トルコ、フランス、カタール、そしてアスタナ会議に参加する反体制武装集団が、イドリブ県でのシャーム解放機構などに対するシリア軍の攻勢を非難、停止を求める(2018年1月10日)

アスタナ会議に参加しているシリア軍事革命諸勢力代表団は声明を出し、シャーム解放機構などからなる武装集団の支配下にあるイドリブ県に対するロシア・シリア軍の攻勢に関して、「緊張緩和地帯における英雄的シリア国民に対して続けられる攻撃にもっとも強い表現で非難する」と表明した。

シリア軍事革命諸勢力代表団はまた、「こうした犯罪への国際社会の沈黙を非難、国連および本件にかかわる国際機関に対して、これらの犯罪に関する緊急の包括的調査を行い、それを抑止するためのあらゆる措置を講じる」よう呼びかけた。

al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018

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シャーム解放機構幹部の一人でサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏はテレグラムを通じて、反体制武装集団の司令官らに、イドリブ県南東部およびハマー県北東部の戦線の戦況を「目に見えるかたちの声明」で伝えるよう呼びかけた。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、イドリブ県でシャーム解放機構などからなる武装集団への攻勢を強めるシリア軍の動きに関して「事態は空爆にかかわるだけでない…。アサド政権には「別の意図」があり…、もしソチ(でのシリア国民対話大会)への参加を望まない一部の反体制派の立場を変更することが狙いなら、それは逆効果だ」と述べた。

そのうえで、アスタナ会議でソチでのシリア国民対話大会の開催に合意したロシアとイランに対して、攻撃を停止させるよう呼びかけた。

アナトリア通信(1月10日付)が伝えた。

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フランス外務省は声明を出し、イドリブ県でシャーム解放機構などからなる武装集団への攻勢を強めるシリア軍の動きに関して「すべての当事者は緊張緩和地帯にかかる合意を遵守しなければならない…。攻撃は国際法違反で…フランスは、民間人や病院が標的とするアサド政権軍およびその同盟者によるイドリブ県での集中的空爆を非難する」と発表した。

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カタールのムハンマド・ビン・アブドゥッラフマーン・アール・サーニー外務大臣も、イドリブ県でシャーム解放機構などからなる武装集団への攻勢を強めるシリア軍の動きに関して、「テロとの戦い」を口実に、イドリブ県での空爆で民間人や反体制派が標的とすることは、いつもの言い訳に過ぎず、シリアの危機の政治的解決を頓挫させるものだ」と非難した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)が伝えた。

AFP, January 10, 2018、Anadolu Ajansı, January 10, 2018、ANHA, January 10, 2018、AP, January 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018、al-Hayat, January 11, 2018、Reuters, January 10, 2018、SANA, January 10, 2018、UPI, January 10, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍機関紙「フマイミーム航空基地を攻撃した無人航空機は緊張緩和地帯に設定されているイドリブ県の反体制派支配地域から飛来した」(2018年1月10日)

ロシア軍の機関紙『クラスナヤ・ズヴェズダ』(1月10日付)は、12月31日にラタキア県フマイミーム航空基地を攻撃した無人航空機に関して、緊張緩和地帯に設定されているイドリブ県南西部の反体制武装集団支配下のマウザラ村を発進したことを確認したと明らかにした。

al-Hayat, January 11, 2018

AFP, January 10, 2018、ANHA, January 10, 2018、AP, January 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018、al-Hayat, January 11, 2018、Krasnaya Zvezda, January 10, 2018、Reuters, January 10, 2018、SANA, January 10, 2018、UPI, January 10, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のアレッポ県マンビジュ市で爆破テロが発生、民間人多数が死傷(2018年1月10日)

ANHA(1月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局が実効支配するアレッポ県マンビジュ市の内務治安部隊広報センターは、同市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、民間人1人が死亡、多数が負傷したと発表した。

内務治安部隊広報センターは声明で、事件を「民間人を標的としたテロ行為」と非難した。

実行犯は今のところ不明。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)は、爆発が車とオートバイに仕掛けられた爆弾によるもので、民間人7人が死亡、10人以上が負傷したと伝えた。

al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018

AFP, January 10, 2018、ANHA, January 10, 2018、AP, January 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018、al-Hayat, January 11, 2018、Reuters, January 10, 2018、SANA, January 10, 2018、UPI, January 10, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構の一大拠点であるイドリブ県アブー・ズフール航空基地に到達(2018年1月10日)

イドリブ県では、SANA(1月10日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県南東部でのシャーム解放機構などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続し、23カ村を新たに制圧した。

シリア軍が新たに解放したのは、ジュブ・アブヤド村、ラアス・アイン村、アズィーズィーヤ村、ブワイディル村、カウラト・ブワイディル村、アクラト・ブワイディル村、ラスム・ジャフシュ村、アウジャー村、ラスム・ブルジュ村、小バイヤーア村、大バイヤーア村、サルジュ村、ラスム・マイヤース村、ライーファ村、ウンム・タナーフ村、ラスム・フシューフ村、小ザーフィル村、大ザーフィル村、ラスム・ダブシャ村、タッル・サラムー村、ラスム・アービド村、ウンム・ハリーフ村、ウンム・ジャウラ村。

また、『ハヤート』(1月11日付)によると、シリア軍は、シャーム解放機構の一大拠点であるアブー・ズフール航空基地の敷地を囲むフェンスに到達、同基地に隣接するタッル・サラムー村を射程圏内に収めた。

シリア軍はまた、サラーキブ市、アブー・ズフール町方面に通じる橋一帯、マアッラト・ヌウマーン市を爆撃し、2人が死亡した。

syria.liveuamap.com, January 10, 2018

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ハマー県では、SANA(1月10日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県北東部でシャーム解放機構などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続、イドリブ県に面するウンム・マイヤール村を制圧した。

また、『ハヤート』(1月11日付)によると、県北東部でシリア軍がシャーム解放機構などからなる武装集団と交戦した。

これに対して、SANA(1月10日付)によると、シャーム解放機構などからなる武装集団は、ムハルダ市を砲撃し、4人が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(1月10日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにシャーム解放機構などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続、6カ村を制圧した。

シリア軍が解放したのは、ラシャーディーヤ村、東ザムラ村、西ザムラ村、ハワーラ村、ラスム・シャイフ村、タッル・スバイハ村。

また、『ハヤート』(1月11日付)によると、イドリブ県に隣接する県南部のフッス山一帯の村々からシャーム解放機構が撤退した。

撤退はシリア軍による包囲を回避するため。

一方、シャーム解放機構に近いイバー通信(1月10日付)は、シャーム解放機構などからなる武装集団が県南部のハッジ・ハンムード遺跡一帯、アブー・ルワイル丘一帯を奪還したと発表した。

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)によると、イスラーム軍の特攻自爆戦闘員(インギマースィー)が、東グータ地方ズライキーヤ村の前線でシリア軍の拠点を襲撃、兵士3人を殺害、9人を捕捉した。

これに対して、シリア軍はハラスター市一帯を砲撃・爆撃した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)によると、アレッポ市を中心に活動するアブー・アマーラ特殊任務中隊がスランファ町のシリア軍の武器庫を爆破し、兵士20人以上を殺害した。

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ヒムス県では、SANA(1月10日付)によると、反体制武装集団がヒムス市サビール地区、ジャッブーリーン村、カフルナーン村、アクラード・ダースィニーヤ村を砲撃した。

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ダルアー県では、SANA(1月10日付)によると、反体制武装集団がダルアー市北部の住宅街を砲撃した。

AFP, January 10, 2018、ANHA, January 10, 2018、AP, January 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018、al-Hayat, January 11, 2018、Reuters, January 10, 2018、SANA, January 10, 2018、UPI, January 10, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, January 10, 2018などをもとに作成。

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ハサカ市で兵役・予備役忌避者195人の免罪手続きが行われ、放免に(2018年1月10日)

ハサカ県では、SANA(1月10日付)によると、ハサカ市および同市近郊の農村地帯出身の兵役・予備役忌避者195人の免罪手続きが行われ、放免となった。

SANA, January 10, 2018

AFP, January 10, 2018、ANHA, January 10, 2018、AP, January 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2018、al-Hayat, January 11, 2018、Reuters, January 10, 2018、SANA, January 10, 2018、UPI, January 10, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年1月10日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月10日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県4件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも7件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、イドリブ県4件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,324市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 10, 2018をもとに作成。

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