米国務省副報道官、トルコ外相:「穏健な反体制派」への軍事教練はまもなく開始される」(2015年5月2日)

米国務省のジェフ・ラトキー副報道官(代行)は、「穏健な反体制派」への軍事教練に関して、「米国のプログラムの一環として、まもなく開始される」と述べた。

一方、国防総省のエリサ・スミス報道官は、「穏健な反体制派」の軍事教練のために米国人教官123人がトルコに派遣されたとの一部報道を否定した。

スミス報道官は「有志連合の職員多数が実際にトルコ領内におり、シリア人義勇兵の到着に備えて複数の教練所に配備されている。米国人職員は、さまざまな国籍の監督官からなるチームの一部をなすことになるが、米国人教官123が先週、トルコに入ったとのレポートは根拠がない誤報だ」と述べた。

『ハヤート』(5月3日付)が伝えた。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は『サバフ』(5月2日付)に、米軍による「穏健な反体制派」への軍事教練が5月9日に開始されることを明らかにした。

チャヴシュオール外務大臣によると、軍事教練は1回につき300人の戦闘員を対象とし、2015年末までに約2,000人が軍事教練を受けるという。

AFP, May 2, 2015、AP, May 2, 2015、ARA News, May 2, 2015、Champress, May 2, 2015、al-Hayat, May 3, 2015、Iraqi News, May 2, 2015、Kull-na Shuraka’, May 2, 2015、al-Mada Press, May 2, 2015、Naharnet, May 2, 2015、NNA, May 2, 2015、Reuters, May 2, 2015、Sabah, May 2, 2015、SANA, May 2, 2015、UPI, May 2, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)への爆撃を続ける米国など有志連合が、アレッポ県スィッリーン町で民間人を誤爆、52人が死亡(2015年5月2日)

シリア人権監視団は、アレッポ県スッリーン町一帯に対する米国など有志連合の空爆によって、子供7人を含む52人(6世帯)が巻き添えとなって殺害され、13人が行方不明だと発表した。

有志連合は、アイン・アラブ市一帯でダーイシュ(イスラーム国)掃討を続け、ユーフラテス川東岸に位置するスィッリーン町制圧に向けて攻勢をかけていた西クルディスタン移行期民政局人民防衛防衛隊を援護するかたちで、空爆を行っていた。

これに関して、有志連合合同司令部は声明を出し、5月1~2日に、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

うちシリア領内では、ハサカ市郊外、ダイル・ザウル県、アイン・アラブ市一帯で11回空爆を行ったという。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がムハイミーダ村でナウワーフ・バシール氏の財産を没収した。

バシール氏はシリア革命反体制勢力国民連立メンバーでバッカーラ族の族長としてトルコで反体制活動を続けている。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区を空爆、またハウィーカ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(5月2日付)によると、ダイル・ザウル市旧空港地区、ハトラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル町北西部のマナージール村近郊で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また有志連合は人民防衛隊を援護するかたちで同地一帯を空爆した。

この戦闘で人民防衛隊側に12人、ダーイシュに35人の死者が出ているという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、SANA(5月2日付)によると、アブー・ハワーディード村、マスアダ村、スルターニーヤ村、ラジャム・アーリー村、東サラーム村、ラッフーム村、シャーイル・ガス採掘所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ報道官(駐トルコ)がクッルナー・シュラカー(5月3日付)に、イスラーム軍と自由シリア軍が東カラムーン地方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員45人を殲滅したと主張した。

AFP, May 2, 2015、AP, May 2, 2015、ARA News, May 2, 2015、Champress, May 2, 2015、al-Hayat, May 3, 2015、Iraqi News, May 2, 2015、Kull-na Shuraka’, May 2, 2015、May 3, 2015、al-Mada Press, May 2, 2015、Naharnet, May 2, 2015、NNA, May 2, 2015、Reuters, May 2, 2015、SANA, May 2, 2015、UPI, May 2, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市シャイム・マクスード地区で、ジハード主義武装集団と自由シリア軍がYPGとの対決色を強める(2015年5月2日)

『ハヤート』(5月3日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、民主統一党や西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の「悪事」を阻止するとして、アル=カーイダ系組織を含むジハード主義武装集団と自由シリア軍15組織が「ラッビーカ・ウフターフ」作戦司令室を結成した。

作戦司令室を結成したのは、スルターンたちの末裔、アブー・アマーラ特殊任務中隊、シャーム自由人イスラーム運動、サフワ大隊、第1連隊、シャームの民のヌスラ戦線、ヌールッディーン・ザンキー大隊、第16師団、シャームの暁イスラーム運動、シャーム戦線、シャーム革命家、シャーム軍団、イスラーム軍など。

 

「ラッビーカ・ウフターフ」作戦司令室は、人民防衛隊の隊員が避難民の女性に暴行を加えたと主張、人民防衛隊側に容疑者の身柄引き渡しなどを求めた。

Kull-na Shuraka', May 2, 2015
Kull-na Shuraka’, May 2, 2015

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また、シリア自由人旅団も声明を出し、「クルド人部隊」(西クルディスタン移行期民政局人民防衛防衛隊)に対して、シャイフ・マクスード地区で「悪事」をはたらくクルド人の身柄を引き渡すよう要求した。

AFP, May 2, 2015、AP, May 2, 2015、ARA News, May 2, 2015、Champress, May 2, 2015、al-Hayat, May 3, 2015、Iraqi News, May 2, 2015、Kull-na Shuraka’, May 2, 2015、al-Mada Press, May 2, 2015、Naharnet, May 2, 2015、NNA, May 2, 2015、Reuters, May 2, 2015、SANA, May 2, 2015、UPI, May 2, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県サラーキブ市、ナイラブ村で塩素ガスを装填した「樽爆弾」を使用か(2015年5月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団が発表したところによると、シリア軍が有毒ガスを装填したと思われる「樽爆弾」2発をサラーキブ市に投下し、40人以上が呼吸困難などの症状を訴えた。

同監視団は、複数の医療筋の話として、装填された有毒ガスは塩素ガスだと思われると付言している。

またサラーキブ市に隣接するナイラブ村でもシリア軍は、有毒ガスを装填したと思われる「樽爆弾」を投下、イドリブ市、クーリーン?、ザーウィヤ山の村々にも「樽爆弾」を投下した。

これに対して、ファトフ軍作戦司令室の戦闘員は、アルバイーン山に近いマアッルディブサ村の検問所をシリア軍が制圧したのに対抗し、アルバイーン山一帯を砲撃した。

マアッルディブサ村検問所一帯での戦闘では、ファトフ軍作戦司令室の主力をなすシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員多数が死亡、シリア軍側も兵士2人が死亡したという。

一方、ジスル・シュグール市内の国立病院で籠城を続けるシリア軍、国防隊は、前日のヌスラ戦線による自爆攻撃などで数十人の兵士が死亡したが、その後の戦闘でヌスラ戦線戦闘員14人を殺害した。

このほか、シリア軍は、シリア政府の支配下にあるフーア市、カファルヤー町に食糧を投下した。

他方、SANA(5月2日付)によると、シリア軍がクファイル村、ジスル・シュグール市内砂糖工場一帯を夜間空爆し、ファトフ軍作戦司令室の拠点を破壊、戦闘員数十人を殲滅した。

シリア軍はまた、イシュタブリク村、サルマーニーヤ村、ガーニヤ村、マアッルザーフ町、イフスィム町、マアッルバリート村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー協会地区、バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区、ライラムーン地区、イザーア地区、サラーフッディーン地区で、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員が、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

またジハード主義武装集団がアレッポ市アシュラフィーヤ市(シリア政府支配下)に砲撃を加え、住民4人が死亡、多数が負傷した。

ジハード主義武装集団はアレッポ市ジュマイリーヤ地区、マイダーン地区、ナイル通り地区、ザフラー協会地区、マイダーン地区にも砲撃を加え、対するシリア軍も、アレッポ市シャイフ・サイード地区、フライターン市近郊の英国人墓地などを「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(5月2日付)によると、アレッポ市カーディー・アスカル地区、シャイフ・サイード地区、ラーシディーン地区、ハナーヌー地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、旧市街、ライラムーン地区、サーリヒーヤ地区、スッカリー地区、シュカイフ地区、カルム・マイサル地区、サラーフッディーン地区、サーフール地区、インザーラート地区、マルジャ地区、ブライジュ地区、シャイフ・ルトフィー村、アナダーン市、ハイヤーン町、ダーラト・イッザ市、ハーン・アサル村、フライターン市、カフルハムラ村、航空士官学校一帯、アターリブ市、カブターン・ジャバル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のタッル・ワースィト村一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と砲撃戦を行った。

タッル・ワースィト村一帯での戦闘は、シリア軍がタッル・ワースィト村の大部分およびズィヤーラ村を制圧したことを受けた動きで、シリア軍は同地に空爆も行ったという。

なおこの戦闘で、ジハード主義武装集団戦闘員5人が死亡する一方、シリア軍側で戦闘に参加していたヒズブッラー戦闘員6人も死亡したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ダーライヤー市をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(5月2日付)によると、サアサア町一帯、ハズラジーヤ農場、アイン・ブスターン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(5月2日付)によると、シリア軍がナビー・ユーヌス峰山頂一帯で反体制武装集団に対する一連の特殊作戦を実行し、同地における支配地域を拡大した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月2日付)によると、反体制武装集団はナビー・ユーヌス峰山頂近くの村でシリア軍が使用する無人偵察機(ドローン)を撃墜した。

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ダルアー県では、SANA(5月2日付)によると、ダルアー市カラク地区、アルバイーン地区、ダーイヤト・ヤルムーク南西部、ダム街道一帯、アトマーン村一帯、シャイフ・マスキーン町、ズィムリーン村、ハーッラ丘、ハマド丘、バイアート村(ラジャート高地)で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(5月2日付)によると、ラスム・シューリー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月2日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 2, 2015、AP, May 2, 2015、ARA News, May 2, 2015、Champress, May 2, 2015、al-Hayat, May 3, 2015、Iraqi News, May 2, 2015、Kull-na Shuraka’, May 2, 2015、al-Mada Press, May 2, 2015、Naharnet, May 2, 2015、NNA, May 2, 2015、Reuters, May 2, 2015、SANA, May 2, 2015、UPI, May 2, 2015などをもとに作成。

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ヒズブッラーはカラムーン地方でのヌスラ戦線との戦闘が決着するまでレバノン内政に対処しないことを決定(2015年5月2日)

ジャディード・チャンネル(5月2日付)は、信頼できる消息筋の話として、ヒズブッラーがシリア国内(ダマスカス郊外県カラムーン地方)でのシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団との戦いが決着するまで、レバノン内政に対処しない方針をとり、シリア軍とともに同地での戦闘終息に向けた準備を行っていると伝えた。

AFP, May 2, 2015、AP, May 2, 2015、ARA News, May 2, 2015、Champress, May 2, 2015、al-Hayat, May 3, 2015、Iraqi News, May 2, 2015、al-Jadid TV, May 2, 2015、Kull-na Shuraka’, May 2, 2015、al-Mada Press, May 2, 2015、Naharnet, May 2, 2015、NNA, May 2, 2015、Reuters, May 2, 2015、SANA, May 2, 2015、UPI, May 2, 2015などをもとに作成。

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オバマ米大統領はトルコやアラブ湾岸諸国によるシリアへの軍事攻勢に関する提案に理解を示す(2015年5月2日)

『ハヤート』(5月2日付)は、複数の西側外交筋の話として、バラク・オバマ米大統領が、トルコやアラブ湾岸諸国によるシリアへの軍事攻勢に関する提案に理解を示す一方、アサド政権崩壊後の軍事的・政治的計画を示すよう求めた、と伝えた。

同消息筋によると、オバマ大統領は、トルコやアラブ湾岸諸国から、「緩衝地帯」、あるいは「米国防総省との協力のもとに教練がなされている「穏健な反体制派」を援護するための制空活動の拡充などについての提案について聴取、これに理解を示したという。

オバマ大統領はまた、アサド政権後の政治的な移行計画を政治、軍事の両面で示すよう求めているという。

同消息筋によると、米国は、アサド政権の打倒と「シリアの国家機関の維持、マイノリティの権利保障、リビアのような民兵どうしの戦闘を阻止するような政治的解決」が両立するような計画が提示された場合、トルコやアラブ湾岸諸国によるシリアへの軍事攻勢を支持するものと見られる。

AFP, May 1, 2015、AP, May 1, 2015、ARA News, May 1, 2015、Champress, May 1, 2015、al-Hayat, May 2, 2015、Iraqi News, May 1, 2015、Kull-na Shuraka’, May 1, 2015、al-Mada Press, May 1, 2015、Naharnet, May 1, 2015、NNA, May 1, 2015、Reuters, May 1, 2015、SANA, May 1, 2015、UPI, May 1, 2015などをもとに作成。

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