所属不明のドローンが、ダイル・ザウル県ブーカマール市近郊のイラク国境地帯の「イランの民兵」拠点複数カ所を爆撃(2021年9月30日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)が、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のブーカマール市近郊のイラク国境地帯に配置されている「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃した。

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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米軍が違法に駐留を続けるハサカ県シャッダーディー市近郊のジャブサ油田がアラブ系部族によると思われるロケット弾攻撃を受ける、シリア人権監視団はこれを否定(2021年9月30日)

ハサカ県では、スプートニク・ニュース(9月30日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍が違法に駐留を続けるシャッダーディー市近郊のジャブサ油田がロケット弾攻撃を受けた。

攻撃は大理石などの採石場跡地があるシャッダーディー市北の無人地帯から行われ、アラブ系部族によると見られる。

しかし、シリア人権監視団は、ウンム・ザッル村近くの採石場で米主導の有志連合の工兵部隊が地雷の撤去作業を行っていた際に爆発が複数回発生し、これが攻撃と報道されたと発表し、スプートニク・ニュースの報道内容を否定した。

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021、Sputnik News, September 30, 2021などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ロシア軍が爆撃を開始して6年経過、その間2万865人がその爆撃で死亡したと主張(2021年9月30日)

ロシア軍が、シリア国内でダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線(現在のシャーム解放機構)をはじめとする反体制派に対する爆撃を2015年9月30日に開始してから6年が経った。

シリア人権監視団は、6年前に20%に満たなかったシリア政府の支配地が現在は63.70%に拡大したとしたうえで、この間のロシア軍の爆撃で2万865人の死亡が確認されていると発表した。

確認された死者の内訳は、民間人が8,669人(うち子供3,001人、女性1,318人)、ダーイシュ戦闘員が5,972人、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、外国人戦闘員を含む反体制派が6,224人。

シリア人権監視団がどのようにしてロシア軍の爆撃による死者を特定したのか(シリア軍の爆撃とロシア軍の爆撃、地上からの砲撃と爆撃の被害者をどのように峻別しているのか)は不明。

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県ダルダーラ村を砲撃(2021年9月30日)

ハサカ県では、ANHA(9月30日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルダーラ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(9月30日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市東の工業地区で車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県ナワー市で元反体制武装集団メンバー、指名手配者、兵役忌避者らが所持していた武器のシリア軍への引き渡しと社会復帰にかかる手続きが開始される一方、ムザイリーブ町で手続きに従事するシリア軍1人が殺害される(2021年9月30日)

ダルアー県では、SANA(9月30日付)によると、ナワー市に和解センターが設置され、同市、ナースィリーヤ村、スッカリーヤ村、シャイフ・サアド村、ジュバイリーヤ村、アドワーン村の元反体制武装集団メンバー、指名手配者、兵役忌避者らが所持していた武器のシリア軍への引き渡しと社会復帰にかかる手続きが開始され、数十人が手続きを済ませた。

また、和解プロセスが完了したタスィール町および周辺地域にシリア軍部隊が展開した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町で和平プロセスに従事していたシリア軍第4師団の兵士1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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スワイダー県では、SANA(9月30日付)によると、ラサース村で車に仕掛けらていた爆弾が爆発し、運転していた男性1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、爆弾が仕掛けられていたのは親政権民兵の車だという。

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構がトルコ占領地からタバコを密輸しようとした子供3人を逮捕(2021年9月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市近郊で、同機構の総合治安機関の隊員1人が何者かによって銃で撃たれて死亡した。

一方、シャーム解放機構は、トルコ占領下のアレッポ県北西部のいわゆる「オリーブの枝」地域との境界に位置するダイル・バッルート村の通行所で、タバコを密輸しようとしていた子供3人を逮捕した。

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県、アレッポ県のシリア政府支配地とシャーム解放機構が主導する反体制派の支配地の境界地帯に部隊を集結(2021年9月30日)

シリア人権監視団は、複数の独自筋から情報だとして、トルコ軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県中北部とアレッポ県西部に駐留・展開している全部隊に対して、戦闘態勢に入るよう命令し、同地に進駐以降初めて、シリア政府支配地との境界地帯に対戦車兵器、迫撃砲を全面配備したと発表した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

独自情報筋によると、トルコ軍はイドリブ県ザーウィヤ山地方東部のマアッラト・ヌウマーン市方面一帯、イドリブ市からサラーキブ市にいたる一帯、アレッポ県西部のミーズナーズ村、カフル・ハラブ村からハザーヌー町、バーブ・ハワー国境通行所に至る街道一帯に兵力を集中させているという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ県西部に展開するシリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタッルアーダ村に向けて発砲し、戦闘員1人を射殺した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村の丘陵地帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3054708908105178

AFP, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で272人、北・東シリア自治局支配地域で279人:北・東シリア自治局支配地域は1週刊の外出禁止令を発出(2021年9月30日)

保健省は政府支配地域で新たに272人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者70人が完治し、9人が死亡したと発表した。

これにより、9月30日現在の支配地内での感染者数は計34,205人、うち死亡したのは2,247人、回復したのは23,812人となった。

SANA(9月30日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/613458666703881

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに279人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、7人が完治し、17人が死亡したと発表した。

これにより、9月30日現在の支配地内での感染者数は計27,845人、うち死亡したのは932人、回復したのは2,156人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性163人、女性116人。

また地域の内訳は、ハサカ県のカーミシュリー市50人、ハサカ市69人、マーリキーヤ(ダイリーク)市40人、アームーダー市11人、ルマイラーン町5人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村3人、マアバダ(カルキールキー)町4人、ナウルーズ・キャンプ2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市44人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、マンビジュ市8人、ラッカ県のラッカ市32人、タブカ市1人、ダイル・ザウル県8人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1695416620648268

また、北・東シリア自治局の執行評議会ビーリーファーン・ハーリド、アブド・マフバーシュ両共同議長は、新型コロナウイルス感染者の増加を受け、10月3日から9日までの1週間、支配地全域で公共機関、学校、大学、専門学校、幼稚園、カフェ、医療クリニックを閉鎖、スポーツ活動を停止することを定めた外出禁止令(決定321号)を発出した。

食糧品店、病院、薬局、支援機関、消防所、水道局、メディア、農業プロジェクト従事者の営業、食品医療輸送車の移動は除外される。

http://smne-syria.com/eb/wp-content/uploads/2021/09/%D9%82%D8%B1%D8%A7%D8%B1.png

AFP, September 30, 2021、ACU, September 30, 2021、ANHA, September 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2021、Reuters, September 30, 2021、SANA, September 30, 2021、SOHR, September 30, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民381人と国内避難民(IDPs)165人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は707,664人、2019年以降帰還したIDPsは101,590人に(2021年9月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、9月29日に難民381人(うち女性115人、子供195人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民381人(うち女性115人、子供195人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は707,664人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者312,416人(うち女性93,892人、子ども159,050人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,798,018人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は936,944人(うち女性281,168人、子供477,541人)となった。

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一方、国内避難民165人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは165人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は101,590人(うち女性39,273人、子供33,523人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,370,186人(うち女性421,832人、子供677,289人)となった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3054703684772367

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 30, 2021をもとに作成。

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