米軍の車列がシリア領内に進入し、カスラク村(ハサカ県)の基地に向かう(2020年5月5日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、兵站物資などを積んだ米軍の車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に進入し、カスラク村にある米軍基地に向かった。


AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で正体不明の武装集団がトルコの後援を受けるシャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団を襲撃(2020年5月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がフーア市近郊にあるシャーム自由人イスラーム運動の砲台を襲撃し、戦闘となった。

この戦闘で武装集団のメンバー複数人が負傷した。

また、イドリブ市とマアッラトミスリーン市を結ぶ街道では、別の武装集団がシャーム軍団の車輌を盗もうとして、これを襲撃した。

シャーム自由人イスラーム運動とシャーム軍団はいずれもトルコが後援する国民解放戦線(シリア国民軍)に所属している。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアフリーン市で、トルコ軍兵士7人の新型コロナウイルス感染が確認(2020年5月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「オリーブの枝」地域の中心都市アフリーン市で、トルコ軍兵士7人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。

感染は、アフリーン市内のトルコ軍基地で兵士らに対して行われたPCR検査で確認され、基地は封鎖されたという。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍)の数は7,850人に(2020年5月5日)

シリア人権監視団は、トルコがハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と対立を続ける国民合意政府(GNA)を支援するため、シリア人傭兵(国民軍戦闘員)を新たに派遣したと発表した。

同監視団によると、これにより、リビアに派遣された傭兵は、シリア人以外の外国人も含めて7,850人となった。

また、シリア北部にトルコが設置しているキャンプで教練を受ける戦闘員の数は3,000人に達しているという。

なお、リビアでの戦闘で死亡したシリア人傭兵は261人に達しているという。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のバーブ市(アレッポ県)での爆発で住民1人死亡(2020年5月5日)

アレッポ県では、ANHA(5月5日付)やSANA(5月5日付)によると、トルコ占領下のバーブ市のファーティマ・ザフラー・モスク近くで、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡、国民軍の戦闘員多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、死亡したのは両替商。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍、あるいは米主導の有志連合がダイル・ザウル県の「イランの民兵」拠点を爆撃、14人を殺害(2020年5月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が県南東部のクーリーヤ市、サーリヒーヤ村、マヤーディーン市近郊の砂漠地帯にある「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃し、イラン人とイラク人14人が死亡した。

一方、ダイル・ザウル24(5月5日付)は、米主導の有志連合とも思われる所属不明の戦闘機複数機が県南東部にある「イランの民兵」の拠点複数カ所を激しく爆撃し、ラフバ城に近いマヤーディーン市一帯、バクラス村、マヤーディーン砂漠、ブーカマール砂漠、ブーカマール市近郊などで爆音が聞こえたと伝えた。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、Dayr al-Zawr 24, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

M4高速道路でのロシア・トルコ軍合同パトロール部隊が初めてアリーハー市郊外に到達(2020年5月5日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから61日目となる5月5日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍は、3月5日の停戦合意に従い、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施した。

合同部隊は、タルナバ村を出発、ムサイビーン村を経由して、アリーハー市郊外までの区間をパトロールした。

合同パトロール部隊がアリーハー市郊外にまで到達したのは今回が初めて。

一方、シリア政府支配地域に面するアーフィス村ではトルコ軍部隊が掩体壕を新設した。

これに対して、サラーキブ市北の設置されている検問所に駐留するシリア軍がトルコ軍の重機(ブルドーザー)を砲撃、これを破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安機関が地元の名士らに対して、ムザイリーブ町のムザイリーブ区庁舎を4日に襲撃し、職員9人を殺害した「テロ集団」の司令官を5日中に引き渡すよう要求、これに応じない場合は同地に進攻すると最後通告を出した。

これを受けて、事態悪化を懸念したロシアが地元名士と面談し、地元名士にリーダーを探し出し、その身柄引き渡すことを約束させた。

一方、ジュビーブ村(スワイダー県)とウンム・ワラド村を結ぶ街道では、離反兵が何者かの襲撃を受けて、殺害された。

 

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、Dayr al-Zawr 24, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月5日付)を公開し、5月4日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は578,773人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,525人(うち女性55,198人、子ども93,447人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,790人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は内閣の新型コロナウイルス感染症対策チームと会合を開き「市民が責任を担う統制された規制緩和」をめざすと表明(2020年5月4日)

アサド大統領はイマード・ハミース内閣の新型コロナウイルス感染症対策チームと会合を開き、感染症対策の進捗、市民生活への影響とその対策について検討した。

会合でのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

https://youtu.be/F45Q4AmhFIo

 

**

「国家機関は市民を守るために迅速に一連の措置を講じた。我々は数週間を経て今日、こういうことができる。おかげさまで、事態は予想していた以上に良くなっている。早急に対応したことが一定の役割を果たしていることは間違いない…。市民の対応、意思、そして協力が役割を果たしていることは間違いない。しかし誇張しないようにするため、これらだけがその理由だなどと考えることはできない。多くの国が同様の措置を講じているが、市民を守ることができない事例もあるからだ」。

「シリアで行われたもっとも重要な措置は、部分的な禁止措置だ。その目的は市民を守ることだけではなく、目に見えなかった隠れた感染症例を目に見えるようにすることにあった…。こうした段階は困難を伴ったが、市民が良く対応してくれた。しかし、もちろん負の影響もあった。何よりもまず経済状況に悪影響を与えた」。

「市民の経済・生活状況が悪化した場合、清潔を保ったり…、消毒、予防などといった基本的な予防策さえとることができなくなってしまう。新型コロナウィルス感染症だけでなく、それ以外の病気にも晒されることになってしまう…。二つの側面(予防と経済)をバランスさせることは容易ではなかった。だが、経済的な側面が今回においては基本となった」。

「国家機関には二つの選択肢があり、いずれも困難なものだった。禁止に関して厳しい措置を講じること…。もう一つは何もせずに市民を感染の脅威に晒すことだ。採用された決定は中庸であり、部分的禁止措置であり、それは理想的だった」。

「しかし、理想的というのは、非常に短期間の暫定的な措置であるということを意味する…。時間とともに…、悪影響が積み重なり、それに対処することが困難になり、市民が飢え、貧困、不足と病気の板挟みになってしまう…。つまり、決定は、前進すべきか、後退すべきかというような問題ではなく、損害を最小限に食い止めるというより良い結果に向かって進むことだ。これが原則なのだ…。我々が措置を講じる際、我々にはヴィジョンがある…。我々は無作為に行動することはない。どのような措置を講じているのか、それが必要であるということを熟知している」。

「感染症対策が一時的な問題ではないということが明らかになった時、市民に対する前例のない圧力を緩和し、日常生活に徐々に戻ることを始めるべきだ」。

「人々には必要なものがある。労働、生活の糧を得ること…。取引を行い、必需品を確保すること…。教育…。もちろん、物的な必要だけであない。心理的、精神的な必要もある…。人々は行事を行ったり、礼拝所に行ったりしたいと感じている…。我々は今、こうしたさまざまな分野で規制緩和に移行する段階にある。しかし、こうした規制緩和の本質は統制された規制緩和だ。まずは優先事項に基づいて統制され、優先事項から始める。我々は何がもっとも必要かを確定した。今はそれ以外の分野へと次第に移行している」。

「我々は規制を緩和したいと考えているが、統制された規制緩和というのは、市民が責任の一部を担うことを意味している。これまでの段階においては、国家が市民を守る責任を負ってきた…。我々が規制緩和を始める場合、最大の責任は、個人の日々の行動に対して市民が負うことになる…。我々はすべての市民が国家とともに責任を担うべく、啓発を続けねばならない」。

「我々は柔軟な措置に向かうことになる。だが、それは二つの方向に対して柔軟なものだ。もし事態が悪くなれば、我々は国家として決定を下すことができる…。しかし、こうしたことにならないことを望んでいる」。

「健康面での課題と並んで、別の課題もある。それは新型コロナウィルス感染症によって生じたものであるとともに、その前からあった課題である。経済的課題、とくに経済再活性化という課題だ…。この課題は9年におよぶ戦争…9年におよぶ制裁によるものだ…。戦争と制裁に加えて、現下の脅威は新型コロナウィルス感染症による封鎖だ。これにより、諸外国と繋がる方法が絶たれ、世界経済が衰退することで…、日々の生活に必要なものを確保することが難しくなっている。こうした事態は今後数年間にわたって我々に直接影響を及ぼすだろう…。しかし、それは相対的なものだ。困難は増すだろうが、それは限定的だ」。

「国内レベルで今日、もっとも大きな課題は、日々の生活必需品、とりわけ食糧品の確保である。市民が日々、断続的に苦しみ、そして苦情を申し立てているのがそれだ。外国からの輸入品が、為替や国際価格に左右されるのであれば、それはシリア政府には掌握できない。だが、シリアは豊かな国で、年間を通じて作物に恵まれている。たとえ、国境を閉ざしても死ぬことはない」。

「しかし、市民からの苦情のほとんどは国産品に対するものだ…。なぜ卸売り価格と消費者価格の間に大きな差があるのか…。これこそが我々にとっての課題だ」。

「戦争前、人々は公共セクターのことを忘れ去っていた…。しかし戦時下、そして経済的な課題が深刻になっているなか、国営セクターの役割への依存が増した。この数週間には、ほぼすべての部門において国営セクターが必要とされた」。

「我々は現在、卸売市場における独占業者を放置している。彼らが価格を設定しているため、農民も消費者も損をしている…。得をしているのは大商人だ…。しかし、今後数週間で、こうした問題のすべては解決されるだろう」。

「(物価高騰の)解決には…地元社会が…汚職や法律違反を監視し…、これを阻止することに参加すべきだ。

責任者には、説明し、議論する能力が必要だ。すべての市民と常に合意する必要はない。そもそも人にはさまざまな意見がある。だが、人は明快さを尊重するものだ。すべてにおいて我々と意見が一致することはないだろう。だが、責任者によって示される明快さを尊重する。いずれにせよ、みなが、現状においてあなた方(対策チーム)に課されている任務の大きさを評価している。非常に困難な状況であるということを。我々は平時のなかで話しているのでは決してない。市民は、戦争があり、包囲があり、感染症があるとしたうえで、評価している。しかし、我々が承知してかねばならないのは、我々が日々、必ずしも大きいとは言えないことをできるということだ。しかし、これらの小さなことの積み重ねが、大きな成果を生む」。

**

SANA(5月4日付)が伝えた。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構メンバーがイドリブ市での喧嘩で市民3人を殺害(2020年5月4日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月4日付)、シリア人権監視団によると、イドリブ市の大学地区で、シャーム解放機構メンバーと住民が喧嘩となり、メンバーが住民らに手榴弾を投げたあと、無差別に発砲し、3人が死亡、3人が負傷した。

犠牲となった3人のうちの1人は、著名な芸術家のアドナーン・カルダシュ氏。


AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アンサール・タウヒードは声明を出し、「信者を煽れ」作戦司令室を離脱(2020年5月4日)

新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードは声明を出し、「信者を煽れ」作戦司令室を離脱すると発表した。

「信者を煽れ」作戦司令室は、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる武装連合体。2018年10月に結成された。

声明のなかでアンサール・タウヒードは「我々は自立しており、公然、非公然を問わず、内外のいかなる組織のバイア(忠誠)と関わりはない…。いかなる作戦司令室にも所属していない。いかなるグループ、組織とも同盟を結んでいない。戦いは一部組織との連携のもと独自に行われている」と表明した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍部隊がハサカ県タッル・タムル町入り口に展開、ロシア軍の通行を妨害(2020年5月4日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍部隊がヘリコプター複数機の支援を受けて、タッル・タムル町入り口に展開した。

ロシア軍部隊がラッカ県アイン・イーサー市とハサカ県カーミシュリー市を結ぶM4高速道路を通過するのを阻止するのが目的。

これに対して、ロシア軍部隊は、米軍が展開する地域を迂回して、アーリヤ村に向かった。

一方、ANHA(5月4日付)などによると、ロシア軍とトルコ軍がマアバダ(カルキールキー)町近郊の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍と思われる戦闘機がアレッポ県サフィール市近郊をミサイル攻撃(2020年5月4日)

SANA(5月4日付)は、シリア軍筋の情報として、午後10時32分、ハマー県イスリヤー村北東に飛来した敵機(所属明示せず)が、アレッポ県サフィーラ郡にある軍の倉庫複数棟をミサイルで攻撃、シリ軍防空部隊がこれを迎撃した。

ANHA(5月4日付)によると、ミサイル攻撃を行ったのはイスラエル軍戦闘機。

サフィーラ市近郊にある科学研究センターを狙ったという。

シリア人権監視団は、ミサイル攻撃が「イスラエルによると思われる」としたうえで、科学研究センター内の第247課が狙われ、弾薬庫が破壊されたと発表した。

イスラエルの民間衛星画像企業イメージサット・インターナショナルはその後(7日)、標的となった科学研究センターの衛星写真を公開した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、ImageSat International, May 7, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

保健省は新型コロナウイルス感染症対策で隔離センターに収容された人数が3,325人に達し、うち2,554人が帰宅し、771人がセンターで経過観察を受けていると発表(2020年5月4日)

保健省は声明を出し、新型コロナウイルス感染症対策として、2月5日から5月4日までの期間に、各県の隔離センターに収容された人の数が3,325人に達し、うち2,554人がPCR検査の結果陰性と診断され帰宅し、771人がセンターにとどまり経過観察を受けていると発表した。

なお、5月4日現在の同地での感染者数は計44人、うち死亡したのは3人、回復したのは27人。

**

宗教関係省は声明を出し、新型コロナウイルス感染症対策として規制していたモスクでの礼拝に関して、5月8日(ラマダーン月15日)金曜日午後の集団礼拝を、マスクの着用、礼拝者どうしのソーシャル・ディスタンス確保などといった感染防止対策を徹底したうえで、解禁することを決定したと発表した。

なお、それ以外の集団礼拝は、引き続き中止される。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がハサカ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2020年5月4日)

ハサカ県では、SANA(5月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のタッル・マナーフ村、ファッカ村、ダルダーラ村、アズィーズィーヤ村を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(5月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が3日夜から4日未明にかけて、アフダクー村、クーバルラク村、スライブ村、カルファラ村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、ズィヌービヤー村、ザイン・アラブ村を砲撃した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国が収監中のダーイシュ・メンバーをシリアからイラクへ移送(2020年5月4日)

ハサカ県では、SANA(5月4日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、米国が北・東シリア自治局内の刑務所に収監されていたダーイシュ(イスラーム国)のメンバーをイラクへと移送した。

同地元筋によると、米軍装甲車6輌がイラクからハサカ県に入り、シャッダーディー市東にある複数の刑務所に収監されていたダーイシュ・メンバーを乗せて、イラク領内に引き返したという。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

政府の治安機関がシリアテルの経営陣と技術者7人を新たに逮捕(2020年5月4日)

シリア人権監視団は、政府の治安機関が、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が取締役会長を務める携帯電話会社のシリアテルの経営陣と技術者7人を新たに逮捕したと発表した。

7人のうち4人がアレッポ県、3人がタルトゥース県で拘束された。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にある北西部のいわゆる「解放区」が暫定内閣による通行所閉鎖で医薬品不足に(2020年5月4日)

シリア人権監視団は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にある北西部のいわゆる「解放区」が、医薬品不足に見舞われていると伝えた。

トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立の傘下組織)がシリア政府支配地域とを結ぶすべての通行所を閉鎖しているため。

これにより、降圧薬、アスピリン、子供用のサプリメント、肺炎治療用の薬などシリア製の医薬品の供給が停止しており、新型コロナウイルス感染症対策が充分に行えなくなっているという。

なお、シャーム解放機構は、4月30日にイドリブ県のマアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県のミズナーズ村を結ぶ街道に通行所を設置し、シリア政府支配地域との通商を試みたが、トルコや住民の反対により、5月1日にこれを閉鎖している。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県ムザイリーブ町にあるムザイリーブ区庁舎が「テロ集団」の襲撃を受け、職員9人死亡(2020年5月4日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから60日目となる5月4日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるルワイハ村一帯に潜入、「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌35輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がガーブ平原で、シリア軍の無人偵察機(ドローン)を撃墜した。

**

ダルアー県では、SANA(5月4日付)によると、ムザイリーブ町にあるムザイリーブ区庁舎が「テロ集団」の襲撃を受け、職員9人が殺害された。

殺害されたのはダルアー警察の職員。

また、シリア人権監視団によると、東ムライハ町とナーフタ町を結ぶ街道で空軍情報部のメンバー2人が何者かの襲撃を受けて、死亡した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月4日付)を公開し、5月3日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は578,773人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,525人(うち女性55,198人、子ども93,447人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,790人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 4, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍ヘリコプターがロシア軍憲兵隊が駐留するハサカ県北東部に飛来(2020年5月3日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月3日付)によると、米主導の有志連合のヘリコプターがシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町一帯の上空に飛来し、監視活動を行った。

ハーブール(5月3日付)などによると、米軍のヘリコプター2機が、ロシア軍憲兵隊が展開するタッル・タムル町一帯の上空を1時間以上にわたり旋回し続けたという。

米軍ヘリコプターの派遣は2日にカーミシュリー市東で米軍の部隊がロシア軍憲兵隊によって通行を阻止されたのを受けたもの。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、al-Khabur, 、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局が管理するハサカ市の刑務所でダーイシュ・メンバーが暴動(2020年5月3日)

ハサカ県では、ANHA(5月3日付)によると、北・東シリア自治局が管理するハサカ市グワイラーン地区にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)で、拘留中のダーイシュ(イスラーム国)メンバーが暴動を起こしたが、内務治安部隊(アサーイシュ)がこれを鎮圧した。

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のキーヌー・ガブライール報道官が発表した声明によると、暴動は2日晩から3日まで続いたが、内務治安部隊、テロ撲滅部隊、米主導の有志連合が介入し、最終的には暴動を首謀したメンバーとの交渉の末に鎮圧した。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

治安機関はロシア軍部隊を伴って、シリアテルの経営陣・技術者を家宅捜索し、逮捕(2020年5月3日)

シリア人権監視団は、政府の治安機関が、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が取締役会長を務める携帯電話会社のシリアテルの経営陣と技術者28人以上を逮捕したと発表した。

複数の情報筋によると、逮捕はロシアの指示によるもので、治安機関はロシア軍部隊を伴って、経営陣と技術者の自宅を家宅捜索、その身柄を拘束したという。

なお、同監視団によると、逮捕に先立って、経営陣や技術者らはこれまで自由に行うことができていた基地局への出入りを3週間以上にわたって禁じられていたという。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

大統領のいとこのマフルーフ氏が2度目となるビデオ・メッセージを配信、治安当局がシリアテルの社員を逮捕したと非難(2020年5月3日)

アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏は、フェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/RamiMakhloufSY/)を通じてビデオ・メッセージを配信した。

https://www.facebook.com/RamiMakhloufSY/videos/2385706211722607/

マフルーフ氏がビデオ・メッセージを配信するのは4月30日に続いて2度目。

「信者への支援は、我々の責務だった」と題された10分にわたるメッセージのなかで、マフルーフ氏は、自身が取締役会長を務めるシリアテルと、経営に大きく関わっているMTNの携帯電話会社2社への追徴課税納付要請が不当であることを次のように訴えるとともに、治安機関がシリアテルの社員が逮捕されたことを批判した。

**

「非常に困難な状況下でSNS上に私が登場するのはこれが2回目だ。多くの人がなぜSNSに登場するのかと尋ねてきた。この問題は非常にセンシティブだ。冗談でもなければ、人気とりでもない。それ以上だ。長年にわたる仕事に関わる問題だ。これらの仕事、そしてこれらの企業が、多くを捧げてきた人道的な活動、つまりラーマーク(開発)人道(プロジェクト民間持株会)社の名のもとで行われてきたものが屈服させられた。私は以前にこのことについて話したが、そのことを再び話すのは、あなたが何を持っているかを知っているからだ。私にはもう制御できないことが諸々あって、それを失えば、私の意思を超えてしまう。私は今、受け入れられないかたちで、そして残念ながら非人道的なかたちでの圧力に晒されている。諜報機関は我が社の社員を逮捕し始めた。これらの諜報機関がラーミー・マクルーフの会社にやって来るなどと誰が考えていただろう。私がこれらの機関の最大の支持者で、戦争中にもっとも奉仕してきたにもかかわらずだ。残念ながら、状況は変わった。

私が以前に投稿したビデオは冗談やゲームだと思っているのだろうか? 私は遊んでいない。私は自らの存在と仕事を危険に晒している。なぜなら、私は求められた命令を果たせないからだ。私は今日、会社から退いて、異議を唱えずに命令に従うように求められた。そのうえで、彼らは、社員や経営者を逮捕すると言って、私に圧力をかけ始めた。私は彼らに言いたい。「こんなことがあってはいけない。これは不公平だ。権力乱用だ。あなた方の権限は、人々が服従するまで圧力をかけるために与えられたのではない。あなた方の権威は、乱用して、利益を得るために与えられたのではない。人々を奉仕させるのではなく、人々に奉仕するために与えられたのだ」。

私は、大統領に介入し、何の権利もないままに資金供出を求められてきた我々の会社に対して正義を行うよう頼んできた。このようにお願いしたのは、支払いを回避するためではなく、困っている人々にお金が行き、それ以外の人のポケットに入らないという条件で、支払うのが目的だったからだ。つまり、意思決定者の取り巻きの介入を止めるように訴えることが目的だった。なぜなら、彼らの介入は、耐えられないものとなり、議論されるべき危険なレベルに達していたからだ。このように続けることはできない。これは不公平だ。これは、私的財産への侵害だ。私は今持っているものを手放すことはできない。なぜなら、それを任されているからだ。だから、これを聴いているすべての人に許して欲しい。なぜ私が持っているものを手放し、この問題を終わらせないのか疑問に思うかもしれない。でも、私は自分のものではないものを手放すことができない。私はそれを任されているだけなのだ。アッラーが私を試しているのだと思わないか? 「人々ではなく、我を恐れよ」。アッラーはそう言わなかったのだろうか? 自分に委託された仕事を守ることが我々の任務ではないのか? 自分の身と地位が無くなることを恐れているだけで、それをあきらめるべきか? だから、これはアッラーからの大きな試練であり、私は主からの試練を受け入れた。苦難が起こることは分かっているし、それはすでに始まっている。

大統領閣下にもう一度お願いします。大統領閣下、諜報機関が人々の自由を侵害し始めています。あなたの国民です。あなたの支持者です。今もあなたとともにあります。誰かに彼らを侵害させるべきではありません。連中を喜ばせることをさせるべきではありません。事態は悪く、危険です。このままでは、国の状況は非常に困難になり、アッラーからの厳しい罰が下るでしょう。なぜなら、我々に今、非常に恐ろしい出来事が近づいているからです。だから、大統領閣下、彼らを信じないでください。

逮捕された人々は、国軍、情報機関、そして全国民にサービスを提供するモバイル・ネットワークの構築に取り組んできました。どうすれば、あなたは彼らをこのように扱えるのですか? どうすれば、あの連中にこう言わせられるのですか? 「ラーミー、お前が退くか、我々がお前の社員全員を逮捕するかだ」。あなたは憲法を守ってきました。我々市民は、国に多くを与えたうえで、あの連中にこんなふうに扱われるべきなのですか? 大統領閣下、どうか、あの連中に法と憲法を違反させないでください。あなたの命令を下してください。

とにかく、私はあの連中から退くよう圧力をかけられています。でも、私は辞めません。私はここにとどまります。誰が私を侵害しようと、こういうだけです。「私は無力だが、崇高にして偉大なるアッラーの他に全能なる力はない」。

大統領閣下、私はあなたに正義を行うようお願いしています。もし私に耳を傾けてくれなければ、私はアッラーにこの国を守り、我々を危険から救うようお願いすることしかできません。それは大問題です。この問題を解決しなければ、私はアッラーに助けを求めます。なぜなら、そうする必要があるからです。あなた方にアッラーの平和、慈悲、祝福がありますように」。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がアレッポ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2020年5月3日)

アレッポ県では、ANHA(5月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のカフル・アントゥーン村、イルシャーディーヤ村、マーリキーヤ村、マルアナーズ村、アルカミーヤ村、シャワーリガ村、バイナ村、ダイル・ジャマール村、スーガーニカ村を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(5月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊の村々を砲撃した。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハミース内閣は定例閣議で国営および民営セクターの経済開発活動再開に向けて計画を策定することを決定(2020年5月3日)

イマード・ハミース内閣は定例閣議で、新型コロナウイルス感染症対策として規制対象となっている国営および民営セクターの経済開発活動の再開について協議し、既に90%実施が完了している事業、優先事業を再開することを決定し、各県の関係部局に対して再開に向けた計画を策定するよう指示した。

ハミース内閣はまた、保健省による新型コロナウイルス感染症対策についての報告を受けるとともに、午後7時から翌朝6時までの外出禁止令を、追って通知があるまでの期間まで延長することを確認した。

SANA(5月3日付)が伝えた。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

通信技術省所轄のSY-TRA はマフルーフ氏が経営を主導するMTNのパートナー企業から追徴課税納付を肩代わりすると連絡があったと発表(2020年5月3日)

通信技術省所轄の電気通信電話規制委員会(SY-TRA )は声明を出し、「携帯電話会社MTNのパートナー企業の1つ」であるテレ・インファスト・リミテッド社から、MTNが支払いを求められている追徴課税を負担する用意があるとの連絡があったと発表した。

声明によると、テレインヴェスト・リミテッド社は、SY-TRA がMTNに対して行っている請求内容の妥当性、金額を確認し、近く合意される返済計画に沿って支払いを行うという。

なお、SY-TRA は4月5日を出し、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が取締役会長を務めるシリアテルと、同氏が事実上経営するMTNの携帯電話会社2社に対して、国家に納付されるべき追徴課税2,338億シリア・ポンド(約3億9,000米ドル、日本円で約400億円)の納付期限を5月5日までとすることを決定したと発表していた。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構がカフルタハーリーム町(イドリブ県)に検問所を増設、携帯電話の通話記録をチェックするなどして、住民への締め付けを強化(2020年5月3日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから59日目となる5月3日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がカフルタハーリーム町に検問所を増設、携帯電話の通話記録をチェックするなどして、住民への締め付けを強化した。

これは、同町で2日、シリア政府支配地域とを結ぶ通商用の通行所の設置に反対するデモが発生したのを受けたもの。


一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌30輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

このほか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、カンスフラ村、スフーフン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月3日付)を公開し、5月2日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は578,773人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,525人(うち女性55,198人、子ども93,447人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,790人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 3, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

通信技術省所轄のSY-TRA はマフルーフ氏のビデオ・メッセージに異例の反論、追徴課税請求への断固たる姿勢を示す(2020年5月2日)

通信技術省所轄の電気通信電話規制委員会(SY-TRA )は「公金回収業務は、それを妨害しようとするいかなる試みによっても阻止されることはない」とする異例の声明を発表した。

声明は、4月30日に、アサド大統領のいとこでシリアテル取締役会長のラーミー・マフルーフ氏のビデオ・メッセージを受けたもの。

SY-TRA は声明のなかで、マフルーフ氏を名指しにはしていないが、「携帯電話会社が請求されている支払いは、明確且つ現存する文書に基づいており、国家に納付されてしかるべきものである。その計算は、財務、経済、技術、法律にかかる専門委員会の業務に基づいて行われている」と表明した。

また「携帯会社の営業を維持し、市民へのサービス提供を継続できるようにするため、充分な配慮を行い、猶予期間を設けている」と付言した。

AFP, May 2, 2020、ANHA, May 2, 2020、AP, May 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2020、Reuters, May 2, 2020、SANA, May 2, 2020、SOHR, May 2, 2020、UPI, May 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.