アサド大統領がイランのヴェラーヤティー最高指導者顧問一行と会談(2015年5月19日)

アサド大統領は、レバノン・シリアを歴訪中のアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問ら一行とダマスカスで会談し、両国間関係などについて意見を交わした。

SANA(5月19日付)によると、ヴェラーヤティー顧問は「シリアに対して行われている小さな世界大戦は、シリアが抵抗枢軸を結びつける役割を果たしているため」としたうえで、イラン政府および国民によるシリアへの支持、支援とレジスタンスの強化を改めて強調した。

これに対して、アサド大統領は、「イラン・イスラーム共和国によるシリア国民への支援は、テロとの戦いにおける主柱をなしている。これに対して、サウジアラビア、トルコを筆頭とするそれ以外の地域諸国はテロリストを支援している」と答えた。

また「テロ枢軸は国際社会において確固たる地位を得ており、いかなる勢力もこれを無視することはできない。この枢軸におけるもっとも重要な成果とは、核開発問題をめぐるイランの成果である」と賞賛した。

ヴェラーヤティー顧問ら一行はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らとも個別に会談した。

SANA, May 19, 2015
SANA, May 19, 2015

 

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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「ジュネーブ3」開催に向けたデミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表による個別折衝続く(2015年5月19日)

クッルナー・シュラカー(5月19日付)は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が、シリア政府と反体制派の和平交渉(ジュネーブ3)開催に向けた個別協議を、シリア政府代表、反体制派代表、諸外国代表と行っていると伝え、その写真を掲載した。

写真が公開されたシリア政府および反体制活動家は以下の通り:

フサームッディーン・アーラー駐スイス・シリア大使

ハイサム・マンナーア、ワリード・ブンニー、ハーリド・マハーミード、アブドゥルカーディル・サンカリー(カイロ大会準備委員会)

ルワイユ・フサイン、ムナー・ガーニム(シリア国家建設潮流)

ランダー・カッスィース(多元社会運動)

アマル・サッラージュ(シリア政治研究戦略センター)

サミール・タキー(シャルク・センター)

ハイサム・マーリフ(シリア革命反体制勢力国民連立)

リーム・トゥルクマーニー、ミシェル・シャンマース、イブラーヒーム・ダッラージー、ファーイク・フワイジャ(無所属)

ジハード・マクディスィー(無所属)

カドリー・ジャミール(シリア変革解放人民戦線)

ハサン・アブドゥルアズィーム(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

なお『ハヤート』(5月20日付)は、パリの複数の反体制筋の話として、エジプト政府が5月末に、シリア革命反体制勢力国民連立を主導するシリア・ムスリム同胞団を除く反体制派の代表を招聘し、シリア政府との和平交渉への対応を協議するための大会の開催を準備していると伝えた。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アサド政権の存続につながるようないかなる解決策も拒否するとの姿勢を改めて示した。

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ダーイシュ(イスラーム国)は米特殊部隊の急襲作戦をめぐってメンバー25人以上を逮捕(2015年5月19日)

「ダイル・ザウルは沈黙のうちに惨殺される」(https://www.facebook.com/dierezzore5、5月19日付)は、米特殊部隊「デルタフォース」によるダイル・ザウル県ウマル油田でのダーイシュ(イスラーム国)幹部アブー・サヤーフ氏急襲作戦に関連して、ダーイシュが17日、アブー・サヤーフ氏らを見殺しにしたとの嫌疑により、ウマル油田一帯でメンバー25人以上を逮捕したと伝えた。

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)によるスワイダー県フクフ村の急襲を撃退(2015年5月19日)

スワイダー県では、シリア人権監視団、SANA(5月19日付)などによると、ダーイシュ(イスラーム国)がフクフ村を三方から包囲し、襲撃を試みたが、同村に駐留するシリア軍が周辺の村々からの増援部隊や国防隊の支援を受け、これを撃退した。

この戦闘で、シリア軍兵士・国防隊戦闘員5人、住民(女性)1人が死亡、10人以上が負傷した。

またカスル村一帯でも、シリア軍、国防隊がダーイシュと交戦し、双方に人的被害が出た。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市郊外一帯でシリア軍、国防隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、シリア軍が同地のほか、アーラーク油田一帯を空爆した。

一方、SANA(5月19日付)によると、アーラーク油田周辺、ラサーファ・スフナ市街道、アブー・ハワーディード村、ザイン・バカル村、東サラーム村、ハタムルー村、ヒブラ村、ムシャイリファ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地の包囲を続けるダーイシュ(イスラーム国)が、シリア軍、国防隊と交戦し、シリア軍が同地一帯を空爆した。

一方、SANA(5月19日付)によると、アレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊が、有志連合の空爆による援護を受け、タッル・タムル市南部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、シャッダーディー市中心部でバイクに仕掛けられた爆弾が爆発し、住民2人が死亡した。

さらに、ARA News(5月19日付)によると、人民防衛隊は、ダーイシュとの戦闘の末、ハサカ市西部に位置するアブドゥルアズィーズ山を制圧した。

一方、SANA(5月19日付)によると、ハサカ市西部に位置するアブドゥルアズィーズ山東方のシューラ村、サフーフ村一帯、ハサカ市北部郊外のキブル・シャーミヤ村で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

このほか、マルクス・レーニン共産党がラアス・アイン市に民兵組織「殉教者サルカーン大隊」の事務所を設置した。

殉教者サルカーン大隊は、ラアス・アイン市郊外で人民防衛隊とともにダーイシュとの戦闘を続けてきた組織で、ドイツ人など多くの外国人を擁しているという。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブー・ウマル村を空爆し、子供6人と女性1人を含む住民8人が死亡した。

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織の攻勢を受け、シリア軍がマストゥーマ市(イドリブ県)郊外の野営キャンプを放棄(2015年5月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動やシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍作戦司令室の戦闘員約1,300人が、マストゥーマ村近郊の野営キャンプ(マストゥーマ基地)を、シリア軍、国防隊との数日にわたる戦闘の末に制圧した。

Kull-na Shuraka', May 19, 2015
Kull-na Shuraka’, May 19, 2015

複数の反体制活動家によると、18日に野営キャンプ周辺の哨所複数カ所を制圧し、同基地の第一防衛戦を突破していたファトフ軍作戦司令室は早朝、基地に対して総攻撃を行い、制圧したという。

またスィラージュ・プレス(5月19日付)によると、ファトフ軍作戦司令室は、熱誘導式の対戦車ミサイルを使用して、基地内で戦車2輌を破壊するとともに、オートストラード・アリーハー一帯を迫撃砲で攻撃し、突入を援護したという。

シリア人権監視団によると、この戦闘でシリア軍兵士15人が死亡した(しかしファトフ軍作戦司令室は、この戦闘でシリア軍兵士120人を殺害したと発表)。

また基地に駐留していたシリア軍、国防隊は、シリア政府の支配下にある県内最後の都市アリーハー市方面に撤退、SPC(5月19日付)によると、その際、基地内の武器庫2棟を爆破したが、ファトフ軍作戦司令室は撤退中のシリア軍戦車3輌を捕獲、兵士10人を捕捉した。

一方、シリア・アラブ・テレビ(5月19日付)、SANA(5月19日付)は、野営キャンプ陥落に関して、「基地で戦ってきた軍部隊は守備強化のためアリーハー市に移動した」、「マストゥーマ基地およびその周辺に展開する我らが軍部隊は、アリーハ市一帯の拠点を強化するための防衛戦を確保した」と伝えた。

またSANAによると、クマイナース村・マストゥーマ村回廊で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

『ハヤート』(5月20日付)によると、野営キャンプは、ファトフ軍作戦司令室のイドリブ市、ジルス・シュグール市、煉瓦工場基地などの制圧を受けて撤退していたシリア軍部隊のほとんどが再展開していた基地で、カファルヤー町、フーア市、アリーハー市、アブー・ズフール航空基地、ジスル・シュグール国立病院とともにイドリブ県におけるシリア政府の最後の拠点の一つと目されていた。

こうしたなか、シリア人権監視団は、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動やシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍作戦司令室がイドリブ市を制圧した3月28日から5月19日までの間に、シリア軍がイドリブ県で行った空爆の回数が2,053回におよんでいると発表した。

このうち1,226回が戦闘機による空爆、827回がヘリコプターによる「樽爆弾」投下で、子供99人を含む401人が死亡、2,500人以上が負傷したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線と、アレッポ市カースティールー地区、ザフラー協会地区(空軍情報部一帯)、バニー・ザイド地区、ハンダラート・キャンプ一帯、カフルハムラ村一帯で交戦、シリア軍が同地一帯のほか、アレッポ市バーブ・ナイラブ地区を砲撃、空爆した。

またヌスラ戦線らが撃った迫撃砲が、アレッポ市ムーカンブー地区、ハムダーニーヤ地区、マサーキン・サビール地区などのシリア政府支配地区に着弾した。

一方、SANA(5月19日付)によると、スーラーン町、マッラーン村、ダーラト・イッザ市、アレッポ市バーブ・ハディード地区、ザフラー協会地区、アンサール地区、旧市街、ジスル・ハッジ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がイスラーム軍による第39旅団基地制圧(18日)を受け、ジャウバル区を空爆する一方、またアッバースィーイーン地区に迫撃砲弾1発が着弾した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がイスラーム軍による第39旅団基地制圧(18日)を受け、ハラスター市を空爆した。

シリア軍はまた、カラムーン地方無人地帯、ザバダーニー市、タイバ村などを「樽爆弾」で空爆する一方、ザバダーニー市で反体制武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、イスラーム軍は第39旅団基地に近い検問所2カ所を制圧した。

一方、SANA(5月19日付)によると、アーリヤ農場、フーシュ・ファーラ村、タッル・クルディー町、マルジュ・スルターン村南部入口、ザバダーニー市東部山岳地帯、フライタ村郊外無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(5月19日付)によると、ズラーキーヤート村、ザッリーン村、アブー・ウバイダート村、ラターミナ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(5月19日付)によると、マスハラ村東部、ブザーク丘東部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、Siraj Press , March 19, 2015、SPC, March 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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