領は人民によって直接選出される。

2. 選挙参加者の過半数を獲得した立候補者を大統領選挙の勝者とし、どの立候補者も過半数を獲得しない場合、投票を行った投票者の票をもっとも多く獲得した2名の立候補者による再選挙を2週間以内に実施する。

3. 選挙結果は人民議会議長によって発表される。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で138人、北・東シリア自治局支配地域で304人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で17人(2021年4月18日)

保健省は政府支配地域で新たに138人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、9人が死亡したと発表した。

これにより、4月18日現在の同地での感染者数は計21,142人、うち死亡したのは1,446人、回復したのは14,841人となった。

SANA(4月18日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに304人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、4月18日現在の同地での感染者数は計13,883人、うち死亡したのは456人、回復したのは1,436人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性185人、女性119人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市30人、カーミシュリー市80人、マーリキーヤ(ダイリーク)市35人、ダルバースィーヤ市7人、フール・キャンプ2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市26人、マンビジュ市10人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)7人、ラッカ県のラッカ市53人、タブカ市54人。

ANHA(4月18日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月18日に新たに17人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、12人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡8人、アフリーン郡3人、アアザーズ郡5人。

これにより、同地での感染者数は計21,647人、うち回復したのは19,682人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1558883147649904/

AFP, April 18, 2021、ACU, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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ラタキア県とイドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2021年4月18日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるキンサッバー町一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村などを砲撃した。

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アレッポ県では、SANA(4月18日付)によると、シリア政府の支配下にあるアレッポ市ハナーヌー地区で、「テロ組織」によって敷設されたまま放置されていた爆発性戦争残存物(ERW)が爆発し、子供1人とその母親1人を含む5人が負傷した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるラスム・カラム村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県18件、ラタキア県2件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は27件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を21件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民292人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は657,857人に(2021年4月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月18日付)を公開し、4月17日に難民292人(うち女性88人、子供149人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民292人(うち女性88人、子供149人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は657,857人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者262,609人(うち女性78,941人、子ども133,656人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は887,137人(うち女性266,217人、子供452,147人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,189人(うち女性31,536人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,785人(うち女性414,095人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 18, 2021をもとに作成。

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