駐シリア米大使館はダルアー市情勢をめぐってシリア政府を非難(2021年9月1日)

駐シリア米大使館はツイッターのアカウント(https://twitter.com/USEmbassySyria/)を通じて、ダルアー市ダルアー・バラド地区の情勢について、以下の通り発表し、シリア政府を一方的に非難した。

我々はダルアー市に対するアサド体制の冷酷な攻撃を非難する。これにより、市民が殺害され、数千人が家を追われ、食糧や薬品の不足が生じている。米国は即時戦闘停止と、国連と人道関係者による無制限のアクセスを求める。

https://twitter.com/USEmbassySyria/status/1432941197165801472

AFP, September 5, 2021、ANHA, September 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2021、Reuters, September 5, 2021、SANA, September 5, 2021、SOHR, September 5, 2021などをもとに作成。

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停戦合意に沿ってロシア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区に進駐、指名手配者や兵役忌避者らの武装解除と社会復帰に向けた手続きが行われる(2021年9月1日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、8月31日にロシアの仲介によってシリア政府側の治安委員会と、武装解除を拒否し、ダルアー市ダルアー・バラド地区で立て籠もりを続けていた反体制武装集団メンバーを代表する中央委員会が交わした停戦合意に従い、ロシア軍部隊が、シリア政府の治安委員会の代表、地元名士らとともにダルアー市ダルアー・バラド地区に進駐した。

https://www.facebook.com/HoranFreeMedia/posts/3082424768653173

また、SANA(9月1日付)によると、ダルアー市アルバイーン地区にある社会復帰センターで、指名手配者や兵役忌避者ら209人が武器を引き渡し、社会復帰にかかる手続きを行った。

シリア人権監視団によると、センターを訪れたのは33人。

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中央委員会のアドナーン・ムサーラマ報道官は声明を出し、8月31日に交わされた停戦合意の内容を明らかにした。

HFL(9月1日付)が転載した文書によると、停戦合意の骨子は以下の通り:

https://www.facebook.com/HoranFreeMedia/posts/3082394551989528

  1. 即時戦闘を停止する。
  2. ロシア軍憲兵隊がダルアー市ダルアー・バラド地区に進駐・駐留する。
  3. 指名手配者の社会復帰と武装解除のためのセンターを開設する。
  4. 外国人が潜伏してないことを証明するため、ダルアー市ダルアー・バラド地区居住者の身元を確認する。
  5. 治安拠点を4カ所に設置する。
  6. ダルアー市一帯の道路封鎖を解除する。
  7. 警察分署を再開する
  8. ダルアー市ダルアー・バラド地区へのサービス提供を開始する。
  9. 本合意の実施から5日後に逮捕者釈放と身元不明者の捜索に向けた取り組みを行う。

https://www.facebook.com/HoranFreeMedia/posts/3082394551989528

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一方、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町近郊で空軍情報部の兵士1人が遺体で発見された。

遺体には銃で撃たれた跡があったという。

AFP, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、HFL, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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シリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣のサリーム・イドリース国防大臣が辞任表明、シリア国民軍司令官との対立が理由か(2021年9月1日)

シリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣のサリーム・イドリース国防大臣は声明を出し、大臣職を辞し、シリア国民軍を離職を表明した。

シリア人権監視団がシリア国民軍の内部情報によると、国防大臣の職権をめぐって、サリーム国防大臣とシリア国民軍の司令官の間では数カ月前から意見対立があったという。

AFP, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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アスマー・アフラス大統領夫人はシリアで初めて幹細胞移植手術を受けたムルタダー・キーナールくん(9歳)の自宅を訪問(2021年9月1日)

アスマー・アフラス大統領夫人は、ダマスカス郊外県で小児がんの治療を続けるムルタダー・キーナールくん(9歳)の自宅を訪問し、家族らと面会した。

ムルタダーくんは幹細胞移植手術を受けて回復に向かっている。

シリア国内で幹細胞移植手術が行われたのはムルタダーくんが初めて。

https://youtu.be/VyaJEm46oio

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4530588203651643

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手術は、ダマスカス県で今年6月に新設された幹細胞移植細胞療法小児科センターで行われた。

AFP, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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イスラエルは1948年占領下パレスチナ領連絡委員会の使節団55人のシリアへの渡航を禁じる(2021年9月1日)

イスラエルは1948年占領下パレスチナ領連絡委員会の使節団55人のシリアへの渡航を禁じた。

SANA(9月1日付)が伝えた。

使節団は数週間前から、ヨルダン経由でのシリア渡航を準備していた。

だが、イスラエル当局はヨルダンとの国境通行所で、使節団が乗ったパスの通過を阻止、アリー・マアディー委員長や同氏の息子の身分証明書を没収した。

1948年占領下パレスチナ領連絡委員会は15年以上にわたり、シリアを訪問していた。

AFP, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県、アレッポ県各所を砲撃(2021年9月1日)

ハサカ県では、SANA(9月1日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のダシーシャ村、タッル・ラバン村、ウンム・ハイル村、クーザリーヤ村、タウィーラト・ワカーア村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(9月1日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のズィ-ワーン村、タッル・イナーブ村、ナイラービーヤ村、ズーヤーン村、アルカミーヤ村、マルアナーズ村、カンタラ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

トルコ軍はまた、マンビジュ市北西のサイヤーダ村を砲撃、民家1棟を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市にあるロシア軍基地前で住民数十人が集まり、トルコの攻撃への沈黙に抗議するデモを行った。

AFP, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で130人、北・東シリア自治局支配地域で160人(2021年9月1日)

保健省は政府支配地域で新たに130人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者20人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、9月1日現在の支配地内での感染者数は計28,045人、うち死亡したのは2,018人、回復したのは22,491人となった。

SANA(9月1日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに160人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、9月1日現在の支配地内での感染者数は計20,649人、うち死亡したのは788人、回復したのは1,958人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性102人、女性58人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市41人、カーミシュリー市64人、マーリキーヤ(ダイリーク)市35人、アームーダー市6人、フール・キャンプ1人、ロジュ・キャンプ3人、ラッカ県のラッカ市6人、タブカ市4人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1675546812635249

AFP, September 1, 2021、ACU, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構がハマー県北部を激しく砲撃し女児1人死亡、これに対してロシア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるハマー県、ラタキア県、イドリブ県を12回にわたり爆撃(2021年9月1日)

ハマー県では、SANA(9月1日付)によると、イドリブ県で活動を続ける「テロ組織」がシリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃し、女児1人が死亡、住民7人が負傷した。

シリア人権監視団によると、砲撃を行ったのはシャーム解放機構を、砲弾50発以上をジューリーン村、シャトハ町、ナーウール・ジューリーン村に対して撃ち込んだ。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカルクール村、ヒルバト・ナークース村、ザイズーン村、カストゥーン村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、ロシア軍戦闘機がラタキア県との県境に位置するドゥワイル・アクラード村一帯を爆撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるハーン・スブル村、ハザーリーン村を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるマウザラ村を砲撃した。

ロシア軍戦闘機も「決戦」作戦司令室の支配下にハマーマ村の森林地帯にあるシャーム解放機構のキャンプを爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

ロシア軍の爆撃は、ハマー県、イドリブ県と合わせて12回に及んだ。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県14件、ラタキア県3件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, September 1, 2021、ANHA, September 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 1, 2021、Reuters, September 1, 2021、SANA, September 1, 2021、SOHR, September 1, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民286人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は698,812人に(2021年9月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、8月31日に難民286人(うち女性86人、子供146人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民286人(うち女性86人、子供146人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は698,812人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者303,564人(うち女性91,234人、子ども154,539人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,785,079人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は928,092人(うち女性278,510人、子供473,030人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は98,366人(うち女性37,528人、子供33,221人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,366,962人(うち女性420,087人、子供676,987人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 1, 2021をもとに作成。

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