米軍統合参謀本部報道官「有志連合はイラクとシリアでダーイシュが再び活性化しないようにするためにすべき任務がある」(2018年1月11日)

米軍統合参謀本部のケネス・マッケンジー報道官は、記者会見で、シリアとイラクでダーイシュ(イスラーム国)を殲滅した後の有志連合の両国での任務に関して、「イラクとシリアでダーイシュが再び活性化しないようにするためにすべき任務がある」と述べた。

「両国以外の場所で、しかも地球規模でこのテロ組織の名を使用しようとする者がいる…。有志連合には、カリフ制根絶以外にも、今後も行うべき任務が多くある」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)が伝えた。

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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ラタキア県フマイミーム航空基地とタルトゥース県ロシア海軍支援拠点に対する6日の無人航空機に関してロシアは外国の関与を示唆しつつ、トルコの関与を否定(2018年1月11日)

ロシア軍参謀本部のアレクサンドル・ノヴィコフ無人航空機製造開発局長は、ラタキア県フマイミーム航空基地とタルトゥース県ロシア海軍支援拠点に対する6日の無人航空機13機の攻撃に関する調査結果を発表した。

ノヴィコフ局長によると、調査の結果、攻撃に使用された無人航空機を反体制派が自作することは不可能で、「その設計と使用に際しては、無人航空機の製造と運用が可能な複数の国の専門家が参加した」と結論づけた。

ノヴィコフ局長はまた「無人航空機の部品は自由に入手できる」と述べ、米国防総省の見方に同調したものの、「無人航空機の組み立てと使用は、特別な訓練と経験を要する」と強調した。

一方、攻撃に使用された爆発物に関しては、ペンスリットだったと特定、ウクライナなど複数の国が製造記述を有していると付言した。

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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談を行い、ラタキア県フマイミーム航空基地とタルトゥース県ロシア海軍支援拠点に対する6日の無人航空機13機の攻撃などについて意見を交わし、トルコがこの攻撃に関与していなかったことを確認したと伝えるとともに、攻撃が「トルコをはじめとする友好国との関係を揺るがそうとする試み」だったとの見方を示した。

これに対して、エルドアン大統領は、イドリブ県とダマスカス郊外県東グータ地方でのシリア軍の攻撃を停止させることが、ソチで予定されているシリア国民対話大会を成功させるために求められいている旨伝えた。

『ハヤート』(1月12日付)が伝えた。

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省はシリア軍によるイドリブ県攻撃を国際法違反と非難したフランス外務省の声明に反論(2018年1月11日)

シリアの外務在外居住者省高官筋は、イドリブ県に対するシリア軍の攻撃を「国際法違反であり…民間人や病院が標的とするアサド政権軍およびその同盟者によるイドリブ県での集中的空爆を非難する」としたフランス外務省の声明に対して、「シリア軍はヌスラ戦線(シャーム解放機構)をはじめとするテロ組織からこの地域を解放するために戦っている」と反論した。

また声明内容がシャーム解放機構のプロパガンダに依拠したものだとしたうえで、「フランス政府がフランス世論を惑わそうとし続けることは…フランスの政策の失敗を隠蔽しようとするもの」と非難した。

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュはイドリブ県アブー・ズフール航空基地一帯での戦闘に参入し、シリア軍兵士を殺害、捕捉(2018年1月11日)

イドリブ県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(1月11日付)が、ダーイシュがイドリブ県南部アブー・ズフール航空基地一帯での戦闘に参入し、同航空機地一帯でシリア軍兵士4人を捕捉したと伝え、そのビデオ映像を公開した。

捕捉されたシリア軍兵士の一人はビデオ映像のなかで「我々は、シャーム解放機構と戦うためにハマー県、イドリブ県郊外にやって来た。だが、彼らは突如逃走、その代わりにダーイシュがやって来た」と証言した。

なお、ダーイシュは10日にも、アブー・ズフール航空基地一帯でシリア軍兵士3人を殺害し、5人を捕捉したと発表している。

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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北部旅団はジャラーブルス市で爆弾を仕掛けようとしていたYPG主体のシリア民主軍工作員を逮捕(2018年1月11日)

アレッポ県北部で活動する北部旅団(自由シリア軍)はビデオ声明(https://youtu.be/46G93t3eo4Q)を出し、ジャラーブルス市で爆弾を敷設しようとしていた西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の工作員を逮捕したと発表、拘束した工作員の後ろ姿や爆発物を公開した。

al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構の一大拠点アブー・ズフール航空基地の攻略に失敗、同基地から4キロの地点に後退(2018年1月11日)

イドリブ県では、『ハヤート』(1月12日付)やドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構の一大拠点であるアブー・ズフール航空基地南部から同基地に突入したが、シャーム解放機構などからなる武装集団が応戦し、これを撃退した。

アナトリア通信(1月1日付)によると、これによりシリア軍はアブー・ズフール航空基地から4キロの地点にまで後退を余儀なくされた。

また、シリア人権監視団によると、この戦闘でシリア軍は35人が死亡、11人が捕捉された。

反体制武装集団側も16人の戦闘員を失ったという。

さらに、ドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)によると、トルキスタン・イスラーム党による「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦の開始や「穏健な反体制派」による「暴君への抗戦」作戦司令室設置に伴う反転攻勢により、反体制武装集団はムシャイリファ村、ジャドアーニーヤ村、ハムダーニーヤ村、ウンム・ハラーヒール村、タッル・マラク村、サッルーム村、アブー・ウマル村、フワイン村、ザルズール村、タッル・サラムー村を奪還した。シリア軍はアブー・ズフール航空基地からの後退をよぎなくされた。

一方、SANA(1月11日付)によると、シリア軍は県南部のタッル・マラク一帯、フワイン村、ザルズール村一帯、ウンム・ハラーヒール村一帯でシャーム解放機構やトルキスタン・イスラーム党などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続した。

このほか、『ハヤート』(1月12日付)によると、こうしたなかマアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、ウンム・ジャラール村、ジャルジャナーズ町が爆撃を受け、住民多数が負傷した。

また、反体制武装集団がシリア軍支配下のアブー・ダーリー村を砲撃した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)によると、トルキスタン・イスラーム党による「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦の開始や「穏健な反体制派」による「暴君への抗戦」作戦司令室設置に伴う反転攻勢により、反体制武装集団は、シャンム・ハワー村、アトシャーン村、ハスヤーン農場、ナッダーフ農場、ナッダーフ検問所、ハリール検問所を奪還したという。

一方、SANA(1月11日付)によると、シリア軍は県北部のラターミナ町一帯、アトシャーン村一帯でシャーム解放機構やトルキスタン・イスラーム党などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続した。

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アレッポ県では、SANA(1月11日付)によると、シリア軍が県南部でシャーム解放機構などからなる武装集団に対する掃討作戦を継続し、ウンム・ハーン村とウンム・アマド村を制圧した。

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ヒムス県では、SANA(1月11日付)によると、反体制武装集団がジャッブーリーン村を砲撃し、女性1人が死亡した。

AFP, January 11, 2018、Anadolu Ajansı, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動、アフラール軍はハマー県北部とイドリブ県南部で反転攻勢を開始したと発表(2018年1月11日)

アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は、ハサン・スーファーニー総司令官がツイッターのアカウントを通じて「犯罪者体制に対する革命諸派の戦いが始まった」と発表した。

ウマル・ハッターブ報道官も「シャーム自由人イスラーム運動はハマー県のアトシャーン村にあるアサド軍の拠点に対して二方向から反撃を行った」と発表した。

al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017

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アフラール軍も、イドリブ県南部のフワイン村の奪還に向けた解放作戦を開始したと発表した。

『ハヤート』(1月12日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動、アフラール軍による反転攻勢は、ヌールッディーン・ザンキー運動とともに開始されたという。

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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トルコの支援を受けるシャーム軍団など5組織はイドリブ県南部とハマー県北部の奪還に向け「暴君への抗戦」作戦司令室を設置、トルコ軍の装甲車を初めて戦線に投入(2018年1月11日)

「穏健な反体制派」、ないしは自由シリア軍と目される反体制武装集団5組織は共同声明を出し、シャーム解放機構などからなる武装集団に対するシリア軍の攻勢で喪失したイドリブ県南部およびハマー県の支配地域の奪還に向け、新たに「暴君への抗戦」作戦司令室を設置したと発表した。

「暴君への抗戦」作戦司令室を設置したのは、トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていたナスル軍、自由イドリブ軍、精鋭軍、第2軍の5組織。

al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017

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トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団は、トルキスタン・イスラーム党による「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦の開始と「穏健な反体制派」による「暴君への抗戦」作戦司令室設置と並行して、トルコ軍の装甲車をイドリブ県南部での戦闘に投入したと発表、そのビデオ映像をユーチューブ(https://youtu.be/erVLQ69jkt4)を通じて公開した。

al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017
al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017
al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017
al-Durar al-Shamiya, January 11, 2017

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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トルキスタン・イスラーム党はイドリブ県南部奪還に向け「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦を開始(2018年1月11日)

中国の新疆ウィグル自治区出身の過激派などからなるトルキスタン・イスラーム党は、シリア軍がシャーム解放機構などからなる武装集団に対する攻勢を続けるイドリブ県南部の奪還を目的とする新たな戦い「アッラーには彼らを助ける力がある」を開始したと発表した。

これに先立ち、トルキスタン・イスラーム党が同地に戦車、重火器からなる増援部隊を派遣していた。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)が伝えた。

『ハヤート』(1月12日付)によると、「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦には、シャーム自由人イスラーム運動も参加しているという。

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ傘下のラッカ市文民評議会幹部が何者かによって暗殺(2018年1月11日)

ラッカ県では、ANHA(1月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の共同議長局前メンバーでラッカ市文民評議会建設委員会議長を務めるイブラーヒーム・ハサン氏が、タッル・アブヤド市近郊のハマーム・トゥルクマーン村で何者かに襲われ死亡した。

ANHA, January 11, 2017

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領はロシアのラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使と会談(2018年1月11日)

アサド大統領は、ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使を団長とするロシア使節団とシリアの首都ダマスカスで会談し、1月29~30日にソチでの開催が予定されているシリア国民対話大会、シリア国内での「テロとの戦い」、二国間協力関係などについて意見を交わした。

SANA(1月11日付)が伝えた。

SANA, January 11, 2017

AFP, January 11, 2018、ANHA, January 11, 2018、AP, January 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2018、al-Hayat, January 12, 2018、Reuters, January 11, 2018、SANA, January 11, 2018、UPI, January 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年1月11日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月11日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(アレッポ県2件、ラタキア県4件、ヒムス県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、アレッポ県3件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,325市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 11, 2018をもとに作成。

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