ロシア難民受入移送居住センター:難民269人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は658,745人に(2021年4月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月21日付)を公開し、4月20日に難民269人(うち女性80人、子供137人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民269人(うち女性80人、子供137人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は658,745人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者263,497人(うち女性79,207人、子ども134,109人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は888,025人(うち女性266,483人、子供452,600人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,191人(うち女性31,537人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,787人(うち女性414,096人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 21, 2021をもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「シリアの体制が行う大統領選挙に正統性はない」(2021年4月20日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ハベル・トゥルク(4月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで、5月26日に投票が予定されているシリアの大統領選挙に正統性はなく、シリア政府は政治的解決を望んでいないと批判した。

チャヴシュオール外務大臣は「シリアの体制が行う大統領選挙に正統性はない、誰も承認しない。正統性のない選挙を支持することは我々の原則に反する」などと述べた。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に関しては、「シリア民主軍をシリア軍と統合しようとしている国が数多く存在する」と述べる一方、「米国はシリア民主軍を支援し、これをPKK(クルディスタン労働者党)と分離しようとしているが、それは不可能なことだ」と批判した。

AFP, April 21, 2021、ANHA, April 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 21, 2021、Haber Turk, April 20, 2021、Reuters, April 21, 2021、SANA, April 21, 2021、SOHR, April 21, 2021などをもとに作成。

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プライス米国務省報道官:シリアの大統領選挙にはいかなる正統性もないと述べる(2021年4月20日)

米国務省のネッド・プライス報道官はフッラ・チャンネル(4月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで、5月26日に投票が予定されているシリアの大統領選挙にはいかなる正統性もないと述べた。

プライス報道官は「現状においてアサド体制が大統領選挙の実施を呼びかけても、何ら信頼できない」などと述べた。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Alhurra, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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トルコ外務省が駐トルコ・スウェーデン大使を呼び出し、フルトクヴィスト国防大臣とシリア民主軍のアブディー総司令官のオンライン会談を厳しく非難(2021年4月20日)

アナトリア通信(4月20日付)は、トルコ外務省が、スタファン・ヘレストロム(Staffan Herrstrom)駐トルコ・スウェーデン大使を呼び出し、ペーテル・フルトクヴィスト国防大臣が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官とオンライン会談を行ったことに関して、スウェーデンの一部閣僚がテロリストの指導者たちと会談したことを厳しく非難したと伝えた。

AFP, April 20, 2021、Anadolu Ajansı, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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在ダマスカス米大使館は新型コロナウイルス感染症で死亡したミシェル・キールー氏に弔意を示す(2021年4月20日)

在ダマスカス米大使館はフェイスブックの公式アカウントを通じて、19日に新型コロナウイルス感染症で死亡したミシェル・キールー氏に弔意を示した。

弔文のなかで、大使館は、シリア国民と国際社会とともに、国連安保理決議第2254号に沿った政治的解決に向けて特別の努力を払い続けると主張した。

https://www.facebook.com/syria.usembassy/posts/10159109967332649

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ウマル油田近くで、米主導の有志連合とシリア民主軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発(2021年4月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているウマル油田近くで、兵站物資を輸送する米主導の有志連合と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、ズィーバーン町ではダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装グループが、若者1人を銃で撃ち、死亡させた。

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シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ダイル・ザウル県、ヒムス県スフナ市一帯の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って35回あまりの爆撃を実施した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある県南部のディブスィー・ディブスィー・アフナーン村近郊で、羊飼いの住民が放牧中に何者かの襲撃を受け、子供1人が死亡した。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市で国防隊と内務治安部隊(アサーイシュ)が交戦(2021年4月20日)

ハサカ県では、ANHA(4月20日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市で、国防隊と内務治安部隊(アサーイシュ)が交戦した。

交戦は、国防隊がワフダ通りにある内務治安部隊の検問所複数カ所を攻撃したことを受けたもので、内務治安部隊の隊員複数人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、戦闘は、内務治安部隊が検問所での停車を拒否した国防隊の車輌に向けて発砲したのがきっかけで、撃ち合いによって、内務治安部隊の隊員1人が死亡した。

これを受け、内務治安部隊がタイ地区にある国防隊の検問所を襲撃し、制圧したという。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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大統領選挙に初めて女性が立候補、拡散された写真は本人ではなく自殺したロシア人女性のもの(2021年4月20日)

人民議会の第2回臨時会第3回会合が議事堂で開かれ、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、5月26日に投票が予定されている大統領選挙に関して、議員に対して立候補者への文書による支持を求めた。

これを受けて、議長室に投票所が設置され、複数の議員が、第3回会合閉会後に議長室に立ち寄り、サッバーグ人民議会議長から記名用紙を受け取り、立候補者の氏名を記入、投票箱に投函した。

憲法第85条第3項には、「立候補届は、人民議会議員の35名以上の文書による支持が得られない場合、受理されない。また人民議会議員は1名以上の立候補者を支持してはならない」と規定されている。



https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3274731952629625

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また、サッバーグ議長は第3回会合で、ファーティン・アリー・ナハール氏が立候補を届け出たと発表した。

今回の選挙で女性が立候補するのは初めて。

これにより候補者数は3人(うち女性1人)となった。

SANA(4月20日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3274321379337349

ワタン・スィルブ(4月20日付)によると、ナハール氏は、1971年10月17日生まれ、ダマスカス県出身。

ダマスカス大学法学部を卒業。2009年に弁護士となり、弁護士組合クナイトラ支部に所属している。

父は、偵察局長を務めていたアリー・ナハール退役少将。

なお、サッバーグ人民議会議長による発表を受けて、SNS上ではナハール氏とされる女性の写真が拡散された。

https://twitter.com/2212_shadow/status/1384552745932402690?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1384552745932402690%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.watanserb.com%2F2021%2F04%2F20%2Fd985d986-d987d98a-d981d8a7d8aad986-d8b9d984d98a-d986d987d8a7d8b1-d8a7d984d985d8b1d8b4d8add8a9-d984d985d986d8a7d981d8b3d8a9%2F

https://twitter.com/mh197351/status/1384537080034889731?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1384537080034889731%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.watanserb.com%2F2021%2F04%2F20%2Fd985d986-d987d98a-d981d8a7d8aad986-d8b9d984d98a-d986d987d8a7d8b1-d8a7d984d985d8b1d8b4d8add8a9-d984d985d986d8a7d981d8b3d8a9%2F

だが、この女性は本人ではなく、「薬局関係の仕事に就いていたが、自殺したロシア人女性」の写真だった。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2374336892650982&id=765798023504885

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フサイン・アルヌース内閣は週例の閣議を開催し、5月26日に投票が予定されている大統領選挙への対応などについて協議した。

SANA(4月20日付)によると、閣議では、国の未来を決定する国民の意思と権利を反映できるような選挙プロセスを推し進めるために必要なすべての要件を整え、自由で透明な選挙を実施するために最大限の努力を行う必要が確認された。

また、内閣としてすべての立候補者と等距離を保ち、選挙の円滑な実施を保障することが確認された。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021、Watan (Yafrid Kharij) al-Sirb, April 20, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で130人、北・東シリア自治局支配地域で232人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で24人(2021年4月20日)

保健省は政府支配地域で新たに154人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者130人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、4月20日現在の同地での感染者数は計21,433人、うち死亡したのは1,468人、回復したのは15,088人となった。

SANA(4月20日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに232人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、4月20日現在の同地での感染者数は計14,281人、うち死亡したのは469人、回復したのは1,456人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性122人、女性110人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市32人、カーミシュリー市51人、マーリキーヤ(ダイリーク)市23人、ダルバースィーヤ市10人、ロジュ・キャンプ11人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市3人、マンビジュ市3人、ラッカ県のラッカ市28人、タブカ市32人、ダイル・ザウル県38人。

ANHA(4月20日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月20日に新たに24人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、8人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡3人、ハーリム郡2人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡4人、アフリーン郡8人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計21,718人、うち回復したのは19,745人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1560560970815455/

AFP, April 20, 2021、ACU, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるハマー県、イドリブ県を150回以上砲撃(2021年4月20日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町、サルマーニーヤ村、ヒルバト・ナークース村、カーヒラ村、クライディーン村一帯、アンカーウィー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村、サルジャ村、ダイル・サンバル村、マウザラ村、バーラ村一帯、カンスフラ村、カフル・ウワイド村、バザーブール村を砲撃した。

なお、イドリブ県、ハマー県に対するシリア軍の砲撃は150回以上に達した。

一方、シャーム解放機構の治安部隊が、ダルクーシュ町で外国人(アラブ人)1人を拘束した。

拘束されたこの外国人は、シャーム解放機構がシャームの民のヌスラ戦線を名乗っていた頃のメンバーだったという。

このほか、トルコ軍憲兵隊が、領内に違法に入国しようとしたバザーブール村出身の青年を国境地帯で射殺した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるムサイフラ町で正体不明の武装集団が、シリア政府との和解に応じ、第5軍団に従軍していた元シャームの民のヌスラ戦線の司令官(アミール)を銃で撃ち殺害した。

また、ナワー市とシャイフ・マスキーン市を結ぶ街道では税関職員が何者かの襲撃を受けて死亡した。

さらに、ジャースィム市では、総合情報部職員の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、職員1人が死亡した。

このほか、インヒル市で爆弾が爆発し、子供1人が重傷を負い、その後死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるガディール・ブスターン村でシリア軍第112旅団の兵士2人が何者かに銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県28件、ラタキア県12件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は40件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を32件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民307人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は658,476人に(2021年4月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月20日付)を公開し、4月19日に難民307人(うち女性92人、子供157人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は658,476人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者263,228人(うち女性79,127人、子ども133,972人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は887,756人(うち女性266,403人、子供452,463人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,191人(うち女性31,537人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,787人(うち女性414,096人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 20, 2021をもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン市で続くシリア国民軍の戦闘員どうしの衝突にトルコ軍が介入、100人を逮捕し、トルコに連行(2021年4月19日)

ハサカ県では、ANHA(4月20日付)によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で4月17日から続いているシリア国民軍戦闘員どうしの衝突に、トルコ軍が介入し、シリア国民軍の戦闘員と家族、そして支持者100人以上を逮捕、トルコ領内に連行した。

複数の消息筋によると、2019年のトルコによる占領以降、ラアス・アイン市で治安警察活動に従事しているといういわゆる「軍規市民警察」が、トルコ軍の装甲車50輌と四輪駆動車20輌の支援を受けて、大規模な摘発を行ったという。

逮捕された戦闘員の多くは、東部自由人連合のメンバーとその家族。

一方、シリア人権監視団によると、逮捕されたのは数十人で、スルターン・ムラード師団、ハムザ師団、東部自由人連合のメンバー。

逮捕に先だって、市内に 外出禁止令が発出されていたという。

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SANA(4月17日付)によると、戦闘は4月17日に密輸監視用の検問所の管理をめぐってシリア国民軍に所属する北の鷹旅団とスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしの間で始まった。

SANA(4月18日付)によると、戦闘は4月18日にも続き、複数人が死傷した。

一方、シリア人権監視団によると、戦闘はスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしによって始められた。東部自由人連合、ハムザ師団が介入したことで激化したという。

ANHA(4月19日付)も当初、スルターン・ムラード師団の戦闘員の戦闘と伝えていた。

だが、ANHA(4月20日付)は、東部自由人連合がラアス・アイン市内で、ハサカの盾旅団に所属する女性メンバーに対して検問を行ったことが戦闘のきっかけだったと伝えた。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 19, 2021、April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 17, 2021、April 18, 2021、April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー総司令官がスウェーデンのフルトクヴィスト国防大臣とオンライン会談(2021年4月19日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官が、スウェーデンのペーテル・フルトクヴィスト国防大臣とオンライン会談を行い、シリア北部・東部の治安、経済、人道状況について意見を交わした。

会談には、北・東シリア自治局のバドラーン・ジャイヤー・クルド執行委員会共同副議長も同席した。

ANHA(4月19日付)によると、会談では、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」、難民・国内避難民(IDPs)キャンプ、復興、シリア民主軍や北・東シリア自治局への支援の方途について意見が交わされ、アブディー総司令官はスウェーデンのさらなる支援を要請した。

これに対して、フルトクヴィスト国防大臣はインフラ復旧、住民の生活改善がダーイシュの根絶に繋がるとの見方を示した。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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パリ在住の反体制指導者ミシェル・キールー氏が新型コロナウイルス感染症で死亡(2021年4月19日)

国外で活動する反体制組織の一つシリア民主主義者連合は声明を出し、代表を務めるミシェル・キールー氏(1940年、ラタキア市生まれ)が新型コロナウイルス感染症で死亡したと発表、弔意を示した。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月19日付)などによると、キールー氏は数週間前に感染が確認され、パリ市内の病院に入院していた。

https://www.facebook.com/s.d.u.gazintep/posts/2835789040072202

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2021年4月19日)

ラッカ県では、ANHA(4月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村とM4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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アブドゥッラー・サッルーム・アブドゥッラー氏、ムハンマド・フィラース・ヤースィーン・ラジューフ氏が大統領選挙への立候補を届け出る(2021年4月19日)

ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、議会の第2回特別会第2回会合で最高憲法裁判所に2名から大統領選挙への立候補届が提出されたと発表した。

立候補届を出したのはアブドゥッラー・サッルーム・アブドゥッラー氏、ムハンマド・フィラース・ヤースィーン・ラジューフ氏。

サッバーグ人民議会議長によると、両名とも立候補に必要な人民議会議員35人からの文書による支持を受けることになる。

SANA(4月19日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3271721336264020

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ハバル(4月19日付)などによると、アブドゥッラー氏の経歴は以下の通り:

1956年3月4日、アレッポ県カズル・マズラア村(アアザーズ市近郊)生まれ。

ダマスカス大学法学部卒。

前人民議会担当国務大臣(イマード・ハミース内閣(2016年7月~2020年6月)、第1次フサイン・アルヌース内閣(2020年6月~8月))。

元人民議会議員(第8期(2003~2007年)、第1期(2012~2016年))。

シリア学生国民連合執行局員(1985~2005年)。

社会主義統一主義者党員。ダマスカス郊外支部書記長、政治局員などを歴任。

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スナック・シリアン(4月19日付)などによると、ラジューフ氏の経歴は以下の通り:

1966年6月13日、ダマスカス県西マッザ・ヴィーラート地区生まれ。

自称「愛国的政治家、ジャーナリスト」、ビジネスマン。

2014年の大統領選挙でも立候補を届け出たが、最高憲法裁判所によって却下されていた。

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SANA(4月19日付)は、5月26日に投票が予定されている大統領選挙に向けて、各国在外公館が、総選挙法(2014年施行)の規定に基づき、在外居住者への有権者登録を呼びかけたと伝えた。

各国在外公館は、投票日時点で18才以上に達している在外居住者のうち、選挙への参加を希望する者に対して、4月25日までの登録を呼びかけている。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、al-Khabar, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、Snack Syrian, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターはヒムス県タドムル市近郊にある「テロリスト」の教練基地を爆撃し、200人あまりを殺害したと発表(2021年4月19日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのアレクサンドル・カルポフ(Alexander Karpov)副センター長(海軍少将)は報道声明を出し、ロシア軍戦闘機が、ヒムス県タドムル市近郊の「テロリスト」の教練基地を爆撃し、200人あまりを殺害したと発表した。

声明の内容は以下の通り。

複数のテロ・グループがタドムル市北東に基地を建設し、手製爆弾を製造、テロ・グループを組織し、国内各所にこれを送り届け、テロ作戦を実行しようとしていることを示す十分な情報があった。

テロリストの拠点の存在を示す座標データを確認のうえ、ロシア航空宇宙軍の戦闘機複数機が爆撃を実施し、テロリストの本拠地2カ所を破壊、テロリスト200人あまりを殲滅、重機関銃を装備した四輪駆動車24台を破壊、さらに手製の爆弾製造用の原材料や機材500キロあまりを破壊した。

テロ・グループは複数の大都市においてシリアの国家機関へのテロ作戦や攻撃を行うことを計画し、5月26日に実施される大統領選挙に先立ってその安定を揺るがそうとしていた。

テロリストの教練は、タンフ地区(ヒムス県)を含む国家の支配の外にある複数の基地で行われている。

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シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が過去72時間にヒムス県東部のアブー・ルジュマイン山、スフナ砂漠、タドムル市北東の砂漠地帯を中心に実施した爆撃回数は220回以上に達し、ダーイシュ・メンバー26人が死亡したという。

また、爆撃に遭わせて、ロシア軍地上部隊が、シリア軍第5軍団とともにダイル・ザウル県南部の砂漠地帯からスフナ砂漠に至る地域でダーイシュ・セルに対する掃討作戦を本格化させた。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で137人、北・東シリア自治局支配地域で166人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で47人(2021年4月19日)

保健省は政府支配地域で新たに137人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者117人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、4月19日現在の同地での感染者数は計21,279人、うち死亡したのは1,456人、回復したのは14,958人となった。

SANA(4月19日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに166人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者6人が完治し、8人が死亡したと発表した。

これにより、4月19日現在の同地での感染者数は計14,049人、うち死亡したのは462人、回復したのは1,444人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性94人、女性72人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市47人、カーミシュリー市59人、マーリキーヤ(ダイリーク)市27人、ダルバースィーヤ市7人、フール・キャンプ1人、ラッカ県のラッカ市25人。

ANHA(4月19日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月19日に新たに47人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、55人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡4人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡4人、アフリーン郡35人、アアザーズ郡2人。

これにより、同地での感染者数は計21,694人、うち回復したのは19,737人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1559622364242649/

AFP, April 19, 2021、ACU, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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所属不明のドローンがハマー県のアースィー川で漁をしていた住民を攻撃、2人負傷(2021年4月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるカフルナブル市近郊、ミラージャ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、マウザラ村、カフル・ウワイド村を砲撃した。

一方、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市では、カファルヤー町に至る街道に設置されている検問所(ラーム検問所)近くで地雷によると思われる爆発が発生した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村近くを流れるアースィー川(オロンテス川)で漁をしていた住民に向けて爆撃を行い、1人が死亡、1人が負傷した。

また、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町、カーヒラ村、サルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を砲撃した。

この砲撃により、ファッティーラ村で5人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がカッバーナ村一帯で交戦した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県15件、ラタキア県12件、アレッポ県1件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を21件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民312人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は658,169人に(2021年4月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月19日付)を公開し、4月18日に難民312人(うち女性94人、子供159人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民312人(うち女性94人、子供159人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は658,169人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者262,921人(うち女性78,941人、子ども133,656人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は887,449人(うち女性266,311人、子供452,306人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,191人(うち女性31,537人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,787人(うち女性414,096人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 19, 2021をもとに作成。

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米国の制裁と資源盗奪に対抗するためロシア・イラン・シリア作戦司令室設置、イラン産物資の輸送をロシア軍艦船が護衛(2021年4月18日)

スプートニク・ニュース(4月18日付)は、複数の消息筋の話として、地中海岸のシリアの港湾都市に石油、小麦などの物資を安全且つ安定的に輸送するための「ロシア・イラン・シリア作戦司令室」の設置に向けた協議が三カ国の関係者らによって集中的に行われたと伝えた。

「ロシア・イラン・シリア作戦司令室」の設置は欧米諸国の経済制裁の打破やシリアの天然資源盗奪に対抗するのが目的。

「ロシア・イラン・シリア作戦司令室」の任務は、ロシア軍艦艇がイランからスエズ運河を経由してシリアに石油などの物資を輸送するタンカーや輸送船を護衛することを骨子とし、実施期間は今年末までになる見込み。

すでに数日前に、天然ガスを積んだイランの輸送船4隻がロシア艦船の護衛を受けてシリアに到着したという。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、ハマー県、ラッカ県などの砂漠地帯でダーイシュを狙って70回以上の爆撃を実施(2021年4月18日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ハマー県イスリヤー村一帯、ラッカ県ラサーファ砂漠一帯、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って70回以上の爆撃を実施した。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はダーイシュのロシア人メンバーの孤児34人の身柄をロシア政府に引き渡す(2021年4月18日)

北・東シリア自治局は、ダーイシュ(イスラーム国)のロシア人メンバーの孤児34人の身柄をロシア政府に引き渡した。

身柄引き渡しは、ロシア子供の権利連邦大統領全権代表のアンナ・クズネツォワ氏を代表とする使節団の訪問に合わせて行われたもの。

使節団は、北・東シリア自治局の渉外関係局(外務省に相当)のアブドゥルカリーム・ウマル共同局長らと会談し、引き渡しにかかる正式な協定書に署名した。

ANHA(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2021年4月18日)

ラッカ県では、ANHA(4月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村、M4高速道路沿線を砲撃した。

一方、ANHA(4月19日付)、SANA(4月18日付)によると、トルコ軍の支援を受けるシリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしが、トルコ占領下のラアス・アイン市で密輸監視用の検問所の管理をめぐって交戦し、複数人が死傷した。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌24輌からなる車列が兵站物資などを積んでイラクからシリア領内に(2021年4月18日)

ハサカ県では、SANA(4月18日付)によると、米主導の有志連合の車輌24輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、シャッダーディー市に設置されている基地に向かった。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米主導の有志連合の航空支援を受けて、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるハワーイジュ村で強制捜査を行い、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる5人を拘束した。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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サッバーグ人民議会議長は大統領選挙の投票を5月26日実施すると発表、立候補者受付を開始(2021年4月18日)

人民議会が、第2回臨時会の第1回会合が招集され、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、2021年4月19日から28日までの10日間、大統領選挙の立候補者を受け付けると発表し、立候補希望者に、最高憲法裁判所に届出を行うよう呼びかけた。

サッバーグ議長はまた、国内外の有権者に対して、大統領選挙において自らの権利を行使するよう求めたうえで、在外投票を現地時間の2021年5月20日の午前7時から午後7時に各国の在外公館で実施するとともに、シリア国内での投票を5月26日の午前7時から午後7時に実施すると発表した。

なお、第2回臨時会では、投資法改正法案の審議などが予定されている。

SANA(4月18日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/3268995899869897

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なお、憲法(https://syriaarabspring.info/?page_id=7799)は大統領の選出に関して以下の通り規定している。

第85条

大統領職への立候補は以下に従う:

1. 人民議会議長は現大統領任期終了から60日以上90日以内に大統領選挙を公示する。

2. 大統領選挙公示日から10日以内に、最高憲法裁判所に立候補届が提出され、個別に登録される。

3. 立候補届は、人民議会議員の35名以上の文書による支持が得られない場合、受理されない。また人民議会議員は1名以上の立候補者を支持してはならない。

4. 立候補届の審査は、登録後5日以内最高憲法裁判所によって行われる。

5. 届出期間中に1名の立候補者以外の立候補届の条件が満たされない場合、人民議会議長は改めて同じ条件で立候補期間を公示しなければならない。

第86条

1. 大統領は人民によって直接選出される。

2. 選挙参加者の過半数を獲得した立候補者を大統領選挙の勝者とし、どの立候補者も過半数を獲得しない場合、投票を行った投票者の票をもっとも多く獲得した2名の立候補者による再選挙を2週間以内に実施する。

3. 選挙結果は人民議会議長によって発表される。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で138人、北・東シリア自治局支配地域で304人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で17人(2021年4月18日)

保健省は政府支配地域で新たに138人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、9人が死亡したと発表した。

これにより、4月18日現在の同地での感染者数は計21,142人、うち死亡したのは1,446人、回復したのは14,841人となった。

SANA(4月18日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに304人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、4月18日現在の同地での感染者数は計13,883人、うち死亡したのは456人、回復したのは1,436人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性185人、女性119人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市30人、カーミシュリー市80人、マーリキーヤ(ダイリーク)市35人、ダルバースィーヤ市7人、フール・キャンプ2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市26人、マンビジュ市10人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)7人、ラッカ県のラッカ市53人、タブカ市54人。

ANHA(4月18日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で4月18日に新たに17人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、12人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡8人、アフリーン郡3人、アアザーズ郡5人。

これにより、同地での感染者数は計21,647人、うち回復したのは19,682人、死亡したのは641人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1558883147649904/

AFP, April 18, 2021、ACU, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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ラタキア県とイドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2021年4月18日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるキンサッバー町一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村などを砲撃した。

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アレッポ県では、SANA(4月18日付)によると、シリア政府の支配下にあるアレッポ市ハナーヌー地区で、「テロ組織」によって敷設されたまま放置されていた爆発性戦争残存物(ERW)が爆発し、子供1人とその母親1人を含む5人が負傷した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるラスム・カラム村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県18件、ラタキア県2件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は27件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を21件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 18, 2021、ANHA, April 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 18, 2021、Reuters, April 18, 2021、SANA, April 18, 2021、SOHR, April 18, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民292人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は657,857人に(2021年4月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月18日付)を公開し、4月17日に難民292人(うち女性88人、子供149人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民292人(うち女性88人、子供149人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は657,857人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者262,609人(うち女性78,941人、子ども133,656人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,756,619人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は887,137人(うち女性266,217人、子供452,147人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,189人(うち女性31,536人、子供31,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,353,785人(うち女性414,095人、子供675,074人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 18, 2021をもとに作成。

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シリア民主軍はアフガニスタンとイラクが撤退する米軍がユーフラテス川東岸に再展開すると主張(2021年4月17日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は戦争広報局のフェイスブック・アカウント(https://www.facebook.com/qsdheza/)を通じて、「ユーフラテス川東岸で有志連合の貨物機用発着場多数の拡張が行われた」と発表した。

発表によると、この拡張は、ユーフラテス川東岸における米軍の再展開としては最大規模で、アフガニスタンとイラクに駐留する米軍も同地に再展開するという。

https://www.facebook.com/qsdheza/posts/3805139646187901%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.6435-9/175012801_3805139542854578_1557844692822639736_n.jpg?_nc_cat=106&ccb=1-3&_nc_sid=8bfeb9&_nc_ohc=XqA-slgqrz8AX_zLH8B&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=86c4c0d20de3a4bbc1985d2a98e6740f&oe=60A33B8E

ジョー・バイデン米大統領は4月14日、米同時多発テロから20年を迎える9月11日までにアフガニスタンの駐留米軍を完全撤退させると表明している。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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