アルメニアとの緊張状態が続くアゼルバイジャンにトルコが派遣したシリア人傭兵(国民軍)を撮影したとされるビデオ映像がSNSで公開・拡散(2020年9月27日)

SNSでは、アルメニアとの緊張状態が続くアゼルバイジャンにトルコが派遣したシリア人傭兵(国民軍)を撮影したとされるビデオ映像が公開され、拡散された。

拡散された映像は二つ。

最初の映像には、シリア人戦闘員数百人を乗せた四輪駆動車数十台がアゼルバイジャン国内の基地を出発し、アルメニアとの国境地帯に向かっている様子が写されて、車列に声援を送る人々によるアゼリー語を聞き取ることができる。

https://twitter.com/TurkeyAffairs/status/1310203005162094592

2本目の映像には、負傷したシリア人戦闘員と思われる男性が「若者よ、君たち、そして君たちよ、アゼルバイジャンを見てみろ。若者よ、君たち、君たちよ、戦闘地域を離れるな。我々の喉元に目的があり、我々の喉元に拘束されている女たちがいる」と訴えて、アゼルバイジャンに来ないよう警告しているというもの。

しかし、タアッキド(9月27日付)によると、この映像は、アゼルバイジャンではなく、シリア国内で撮影されたもの。

https://www.youtube.com/watch?v=4lSbVVwS3g4

映像の男性は、アスアド・アブドゥルハミード・イブラーヒーム(通称アブー・マスアブ・シャンナーン)という名前で、トルコの支援を受ける国民解放戦線に所属するシャームの鷹旅団のメンバーで、イドリブ県ザーウィヤ山地方での最近の戦闘で負傷し、アゼルバイジャンには行っていないという。

イブラーヒーム氏は、イドリブ市のハヤート病院で治療を受け、現在はイドリブ県ラアス・ヒスン村近郊におり、タアッキドは現地で撮影した写真を掲載した。


AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020、Ta’akkid, September 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

財務省は政府に近いビジネスマンのサーイブ・ナッハース氏と息子の資産を凍結(2020年9月27日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月27日付)は、財務省が政府に近いビジネスマンのサーイブ・ナッハース氏と息子のムハンマド・ナッハース氏の動産および不動産を差し押さえたと伝えた。

400万米ドル相当の商品を輸入していたにもかかわらず、200万米ドル分の商品の関税しか支払われていなかったことが理由だとされ、サーイブ・ナッハース氏が経営するタルトゥース県マシュター・フルウ町にあるアムリート・リゾート、ダマスカス郊外県キスワ市に最近建設されたハディーサ自動車社、ナッハース・トラベルなどの旅行・運輸関連会社、各種不動産などが差し押さえられたという。

なお、これに先だって、財務省は25日、同じく政府に近いハーニー・アッズーズ氏の動産、不動産を差し押さえている。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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トルコが占領下のシリア北部で募集したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)の第1陣がアゼルバイジャンに到着(2020年9月27日)

シリア人権監視団は、トルコが占領下のシリア北部で募集したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)の第1陣が、アルメニアとの緊張状態が続く、アゼルバイジャンに到着したことを確認したと発表した。

同監視団によると、第1陣は数日前に、アレッポ県アフリーン郡を出発、トルコを経由して、空路でアゼルバイジャン入りしたという。

また、第2陣も近々にアゼルバイジャンに到着予定だという。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がラッカ県ラサーファ砂漠でダーイシュを爆撃(2020年9月27日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ハマー県、アレッポ県との県境に近いラサーファ砂漠で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦を続けるなか、ロシア軍戦闘機複数機が、同地のダーイシュに対して爆撃を実施した。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県タッル・カートゥーフ村で住民が国民軍による逮捕・犯罪行為に抗議(2020年9月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団やSANA(9月27日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市南のタッル・カートゥーフ村で、国民軍に所属するスルターン・スライマーン・シャー旅団が民家に押し入り、住民6人を拘束した。

同様の事件は24日にも発生していた。

これに対して、住民が街頭で抗議デモを行い、国民軍による相次ぐ住民拘束や犯罪行為に異議を唱えた。

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ラッカ県では、ANHA(9月27日付)によると、トルコ軍憲兵隊が占領下のタッル・アブヤド市近郊にあるナッス・タッル村からトルコ領内に不法入国しようとした男性1人を射殺した。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県タルワーズィーヤ村で男性2人が射殺(2020年9月27日)

ラッカ県では、SANA(9月27日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタルワーズィーヤ村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が民家に押し入り、男性2人を射殺した。

しかし、シリア人権監視団によると、住民はシリア軍による犯行だと疑い、村内に設置されているシリア軍とロシア軍の合同拠点を襲撃した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるスブハ村でシリア民主軍傘下の「自衛部隊」の検問所近くで爆弾が爆発した。

一方、スーサ町では、午後6時から午前6時までのオートバイの通行禁止令が9月28日に発動されるのに先立って、シリア民主軍が同町でオートバイ数十台を押収した。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルス感染症対策として閉鎖されていたナスィーブ国境通行所が再開され、ヨルダンに貨物トラックが入国(2020年9月27日)

ダルアー県では、新型コロナウイルス感染症対策として閉鎖されていたナスィーブ国境通行所(ヨルダン側はジャービル国境通行所)が再開され、ムヒーブ・リファーイー県運輸局長によると、野菜や果物を摘んだ貨物トラック65輌がヨルダン領内に入った。

SANA(9月27日付)が伝えた。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で34人、北・東シリア自治局支配地域で39人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で38人(2020年9月27日)

保健省は政府支配地域で新たに34人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者14人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、9月27日現在の同地での感染者数は計4,072人、うち死亡したのは192人、回復したのは1,062人となった。

SANA(9月27日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに39人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、9月27日現在の同地での感染者数は計1,398人、うち死亡したのは61人、回復したのは397人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市17人、カーミシュリー市9人、マアバダ(カルキールキー)町4人、マーリキーヤ(ダイリーク)市3人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市2人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村2人、ルマイラーン町1人、タッル・タムル町1人。

ANHA(9月27日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月27日に新たに38人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、26人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計863人、うち回復したのは434人、死亡したのは6人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1397031410501746/

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シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者38人が確認されたと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計863人、うち死亡したのは10人(シリア人権監視団の発表によると9人)、完治したのは434人となった。

AFP, September 27, 2020、ACU, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県のシリア政府支配地で反体制派のドローンの爆撃によると思われる爆発が複数回発生(2020年9月27日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから204日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるカフルバッティーフ村のシリア軍拠点複数カ所で、反体制派の無人航空機(ドローン)の爆撃によると見られる爆発が複数回にわたって発生した。

また「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるカフルナブル市、ハザーリーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス村、ムジャイリズ村、ザーウィヤ山地方のバーラ村、フライフィル村、カンスフラ村、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。

一方、M4高速道路沿線のジスル・シュグール市西のズアイニーヤ村近くで、ラタキア県北東部で活動を続ける第1沿岸師団の車列が正体不明の武装集団の襲撃を受け、司令官1人と護衛複数人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、ダクマーク村、アンカーウィー村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯、トルコマン山地方一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市シヤーフで地区で、シリア政府との和解に応じ、第4軍団に従軍していた元反体制武装集団メンバー1人が何者かに撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 27, 2020、ANHA, September 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 27, 2020、Reuters, September 27, 2020、SANA, September 27, 2020、SOHR, September 27, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民412人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は605,246人に(2020年9月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月27日付)を公開し、9月26日に難民412人(うち女性124人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民412人(うち女性124人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は605,246人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者209,998人(うち女性63,142人、子ども106,826人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,023人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は834,526人(うち女性250,418人、子供425,317人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 27, 2020をもとに作成。

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