トルコのエルドアン大統領はアレッポ県アフリーン市一帯のPYDを掃討するための新たな作戦「ユーフラテスの剣」を近く開始すると宣言(2018年1月14日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トカット県での与党公正発展党(AKP)の大会で演説し、「近日中に、我々は「ユーフラテスの盾」作戦で開始した南部国境地帯でのテロ掃討作戦を(アレッポ県)アフリーン市(一帯の西クルディスタン移行期民政局支配地域)で続行する」と述べ、シリア国内でのテロ掃討を目的とする新たな作戦「ユーフラテスの剣」作戦を近く開始すると宣言した。

エルドアン大統領はまた、「我々はシリアとトルコのテロリストどものつながりを熟知している。これまでと同じように、我々はいつでもテロリストを攻撃できるし、我が国がいかなる脅威に曝されようと、それを撃破するために行動する…」としたうえで、「我々は米国とともに、地域における平和の実現とテロ根絶のために行動できると信じている。アフリーンでの作戦において、我々は米国がテロリストの側につかないことを希望する」と述べた。

『ハヤート』(1月15日付)などが伝えた。

al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月14日付)によると、トルコ軍が前日に引き続き、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市であるアフリーン市一帯の人民防衛隊の拠点に対する砲撃を続けた。

**

トルコ日刊紙『イェニ・シャファク』1月14日付)によると、「ユーフラテスの剣」作戦には、「自由シリア軍」戦闘員約2万人が参加の準備を進めているという。

al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018、Yeni Safak, January 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア下院防衛委員会「米国がシリアで新たな部隊を創設するのは、ロシアの国益に反する」(2018年1月14日)

ロシア連邦議会下院(ドゥーマ)防衛委員会のヴラジミール・シャーマノフ委員長は、米主導の有志連合が「国境治安軍」を新たに創設すると発表しことに関して「米国がシリアで新たな部隊を創設するのは、ロシアの国益に反しており、ロシアは友好国と協力して、それに対して適切な対応を講じ、シリアの安定を確保する」と述べた。

RIAノーヴォスチ通信(1月14日付)が伝えた。

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、RIA Novosti, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュがダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに残存するシャーム解放機構の拠点を攻撃(2018年1月14日)

ダマスカス県では、『ハヤート』(1月15日付)によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプおよびダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市一帯で活動を続けるダーイシュ(イスラーム国)が、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内に残存するシャーム解放機構の拠点に対して突如攻撃を行い、建物複数棟を制圧した。

ダーイシュに近いアアマーク通信(1月14日付)によると、この攻撃でダーイシュはアブドゥルカーディル・フサイニー学校などを制圧、戦闘員5人を殺害、3人を捕捉したという。

syria.liveuamap.com, January 14, 2018

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は3万人からなる「国境治安部隊」を新設し、シリア領内の対トルコ、イラク国境地帯への配備をめざす(2018年1月14日)

ロイター通信(1月14日付)は、トルコ政府高官(匿名)の話として、米主導の有志連合が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の隊員を軸に、兵員3万人からなる「国境治安部隊」(Border Security Force)を新たに創設し、シリアの対トルコ・イラク国境地帯に配備しようとしている、と伝えた。

この匿名高官によると、駐トルコ米国臨時代理大使が先週、首都アンカラのトルコ外務省に呼び出されたのは、このことに抗議するためで、イブラヒム・カルン大統領府報道官は事態を「懸念すべきもので受け容れられない」と批判している。

ロイター通信が有志連合の広報課にE-mailで確認したところ、「国境治安部隊」の隊員の半数はシリア民主軍の隊員からなり、のこる半数は現在募集中だという。

また「国境治安部隊」の任務に関しては、国境警備、爆発物処理などにあたるだろうとしている。

また、「国境治安部隊」は、シリア民主軍が支配するシリア北部および東部のトルコ、イラクとの国境地帯、そしてユーフラテス川渓谷一帯に配備が予定されている。

al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラブ系部族長・名士の呼びかけでマンビジュ市でYPG主体のシリア民主軍諜報機関に抗議するゼネストが行われる一方、ロジャヴァ支持者も「マンビジュ市の統合」を求めるデモで対抗(2018年1月14日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月14日付)によると、マンビジュ市で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の諜報機関によるブー・バンナー部族の青年2人の拷問死に抗議するためゼネストが実施され、病院、薬局以外の機関・商店が休業した。

デモは、人民防衛隊に2人の遺体の引き渡し、同地で逮捕や殺害を繰り返す諜報機関の解体、マンビジュ市および同市一帯の地元の立法評議会および執行評議会の改編などを求める「部族のストライキ」と銘打った抗議運動を地元のアラブ系部族長・名士が呼びかけたことを受けたもの。

これに対して、複数の消息筋によると、シリア民主軍の部隊が市内に展開し、厳戒態勢を敷き、治安維持にあたったという。

al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018

**

一方、ANHA(1月14日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の治安当局によるブー・バンナー部族の青年2人の拷問死に抗議するデモに対抗するデモが組織され、多数の部族長らが参加、外国の干渉や内乱への拒否の姿勢を示した。

でも参加者は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会の旗などを掲げ、マンビジュ市の統合を訴えたという。

ANHA, January 14, 2018

**

一方、トルコ日刊紙『イェニ・シャファク』(1月14日付)は、マンビジュ市で西クルディスタン移行期民政局の支配に対する抗議行動が激化したのを受け、同地に進駐していた米軍部隊がティシュリーン・ダム方面への撤収を余儀なくされたと伝えた。

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018、Yeni Safak, January 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はアレッポ県南部で西進を続け、シャーム解放機構の一大拠点アブー・ズフール航空基地まで2キロの距離に到達(2018年1月14日)

アレッポ県では、SANA(1月14日付)によると、シリア軍が同盟部隊とともに県南部でシャーム解放機構などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続し、ブルジュ・サブナ村、スワイハ村、イスマーイーリーヤ村、ムラッバアト・サッルーム村、ジュッブ・グライス村、ジュッブ・ハフィー村、ラスム・アブダ・ビーシャ村、ビーシャ村、大ムラッバア村、ルバイア村、バーカート村、ザイディーヤ村、ストブラート村、ラスム・バッシャース村、ジュッブ・ティーナ村、ラスム・カルクール村、大マダーイン村、ムシャイリファト・アルジュル村、タリール・サイヤーフ村、ザーナ村、ラスム・ファッターフ村、サミーリーヤ村、マギーラート・シブリー村、バスィーラ村、ハージブ村、ラスム・シューカーン村、スワイヤーン村、カフル・フート村、タイバ村、ブルジュ・ガザーウィー村、ジャディーダ村、サルジュ・ファーリア村、ハッジ・マンスール村、ヒルバト・ムアイジル村、クナイトラート村、西サルジャ村、ラジュム・ウマイラート村、マルハミーヤ村、マシュラファト・ハラーラート村を制圧した。

これにより、シリア軍はハナースィル市とタッル・ダマーン村を結ぶ幹線道路の北東部に位置するすべての町村およびフッス山一帯(400平方キロメートル)の制圧を完了し、イドリブ県南東部にあるシャーム解放機構の一大拠点アブー・ズフール航空基地まで2キロの距離に進軍した。

syria.liveuamap.com, January 14, 2018

**

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月14日付)によると、シャーム解放機構がトルキスタン・イスラーム党主導による「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦の一環として、県南部のウンム・ハラーヒール村、ルワイビダ村、ジャドアーン村を制圧したと発表した。

『ハヤート』(1月15日付)によると、シャーム解放機構と自由シリア軍諸派はまた、タッル・マラク村、ハムダーニーヤ村などをシリア軍から奪還した。

このほか、『ハヤート』(1月15日付)によると、イドリブ市南部でシャーム軍団の司令官が爆弾の爆発に巻き込まれて死亡した。

**

ダマスカス県では、SANA(1月14日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発がアッバースィーイーン地区、カッサーア地区に着弾した。

一方、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方マディーラー市、ドゥーマー市を爆撃・砲撃した。

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年1月14日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月14日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県3件、ラタキア県4件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 14, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.