シリア国民軍を構成する武装集団のうちムウタスィム旅団、ハムザ師団など5組織がトルコの指導のもと統合し、新組織を結成(2021年9月4日)

レバノンのムドゥン(9月4日付)によると、シリア国民軍を構成する武装集団のうちムウタスィム旅団、ハムザ師団、第20師団、スルターン・スライマーン・シャー師団、北部の鷹旅団の5組織がトルコの指導のもとに会合を重ねた末に統合した。

新たに結成された統合組織の司令官には、ムウタスィム旅団を率いていたムウタスィム・アッバース氏が、副司令官にはハムザ師団を率いていたサイフ・ブーラード氏が就任した。

新組織の結成は、アズム統合司令室の活動をめぐるムウタスィム旅団とシャーム戦線の交渉が暗礁に乗り上げるなかで実現した。

AFP, September 5, 2021、ANHA, September 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2021、al-Mudun, September 4, 2021、Reuters, September 5, 2021、SANA, September 5, 2021、SOHR, September 5, 2021などをもとに作成。

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武装解除を拒否しダルアー市ダルアー・バラド地区で立て籠もりを続ける元反体制武装集団メンバーとその家族をシリア北部に移送するため大型バスの手配が完了(2021年9月4日)

ダルアー県では、SANA(9月4日付)によると、シリア政府側の関係当局が、武装解除を拒否しダルアー市ダルアー・バラド地区で立て籠もりを続ける元反体制武装集団メンバーとその家族をシリア北部に移送するための大型バスを手配し、する一方、ダルアー市旧税関地区に設置していた検問所を撤去し、移送の準備を完了した。



シリア人権監視団によると、手配された大型バスは22台。

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これと並行して、シリア人権監視団によると、シリア政府の治安委員会と武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーを代表する中央委員会と地元の名士らがロシアの仲介のもとに会合を開いた。

会合後、ロシアの使節団は、武装解除拒否者の停戦合意受諾の回答を引き出すため、中央委員会側に新たな時間的猶予を与えた。

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一方、シリア軍第4師団は、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーのリーダーの1人ムアイイド・ハラフーシュ氏(アブー・タアジャ)の妻と5人の子供、弟夫婦を拘束したほか、会合に向かっていた中央委員会と地元名士をダルアー市バハール地区で銃撃したという。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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シリア軍がタルビーサ市とラスタン市の名士らに対して政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバーが個人的に所有している武器を引き渡すよう要請(2021年9月4日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタルビーサ市とラスタン市の名士らに対して、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバーが個人的に所有している武器を引き渡すよう要請した。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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ダーイシュがハマー県イスリヤー村近郊の砂漠地帯でシリア軍と「イランの民兵」と目されるバーキル旅団を襲撃し、兵士・民兵8人が死亡(2021年9月4日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府の支配下にあるイスリヤー村近郊の砂漠地帯でシリア軍と「イランの民兵」と目されるバーキル旅団を襲撃し、兵士・民兵8人が死亡した。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ県、ラッカ県を砲撃(2021年9月4日)

アレッポ県では、ANHA(9月4日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のカンタラ村を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士1人がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊で、シリア国民軍に狙撃され死亡した。

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ラッカ県では、ANHA(9月4日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のハーリディーヤ村とM4高速道路沿線を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で、ダイル・ザウル県出身の男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局防衛局は1990年から1997年生まれを自衛義務(徴兵)法の適用対象者から免除することを決定(2021年9月4日)

北・東シリア自治局の防衛委員会(国防省に相当)は2021年9月4日決定第3号を発出し、自衛義務(徴兵)法の適用対象者から1990年から1997年生まれを免除することを決定した。

第3号ではまた、自衛義務法の対象年齢を1998年生まれ以降の満18歳とするとともに、就業者、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、内務治安部隊からの逃亡者、軍規違反者を免除することを定めた。

ANHA(9月4日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1677606859095911

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1677698789086718

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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シリアとレバノンの主要閣僚会合がマスカスで開催され、レバノンへのエジプト産天然ガスとヨルダン産電力の中継輸送で合意(2021年9月4日)

シリアとレバノンの主要閣僚会合が首都ダマスカスで開催された。

会合は、シリア側からファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣(代表)、キナーン・ヤーギー財務大臣、バッサーム・トゥウマ石油鉱物資源大臣、国家計画協力委員会のファーディー・ハリール委員長、アリー・アブドゥルカリーム在レバノン・シリア大使、レバノン側からザイナ・アカル副首相兼国防大臣兼外務大臣代行、ガーズィー・ワズニー財務大臣、ライムーン・ガジャル・エネルギー資源大臣、アッバース・イブラーヒーム総合情報総局(少将)、サアド・ザヒヤー駐シリア・レバノン大使、そしてレバノン・シリア最高評議会のナスリー・フーリー議長が出席した。

レバノン側の出席者は9月4日早朝に、ダマスカス郊外県のジュダイダト・ヤーブース国境通行所(レバノン側はマスナア国境通行所)を経由し、陸路でシリアに入国していた。

会合後、フーリー議長は報道声明を出し、レバノン側からの要請を受けて、エジプト産の天然ガスとヨルダンで生産される電力をシリア領経由でレバノンに移送することが合意されたと発表した。

SANA(9月4日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3076442309309542

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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シャーム・ウィング社のアルメニアの首都エレバン発の定期旅客便が乗客76人を乗せてアレッポ国際空港に10年ぶりに到着(2021年9月4日)

シャーム・ウィング社のアルメニアの首都エレバン発の定期旅客便が、乗客76人を乗せてアレッポ国際空港に到着した。

アルメニアとシリアを結ぶ定期旅客便は2011年以降運休状態が続いていた。

SANA(9月4日付)が伝えた。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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アサド大統領はPFLP-GCの書記長を代表とする使節団と会談(2021年9月4日)

アサド大統領は、パレスチナ人民解放戦線総司令部派(PFLP-GC)のタラール・ナージー書記長を代表とする使節団と首都ダマスカスで会談した。

パレスチナ使節団は、ナージー書記長、ハーリド・ジブリールPFLP-GC副書記長、アンワル・ラジャー政治局員、ラーミズ・ムスタファー政治局員の4人。

SANA(9月4日付)によると、会談では、シリア、パレスチナ情勢、アラブ中東情勢の進展について意見が交わされた。

アサド大統領は、欧米諸国のシリアに対する経済戦争、経済制裁が、敵が軍事、安全保障面での失敗に伴うもので、シリアの大衆基盤を狙ったものだが、シリア国民はこれを克服する能力があると強調した。

これに対して、ナージー書記長は、パレスチナ問題に対するアサド大統領指導下のシリアの確固たる姿勢に謝意を示したうえで、並外れた歴史的アラブ指導者であるアサド大統領の知恵、勇気を称賛した。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で120人、北・東シリア自治局支配地域で113人(2021年9月4日)

保健省は政府支配地域で新たに120人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者19人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、9月4日現在の支配地内での感染者数は計28,423人、うち死亡したのは2,033人、回復したのは22,550人となった。

SANA(9月4日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに113人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、9月4日現在の支配地内での感染者数は計21,071人、うち死亡したのは788人、回復したのは1,972人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性59人、女性54人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市30人、カーミシュリー市51人、マーリキーヤ(ダイリーク)市20人、アームーダー市1人、ダイル・ザウル県11人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1677710142418916

AFP, September 4, 2021、ACU, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県アウラム・ジャウズ村、ザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村一帯を6回にわたって爆撃(2021年9月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアウラム・ジャウズ村、ザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村一帯を6回にわたって爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるバスラトゥーン村を砲撃した。

これに対して、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるタディール村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県19件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は28件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, September 4, 2021、ANHA, September 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 4, 2021、Reuters, September 4, 2021、SANA, September 4, 2021、SOHR, September 4, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民317人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は699,759人に(2021年9月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、9月5日に難民317人(うち女性95人、子供162人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民317人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は699,759人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者304,511人(うち女性91,517人、子ども155,021人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,785,079人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は929,039人(うち女性278,793人、子供473,512人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は98,611人(うち女性37,659人、子供33,293人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,367,207人(うち女性420,218人、子供677,005人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 4, 2021をもとに作成。

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