シャッラーシュ人民議会議員:ダーイシュ(イスラーム国)、ファトフ軍に対するシリア軍の敗北の責任をとって、フライジュ国防大臣は辞任すべき」(2015年5月22日)

アブドゥッラー・イブラーヒーム・シャッラーシュ人民議会議員(アレッポ県諸地域A部門選出、無所属)はフェイスブックで、ヒムス県タドムル市でのダーイシュ(イスラーム国)に対するシリア軍の敗北や、イドリブ県でのファトフ軍に対するシリア軍の敗北の責任をとって、ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣は辞任すべきだと綴った。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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レバノンでダーイシュ(イスラーム国)関係者2人拘束(2015年5月22日)

ナハールネット(5月22日付)によると、軍事情報局がベカーア県ザフラ郡バル・イリヤース村で、ダーイシュ(イスラーム国)に関係していると思われる男性2人(親子)を拘束した。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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ファトフ軍がジスル・シュグール国立病院を制圧:シリア軍による脱出作戦の成功か、ファトフ軍による要撃の成功か?(2015年5月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍が、ジスル・シュグール市南西部郊外でシリア軍、国防隊との激しい戦闘の末、同地を完全制圧し、またシリア軍兵士・国防隊隊員とその家族約250人が籠城を続けていたジスル・シュグール国立病院を陥落させた。

Kull-na Shuraka', May 22, 2015
Kull-na Shuraka’, May 22, 2015

複数の活動家によると、ファトフ軍はジスル・シュグール国立病院に籠城していたシリア軍兵士・国防隊隊員70人以上を殺害、士官4人を含む20人を捕捉、また数十人が逃走したという(その後(5月27日)、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、ジスル・シュグール国立病院から脱出できたシリア軍兵士が90人以上に上ったが、のこる200人以上がファトフ軍との戦闘で死亡したと発表した)。

これに対して、シリア軍は早朝からジスル・シュグール病院一帯に6回以上にわたり空爆を行うとともに、約250発の迫撃砲で砲撃を加えたが、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、この攻撃は籠城する兵士らの撤退の援護を目的としたものだったと思われるという。

これに関して、SANA(5月22日付)は、ジスル・シュグール国立病院に籠城していたシリア軍守備隊が「タクフィール主義テロ集団」の包囲を解除、同地周辺に展開する部隊の援護空爆・砲撃を受け、負傷者らとともに脱出に成功したと報じた。

SANA特派員によると、シリア軍部隊は脱出に際して、病院を破壊したという。

またSANA(5月22日付)は、アサド大統領が、イドリブ県ジスル・シュグール市内にあるジスル・シュグール国立病院に対するファトフ軍の包囲を解除し、脱出に成功した守備隊のマフムード・サフバ大佐に電話をかけ、「あなたがたは自らの勇敢さをもってシリア・アラブ軍のすべての兵士のありようを表明した。あなた方は、敗北、降伏を考えることなく耐え抜き、抵抗した」との祝辞を送ったと伝えた。

しかし、スィラージュ・プレス(5月22日付)は、現地消息筋の話として、ファトフ軍が病院地下に向けてトンネルを掘削し、そのことを察知したシリア軍を敢えて脱出させ、病院から出てきた兵士を攻撃、数十人を殺害し、多数を捕捉したと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアナダーン市に「樽爆弾」2発を投下し、子供3人と女性9人の合わせて11人が死亡した。

一方、SANA(5月22日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ザバディーヤ地区、フィルドゥース地区、アシュラフィーヤ地区、シャッアール地区、タッラト・タクリース地区、アーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区、マンスーラ村、カフルハムラ村、アナダーン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡、またダーイル町ではシリア軍の空爆で2人が、イズラア市では反体制武装集団の砲撃で6人が死亡した。

一方、SANA(5月22日付)によると、マスミヤ、ダルアー市内各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、アッシリア人権監視団などによると、カルヤタイン市の修道院のジャーク(ヤアクーブ)・ムラード神父(マール・ムーサー・ハバシー修道院長兼マール・イルヤーン修道院長)が21日、武装集団に拉致されたと伝えた。

Kull-na Shuraka', May 22, 2015
Kull-na Shuraka’, May 22, 2015

一方、SANA(5月22日付)によると、西サラーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月22日付)によると、ドゥーマー市南部農場地帯、ハラスター市、アイン・タルマー村、アルバイン市、ダイル・サルマーン町郊外、ハーン・シャイフーン・キャンプ一帯、フライタ村無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(5月22日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(5月22日付)によると、マスハラ丘、西サムダーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、May 27, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、Siraj Press, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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アラブ連盟のアラビー事務総長、タドムル市救済を国際社会に求める(2015年5月22日)

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧に関して「深い懸念」を表明、国際社会に対して「緊急に行動し、UNESCO世界文化遺産に指定されている古代都市救済のための必要なすべてな措置を講じる」よう呼びかけた。


AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合「イスラーム国(ダーイシュ)によるタドムル市制圧を利用して、アサド政権は革命勢力に打撃を与えようとしている」(2015年5月22日)

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧に関して、「革命勢力」に打撃を与えるためにアサド政権がダーイシュを利用していると断じる一方、米国が主導する有志連合が「アサドとダーイシュのテロに対抗し得る唯一の勢力である自由シリア軍への支援と協調を通じて戦略を変更しない限り、失敗する」と主張した。


AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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タドムル市を制圧したダーイシュ(イスラーム国)の進軍続く(2015年5月22日)

ヒムス県では、ARA News(5月22日付)によると、タドムル市を制圧したダーイシュ(イスラーム軍)がさらに進軍し、ヒムス市東部約40キロの距離に位置するT4航空基地(通称タイフール航空基地)に対して、爆弾を積んだ車2台で自爆攻撃を行い、シリア軍と交戦した。

同報道によると、シリア軍は今のところ、抵抗を続け、撤退していないという。

また、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が21日に完全制圧したタドムル市内で、シリア軍兵士・国防隊隊員17人と政権を支持する民間人多数を処刑した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル市南東部郊外一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、ARA News(5月22日付)によると、有志連合がハサカ市西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)の武器庫を空爆、破壊した。

また、ARA News(5月23日付)によると、ハサカ市南西部のシリア軍、国防隊の拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が攻撃したが、シリア軍はこれを撃退した。

一方、SANA(5月22日付)によると、シリア軍がタッル・バールード村、シャッダーディー市・フール町交差点でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、同地を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部のシャイフ・ナッジャール市工業団地地区周辺で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(5月22日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方のバトラー村一帯で、ジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員3人が死亡した。

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シリア軍がタンフ国境通行所(ヒムス県)から撤退、ダーイシュ(イスラーム国)が同地を掌握(2015年5月22日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府がイラク国境に位置するタンフ国境通行所から撤退したのを受け、ダーイシュ(イスラーム国)が同国境通行所を制圧した。

タンフ国境通行所に面するイラク側のワリード国境通行所は、ダーイシュの攻撃を受けすでに閉鎖されていた。

これにより、シリア・イラク国境の通行所は、西クルディスタン移行期民政局が管理するヤアルビーヤ国境通行所を除いて、ダーイシュの支配下に入り、シリア政府はレバノン国境の国境通行所(6カ所)とハサカ県のカーミシュリー市の国境通行所を保持するのみとなった。

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なお、シリアと周辺諸国を結ぶ国境通行所の管理・支配状況は以下の通り。

1. 対ヨルダン国境

ナスィーブ・ジャービル国境通行所(ダルアー県):ヌスラ戦線、「自由シリア軍」南部戦線などが2015年4月に制圧。

ダルアー(旧税関局)・ラムサー国境通行所(ダルアー県):ジハード主義武装集団が2013年11月に制圧。

2. 対イラク国境

ヤアルビーヤ・ラビーア国境通行所(ハサカ県):2012年7月に「自由シリア軍」が制圧、その後シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が争奪戦を繰り広げ、2014年10月以降は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが管理。

ブーカマール・カーイム国境通行所(ハサカ県):2012年11月に「自由シリア軍」が制圧、その後2014年7月にダーイシュ(イスラーム国)が掌握。

タンフ・ワリード国境通行所(ヒムス県):ダーイシュが2015年5月22日に制圧。またイラク側のワリード国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け閉鎖。

3. 対トルコ国境

カサブ・ヤイラダーウ国境通行所(ラタキア県):シリア側のカサブ国境通行所はシリア政府が掌握しているが、トルコ側のヤイラダーウ国境通行所は閉鎖。

バーブ・ハワー・ジルヴェギョズ国境通行所(イドリブ県):シリア側のバーブ・ハワー国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

バーブ・サラーマ・オンジュプナル(アレッポ県):シリア側のバーブ・サラーマ国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

ジャラーブルス・カルカムシュ国境通行所(アレッポ県):シリア側のジャラーブルス国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

アイン・アラブ・ミュルシトプナル国境通行所(アレッポ県):シリア側のアイン・アラブ国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

タッル・アブヤド・アクチャカレ国境通行所(ラッカ県):シリア側のタッル・アブヤド国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

ラアス・アイン・ジェイランプナル国境通行所(ハサカ県):シリア側のラアス・アイン国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

カーミシュリー・ヌサイビン国境通行所(ハサカ県):シリア側のカーミシュリー国境通行所はシリア政府が管理し、国連の人道支援物資を搬入するために使用。

アイン・ディーワール・ジズレ国境通行所(ハサカ県):シリア側のアイン・ディーワール国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

4. イスラエル占領下のゴラン高原

クナイトラ通行所:2014年8月にシャームの民のヌスラ戦線が制圧。

5. 対レバノン国境

ジュダイダト・ヤーブース・マスナア国境通行所(ダマスカス郊外県):シリア政府が管理。

ジュースィーヤ・カーラ国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

タッルカラフ国境通行所(ヒムス県):反体制武装集団がタッルカラフ市一帯を制圧。

ジスル・カマール・ワーディー・ハーリド国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

ダブースィーヤ・ウブーディヤ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

タルトゥース・アリーダ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

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