イドリブ県でトルコ軍兵士3人が爆発により死亡、アンサール・アビー・バクル・スィッディーク連隊が声明で関与を認める(2021年9月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市とバーブ・ハワー国境通行所を結ぶ街道で、トルコ軍の車輌の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発し、装甲車1輌が大破、トルコ軍兵士2人が死亡、4人が負傷した。

その後、9月12日には重傷を負っていたトルコ軍兵士1人死亡、死者は3人となった。

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爆発発生直後、アンサール・アビー・バクル・スィッディーク連隊が声明を出し、関与を認めた。

「イドリブ・ビンニシュ街道にあるシャーム解放機構の検問所近くで「NATOトルコ」軍の装甲車を狙う」と題された声明の全文は以下の通り。

アンサール・アビー・バクル・スィッディーク連隊の分隊の一つが金曜日(10日)晩、イドリブ・ビンニシュ街道にあるいわゆるシャーム解放機構の検問所近くで、「NATOトルコ」軍の装甲車を即席爆弾で狙った。アッラーのおかげにより、装甲車が大破、中にいた者たちが死傷した。

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一方、トルコのフルシ・アカル国防大臣は、トルコ軍兵士2人が殺害されたのを受けて、シリアとの国境地帯を訪問し、ヤシャル・ギュレル参謀長、ムサ・アヴセヴェル陸軍司令官らと会合を開き、現地情勢への対応について協議した。

アカル国防大臣らは、会合後、負傷者が搬送された病院を慰問した。

 

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なお、シリア人権監視団は9月10日、イドリブ市とカファルヤー町を結ぶ街道で、トルコ軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発したと発表していた。

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021、September 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がラッカ県ラサーファ砂漠でダーイシュに対して爆撃を実施(2021年9月11日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機5機がラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)に対して爆撃を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ロシアの支援を受ける民兵(シリア軍第5軍団)が、ダーイシュ(イスラーム国)の残党を摘発するため、シューラー村とカバージブ村一帯の砂漠地帯に展開した。

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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ダルアー市からトルコ占領下のアレッポ県バーブ市に移送されていた元反体制武装集団メンバーとその家族が、1週間以上の軟禁を経て、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に移送(2021年9月11日)

武装解除と社会復帰を拒否し、ダルアー市ダルアー・バラド地区からトルコ占領下のアレッポ県バーブ市に移送されていた元反体制武装集団メンバーとその家族が、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に移送された。

ダルアー市ダルアー・バラド地区からシリア北部に移送された元反体制武装集団メンバーとその家族はシリア国民軍憲兵隊に拘束され、バーブ市内にあるバラー・ブン・マーリク・モスクに軟禁状態に置かれていた。

ラジオ・クッル(9月10日付)によると、移送されたのは47人。

またこれに先立ち9月3日には、モスクで軟禁状態に置かれていた約40人(ほとんどが女性と子供)が解放されていた。

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Radio al-Kull, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県アブー・ハマーム市でダーイシュとシリア民主軍が拘束した住民の行方を明らかにするよう求めるデモ(2021年9月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアブー・ハマーム市で、住民が抗議デモを行い、ダーイシュ(イスラーム国)と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に拘束された住民の行方を明らかにするよう求めた。

一方、シリア民主軍は、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸とを結ぶ水上通行所(場所は明示せず)で住民1人を射殺した。

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊を砲撃(2021年9月11日)

アレッポ県では、ANHA(9月11日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市西のサイヤーダ村、ウンム・アダサ村、ダンダリーヤ村を砲撃した。

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問しミクダード外務在外居住者大臣と会談(2021年9月11日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(9月11日付)によると、会談では、国際情勢の変化が中東に与える影響について意見が交わされ、ミクダード外務在外居住者大臣は、すべての国が国際法、国連憲章を遵守し、内政不干渉、外国のアジェンダの押しつけを行わない必要があると述べた。

ミクダード外務在外居住者大臣は、シリア情勢について、主権尊重、内政不干渉の必要を強調、米国とトルコの占領、主権侵害、テロ支援、陽水所閉鎖に代表されるトルコの非人道的行為、米国による一方的経済制裁を終わらせるよう求めた。


https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3081582842128822

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方のカンスフラ村を爆撃(2021年9月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(イドリブ県16件、ラタキア県8件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3039564392952963

AFP, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で137人、北・東シリア自治局支配地域で187人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で430人(2021年9月11日)

保健省は政府支配地域で新たに137人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者30人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、9月11日現在の支配地内での感染者数は計29,358人、うち死亡したのは2,071人、回復したのは22,713人となった。

SANA(9月11日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/600917941291287

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに187人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、9月11日現在の支配地内での感染者数は計22,831人、うち死亡したのは802人、回復したのは2,012人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性112人、女性75人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市97人、カーミシュリー市47人、マーリキーヤ(ダイリーク)市32人、ダルバースィーヤ市1人、ロジュ・キャンプ1人、ラッカ県のラッカ市1人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1682411271948803

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月11日に新たに430人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、684人が完治し、6人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡7人、イドリブ郡30人、ハーリム郡58人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡3人、ジャラーブルス郡2人、バーブ郡1人、アフリーン郡234人、アアザーズ郡92人。

これにより、同地での感染者数は計52,111人、うち死亡したのは871人、回復したのは28,172人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1663297953875089

AFP, September 11, 2021、ACU, September 11, 2021、ANHA, September 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2021、Reuters, September 11, 2021、SANA, September 11, 2021、SOHR, September 11, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民304人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は701,909人に(2021年9月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、9月10日に難民304人(うち女性92人、子供155人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民304人(うち女性92人、子供155人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は701,909人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者306,661人(うち女性92,163人、子ども155,116人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,791,032人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は931,189人(うち女性279,439人、子供474,607人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は99,521人(うち女性38,169人、子供33,311人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,368,117人(うち女性420,728人、子供677,077人)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3039561559619913

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 11, 2021をもとに作成。

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