シリア軍は新型コロナウイルス感染予防策として、4月22日まですべての物流・兵站を停止することを決定(2020年3月20日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、新型コロナウイルス感染予防策として、4月22日までの約1ヶ月間、すべての物流・兵站を停止することを決定したと発表した。

また、物流・兵站にかかる延滞への一切の法的措置についても停止することを合わせて決定した。

SANA(3月20日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下のアレッポ県、ラッカ県、ハサカ県各所でノウルーズがひっそりと祝われる(2020年3月20日)

ANHA(3月20日付)は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市郊外、タッル・リフアト市、マンビジュ市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、ラッカ県アイン・イーサー市、ハサカ県のハサカ市、タッル・ハミース市でノウルーズがひっそりと祝われたと伝えた。

**

一方、アレッポ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市で大きな爆発が発生した。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領とロシアのプーチン大統領が電話会談でシリア情勢の進捗について意見を交わす(2020年3月20日)

アサド大統領はロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢の進捗について意見を交わした。

SANA(3月20日付)によると、会談では、3月5日のロシア・トルコ首脳会談での停戦合意が発効して以降も「テロ組織」による停戦違反が続いている現状のほか、政治プロセスについても話が及んだ。

プーチン大統領は会談で、アサド大統領とシリア国民に対して預言者昇天祭の祝辞を伝えるとともに、シリアが現下の困難を克服し、一刻も早く治安と安定を回復することを願うと述べたという。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハビーブ元国防大臣(81歳)が死去(2020年3月20日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、アリー・ハビーブ元国防大臣(81歳)がダマスカス県のアサド大学病院で死去したと発表、弔意を示した。

ハビーブ元国防大臣はタルトゥース県サーフィーター市近郊のマンダラ村出身。

1962年に軍事アカデミーを卒業、1986年に少将に昇進、1990年から1991年の湾岸戦争ではシリア軍司令官として多国籍軍に参加、1994年には特殊部隊司令官に就任、その後、2004年から2009年まで参謀総長を、2009年から2011年まで国防大臣を務めた。


AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がM4高速道路を単独パトロールするなか、ロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する者たちがトルコ軍によって撤去された土嚢を再び積み上げる(2020年3月20日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから15日目となる3月20日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

シリア人権監視団によると、シリア軍がイドリブ県のファッティーラ村を砲撃、反体制武装集団もイドリブ県とラタキア県のシリア軍拠点を散発的に砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のタルナバ村、ムサイビーン村間で単独でのパトロールを実施した。

一方、ナイラブ村近郊の沿線では、トルコ軍によって撤去されていた土嚢がロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する者たちによって再び積まれ、通行が阻止された。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民42人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,655人に(2020年3月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月20日付)を公開し、3月19日に難民42人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは42人(うち女性13人、子供22人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,655人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,407人(うち女性55,120人、子ども93,326人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,716,330人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,935人(うち女性242,396人、子供411,817人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局は3月23日午前6時から追って通知があるまでの期間、支配地全域での住民の外出を禁止すると発表(2020年3月19日)

北・東シリア自治局執行評議会共同議長府は、新型コロナウイルス感染防止策として、3月23日午前6時から追って通知があるまでの期間、支配地全域での住民の外出を禁止し、病院、医療センター、薬局、食糧品店、国際機関事務所、赤新月社事務所を除くすべての施設を閉鎖、食品、燃料以外の輸送を禁止とすることを決定した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ポンペオ米国務長官「ロシアはイドリブ県での軍事作戦でトルコ軍兵士数十人を殺害した」(2020年3月19日)

マイク・ポンペオ米国務長官はワシントンDCの国務省での記者会見で「我々は、ロシアがイドリブ県での軍事作戦でトルコ軍兵士数十人を殺害したと信じている」と述べた。

ポンペオ国務長官はまた「イドリブ県でのアサド政権とその同盟者の攻撃は民間人、インフラに及び、100万人近くが家を追われている」と付言した。

スプートニク・ニュース(3月19日付)によると、ロシア外務省筋はただちに反論、「(新型コロナウイルス)感染症が世界的に蔓延しているなか、米国高官は嘘の情報を繰り返しロシアを貶めようとするプロパガンダを続けている」と非難した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、Sputnik News, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はイドリブ県のM4高速道路でシャーム解放機構が「見守る」なか、14の監視ポストを設置(2020年3月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によるとトルコ軍が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が「見守る」なか、M4高速道路のナイラブ村とブサンクール村を結ぶ区間の沿線の14カ所に監視ポストを設置した。

また、装甲車10輌からなるトルコ軍部隊が、タルナバ村からムハムバル村を結ぶ区間でパトロールを実施した。

監視ポストの設置とパトロール活動は、シャーム解放機構がM4高速道路沿線での警備を続けるなかで実施された。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約90輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリアに新たに進入させるとともに、M4高速道路沿線のブサンクール村近郊に新たな拠点を設置した。

**

また、アレッポ県でも、トルコ軍はジーナ村近郊に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は以下44カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所(アスタナ会議での合意に基づき設置)

  • イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
  • アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
  • ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
  • ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

  • イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村
  • アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
  • ハマー県:ムガイル村

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リビア国内での戦闘で、トルコが派遣したシリア国民軍の死者は129人を記録、トルコはシリア国民軍戦闘員の増加を受けその給与を削減(2020年3月19日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加するためにトルコが派遣したシリア人戦闘員(国民軍)の死者数が129人を記録していると発表した。

129人は、国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザ師団、スライマーン・シャー師団のメンバーで、リビアの首都トリポリ市南部のサラーフッディーン地区、トリポリ国際空港近郊のラムラ地区一帯、ハドバ開発計画地区、ミスラータ市一帯などで、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と交戦中に死亡したと見られる。

また、トルコは、リビアに派遣した国民軍戦闘員の数が6,000人を超えたことに対処するため、給与削減に踏み切ったという。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は4,750人に達し、約1,900人が派遣に向けて、トルコ占領下のアレッポ県北部(「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局はノウルーズの公式行事の中止を発表(2020年3月19日)

北・東シリア自治局は、ビーリーファーン・ハーリド、アブドゥルハーミド・マフバーシュ執行評議会共同議長の名で告知第14号を発出し、新型コロナウイルスの感染を予防するため、支配地域内で3月21日のノウルーズ(クルド人の正月、春分)に合わせて予定されていたすべての公式行事を中止すると発表した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍はアレッポ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2020年3月19日)

アレッポ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村および近郊の森林地帯、アキーバ村、シャイフ・ヒラール村、カフル・ナーヤー村、マンナグ村、ハルバル村を砲撃した。

また、トルコ占領下(「ユーフラテスの盾」地域)のアアザーズ市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、多数が死傷した。

シリア人権監視団によると、この爆発で少なくとも1人が死亡したという。

**

ラッカ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、ハーリディーヤ村を砲撃した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの外務在外居住者省は国際社会に新型コロナウイルス感染防止に悪影響を与える欧米諸国の制裁を解除させるよう呼びかける(2020年3月19日)

シリアの外務在外居住者省の公式筋は声明を出し、近隣諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、国際社会に対して、シリアに対する違法な強制措置を解除するために行動するよう呼びかけた。

声明は、米国や西欧諸国が、新型コロナウィスルの感染拡大の脅威に直面する一部の国々に対して一方的で違法な強制措置を科し、人権を侵害していると非難した。

そして、シリアでは、こうした強制措置、そしてテロリストの攻撃が、市民の声明、医療セクターに悪影響を与えているとしたうえで、国際社会に対して、国際法、人道の精神に基づき、欧米諸国に制裁を解除させるよう呼びかけた。

SANA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でトルコ軍が反体制派の攻撃を受け、兵士2人死亡、1人負傷(2020年3月19日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反が確認されなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

停戦違反が確認されなかったのは、2017年5月のアスタナ4会議に基づき、緊張緩和地帯が設置されて以降初めて。

また、英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから14日目となる3月19日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃は確認されなかったが、若干の戦闘と攻撃が発生した。

**

トルコ国防省はツイッターのアカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)などを通じて声明を出し、イドリブ県に駐留するトルコ軍部隊が「一部過激派集団」のロケット弾攻撃を受け、兵士2人が死亡、1人が負傷したと発表した。

攻撃を受けたトルコ軍部隊はただちにロケット弾が発射された地域を砲撃したという。

また、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのオレグ・ジュラフロフ副センター長(海軍少将)も声明を出し、M4高速道路で偵察任務に当たっていたトルコ軍部隊が3月19日に、トルコに従わないテロ組織の一つの戦闘員から攻撃を受け、兵士2人が戦闘で死亡した、と発表した。

シリア人権監視団によると、狙われたのはトルコ軍の車列で、ムハムバル村近郊を走行中、即席爆弾によると思われる爆発が2度にわたり発生したという。

トルコ軍が襲撃を受けたのを受け、「決戦」作戦司令室を主導する国民解放戦線とシャーム解放機構の車列が現場に向かい、またトルコ軍部隊も現場一帯で爆発物の撤去作業を行ったという。

シリア人権監視団によると、トルコ軍の車列を狙ったのは新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構だと思われる。

**

イドリブ県では、SANA(3月19日付)が、トルコの支援を受ける「テロ組織」が、停戦合意に違反し、ハザーリーン村一帯のシリア軍拠点を攻撃したと報じた。

また、シリア人権監視団は、シリア軍がナージヤ村を砲撃、トルコ軍が応戦したと発表した。

一方、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室は声明を出し、ザーウィヤ山地方のファッティーラ村一帯にあるシリア軍拠点を攻撃し、シリア軍と親政権民兵15人以上を殺傷したと発表した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民92人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,613人に(2020年3月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月19日付)を公開し、3月18日に難民92人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは92人(うち女性28人、子供47人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,613人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,365人(うち女性55,107人、子ども93,304人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,716,330人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,893人(うち女性242,383人、子供411,795人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドイツのメルケル首相はイドリブ県への人道支援のために1億2500万ユーロを供与すると発表(2020年3月18日)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、首都ベルリンでの記者会見で、17日の英米仏トルコの首脳による非公開テレビ会談に関して「きわめて有益だった。我々はイドリブ県の人道状況をどう支援するかを取り上げた」としたうえで、「この地域に1億2500万ユーロを供与する」表明した。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アイン・アラブ(コバネ)市にある唯一のキリスト教福音派教会が新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため一時閉鎖を決定(2020年3月18日)

アレッポ県では、ANHA(3月18日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市にある唯一のキリスト教福音派の友愛教会が、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、一時閉鎖を決定した。

決定は、北・東シリア自治局が、学校での授業、モスクでの集団礼拝の中止に踏み切ったことを受けたもの。

ANHA(3月18日付)が伝えた。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける国民軍報道官はイドリブ県に駐留するトルコ軍に新型コロナウイルスの感染が拡がっているとの情報を否定(2020年3月18日)

トルコの支援を受ける国民軍のユースフ・ハンムード少佐(参謀委員会報道官)はツイッターのアカウント(https://twitter.com/Yusuf1975hamoud/)を通じて、イドリブ県に駐留しているトルコ軍兵士の間で新型コロナウイルスの感染が拡がっているとの情報を否定した。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県でシリア軍と元反体制武装集団が交戦、住民8人が巻き添えとなって死亡(2020年3月18日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジッリーン村の検問所近くで、シリア政府との和解に応じていた元反体制武装集団の司令官3人に発砲した。

発砲の原因は不明だが、シリア軍と元反体制武装集団は撃ち合いとなり、シリア軍の兵士3人が死亡した。

元反体制武装集団の激しい反撃により撤退を余儀なくされたシリア軍部隊は、イズラア市近郊の兵舎、フドル丘、ダルアー市国立競技場から、ジッリーン村やタスィール町を砲撃した。

ジッリーン村では、砲撃の巻き添えとなった子ども2人を含む8人が死亡した。

一方、武装集団は、ナワー市にある政治治安部、軍事情報局の拠点を含むシリア軍拠点複数カ所を襲撃した。

武装集団は、2018年半ばにシリア政府との和解に応じた元反体制派。


AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でトルコの支援を受けるシャーム自由人イスラーム運動司令官が爆殺される(2020年3月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)を主導するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の司令官が乗った車が、ジスル・シュグール市近郊のアイン・バーリダ村で爆破され、司令官が死亡した。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局支配地域とイラク西部を結ぶスィーマルカー国境通行所が豪雨で利用不能に(2020年3月18日)

ハサカ県では、ANHA(3月18日付)によると、北・東シリア自治局支配地域とイラク西部を結ぶティグリス川河畔のスィーマルカー国境通行所が、豪雨により利用不能となった。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルス感染防止策としてシリア政府が設置した隔離施設の不衛生さに抗議の声(2020年3月18日)

SANA(3月18日付)のサフィーラ・イスマーイール特派員が、新型コロナウイルス感染防止策として、ダマスカス郊外県のドゥワイル地区(首都ダマスカス県南のムカイラビーヤ市近郊)に設置された隔離施設を訪問取材した。

隔離施設には、新型コロナウイルスの感染者が確認されている諸外国から帰国したシリア人が収容されている。

イスマーイール特派員によると、施設に収容されている市民の間から、医療サービス、予防策、暖房設備に対する苦情が寄せられているという。

予防策に関しては、施設内での移動制限を強化するよう要望が出ているという。

**

なお、インターネット上では、Snack Syrians(3月18日付)など政府支配地域発信のサイトが、隔離施設の写真をアップし、不衛生さを指摘していた。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、Snack Syrians, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア民主軍が砲撃戦、トルコ占領下のアフリーン市などで多数死傷(2020年3月18日)

アレッポ県では、ANHA(3月18日付)、SANA(3月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、アルカミーヤ村、タッル・アッジャール村、カフル・アントワーン村、タート・マラーシュ村、イッビーン村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

これに対して、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ占領下のアフリーン市を砲撃し、子ども2人、自由警察隊員1人が死亡した。

また、トルコ占領下のアフリーン市では、市の中心街で複数回の爆発が発生し、5人が死亡、多数が負傷した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市北のヒルバト・カラム村に設置されているトルコ軍およびその支援を受ける国民軍の拠点に潜入、国民軍の戦闘員2人を殺害した。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がシャーム解放機構が設置した土嚢を撤去し、M4高速道路を再開(2020年3月18日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから13日目となる3月18日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路沿線に重機などを派遣し、シャーム解放機構が設置した土嚢を撤去し、道路を再開した。

トルコ軍が土嚢を撤去した具体的な場所は不明だが、シャーム解放機構は17日までにナイラブ村とアリーハー市を結ぶ区間で、土嚢・堀を設置していた。

トルコ軍はこれとは別に、戦車や装甲車など約50輌からなる部隊を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させ、ラーム・ハムダーン村に新たな拠点を設置した。

**

ロシアの複数のメディアは、ハマー県北西部のシール・マガール村にあるトルコ軍監視所の航空写真を公開した。

この監視所はシリア軍の包囲を受けており、トルコ軍の補給物資は、ロシア軍が同地への往来の安全を確保して搬入されている。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアイン・イーサー市に戦車、装甲車など約150輌からなる増援部隊を派遣した。

一方、マアダーン町近郊では、武装集団がシリア軍の車輌を襲撃、兵士2人を殺害した。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民帰還が2日ぶりに再開、156人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,521人に(2020年3月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月18日付)を公開し、3月17日に難民156人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは156人(うち女性47人、子供80人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,521人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,273人(うち女性55,079人、子ども93,257人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,716,330人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,801人(うち女性242,355人、子供411,748人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 18, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

英仏独トルコが非公開首脳会談でイドリブ県の人道状況への対応などを協議(2020年3月17日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、英国のボリス・ジョンソン首相が非公開のビデオ会談を行った。

ビデオ会談では、新型コロナウイルス感染対策、シリア情勢(イドリブ県の人道状況)やリビア情勢への対応などについての意見が交わされた。

アナトリア通信(3月17日付)が伝えた。

AFP, March 17, 2020、Anadolu Ajansı, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「M4高速道路でのロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対するデモはロシアの攻撃への関与への抗議」(2020年3月17日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は16日晩、M4高速道路でのロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する住民の座り込みデモ(「尊厳の座り込み」)がシャーム解放機構によって組織されたものだとする主張に関して、「ロシアの主張を拒否する」と述べた。

ジェフリー特使は「1年近く前から、アサド政権はロシアとイランの支援を受けて、イドリブ県に対して無慈悲で無差別の軍事攻撃を行い、数千人の民間人を死傷させ、100万人が避難を余儀なくされた」としたうえで、「デモ参加者はロシアがイドリブ県に対する軍事攻撃に関与していることに対して抗議の意思を示したまでだ」と述べた。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍がハサカ県でロシア軍パトロール部隊の進行を再び妨害(2020年3月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍のパトロール部隊がハサカ市とカーミシュリー市を結ぶ街道(M4高速道路)を移動中のロシア軍パトロール部隊の進攻を妨害、ロシア軍部隊は進路の変更を余儀なくされた。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国民軍戦闘員が前日に続いて、トルコ軍からの給与未払いに抗議するデモ(2020年3月17日)

トルコ占領下の「平和の泉」地域(ラッカ県北部およびハサカ県北部)では、シリア人権監視団によると、国民軍がハサカ県のラアス・アイン市とタッル・アブヤド市で、トルコ軍による給与未払いに抗議するための座り込みデモを行った。

タイヤを燃やすなどして道路を封鎖した国民軍の戦闘員はまた、国境の開放、戦闘員の交代も合わせて要求した。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がラッカ県北部のシリア軍拠点を砲撃(2020年3月17日)

ラッカ県では、ANHA(3月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村、クーバルラク村、アフダクー村、フッリーヤ村、アリーダ村を砲撃した。

アリーダ村に対する砲撃では、シリア軍の拠点1カ所が狙われた。

**

アレッポ県では、ANHA(3月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.