東グータ統一軍事司令部の指揮権がイスラーム軍からアジュナード・シャーム・イスラーム連合へ移譲(2015年5月31日)

アジュナード・シャーム・イスラーム連合のワーイル・アルワーン報道官は、トルコ領内でイナブ・バラディー(5月31日付)のインタビューに応じ、そのなかで、東グータ統一軍事司令部の司令官職がイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官からアジュナード・シャーム・イスラーム連合のアブー・ムハンマド・ファーティフ司令官に移譲されたことを明らかにした。image003

**

しかし、アジュナード・シャーム・イスラーム連合のワーイル・アルワーン報道官は、アラビー・ジャディード(6月2日付)に対し、東グータ統一軍事司令部の司令官職がイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官からアジュナード・シャーム・イスラーム連合のアブー・ムハンマド・ファーティフ司令官に移譲されたとイナブ・バラディー(5月31日付)の報道を否定した。

‘Inab Baladi, May 31, 2015、al-‘Arabi al-Jadid, June 2, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

エジプト・サウジ外相会談:対シリア政策をめぐって温度差(2015年5月31日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣はカイロを訪問し、エジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣と会談し、シリア情勢への対応などについて意見を交わした。

会談後の共同記者会見で、ジュバイル外務大臣は「シリアの支配において、正統性を失ったアサドが果たしている役割を終わらせたいと思ってきた。同時に、アサド後に…シリアに安定と平和をもたらしたいと願っている」と述べた。

一方、シュクリー外務大臣は「この点に関して両国の政策は相補的なものであり、完全に視座を一致させる必要はない」と述べ、サウジアラビアと一線を画した。

また、シリア情勢をめぐるロシアとの関係については、「ロシアの当事者とともに、シリア政府に政治プロセスに関与し、反体制派と建設的な対話が行われる余地が開かれるのを促すために行動し、こうした対話をエジプト、サウジアラビア、そしてロシアが後押しする」と述べた。

ARA News(6月1日付)が伝えた。

AFP, June 1, 2015、AP, June 1, 2015、ARA News, June 1, 2015、Champress, June 1, 2015、al-Hayat, June 2, 2015、Iraqi News, June 1, 2015、Kull-na Shuraka’, June 1, 2015、al-Mada Press, June 1, 2015、Naharnet, June 1, 2015、NNA, June 1, 2015、Reuters, June 1, 2015、SANA, June 1, 2015、UPI, June 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌールッディーン・ザンキー運動、「命じられるがまま進め」連合が、YPGと共闘するユーフラテスの火山合同作戦司令室に合流(2015年5月31日)

ARA News(5月31日付)によると、アレッポ市一帯で活動していたヌールッディーン・ザンキー運動、「命じられるがまま進め」連合が、武器を携帯したままトルコからアレッポ県アイン・アラブ市に入り、同地で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室に加入した。

両組織は、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と、アル=カーイダ系組織などからなる「ラッビーカ・ウフターフ」作戦司令室の対立解消に向けて仲介を行っていた。

AFP, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表、英外相は、シリア軍と有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)への攻撃について言及せず、アサド政権による「樽爆弾」での「無差別」爆撃のみを批判(2015年5月31日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は声明を出し、シリア軍が30日にアレッポ市シャッアール地区で行った空爆に関して、「国際社会においてもっとも厳しく非難するに値する」、「シリア空軍が自国領内で無差別攻撃を行い、住民を殺すことは決して受け入れられない」と非難、「樽爆弾の使用を停止せねばならない」と警鐘を鳴らした。

**

英国のフィリップ・ハモンド外務大臣は、アレッポ県各所でのシリア軍による空爆に関して「アサド政権が、無差別且つ恐るべき方法を駆使して子供を含む無垢の市民を殺傷していることをこれまで以上にショッキングなかたちで示す証拠」と非難するとともに、アサド大統領を排除したかたちでの政治的移行を改めて要求した。

**

なお、シリア人権監視団は、シリア軍によるアレッポ県、ハサカ県、イドリブ県などでの「樽爆弾」などによる空爆により、過去24時間で184人が死亡したと発表しているが、その詳細についてはhttps://syriaarabspring.info/wp/?p=19909https://syriaarabspring.info/wp/?p=19911の通り。

AFP, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダン国境警備隊は越境を試みた車4台を撃破し、武器、麻薬を押収(2015年5月31日)

ヨルダン軍総司令部は声明を出し、シリア領からヨルダン領内に潜入しようとした車2台と、ヨルダン領からシリア領に向かって走行していた車2台の合わせて4台をヨルダン国境警備隊が撃破し、積まれていた大量の武器と麻薬を押収したと発表した。

AFP(5月31日付)が伝えた。


AFP, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がハサカ県シャッダーディー市に激しい爆撃を行いダーイシュ(イスラーム国)戦闘員43人を殺害(2015年5月31日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つシャッダーディー市をシリア軍が空爆し、少なくとも65人が死亡した。

このうち22人が民間人、のこる43人がダーイシュ戦闘員だという。

ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ブラーク町一帯のシリア軍拠点を攻撃、シリア軍、国防隊に死傷者が出た。

また、ラアス・アイン市南西部郊外では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、有志連合が同地一帯を空爆した。

さらに、ハサカ市一帯では、シリア軍、国防隊がダーイシュと交戦した。

このほか、SANA(5月31日付)によると、カーミシュリー市内のマイサルーン診察所の燃料庫ば爆発・出火し、子供複数を含む25人が死亡、多数が負傷した。

火災の原因は不明。

一方、ARA News(5月31日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、ラアス・アイン市郊外でダーイシュ(イスラーム国)の爆弾庫を制圧、大量の爆発物を押収した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市に、シリア軍が前日に引き続き激しい空爆を行い、3人が死亡、24人が負傷した。

一方、ダーイシュは、反体制武装集団との交戦の末、スーラーン・アアザーズ町、バッル村、ハスィーヤ村を制圧し、バーブ・サラーマ国境通行所に向けて進軍を続けた。

2日にわたったこの戦闘でダーイシュ戦闘員22人、反体制武装集団戦闘員31人が死亡したという。

またクッルナー・シュラカー(5月31日付)によると、ダーイシュはスーラーン・アアザーズ町制圧後、同地で反体制武装集団戦闘員12人をただちに処刑したという。

このほか、SANA(5月31日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるハトラ村をシリア軍が「樽爆弾」で空爆、またダイル・ザウル市ハウィーカ地区でシリア軍とダーイシュが交戦した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ジャフラ村、ハトラ村、ダイル・ザウル航空基地東部、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との戦闘の末、タドムル市南部のブサイラ市を制圧した。

これに対し、シリア軍は、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されたタドムル航空基地などタドムル市内各所、アーミリーヤ村一帯、ザアフラーナ村、シャーイル・ガス採掘所一帯などを「樽爆弾」で空爆した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市西部郊外で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、西ジュクール村、東ジュクール村、フッリーヤ村、マッラ・スィッル村など8カ村を制圧した。

**

スワイダー県では、SANA(5月31日付)によると、ラジャム・ダウラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月31日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が県西部で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団の拠点への攻撃を再開した。

**

米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の30日8時から31日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回におよび、ハサカ市近郊、アイン・アラブ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍によるイドリブ県、アレッポ県などへの爆撃は「樽爆弾による無差別爆撃」か「正確かつ集中的な爆撃」か?(2015年5月31日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山一帯、バルユーン村、ジューズィフ村、アブー・ズフール航空基地周辺、サラーキブ市、ジスル・シュグール市郊外をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、女性、子供を含む19人が死亡した。

またアブー・ズフール航空基地一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ムサイビーン村一帯、アリーハー市一帯、ハッルーズ一帯、クマイナース村、カフルラーター村、マアッルバリート村、マストゥーマ村、アイン・スーダ村、ナリラヤー村、バシーリーヤ村、カルア・ガザール村、マジャース村南部、アブー・ズフール航空基地周辺、ナリラヤー村・カフルナジュド村回廊、ムウタリム村、ファンナール村、サラーキブ市周辺、ハリージャーン村、イブリーン村のシャームの民のヌスラ戦線の拠点などに対して、シリア軍が「正確且つ集中的な空爆」を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市ファルドゥース地区、シャッアール地区をシリア軍が空爆し、子供2人と女性1人を含む6人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団もシリア政府支配下のアレッポ市各所を砲撃し、SANA(5月31日付)によると、アアザミーヤ地区で8人が死亡、またシリア人権監視団によると、県庁周辺の各所で4人が死亡した。

一方、SANA(5月31日付)によると、アレッポ市ザフラー協会地区、サーリヒーン地区、サラーフッディーン地区、ハナーヌー地区、フィルドゥース地区、バーブ・ナスル地区、シャッアール地区、マアーディー地区、シャイフ・ルトフィー村、マーリア市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村、ハーン・シャイフーン・キャンプ一帯、ダーライヤー市、カラムーン地方無人地帯を「樽爆弾」で空爆した。

シリア軍はまた、ハジャル・アスワド市を「樽爆弾」で空爆し、4人が死亡した

さらにフライタ村郊外無人地帯では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またバーラー村一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、アナトリア通信(5月31日付)は、ダマスカス郊外県やダマスカス県ジャウバル区を中心に活動するラフマーン軍団が軍事教練プログラムを実施、500人の戦闘員が教練を修了したと伝えた。

他方、SANA(5月31日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、アーリヤ農場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガントゥー市を「樽爆弾」で空爆した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサイダー町、アルマー町、ハッラーブ・シャフム村、ヤードゥーダ村、ジーザ町・マターイヤ村間の街道を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ダルアー市カラク地区、バジャービジャ地区など、ナイーマ、アトマーン村、マハッジャ町、タッル・クライン東部、フラークで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県内各所をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ハミーディーヤ村、西サムダーニーヤ村、ラスム・シャワーリー村、ナブア・サフル村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・アフマル村一帯でシリア軍、国防隊とジハード主義武装集団が交戦した。

AFP, May 31, 2015、Anadolu Ajansı, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGはシリア国民連合の声明が「ダーイシュ(イスラーム国)に利する」と非難(2015年5月31日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立による30日の声明が「我々の戦果をゆがめ、世論をだまそうとする嫌疑、嘘」と批判、「ダーイシュ(イスラーム国)に利する」行為と批判した。

シリア革命反体制勢力国民連立は30日に声明を出し、民主統一党が、ハサカ県などで民間人に対して攻撃を繰り返していると指摘し、トルコ政府によるPKK批判の論調に追随するかたちで、「民主統一党のテロ行為は、混乱をもたらそうとするアサド政権の計画に合致するものだ」と批判していた。

AFP, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.