フマイミーム航空基地のロシア軍戦闘機が米海軍哨戒機に対してスクランブル発進(2020年4月20日)

ロシア国防省は声明を出し、4月19日モスクワ時間午後3時頃(シリア時間午後4時頃)、ロシア軍のレーダー・システムがシリア領内のロシア軍施設に向かって地中海の公海上を飛行する飛行物体を捕捉、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県フマイミーム航空基地(バースィル・アサド国際空港)に配備されているロシア軍戦闘機がスクランブル発進した、と発表した。

飛行物体に接近したロシア軍戦闘機は、機体番号を特定し、米海軍に所属する偵察機であることを確認し、この戦闘機を追尾、進路を変更させて、帰還した。

タス通信(4月20日付)が伝えた。

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これに対して、米海軍第6艦隊は、ロシア軍戦闘機が日曜日(19日)、米海軍所属の航空機に対して「プロ意識を欠いた危険な」威嚇を受けたしたと発表した。

発表によると、ロシア軍のSu-35戦闘機2機が、地中海の公海上を飛行していたP-8A哨戒機に対して2時間にわたり威嚇を続けたという。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、TASS, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍がヒムス県タドムル市一帯をミサイル攻撃、シリア軍が迎撃(2020年4月20日)

SANA(4月20日付)によると、20日午後11時頃、シリア軍防空部隊が、ヒムス県タドムル市上空でイスラエル軍が発射したミサイルを迎撃、ほとんどのミサイルを撃破した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機は、タドムル市近郊の砂漠地帯に設置されている「イランの民兵」の拠点複数カ所を狙って、レバノン領空からミサイル攻撃を行い、レバノンのヒズブッラーを含む「イランの民兵」少なくとも6人とシリア人3人が死亡したという。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、April 21, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領は「イランの民兵」によるとされる爆撃を非難、「春の盾」作戦を再開すると警告(2020年4月20日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イドリブ県での「イランの民兵」による挑発が続けば、「春の盾」作戦を再開すると警告した。

「春の盾」は2月27日から3月5日にかけてにトルコ軍が行ったイドリブ県への侵攻作戦。

エルドアン大統領は「トルコは3月5日のロシアとの合意を今も遵守しているが、アサド政権の敵対行為を放置することはない」としたうえで、「我々はイドリブ県での停戦を朽ちさせようとする不正に満ちたグループを許すことはない」と述べ、「イランの民兵」によるとされる16日のハマー県アンカーウィー村などへの爆撃を非難した。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民軍はハサカ県の10カ村からヤズィード教徒を強制退去させ、略奪(2020年4月20日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域で、トルコの支援を受ける国民軍によってヤズィード教徒が強制退去を強いられ、その財産を奪われていると発表した。

同監視団によると、ムライキース村、ジャーン・タムル村、ラズカ村、シュクリーヤ村、ジャーファー村、ラダーラー村、クーア・カブル・シャイフ・フサイン村、マタッラ村、ビール・ヌーフ村、ハミーディーヤ村といったヤズィード教徒の村から住民1,000人が退去を余儀なくされ、村に残された彼らの財産は国民軍によって略奪されているという。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン市で武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦(2020年4月20日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市でトルコの支援を受ける国民軍に所属する東部自由人連合とムウタスィム旅団が略奪品の分配をめぐって交戦となった。

両者は市内のマハッタ地区、アブラ地区、教会通り、国境通行所、貯水場などで交戦、カアカーア旅団と第20師団も戦闘に加わった。

この戦闘で、ムウタスィム旅団の戦闘員2人が死亡した。

戦闘激化を受けて、トルコ軍が介入し、戦闘をさせた。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配下のスィーマルカー国境通行所局が新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じたうえで再開(2020年4月20日)

ハサカ県では、北・東シリア自治局傘下のスィーマルカー国境通行所局は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じたうえで、20日に通行所を再開したと発表した。

ANHA(4月20日付)が伝えた。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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リビア国民軍がトルコによって派遣されたシリア人戦闘員9人を殺害、5人を捕捉(2020年4月20日)

シリア人権監視団は、リビアの首都トリポリ近郊の戦線で、トルコによって派遣されたシリア人戦闘員(国民軍戦闘員)5人がハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍に捕捉されたと発表した。

捕捉された5人は、トルコ占領下のアレッポ県北部(「ユーフラテスの盾」地域)のハワール・キリス村からトルコのガジアンテップ県に入り、ガジアンテップ空港からイスタンブール国際空港を経て、リビアのミスラータ県に入国していた。

また、リビア領内では、リビア国民軍との戦闘で国民軍戦闘員9人が新たに死亡、リビアでの戦闘で死亡した国民軍戦闘員はこれで199人となった。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は約5,300人に達し、約2,100人が派遣に向けて、「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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イランのザリーフ外務大臣がダマスカスでアサド大統領と会談(2020年4月20日)

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣がシリアを訪問し、首都ダマスカスでアサド大統領と会談した。

マスク姿で会談に臨んだアサド大統領は、同じくマスクを着用したザリーフ外務大臣に対して、イランでの新型コロナウイルス犠牲者への弔意を示す一方、米国をはじめとする一部西側諸国がこの危機を政治利用していると批判、こうした試みがこれらの国の国民を資していないと指弾した。

これに対して、ザリーフ外務大臣は、シリアやイランへの制裁を解除しようとしない米国の姿勢を非人道的と非難した。

会談では、制憲委員会(憲法委員会)、アスタナ・プロセスなどの政治プロセスの進捗、トルコの侵攻・占領が続くシリア北部情勢などについても意見を交わし、アサド大統領は、シリア領内でのトルコの振る舞いがアスタナ・プロセス、ソチ・プロセスでの合意を遵守しようとしないことの現れだと批判した。

一方、ザリーフ外務大臣は、欧米諸国が化学兵器使用疑惑問題を再び持ち出すことで、シリアへの復興を疎外しようとしていると批判した。

会談では、このほか、二国間の経済関係などについても意見が交わされた。

会談には、ワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が同席した。

ザリーフ外務大臣はまた、ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣とも個別に会談した。

SANA(4月20日付)が伝えた。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県、ラタキア県で砲撃を続ける(2020年4月20日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから46日目となる4月20日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるマルアンド村、バイニーン村、マアッルバリート村、サーン村、サーリヒーヤ村、アーフィス村一帯、ファッティーラ村、カンスフラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるトルコマン山一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、イスリヤー村近郊でシリア軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士2人が死亡した。

同地はダーイシュ(イスラーム国)の残党が潜伏を続ける地域。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村とシャジャラ町を結ぶ街道で、軍事情報局の兵士1人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、サアラ村で和解委員会(平地山地和解委員会)メンバーの遺体が発見された。

遺体には頭部を強打された跡が残っていたという。

AFP, April 20, 2020、ANHA, April 20, 2020、AP, April 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 20, 2020、Reuters, April 20, 2020、SANA, April 20, 2020、SOHR, April 20, 2020、UPI, April 20, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県で米軍ハンヴィーが何者かの襲撃を受け、車輌大破、複数人負傷(2020年4月20日)

ハサカ県では、SANA(4月20日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、サブア・ワ・アルバイーン町南西に位置するダイル・ザウル県ルワイシド村に向かう交差点で、米軍のハンヴィー(HMMWV)1輌が何者かの襲撃を受け、車輌が大破、多数の兵士が負傷した。

このハンヴィーは、米軍兵士と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍戦闘員を乗せていた。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がマアバダ(カルキールキー)町近郊の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, April 21, 2020、ANHA, April 21, 2020、AP, April 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2020、Reuters, April 21, 2020、SANA, April 21, 2020、SOHR, April 21, 2020、UPI, April 21, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月20日付)を公開し、4月19日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 20, 2020をもとに作成。

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アサド大統領のおじのマフルーフ一家がロシアとともに経済権益を伸張するアスマー大統領夫人の封じ込めを画策(2020年4月18日)

英国に本社を置くパン・アラブ・メディアのアラビー・ジャディード(4月18日付)は、複数の消息筋の話として、アサド大統領のおじでロシアに在住するムハンマド・マフルーフ氏およびダマスカスで暮らす息子のラーミー・マフルーフ氏と、アスマー・アフラス大統領夫人との間で「決済戦争」が始まったと伝えた。

首都ダマスカスの同消息筋が匿名を条件に明らかにしたところによると、「アスマー夫人のいとこのムハンナド・ダッバーグ氏が所有する「タカームル社」を貶めようとする計画が、マフルーフ氏によって推し進められ、その結果、アーティフ・ナッダーフ国内通商消費者保護大臣が先週、スマート・カードを輸出する「タカームル社」がパン配給事業に参入することを禁じると発表した。

同消息筋によると、マフルーフ氏によるこの「報復」は、アスマー夫人が昨年にガンを克服して以降、シリア経済の「パイ」の分配に介入し、ラーミー氏の投資に口出ししたことに端を発しているという。ラーミー氏は、ブスターン慈善協会を通じて、シリアの二大携帯会社であるシリアテルとMTNに投資を行っているが、アスマー夫人が両社の社長の人選を行い、免税事業を展開しているラーミー氏のラーマーク社から会計帳簿などを持ち出したという。

また、アサド大統領がアスマー夫人のために3,000万ドルもする絵画を購入したことにまつわる「スキャンダル」も、アスマー夫人を「丸裸」にし、シリア経済において果たしている役割を奪おうとする計略の一環として行われたものだという。

「タカームル社」は2016年、燃料、砂糖、米、お茶、パンの配給に使用するためのスマート・カードの開発を政府から受注することで、その名を広く知られるようになった。

同社はカード1枚あたり、400シリア・ポンドを受け取っており、首都ダマスカスの複数の情報筋の試算によると、これまでに約300万枚のカードを配布したという。また、カードが利用される度にその手数料として100シリア・ポンドが同社に支払われているという。

一方、シリア政府のもとで次官を務めたという男性は匿名を条件に、アスマー夫人を封じ込めようとする動きがロシアの「青信号」を得て行われていると指摘している。「アスマー夫人がロシアの取り分にも手を伸ばしている」というのがその理由。

元次官によると、シリア政府は、ロシアへのガスの輸出をめぐって、ドル建てとすることを求めて対立していたが、これに参入したのがアスマー夫人だったという。

高価な絵画をめぐる「スキャンダル」はロシアの『ゴスノヴォスチ』紙が報じたもので、ロシア政府は、貧困や新型コロナウイルス感染対策で外出規制に苦しむシリア人に、大統領夫妻の贅沢ぶりを暴露することで、不満を煽ることを狙っていた。実際、ラタキアでは数日前に抗議デモが発生している。

なお、『ゴスノヴォスチ』紙は、アサド大統領がアスマー夫人へのプレゼントとして、「スプラッシュ」と名づけられた英国人画家(デヴィッド・ハンク氏)の絵画をロンドンの所有者から3,000万ドルで購入したと伝えていた。

AFP, April 19, 2020、ANHA, April 19, 2020、AP, April 19, 2020、al-‘Arabi al-Jadid, April 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2020、Reuters, April 19, 2020、SANA, April 19, 2020、SOHR, April 19, 2020、UPI, April 19, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で国民軍所属組織どうしが交戦(2020年4月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市でトルコの支援を受ける国民軍に所属するハムザ師団と第23師団の戦闘員どうしが交戦し、双方に複数の負傷者が出た。

交戦の理由は不明。

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ラッカ県では、ANHA(4月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村を砲撃した。

AFP, April 19, 2020、ANHA, April 19, 2020、AP, April 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2020、Reuters, April 19, 2020、SANA, April 19, 2020、SOHR, April 19, 2020、UPI, April 19, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市の国防隊拠点で爆発(2020年4月19日)

ハサカ県では、ANHA(4月19日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市にある国防隊の拠点で爆発が発生した。

爆発が発生した拠点は、ワフダ通りからタイ地区にいたる街道に位置するサラーム交差点近く。

シリア人権監視団によると、爆発は爆弾によるもので、2度にわたり発生した。

これに対して、国防隊は市内の内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所に向けて発砲した。

なお、アサーイシュは16日、国防隊メンバーが市内の検問所に対して手榴弾2発を投げ込んだと非難していた。

AFP, April 19, 2020、ANHA, April 19, 2020、AP, April 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2020、Reuters, April 19, 2020、SANA, April 19, 2020、SOHR, April 19, 2020、UPI, April 19, 2020などをもとに作成。

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保健省は新型コロナウイルス感染者1人が死亡する一方、1人の感染者が新たに確認されたと発表(2020年4月19日)

保健省は新型コロナウイルス感染者1人が死亡する一方、1人の感染者が新たに確認されたと発表した。

これにより、4月19日現在の同地での感染者数は計39人、うち死亡したのは3人、回復したのは5人となった。

SANA(4月19日付)が伝えた。

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シリア人権監視団は「信頼できる複数の医療筋」から得た情報として、シリア政府支配地域内での新型コロナウイルス感染者数が98人に達していると発表した。

うちラタキア県の感染者が37人、タルトゥース県が21人、アレッポ県、ダマスカス県、ハマー県、ヒムス県、ダルアー県が40人だという。

AFP, April 19, 2020、ANHA, April 19, 2020、AP, April 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2020、Reuters, April 19, 2020、SANA, April 19, 2020、SOHR, April 19, 2020、UPI, April 19, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構とフッラース・ディーン機構の緊張高まる(2020年4月19日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから45日目となる4月19日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が、マアーッラト・イフワーン村にある支援物資用の倉庫をメンバーの住居として転用するとして、明け渡すよう、地元評議会に強要した。

これに対して、地元評議会は、倉庫は近く住民向けの医療クリニックとして転用される予定であるため、明け渡すことができないと回答した。

だが、シャーム解放機構は、国内避難民(IDPs)を収容している学校をクリニックとして転用すればいいとして、これを拒否した。

また、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で、外国人司令官が乗った車にしかけられていた爆弾が爆発し、この司令官が負傷した。

外国人の国籍、所属組織は不明。

一方、アルマナーズ市では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構の緊張が高まった。

シャーム解放機構が、アルマナーズ市に複数の拠点を構えているフッラース・ディーン機構を排除しようとしたことがきっかけ。

シャーム解放機構の嫌がらせにフッラース・ディーン機構が反発、非難する声明を出した。

こうしたなか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、バーラ村、アルナバ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

対するトルコ軍は、兵站物資などを積んだ貨物車輌など約70輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、ザーウィヤ山地方のバサーミス村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は61カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと59)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー県のハラバー村に近い県境の街道に仕掛けられていた爆弾が爆発し、街道を走行していたシリア軍の車輌に乗っていた兵士1人が死亡、2人が負傷した。

AFP, April 19, 2020、ANHA, April 19, 2020、AP, April 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 19, 2020、Reuters, April 19, 2020、SANA, April 19, 2020、SOHR, April 19, 2020、UPI, April 19, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月19日付)を公開し、4月18日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 19, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ではシリア民主軍がIDPsキャンプを急襲し、若者多数を連行(2020年4月18日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が17日深夜から18日未明にかけて、米主導の有志連合の航空支援を受けて、スブハ村近郊にある国内避難民(IDPs)キャンプを急襲し、多数の若者を連行した。

急襲の理由は不明。

一方、ハワーイジュ村では、ダーイシュ(イスラーム国)と思われるグループが仕掛けた爆弾が爆発した。

爆発はシリア民主軍が拠点として転用している学校の近くで発生した。

有志連合の無人航空機は、ハワーイジュ村で、オートバイ1台に対して攻撃を加えた。

オートバイに誰が乗っていたかは不明。

AFP, April 18, 2020、ANHA, April 18, 2020、AP, April 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2020、Reuters, April 18, 2020、SANA, April 18, 2020、SOHR, April 18, 2020、April 19, 2020、UPI, April 18, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県北部でトルコの支援を受ける憲兵隊と地元部族民兵が交戦(2020年4月18日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市で、トルコの支援を受ける国民軍の憲兵隊と地元のアブー・マイーシュ部族の民兵が交戦し、部族側の民兵1人が死亡した。

この戦闘で、憲兵隊はアブー・マイーシュ部族が盗んだ物品を押収したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市のサラーヤー交差点近くで、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、3人が負傷した。

AFP, April 18, 2020、ANHA, April 18, 2020、AP, April 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2020、Reuters, April 18, 2020、SANA, April 18, 2020、SOHR, April 18, 2020、UPI, April 18, 2020などをもとに作成。

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ハミース内閣の新型コロナウイルス対策チームはラマダーン月中の外出禁止令を若干緩和(2020年4月18日)

イマード・ハミース内閣の新型コロナウイルス対策チームは、ラマダーン月が始まる4月23日からの外出禁止時間を午後7時30分から翌午前6時までに変更することを決定した。

3月24日に発動された外出禁止令は、午後6時から翌午前6時までの外出を禁止していた。

またラマダーン月期間中も都市間、都市農村間、県外への移動を禁止することを確認した。

SANA(4月18日付)が伝えた。

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ハッサーン・マアルーフ内務次官はシリア・テレビ(4月18日付)に出演し、4月20日月曜日と21日火曜日の2日間に限り、全県住民の県外への移動を認めるとのイマード・ハミース内閣新型コロナウイルス対策チームの決定(4月16日付)に関して、この2日間に限定される措置で、移動が認められる時間も午前6時から午後6時までに限られると発表した。

SANA(4月18日付)が伝えた。

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保健省のアーティフ・タウィール感染症慢性疾患局長補は、2月5日から4月17日までの2ヶ月強の間に、新型コロナウィスル感染を疑われて、PCR検査の結果が出るまでに、政府が用意した施設に隔離された人の数が2,115人にのぼり、うち217人が今も隔離施設で検査結果を待っていることを明らかにした。

AFP, April 18, 2020、ANHA, April 18, 2020、AP, April 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2020、Reuters, April 18, 2020、SANA, April 18, 2020、SOHR, April 18, 2020、Syria TV, April 18, 2020、UPI, April 18, 2020などをもとに作成。

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カーミシュリー市近郊の農村住民が米軍装甲車4輌からなる車列に立ちはだかり、これを退去させる(2020年4月18日)

ハサカ県では、SANA(4月18日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市近郊の農村住民が、タッル・ハミース市近郊のアブー・カサーイブ村方面から進入しようとした米軍装甲車4輌からなる車列に立ちはだかり、これを退去させた。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍憲兵隊の装甲車4輌が、カーミシュリー市一帯地域でパトロール活動を実施した。

一方、米軍は兵站物資などを積んだ貨物車輌35輌(シリア人権監視団によると約50輌)からなる車列を、ヤアルビーヤ町(タッル・クージャル)近郊に違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラクからシリアに新たに進入させた。

車列はカーミシュリー市方面に向かったという。

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シリア人権監視団は、米軍部隊が、ラッカ県ジャズラ村近郊に違法に設置されている基地を頻繁に訪問し、同地での影響力回復を狙っていると発表した。

AFP, April 18, 2020、ANHA, April 18, 2020、AP, April 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2020、Reuters, April 18, 2020、SANA, April 18, 2020、SOHR, April 18, 2020、UPI, April 18, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はシリア政府支配地とを結ぶ通商路の設置を決定したが、住民の反発を受け撤回(2020年4月18日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから44日目となる4月18日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がシリア政府支配下のサラーキブ市とを結ぶ通商用の通行所を設置することを決定し、準備していたが、住民の反発を受け、決定を撤回した。

通行所の設置が予定されていたサラーキブ市・サルミーン市間の街道では、住民やメディア活動家らが、決定に反対する抗議行動を行うために集結していたが、シャーム解放機構はこれを強制排除していた。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のアルナバ村、カンスフラ村、バーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

他方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ貨物車輌など30輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、フラーク市と西ムライハ村を結ぶ街道で、シリア軍第52旅団の車輌が襲撃され、乗っていた士官(大佐)1人を含む3人が死亡した。

AFP, April 18, 2020、ANHA, April 18, 2020、AP, April 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 18, 2020、Reuters, April 18, 2020、SANA, April 18, 2020、SOHR, April 18, 2020、UPI, April 18, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月18日付)を公開し、4月17日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 18, 2020をもとに作成。

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シリア当局は米占領下のタンフ国境通行所一帯で活動していた反体制武装集団戦闘員を懐柔し、投降させることに成功(2020年4月17日)

SANA(4月17日付)は、関係当局が住民と4ヶ月にわたる連携・協力の末に、米国の占領下にあるヒムス県タンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)で活動する反体制武装集団戦闘員を懐柔し、投降させることに成功したと伝えた。

投降したのは、革命特殊任務軍の戦闘員28人と彼らと行動を共にしてきた運転手6人の計34人。

当局によってシリア政府の支配下にあるタドムル市に連行された。

戦闘員らは、武装した車輌8輌、重火器5基、ライフル3丁、M16機関銃7丁、RPG対戦車擲弾8丁などを引き渡した。

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投降した戦闘員らの司令官ガンナーム・サミール・ハディール氏(アブー・ハムザ)は、55キロ地帯で活動するに至った経緯について次のように述べた。

「我々は、ダーイシュ(イスラーム国)によってスワイダー県東部からダルアー県に強制移住させられた。その後、いわゆる「部族自由人軍」の司令官と連携した彼らによって、我々はヨルダンに入り、そこで1ヶ月にわたり教練を受けさせられた。その後、ルクバーン・キャンプでの任務を与えられたが、この活動を通じて、我々は武器や物資のほとんどがダーイシュによって売買されていることを突き止めた。その後、我々はいわゆる「革命特殊任務軍」に配属となった。このグループとの活動を通じて、我々は彼らがダーイシュの支援を受けていることを突き止めた。だから、我々は彼ら全員を信用しなくなり、シリア・アラブ軍に投降することを決めた」。

「それ以外にもタンフ国境地帯一帯には多くの武装グループがいる。彼らは祖国に復帰したいと考えているが、それにふさわしい時が来るのを待っている」。

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一方、「偵察連隊」の司令官を務めていたというハーリド・サミール・ハディール氏は、タンフ国境通行所一帯には、米軍の監督のもと、最新兵器や無人航空機(ドローン)の訓練が行われ、シリア軍の拠点、油田、ガス田の攻撃を命じられていると証言した。

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また、ラサーフ・ラシード・ザーヒル氏(アブー・ウダイ)は次のように述べた。

「タンフ国境通行所での基地で活動していた間、戦闘員を乗せた軍用車輌がルクバーン・キャンプから基地に移動するのを目撃した。彼らを基地で訓練し、この(55キロ)地域の外で油田やガス田の破壊工作、シリア軍拠点の攻撃を実行するためだ」。

「ルクバーン・キャンプにいるとき、おおくの支援物資がキャンプに身を寄せる市民のために届けられた。だが、それらのほとんどは、米国の配下にあるグループからダーイシュのテロリスト・メンバーに引き渡された。一部は商人たちに渡され、深刻な人道・医療危機に苦しむキャンプの住民に法外な値段で売られた」。

https://youtu.be/BmY5_MPypz8

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍との戦闘でシリア民主軍戦闘員2人死亡(2020年4月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のバーブ・ファラジュ村にあるトルコ軍の拠点に潜入を試みたが、トルコ軍の反撃を受け、戦闘員2人が死亡した。

トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍はまた、同地でシリア民主軍を砲撃戦を行った。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はWHOがハサカ県カーミシュリー市で4月2日に新型コロナウイルス感染者が死亡していたと発表したことに反発(2020年4月17日)

北・東シリア自治局保健委員会(保健省)は声明を出し、世界保健機関(WHO)がシリア政府との共同統治下にあるハサカ県カーミシュリー市で新型コロナウィスル感染者1人が死亡したことを公表したことを明らかにしたうえで、自治局支配地域で感染が拡大した場合の責任はWHOにあると非難した。

声明によると、死亡したのは53歳の男性で、3月22日に発症してカーミシュリー市内の市立病院に入院、27日に市内の国立病院に転院、29日にPCR検査を受け、4月2日に死亡した後に感染が確認されたという。

声明では、WHOがこの事実を北・東シリア自治局に対して開示していなかったと指摘、支配地域内で感染が拡大した場合の責任はWHOにあると非難した。

なお、シリアの保健省は3月29日と30日に感染者がそれぞれ1人ずつ死亡したと発表している。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣はトルコ占領地で外出禁止令を発出(2020年4月17日)

トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立傘下組織)は、トルコの占領下にあるアレッポ県北部(「ユーフラテスの盾」地域および「オリーブの枝」地域)で、12歳~65歳の住民に対する外出禁止令を発出したと発表した。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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保健省は5人の新型コロナウイルス感染者が新たに確認されたと発表(2020年4月17日)

保健省は5人の新型コロナウイルス感染者が新たに確認されたと発表した。

これにより、4月17日現在の同地での感染者数は計38人、うち死亡したのは2人、回復したのは5人となった。

SANA(4月17日付)が伝えた。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県でシャーム解放機構の司令官が暗殺される(2020年4月17日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから43日目となる4月17日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県1件、ラタキア県3件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市とサッハーラ村を結ぶ街道で、シャーム解放機構の司令官が何者かに撃たれて死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるルハイワ村一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍は貨物車輌、装甲車など30輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, April 17, 2020、ANHA, April 17, 2020、AP, April 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 17, 2020、Reuters, April 17, 2020、SANA, April 17, 2020、SOHR, April 17, 2020、UPI, April 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月17日付)を公開し、4月16日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 17, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.