フォックス・ニュースはイスラエル軍戦闘機が破壊したアレッポ県サフィーラ市の防衛工場機構の施設の画像を公開(2020年9月15日)

フォックス・ニュース(9月15日付)は、イスラエル軍戦闘機が9月11日のアレッポ県サフィーラ市の防衛工場機構を攻撃した直後に、イスラエルの民間衛星画像企業イメージサット・インターナショナル(ISI)が撮影した写真を掲載したとされる画像を掲載し、この攻撃でミサイル製造施設が破壊されたと伝えた。

ISIは、破壊された施設が2階建てで、中には爆発物、機器、装備が保管されているとしたうえで、攻撃がヒズブッラーが有するとされるミサイル製造能力を低下させる狙いがあったと船機しているという。

ISIによると、イスラエルは過去3年間でシリア領内の「イランの民兵」の施設に対して200回以上の爆撃を行っている。

AFP, September 15, 2020、ANHA, September 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2020、Fox News, September 15, 2020、Reuters, September 15, 2020、SANA, September 15, 2020、SOHR, September 15, 2020などをもとに作成。

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トランプ米大統領「アサド大統領を殺そうとしたが、マティス前国務長官はやりたがらなかった」(2020年9月15日)

ドナルド・トランプ米大統領はフォックス・チャンネルのトーク番組「フォックス・アンド・フレンズ」のなかで、アサド大統領を排除するために「一撃」を加えようとしたが、ジェームズ・マティス前国務長官に阻止されたとして、前国務長官を非難した。

トランプ大統領は、2018年に出版された『ワシントン・ポスト』紙のボブ・ウッドワード記者の著書『恐怖』のなかで、自身がマティス前国務長官に電話をかけ、2017年に民間人に対して化学兵器で攻撃を行った独裁者であるアサド大統領を殺したいと伝えたと書かれていることに関して質問されたことを受けて、こう答えた。

「私は彼(アサド大統領)を排除したかった。すべてお膳立てしたのに、マティスはやりたがらなかった。マティスはきわめて過大評価された将軍だ…。ひどい指導者だった」と述べた。

『恐怖』には、このときの様子について、トランプ大統領が「彼(アサド大統領)ぶっ殺そう! やろうぜ。連中を何人もぶっ殺そう」と言ったとしている。

だが、これに対して、マティス前国務長官は「我々はよくよく考えねばならない」として、これを拒否、その後、シリア領内への限定的なミサイル攻撃を計画したという。

トランプ大統領はまた、「フォックス・アンド・フレンズ」のなかで「マティス前国務長官はアサドを排除しなかったことを後悔しなかった…。私も後悔していない。そうしてもしなくても暮らすことはできた。私が彼(アサド)を良い人間ではないと思っていることは分かるだろ。やりたければ、彼を排除するために撃っていた…。でも、マティスはそうすることに反対した」と述べた。

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国連人権理事会調査委員会のピネイロ委員長はトルコの支援を受ける国民軍が戦争犯罪を行っていると非難(2020年9月15日)

シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長(ブラジル)は、スイスのジュネーブでの会合で、国連安保理に提出された最新の報告書の内容に関して、トルコの支援を受ける国民軍が、市民の拉致、拷問、略奪といった非人道的な行為を行っており、トルコは抑える必要があると述べた。

ピネイロ委員長は「アフリーン市、ラアス・アイン市、そして両市周辺地域では、トルコが支援する国民軍が誘拐、残酷な扱い、拷問、強姦といった戦争犯罪を行っている」としたうえで、「トルコはこうした虐待を阻止し、支配地域の市民を保護すべきだ」と強調した。

また、国民軍がシリア人を拘束し、訴追のためにトルコに移送することが、戦争犯罪にあたる可能性があると指摘した。

ロイター通信(9月15日付)などが伝えた。

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リビア国民軍がトルコによって派遣されたシリア国民軍の拠点を攻撃し、ジハード主義戦闘員7人を殺害(2020年9月15日)

リビア中部のサブハ県では、シリア人権監視団によると、ハリーファ・ハフタル将軍が率いるリビア国民軍が、トルコによって派遣された国民軍(Turkish-backed Free Syrian Army:TFSA)の拠点を攻撃し、激しい戦闘の末、TFSA側のジハード主義者7人を殺害した。

7人のうち3人はサウジアラビア人、2人はリビア人、1人はエジプト人、1人はオーストリア人。

3人のサウジアラビア人のうち1人は、装着していた爆弾ベルトを自爆させて死亡したという。

リビア国民軍はまたこの戦闘で、エジプト人女性1人とリビア人女性1人を拘束した。

なお、トルコがリビアに派遣した国民軍戦闘員の数は18,000人(うち子供350人)、契約が終了し、帰国した戦闘員の数は7,100人、国民軍とともにリビアに派遣されたジハード主義者の数は10,000人(うちチュニジア人は2,500人)、リビアでの戦闘で死亡したシリア人戦闘員は約500人とされる。

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トルコ占領下のラアス・アイン市近郊で国民軍と地元民兵が交戦(2020年9月15日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊で、国民軍に所属するハムザ師団および東部自由人連合が、地元住民からなるハサカ自由人連動や地元民兵と交戦した。

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ロシア軍はラッカ県ラサーファ砂漠でダーイシュを爆撃(2020年9月15日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府の支配下にあるラサーファ砂漠に展開するシリア軍の拠点複数カ所を襲撃、これに対してロシア軍戦闘機が出撃し、同地を爆撃した。

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米主導の有志連合はシリア北部でヘリコプターが緊急着陸したと発表(2020年9月15日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)のウェイン・マロット報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/oirspox)を通じて声明を出し、「有志連合所属のヘリコプターが北シリアで9月15日9時30頃緊急着陸を行った。救急隊が事件に対応し、負傷者はなく、乗組員は収容された」と発表した。

その後、「最初の声明に対する訂正」として、「当初の報告では、有志連合所属のAH-64アパッチ・ヘリコプターが今日、北シリアに緊急着陸を行ったことあったが、その後の調査によると、ヘリコプターは予防着陸を決定した」、「ヘリコプターは、乗務員がトランスミッションに障害の可能性を知らせる警告を受け取り、予防着陸した。ヘリコプターと乗組員は着陸地点を出発し、シリア北東部の基地に無事に帰還した。乗組員に負傷者はなかった」と訂正した。

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ガンバ国連児童・武力紛争特別代表がシリア民主軍、北東シリア自治局幹部とテレビ会合(2020年9月15日)

国連のビルヒニア・ガンバ児童・武力紛争特別代表は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令部と北・東シリア自治局執行評議会共同議長府との合同テレビ会合に参加した。

合同テレビ会合には、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官、アブドゥルハーミド・ミフバーシュ執行評議会共同議長、女性防衛隊(YJP)のノウルーズ・アフマド司令官、シリア民主軍関係局のナスリーン・アブドゥッラー氏とライドゥール・ハリール氏が参加した。

会合では、2019年6月29日に国連との間で交わされた合同行動計画の進捗状況、北・東シリア自治局内のキャンプに収容されているダーイシュ(イスラーム国)のメンバーの家族の状況や帰国の可能性、リハビリ・センター設置の必要性などについて意見が交わされた。

なお、2019年に交わされた行動計画は、児童兵の徴兵や学校の軍事施設としての転用の禁止、ダーイシュ・メンバーの家族のための児童リハビリ施設の設置、国連による立ち入り調査と支援などを骨子としている。

ANHA(9月15日付)が伝えた。

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アルヌース内閣は10月1日付でダマスカス国際空港での旅行者受け入れ規制を解除することを決定(2020年9月15日)

フサイン・アルヌース内閣は定例閣議を開催し、新型コロナウイルス感染症対策として利用が規制されていたダマスカス国際空港での旅行者の受け入れを10月1日から安全対策にかかる条件と基準に沿って、再開することを決定した。

閣議ではまた、基本物資20品目の価格を統制し、業者に国内通商消費者保護省が設定する価格の表示を義務づけること、インターネットを通じたパン配給制度の運用を決定した。

アルヌース首相はさらに、森林火災が相次いだハマー県スカイラビーヤ郡(ガーブ地方)の(再)開発とインフラ確保にかかる計画の実施要件が満たされていることを確認する一方、生産部門における融資の定期的な評価の実施を要請、また農業・農業改革省、経済対外通商省に国内市場での肥料の確保を、保健省と教育・高等教育省に対して、各県の学校での新型コロナウイルス感染症対策の実施状況を確認するための作業チームを設置するよう要請した。

SANA(9月15日付)が伝えた。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で38人、北・東シリア自治局支配地域で63人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で77人(2020年9月15日)

保健省は政府支配地域で新たに38人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者13人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、9月15日現在の同地での感染者数は計3,614人、うち死亡したのは160人、回復したのは871人となった。

SANA(9月15日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに63人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者9人が完治したと発表した。

これにより、9月15日現在の同地での感染者数は計903人、うち死亡したのは46人、回復したのは291人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市29人、カーミシュリー市6人、マーリキーヤ(ダイリーク)市2人、アームーダー市1人、タッル・タムル町3人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村1人、ラッカ県のラッカ市13人、タブカ市5人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市2人、ハサカ県フール・キャンプ1人。

ANHA(9月15日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で9月15日に新たに77人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、11人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計422人、うち回復したのは114人、死亡したのは3人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1386590854879135/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者77人が確認されたと発表した。

新規感染者の内訳は、アレッポ県53人、イドリブ県24人。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計422人、うち死亡したのは1人、完治したのは114人となった。

AFP, September 15, 2020、ACU, September 15, 2020、ANHA, September 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2020、Reuters, September 15, 2020、SANA, September 15, 2020、SOHR, September 15, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍がM4高速道路でのトルコ軍との合同パトロールへの参加を見送り、イドリブ県各所を爆撃(2020年9月15日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから193日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がラタキア市とアレッポ市を結ぶM4高速道路沿線のアリーハー市、ジスル・シュグール市一帯に部隊を展開させ、ヘリコプターを投入して、上空から監視活動を行い、ロシア軍との合同パトロール実施の準備を行った。

だが、ロシア軍部隊は参加せず、トルコ軍部隊は単独でパトロールを実施した。

ロシア軍部隊が参加を見送った理由は不明。

その後、ロシア軍戦闘機6機はマアッラトミスリーン市西に展開するシャーム解放機構の拠点複数カ所を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月15日付)によると、ロシア軍戦闘機が爆撃したのは、シャイフ・バフル村、ブフーリー村、バータンター村で、これと合わせて地中海東部に展開するロシア海軍の艦艇が対地巡航ミサイルで同地を攻撃したという。

この爆撃で、シャーム解放機構のメンバー複数人が負傷した。

ロシア軍戦闘機はまた、イドリブ市西の森林地帯に対して20回以上の爆撃を行った。

シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山のルワイハ村、バイニーン村および周辺の森林地帯、マウラザ、スフーフン村、バーラ村、カフル・ウワイド村、ハルーバ村などを砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムサイフラ町とサフワ村を結ぶ街道に設置されているシリア軍第5軍団の検問所で、首を切り落とされた兵士5人の遺体が発見された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 15, 2020、ANHA, September 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 15, 2020、Reuters, September 15, 2020、SANA, September 15, 2020、SOHR, September 15, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民477人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は600,377人に(2020年9月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月15日付)を公開し、9月14日に難民477人(うち女性143人、子供243人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民477人(うち女性143人、子供243人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は600,377人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者205,129人(うち女性61,680人、子ども104,343人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,136人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は829,657人(うち女性248,956人、子供422,834人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 15, 2020をもとに作成。

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