ジャミール元副首相:米国はトルコによるシリアへの再侵攻を認めない一方、クルド民族主義政党とPKKの関係を断ち切る必要を強調(2020年9月24日)

モスクワ・プラットフォームの代表を務めるカドリー・ジャミール元副首相(人民意思党党首)は、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が最近になって、シリアのクルド民族主義活動家らと会談し、5項目からなる米国の姿勢を明らかにしたと発表した。

ジャミール元副首相によると、5項目とは以下の通り:

1. 米国はクルド人による統治には関与せず、シリアの領土保全とクルド人の権利獲得をめざす。
2. 米国は2019年のトルコによるシリア北部侵攻のような事態の再発を許さず、そうした事態が発生した場合には制裁を発動する。
3. クルド民族主義勢力が早急に合意に達し、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)の枠外で強力な反体制勢力が成立することを重視する。
4. クルド民族主義諸政党とクルディスタン労働者党(PKK)の関係を断ち切る必要がある。
5. 上記の項目は米国の政権交代に左右されない戦略である。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月25日付)が伝えた。

AFP, September 25, 2020、ANHA, September 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2020、Reuters, September 25, 2020、SANA, September 25, 2020、SOHR, September 25, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ県ジスル・シュグール市でダーイシュの外国人メンバー1人を殺害、別の外国人1人を逮捕(2020年9月24日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の治安部隊が、M4高速道路沿線に位置する拠点都市の一つジスル・シュグール市内のスーマア地区でダーイシュ(イスラーム国)に参加する外国人1人を殺害した。

シャーム解放機構の治安部隊はまた、市内のキリスト教地区にある別の外国人の住居に突入し、この外国人を逮捕した。

AFP, September 25, 2020、ANHA, September 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2020、Reuters, September 25, 2020、SANA, September 25, 2020、SOHR, September 25, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市で米軍とトルコ軍の占領と経済制裁に抗議する集会(2020年9月24日)

ハサカ県では、SANA(9月24日付)やシリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるカーミシュリー市近郊のタッル・サティーフ村で住民が抗議集会を開催し、米軍とトルコ軍の占領、米国をはじめとする西側諸国による一方的な経済制裁に抗議の意思を示した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市のダム街道地区で住民数十人が、シリア軍による住民の拘束、殺害、暴行などに抗議するデモを行った。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県、アレッポ県での反体制武装集団どうしの抗争で住民3人死亡(2020年9月24日)

ハサカ県では、SANA(9月24日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のタッル・ハラフ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民3人が死亡、12人が負傷した。

ANHA(9月24日付)によると、タッル・ハラフ村ではまた、地雷が爆発した。

2度にわたる爆発は、トルコの支援を受ける国民軍に所属しているハムザート師団とマリク・シャー師団の戦闘員どうしの勢力争いが原因。

いずれもタッル・ハラフ村が自らの支配下にあると主張し、抗争を続けているという。

一方、SANAによると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍は、ラアス・アイン市近郊のタッル・カートゥーフ村で、女性4人を含む住民14人を拉致、連行した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジンディールス町近郊のジュールカーン村で国民軍に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動とハムザート師団が重火器を使用して激しく交戦し、戦闘員2人が負傷した。

一方、ANHA(9月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるスーガーニカ村を砲撃した。

このほか、ロシア軍とトルコ軍は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市東の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県とラッカ県でシリア民主軍への襲撃続き、兵士3人死亡(2020年9月24日)

ダイル・ザウル県では、SANA(9月24日付)によると、北・東シリア自治局のズィーバーン町で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点1カ所が、正体不明の武装集団の襲撃を受けて、兵士2人が死亡した。

また、ANHA(9月24日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるスワル町でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

さらに、シリア人権監視団によると、ザッル村でシリア民主軍傘下の「自衛部隊」の拠点が正体不明の武装集団によって襲撃された。

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ラッカ県では、SANA(9月24日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるラッカ市のサカン・シャバービー地区で、シリア民主軍の拠点1カ所が、正体不明の武装集団の襲撃を受け、兵士1人が死亡した。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で42人、北・東シリア自治局支配地域で36人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で35人(2020年9月24日)

保健省は政府支配地域で新たに42人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、9月24日現在の同地での感染者数は計3,966人、うち死亡したのは183人、回復したのは1,013人となった。

SANA(9月24日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに36人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者16人が完治したと発表した。

これにより、9月24日現在の同地での感染者数は計1,343人、うち死亡したのは55人、回復したのは379人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市10人、カーミシュリー市9人、マーリキーヤ(ダイリーク)市7人、ダルバースィーヤ市7人、マアバダ(カルキールキー)町2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市2人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)2人。

ANHA(9月24日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月24日に新たに35人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、75人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計760人、うち回復したのは335人、死亡したのは6人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1394447904093430/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者35人が確認されたと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計760人、うち死亡したのは10人(シリア人権監視団の発表によると9人)、完治したのは335人となった。

AFP, September 24, 2020、ACU, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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国民社会支援基金は退役兵士2,345人に融資(2020年9月24日)

SANA(9月24日付)は、国民社会支援基金が国民小規模融資機構との合意(9月17日)に基づき、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ラタキア県、タルトゥース県、スワイダー県で融資を行った退役軍人の数が9月24日の時点で2,345人に達していると伝えた。

国民社会支援基金には36,000人以上の退役軍人が支援申請を行っている。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県とハマー県で交戦(2020年9月24日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから201日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、マンタフ村、カドゥーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカフルナブル市一帯、ダーナー村、ジャッラーダ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のザイズーン村、カストゥーン村、ズィヤーラ町、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、クライディーン村一帯、灌漑計画地区を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍は米軍が駐留するルマイラーン油田の職員40人を変圧器を盗んだとして逮捕(2020年9月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍が駐留しているルマイラーン油田で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の諜報機関が、従業員約40人を油田に設置されていた変圧器を盗んで、転売したとして逮捕した。

一方、米軍は、タッル・ブラーク町一帯で通常任務となるパトロールを実施した。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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トルコはアゼルバイジャンに国民軍戦闘員を傭兵として派遣(2020年9月24日)

シリア人権監視団は、トルコが占領下に置いているアレッポ県アフリーン郡(いわゆる「オリーブの枝」地域)で活動を続けている国民軍の戦闘員300人以上を、傭兵としてアゼルバイジャンに派遣したと見られると発表した。

派遣された戦闘員は、スルターン・ムラード師団、アムシャート師団のメンバーで、毎月1,500~2,000米ドルを報酬を与えられるという。

AFP, September 24, 2020、ANHA, September 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2020、Reuters, September 24, 2020、SANA, September 24, 2020、SOHR, September 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民375人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は604,023人に(2020年9月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月24日付)を公開し、9月23日に難民375人(うち女性113人、子供192人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民375人(うち女性113人、子供192人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は604,023人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者208,775人(うち女性62,775人、子ども106,202人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,023人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は833,303人(うち女性250,051人、子供424,693人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 24, 2020をもとに作成。

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