ホワイト・ヘルメットはシリアで多発する森林火災を消火するためシリア政府支配地に入る用意があると表明(2020年9月8日)

ホワイト・ヘルメットは、フェイスブック(https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/)やツイッター(https://twitter.com/SyriaCivilDef/)の公式アカウントを通じて声明を出し、ハマー県北西部やラタキア県東部で多発している森林火災の消火作業を支援する用意があると表明した。

声明はアラビア語ではなく、英語で書かれており、その内容は以下の通り。

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声明:シリア民間防衛隊はシリアでの火災の消火を支援する用意がある。

シリア西部の村や都市は数日前に農地や植林地で発生した大規模火災と闘っている。火は制御できず、環境、そして市民数十人に被害をもたらした。

火災は一地域に被害をもたらすだけでなない。広範囲に拡がり、民間人の居住地を脅かし、環境被害をもたらす。これらの地域が復興するには数年を擁するだろう。

シリア民間防衛隊はシリアの人道活動の現状を目にして悲しくなる。なぜなら、我々は、ボランティアの身の安全を考えているがゆえに、自分たちの人道的な義務を果たすことができないからだ。

シリア民間防衛隊は、消化と復興プロセスを支援する用意があることを強調する。シリア民間防衛隊がシリアの複数の地域で発生している災害と闘う用意があると表明するのはこれが初めてではない。

シリア民間防衛隊は、ボランティアの身の安全が確保され、彼らが火災の拡大を食い止めるために(政府の支配)地域に入り、今後起こり得る災害や被害から市民を救う方法が与えられることを改めて要求する。

 

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/photos/a.1712251465765921/2779361412388249/?type=3&theater

 

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(9月8日付)は、ホワイト・ヘルメットが声明を出し、シリア政府の支配地域に立ち入ることを認めるよう要請したと伝えた。

同サイトが伝えた声明は、ホワイト・ヘルメットが公式アカウントを通じて発表したものとは異なり、以下の通り表明されている。

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シリアのいかなる地域、いかなる樹木も、多くの犠牲によってもたらされたシリア国民の財産である。シリアは、すべての県が我々のものだ。我々は1インチたりとも譲歩しない。我々は犯罪者や占領者がこれらの地域を掌握しようと、これを認めない。

公式声明を通じて示された我々のイニシアチブは、殺戮犯罪者体制に向けられたものではない。灌木と森林はアサド家や支配者悪党どもの財産ではない。森林と灌木はシリア、そしてシリア人民のものだ。

民間防衛隊は、合法性を有する人道民衆組織である。民間防衛隊は、声明を通じて、アサドの悪党どもとその組織を排除したのちに、立ち入ると表明する。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はハマー県ミスヤーフ郡での森林火災の超過活動にヘリコプター2機を投入(2020年9月8日)

ハマー県では、SANA(9月8日付)によると、ミスヤーフ郡のハイルーナ村とラクバ村の間で発生している森林火災に、シリア軍がヘリコプター2機を投入し、消火活動にあたった。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県東部でシリア民主軍を狙った攻撃相次ぐ(2020年9月8日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月8日付)によると、北・東シリア自治局の支配下のハワーイジュ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の検問所近くに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

また、ジャフラ村近くの街道で正体不明の武装集団がシリア民主軍の拠点にRPB弾を撃ち込んだ。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市近郊の村で米軍とトルコ軍の撤退を求めるデモ(2020年9月8日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市近郊のダムヒーヤ村で住民数十人が抗議デモを行い、米軍とトルコ軍の撤退を求めた。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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リビアからシリア人傭兵1,200人が帰還する一方、トルコはリビア残留を希望するシリア人の給与を減額(2020年9月8日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加していたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)約1,200人がこの1週間でトルコ占領下のアレッポ県北部に帰還する一方、トルコがリビアへの残留を希望する傭兵への給与を月2,000米ドルから米600ドルに引き下げたと発表した。

なお、トルコがリビアに派遣した国民軍戦闘員の数は18,000人(うち子供350人)、契約が終了し、帰国した戦闘員の数は7,100人となった。

一方、リビアに派遣されたジハード主義者の数は10,000人(うちチュニジア人は2,500人)。

リビアでの戦闘で死亡したシリア人戦闘員は481人(うち子供34人)とされる。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で60人、北・東シリア自治局支配地域で15人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で7人(2020年9月8日)

保健省は政府支配地域で新たに60人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者16人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、9月8日現在の同地での感染者数は計3,289人、うち死亡したのは140人、回復したのは760人となった。

SANA(9月8日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに15人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者14人が完治したと発表した。

これにより、9月8日現在の同地での感染者数は計704人、うち死亡したのは42人、回復したのは212人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市4人、カーミシュリー市4人、マーリキーヤ(ダイリーク)市2人、ルマイラーン町2人、タッル・タムル町1人、ダルバースィーヤ市1人、マアバダ(カルキールキー)町1人。

ANHA(9月8日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月8日に新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計138人、うち回復したのは81人、死亡したのは2人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1379344105603810/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者7人が確認されたと発表した。

新規感染者の内訳は、「解放区」のイドリブ県イドリブ市3人、アレッポ県ダーラ・イッザ市1人、トルコ占領下のアレッポ県バーブ市2人、アアザーズ市1人。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計138人(うち59人は「解放区」、79人はトルコ占領地)、うち死亡したのは1人となった。

AFP, September 8, 2020、ACU, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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トルコはイドリブ県アリーハー市の住民にビラを回付、地域の経済再生のためM4高速道路を再開させたいと表明(2020年9月8日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから186日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(9月8日付)によると、トルコ軍が、M4高速道路の沿線に位置するアリーハー市の住民にビラを配布し、住民の声明と財産の保護に努めており、イドリブ県に対する軍事行動を阻止し、国内避難民(IDPs)を帰還させるすることが駐留の目的だとしたうえで、M4高速道路とM5高速道路の通行を再開させることで地域の経済生活を再生したいと強調し、理解を求めた。


一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、カフル・ウワイド村、ハルーバ村、フライフィル村、バーラ村、バイニーン村森林地帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村の丘陵地帯を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県西部の第46中隊基地一帯でシリア軍とシャーム解放機構が交戦した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民413人と国内避難民(IDPs)21人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は597,239人、2019年以降帰還したIDPsは66,341人に(2020年9月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月8日付)を公開し、9月7日に難民413人(うち女性124人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民413人(うち女性124人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は597,239人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者201,991人(うち女性60,738人、子ども102,743人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,136人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は826,106人(うち女性247,890人、子供421,024人)となった。

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一方、国内避難民21人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは21人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は21人(うち女性10人、子供7人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,341人(うち女性23,125人、子供27,299人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,937人(うち女性405,684人、子供671,065人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 8, 2020をもとに作成。

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