シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で『シャルリ・エブド』による預言者ムハンマドの風刺画(再)掲載に抗議するデモ(2020年9月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で、「アッラーの使徒を差し置いて」と銘打った抗議デモが行われ、フランスの週刊風刺新聞『シャルリ・エブド』による預言者ムハンマドの風刺画掲載に抗議し、イスラーム世界との連帯を呼びかけた。

抗議デモは、9月2日に『シャルリ・エブド』襲撃事件(2015年1月7日)の裁判が始まったのに合わせて、同日付同紙が預言者ムハンマドの風刺画を再掲載したのを受けたもの。

デモ参加者は、思想信条の自由を訴え、宗教・宗派対立を煽る「過激派」の処罰を求めた。

AFP, September 4, 2020、ANHA, September 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2020、Reuters, September 4, 2020、SANA, September 4, 2020、SOHR, September 4, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県マアバダ町近郊の村人がロシア軍の基地建設に反対(2020年9月4日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境沿いに位置するマアバダ(カルキールキー)町近郊のハヤーカー村、下サルマサーフ村の郊外に宿営するロシア軍のテント前で、住民がロシア軍による基地建設反対を訴え、基地建設の決定を撤回するよう求めた。

AFP, September 4, 2020、ANHA, September 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2020、Reuters, September 4, 2020、SANA, September 4, 2020、SOHR, September 4, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県を砲撃(2020年9月4日)

ラッカ県では、ANHA(9月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のアフダクー村、クーバルラク村、ビール・アラブ村、カズアリー村、クールファリー村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジンディールス町近郊のクージャマーン村とアシュカーン村で国民軍に所属するイスラーム軍とヌールッディーン・ザンキー運動が、住居の分配をめぐって対立し、交戦となった。

AFP, September 4, 2020、ANHA, September 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2020、Reuters, September 4, 2020、SANA, September 4, 2020、SOHR, September 4, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下のダイル・ザウル県で混乱が続く一方、ハサカ県ではSANAがシリア民主軍による学校接収を批判(2020年9月4日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が北・東シリア自治局の支配下のブサイラ市で9月6日から外出禁止令を発出すると拡声器を通じて住民に告知した。

同市ではまた、シリア民主軍が男性1人をひき逃げした。

ひき逃げされた男性は重傷を負った。

このほか、ザッル村で内務治安部隊(アサーイシュ)の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、隊員複数人が負傷した。

一方、北・東シリア自治局の支配下のアズバ村では抗議デモが行われ、米主導の有志連合に対して、シリア軍と「イランの民兵」を排除するよう求めた。

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SANA(9月4日付)は、シリア民主軍がハサカ県内の小中高校など213の教育施設のうち137施設を接収し、住民の教育の機会を奪い、独自のカリキュラムを準備、生徒に分離主義思想を押しつけようとしていると伝えた。

AFP, September 4, 2020、ANHA, September 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2020、Reuters, September 4, 2020、SANA, September 4, 2020、SOHR, September 4, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で68人、北・東シリア自治局支配地域で15人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で5人(2020年9月4日)

保健省は政府支配地域で新たに68人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者17人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、9月4日現在の同地での感染者数は計3,041人、うち死亡したのは127人、回復したのは698人となった。

SANA(9月4日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに15人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者12人が完治したと発表した。

これにより、9月4日現在の同地での感染者数は計624人、うち死亡したのは40人、回復したのは158人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市3人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市4人、ダルバースィーヤ市1人、マアバダ(カルキールキー)町1人、マーリキーヤ(ダイリーク)市3人、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市1人、ダイル・ザウル県2人。

ANHA(9月4日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月4日に新たに5人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、2人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計99人、うち回復したのは66人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1375758415962379/

AFP, September 4, 2020、ACU, September 4, 2020、ANHA, September 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2020、Reuters, September 4, 2020、SANA, September 4, 2020、SOHR, September 4, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県とアレッポ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年9月4日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから182日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がサラーキブ市一帯で交戦し、トルコ軍がシリア政府支配下の同地一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

「決戦」作戦司令室もシリア政府の支配下にあるダール・カビーラ村、カフルナブル市を砲撃した。

一方、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村近郊ではシリア軍兵士2人が地雷の爆発に巻き込まれて死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がカフルタアール村一帯で交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、前日に続いてダルアー市ダルアー・バラド地区で、住民数十人が抗議デモを行い、当局によって拘束された逮捕者の消息究明を要求した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(イドリブ県7件、ラタキア県4件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 4, 2020、ANHA, September 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 4, 2020、Reuters, September 4, 2020、SANA, September 4, 2020、SOHR, September 4, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民453人と国内避難民(IDPs)3人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は595,446人、2019年以降帰還したIDPsは66,296人に(2020年9月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月4日付)を公開し、9月3日に難民453人(うち女性136人、子供231人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民453人(うち女性136人、子供231人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は595,446人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者200,198人(うち女性60,199人、子ども101,829人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,705,117人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は824,726人(うち女性247,475人、子供420,320人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は3人(うち女性1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,296人(うち女性23,109人、子供27,281人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,892人(うち女性405,668人、子供671,047人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 4, 2020をもとに作成。

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