ミーカーティー首相とアウン大統領がビッリー国民議会議長立ち合いのもと新内閣発足にかかる法令に署名(2021年9月10日)

レバノンの大統領府は、ミシェル・アウン大統領と、7月26日に首相に指名されていたナジーブ・ミーカーティー議員(北部第2区トリポリ郡スンナ派、元首相)が、レバノンのナビーフ・ビッリー国民議会議長の立ち合いのもと、ミーカーティー首相の任命と新内閣の発足にかかる法令(法令第8375号および第8376号)に署名したと発表した。

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発表に先だって、ミーカーティー氏は、閣僚の顔ぶれに関して、どの陣営も拒否権の発動が可能な3分の1プラス1の閣僚ポストを占有することはないと述べていた。

また、ジャディード・テレビ(9月10日付)によると、無所属のキリスト教徒であるナジュラ・リアーシー氏、 ジョルジュ・ブシキヤン 氏の2人が入閣したと伝えていた。

また、大統領府の発表に先だって、ミーカーティー氏とアウン大統領は、アミーン・サラーム氏を経済大臣に任命することで合意していた。

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ミーカーティー氏による組閣は、ベイルート港での大規模爆発事件の責任をとるかたちで2020年8月10日にハサン・ディヤーブ内閣の総辞職したことを受けたもので、ムスタファー・アディーブ氏、サアド・ハリーリー元首相が首相に指名され、組閣を試みたが、いずれも失敗していた。

ミーカーティー内閣の顔ぶれは「第2次ナジーブ・ミーカーティー内閣(2021年9月発足)」(CMEPS-J.net)を参照のこと。

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『ナハール』(9月10日付)、ジャディードTV(9月10日付)などが伝えた。

AFP, September 10, 2021、ANHA, September 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 10, 2021、al-JadidTV, September 10, 2021、al-Nahar, September 10, 2021、Naharnet, September 10, 2021、Reuters, September 10, 2021、SANA, September 10, 2021、SOHR, September 10, 2021などをもとに作成。

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シリア政府はダルアー市ダルアー・バラド地区に続いて、タファス市の元反体制武装集団メンバーの武装解除に向けた交渉を開始(2021年9月10日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区で元反体制武装集団メンバーの武装解除、社会復帰に向けた手続き、政府との和解拒否者のシリア北部への退去が完了したのを受けて、タファス市で、軍事情報局ダルアー支部長のルワイユ・アリー准将を代表とする治安委員会が、同市の元反体制武装集団の司令官および中央委員会メンバーと会談した。

会談は、タファス市などダルアー県西部での軍・治安機関の拠点・検問所の設置、元反体制武装集団メンバーが保有する軽火器・中火器の引き渡しについて合意するのが目的。

一方、ダルアー市ダルアー・バラド地区では、シリア赤新月社が人道支援物資を搬入した。

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シリア人権監視団によると、シリア軍がタスィール町とナーフィア村を砲撃し、タスィール町では子供2人が負傷した。

AFP, September 10, 2021、ANHA, September 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 10, 2021、Reuters, September 10, 2021、SANA, September 10, 2021、SOHR, September 10, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアレッポ県スルーク町でシリア国民軍所属のスンナの鷹旅団の退去を求める抗議デモ(2021年9月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるスルーク町で9月10日にスンナの鷹旅団が地元の若者1人を拷問で殺害する様子を撮影したビデオがSNS上で拡散されたことを受けて、住民が抗議デモを行い、スンナの鷹旅団の退去を求めた。

スルーク町ではまた、スンナの鷹旅団が9月10日、地元の名士を自宅から追放、住居を接収しようとしたことで、住民の怒りが一気に高まったという。

AFP, September 10, 2021、ANHA, September 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 10, 2021、Reuters, September 10, 2021、SANA, September 10, 2021、SOHR, September 10, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県、ハサカ県、ラッカ県各所を砲撃(2021年9月10日)

アレッポ県では、ANHA(9月10日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市北西のウンム・アダサ村、ダンダリーヤ村、ジャームースィーヤ村、サイヤーダ村一帯、大トゥーハール村、ムフスィンリー村を砲撃した。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が所属するバーブ軍事評議会は声明を出し、9月7日のヤーシリー村にあるトルコ軍の基地に対する攻撃で、トルコ軍兵士12人を殺害、11人を負傷させるとともに、シリア国民軍戦闘員10人を殺害、装甲車3輌、掘削機器2台、施設、陣地、重火器など多数を破壊したと発表した。

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ハサカ県では、ANHA(9月10日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(9月10日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線、サクル休憩所を砲撃した。

AFP, September 10, 2021、ANHA, September 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 10, 2021、Reuters, September 10, 2021、SANA, September 10, 2021、SOHR, September 10, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県を爆撃する一方、トルコ軍の車列の通過に合わせて爆弾が爆発(2021年9月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある県南部のダイル・サンバル村一帯、県北西部のシャイフ・バフル村一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍も、9日深夜から10日未明にかけて、ザーウィヤ山地方のファッティーラ村およびその一帯、フライフィル村、バイニーン村、アリーハー市を砲撃、アリーハー市では住民4人が負傷した。

一方、イドリブ市とカファルヤー町を結ぶ街道では、トルコ軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を26件(イドリブ県11件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3038783096364426

AFP, September 10, 2021、ANHA, September 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 10, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 10, 2021、Reuters, September 10, 2021、SANA, September 10, 2021、SOHR, September 10, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で135人、北・東シリア自治局支配地域で311人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で1,127人(2021年9月10日)

保健省は政府支配地域で新たに135人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者20人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、9月10日現在の支配地内での感染者数は計29,221人、うち死亡したのは2,066人、回復したのは22,683人となった。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/600242208025527%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t39.30808-6/s960x960/241738488_600242184692196_6638600068246372638_n.jpg?_nc_cat=103&ccb=1-5&_nc_sid=730e14&_nc_ohc=jgh51mXsWuYAX98D7tB&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=63b13ffbcdf7df3495c8cb42df23ce5f&oe=61407C24

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/600241144692300

SANA(9月10日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに311人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、9月10日現在の支配地内での感染者数は計22,644人、うち死亡したのは797人、回復したのは2,004人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性190人、女性161人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市44人、カーミシュリー市125人、マーリキーヤ(ダイリーク)市53人、ダルバースィーヤ市9人、アームーダー市7人、ロジュ・キャンプ1人、ラッカ県のラッカ市19人、ダイル・ザウル県44人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1682015821988348

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月10日に新たに1,127人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、258人が完治し、4人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡57人、イドリブ郡293人、ハーリム郡382人、アリーハー郡86人、アレッポ県スィムアーン山郡34人、ジャラーブルス郡13人、バーブ郡116人、アフリーン郡113人、アアザーズ郡33人。

これにより、同地での感染者数は計51,681人、うち死亡したのは865人、回復したのは27,488人となった。
https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1662956367242581

AFP, September 10, 2021、ACU, September 10, 2021、ANHA, September 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 10, 2021、Reuters, September 10, 2021、SANA, September 10, 2021、SOHR, September 10, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民317人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は701,605人に(2021年9月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、9月9日に難民317人(うち女性95人、子供162人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民317人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は701,605人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者357,306人(うち女性92,071人、子ども155,961人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,791,032人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は930,568人(うち女性279,252人、子供474,290人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は99,521人(うち女性38,169人、子供33,311人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,368,117人(うち女性420,728人、子供677,077人)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3038753086367427

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 10, 2021をもとに作成。

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